
電算システムの「 Google Cloud スターターパック」でGoogle Cloud™ の基礎とベストプラクティスを短期間で習得!プロジェクトごとの権限管理、請求管理ができ、統制のある運用が可能に
freee株式会社様
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株式会社バンカーズ
株式会社バンカーズ・ホールディングは、株式会社バンカーズ、株式会社バンカーズ・クラウドクレジット・ファンディング、株式会社バンカーズ・オートリース、株式会社バンカーズ・アセットマネジメントなどの複数の子会社を傘下に持つ持株会社です。バンカーズグループでは、投資家から集めた資金を企業へ融資し、そのリターンを分配金として還元する「貸付型(融資型)クラウドファンディングサービス(ソーシャルレンディング)」を軸に、金融サービスを展開しています。
同社では 2024 年 2 月、Google Cloud を基盤とした顧客統合基盤を構築し、ゼロトラスト(”何も信頼しない”ことを前提にしたセキュリティの考え方)による厳格な権限管理のもと、全社横断のデータ分析とデータ活用を実現し、データドリブン(集めた客観的なデータに基づいて意思決定や行動を行う)な組織に変革しました。
(取材はオンラインで Google Meet を利用)
課題
対策
効果
バンカーズは 2020 年 12 月にソーシャルレンディング事業を開始しました。その後、2022 年に SBI ソーシャルレンディングの事業を継承し顧客データを統合。さらに 2023 年 1 月には、2014 年からソーシャルレンディングサービスを展開していたクラウドクレジットを吸収分割しました。
「この結果、バンカーズ・SBI ソーシャルレンディング・クラウドクレジットの 3 社分の会員情報が混在することになりました。バンカーズはASPパッケージ、クラウドクレジットは内製システムを使うなど管理方法が異なっており、所属によって会員の個人情報へのアクセス制限を設ける必要がありました。
一方で、マーケティング、データ分析では、統合データを活用したいというニーズがありました。当時は、システムをまたがってリストを作成する場合、一度表計算ソフトに出力してさらに抽出・加工する必要があるなど、簡単なデータ活用にも時間がかかっていました」(安形氏)
「監督庁からデータ提示を求められることがあります。システムが分かれていた時は、データの収集や集計に時間を要することが課題でした」(越智氏)
こうした背景のもと、電算システムは 2022 年のバンカーズとSBIソーシャルレンディングのデータ統合から支援を開始し、クラウドクレジット統合においてもサポート。独立系SIerである電算システムは、系列に依存せず柔軟な提案ができる独立系 SIer として評価され、パートナーに選定されました。
顧客統合基盤の構築にあたって、既に Google Workspace を導入していたことと、導入実績の豊富な電算システムからの支援が Google Cloud 導入の決め手でした。
「機能やセキュリティの観点では、他社サービスと遜色なく要件を満たしていました。Google Cloud を選定した決め手は、すでに Google Workspace を導入していたため、Google アカウントを用いたユーザー管理や権限連携がしやすかったことです。さらに、電算システムが Google Cloud の導入実績を豊富に持ち、支援体制が整っていたこと、加えて Google との連携が強いことも、安心材料になりました」(宮田氏)
扱う顧客データには様々なセンシティブな情報が含まれます。そのため、ユーザーの所属や役割に応じた厳格なアクセス制御や、アクセスログ管理が必須でした。こうした要件に対応するため、Chrome Enterprise Premium (旧 BeyondCorp Enterprise) を導入しました。
「社員だけではなく外部パートナーにアカウントを貸与するケースもあるので、アカウント単位での厳密なアクセス制限が必要でした。社内でも階層ごとにアクセス権限を分けて管理しています。また、2段階認証を設定したユーザーのみがアクセスできるといった柔軟な制御が可能な点も大きなメリットでした」(宮田氏)
導入プロジェクトは当初、ホールディングス主体でしたが、順次バンカーズ、クラウドクレジットのエンジニアが参加して推進しました。電算システムからも数名のエンジニアが参加し、データ抽出・連携・名寄せ・実装などの支援を行いました。
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2024 年 4 月からクラウドクレジットのデータが加わり、全サービスを横断したデータ収集・分析が可能になりました。基盤がすでに整っていたため、統合作業は最小限で済みました。その結果、スムーズに統合を実現できました。今後、新たなサービスを買収する場合も容易に統合でき、将来的なコスト削減にもつながるとしています。
顧客統合基盤の構築によって、業務も大きく変化しました。
「それぞれのシステムにログインする必要がなくなり、データ抽出が容易になり、分析の自由度も大きく向上しました。クラウドクレジットでは Metabase を使った分析環境がありましたが、今回 Google Cloud へスムーズに移行できました」(宮田氏)
「顧客データ全体を俯瞰できるようになり、投資家の動きや投資額の傾向、属性ごとの分析が可能になりました。以前は専用BIツールやシステム部門のサポートが必須でしたが、今では自分で SQL を学び、自由に抽出・分析できるようになりました。今後は投資を促す施策や、休眠ユーザーへのキャンペーン設計にも活用したいです」(阿部氏)
「私はメルマガ配信を担当していますが、対象ユーザーをワンクリックで抽出できるようになり、業務時間を大幅に削減できました。今後はユーザー属性に合わせた配信など、より効果的な施策に活かしていきたいです」(齊藤氏)
「日々モニタリングすべき指標は、以前は各システムから集計したデータを表計算ソフトで加工する必要がありましたが、ボタン一つで確認できるようになり、今では欠かせない存在です。会議資料の作成も、他の人に依頼せず自分で必要なデータを用意できるので、生産性が向上しました」(安形氏)
副次的な効果として、従業員のスキルアップも見られました。
「いつの間にか、業務の担当者が自分で SQL を書いてデータを抽出できるようになっていました。顧客統合基盤の整備によってデータに触れる機会が増え、自然と意識が変わり、データドリブンな組織に近づいていると感じます」(安形氏)
今後はAIを活用したサービス改善に取り組む予定です。「金融業界にはAIで改善できる領域が数多くあります。例えば商品ページの最適化や、お客様ごとの商品提案、従来FAQで対応していた質問へのチャット形式の自動応答などです。さらに、データ分析においても、将来的にはクエリを記述せず、AIと対話しながら必要な分析を行えるようになると期待しています」(宮田氏)
金融機関の Google Cloud の活用可能性について、次のように話しました。
「Google Cloud、Google Workspace、Chrome Enterprise Premium を組み合わせることで、ゼロトラストセキュリティを実現できます。リモートワークの普及などで、従来型の対策ではどうしても穴が生じてしまいますが、Google 製品群を活用すればID単位でセキュリティを担保できます。コストパフォーマンスにも優れ、柔軟な運用設計が可能である点は、金融機関にとって大きなメリットだと考えています」(安形氏)
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