
電算システムの「 Google Cloud スターターパック」でGoogle Cloud™ の基礎とベストプラクティスを短期間で習得!プロジェクトごとの権限管理、請求管理ができ、統制のある運用が可能に
freee株式会社様
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金融庁
金融庁では、金融を取り巻く環境が激変する中、金融システムの安定、利用者保護・利便性、市場の公平性・透明性のそれぞれを攻めと守りの両面から両立させることで、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成などによる国民の厚生の増大を目指すことを目標として、金融行政に取り組んでいます。
金融庁では、2021 年より Google Cloud を活用して、外部有識者との審議会などの会議日程調整に活用するアプリケーションを開発・運用しています。当プロジェクトは、有志による政策オープンラボにて、企画・開発・運用が行われ、庁内職員および外部有識者がこの「日程調整アプリ」を利用しています。
課題
対策
効果
金融庁では、金融審議会をはじめ様々な会議を運営しています。会議には、審議内容にあわせて大学教授や実務家などの有識者が委員として参加し、担当者は事務局として日程調整を行います。これまでは日程調整にあたって、会議出席者に候補日程を記したExcelファイルをメールで送信し、参加可否を入力してから返信してもらい、返信されたExcelファイルを統合して開催日を決定していたそうです。
「Excelファイルの送受信、返信されたExcelファイルの統合、開催日の決定までの作業に時間がかかっていました。庁内では 10 程度の会議体があり、一会議体あたり月に 1−2 回の頻度で開催されていたので、月に 10−20 回程度日程調整が必要です。
会議出席者は、会議体ごとに 10−15 人程度おり、期日通りにメールの返信がなく、電話などで返信を促すこともありました。また統合作業のミスがあると、間違った日程で確定してしまうリスクもありました」(佐藤氏)
複数の会議に参加している有識者の場合、それぞれの日程調整のExcelが送付され、個別に返信しないといけないという手間もあったそうです。
企画市場局 市場課 係員 佐藤 主隆 氏
総合政策局リスク分析総括課
IT・サイバーモニタリングチーム
サイバーセキュリティ対策企画調整室
釜山 公徳 氏
※クラウドサービスの導入や運用の
考え方等において開発をサポート
金融庁には、職員による自主的な政策提案の枠組みとして、「政策オープンラボ」というものがあります。希望する職員は、業務時間の一部を使って、金融行政に関する調査・研究・開発を行うことができます。長谷川氏が発起人となってこの制度を使い、日程調整に関わる作業の効率化を目的としたプロジェクトを立ち上げ、賛同した若手職員有志が参加したとのことです。
「非効率な日程調整に問題意識があり、2019 年末から解決方法を検討し始めました。
この課題は、庁内全体だけでなく他の省庁にも共通するもので優先度が高いものでした」(長谷川氏)
外部サービスの利用も検討しましたが、会議出席者のスケジュールという機微な情報が含まれるため、情報漏えいのリスクを考慮し、自分たちで開発することにしたそうです。
「アプリは主にPHPのフレームワークを活用して開発しました。PHPを用いた開発経験がなかったため、着想から 1年間ほど学習した上で試行版の開発に着手しました。会議出席者がサービスページからログインすると、審議会の候補日程が表示され、参加不可日をチェックするという仕様です。会議出席者ごとにIDを割り当てて、一つの審議会に回答すれば、他に参加している審議会の日程調整にも反映されるようにしました。あくまでクラウド上のデータベースには個人情報を一切格納せず、割り当てたIDのみで管理を行っているので有事の場合に当該システム経由で、個人が特定されることはありません」(長谷川氏)
アプリ開発が完了した 2021 年 4 月からプラットフォームの選定を行ったとのこと。政府が調達を行う場合、内閣サイバーセキュリティセンターが安全性、性能などを評価したISMAPの登録を受けたサービスから選定する必要があります。
「登録サービスのうち、価格やリセラーのアフターサポートを考慮して候補を絞り、調達手続を経て、Google Cloud を使用することとしました。クラウドを利用するのが初めての者にとっても親しみやすい操作性、またプライベートで Google アカウント や Gmail を利用しており、直感的なインタフェースに慣れていたということも好印象でした。Google App Engine で Webアプリケーションを作成し、データベースは Cloud SQL を使っています。
Webアプリケーションへの脆弱性攻撃などの備えとして Google Cloud Armor も導入しています。クラウド導入やセキュリティの確保においては、釜山氏をはじめとした庁内の有識者に多々ご助言をいただいて対応を進めてまいりました。
導入にあたっては、リセラーの電算システムから要件にあわせたシステム構成の提案、Cloud Identity を使ったアカウントのアクセス制御、ドメイン所有権の証明などをサポートしてもらい、円滑にリリースすることができました。他にも、アクセスログの収集方法について、本プロジェクトに合わせた設定方法のドキュメントを作成してもらうなどの支援がありましたし、不明点の質問にもすぐに回答があり助かりました」(佐藤氏)
システム開発後は、マニュアル、インシデント発生時の対応フローの整備を神谷氏が担当しました。
「マニュアルでは、開発者の意図がわかりやすく伝わるように、ユーザーと開発者の両者の目線に立って作成しました。
インシデント対応フローでは問題が発生した時に備えて、幹部にすぐに報告できるように報告体制を整備しています」(神谷氏)
本格的に運用を始めてから 1 年になりますが、大きなトラブルなく運用できているそうです。現在、約 200 名の会議出席者がアプリを利用しているとのことです。
「アプリからCSVファイルを出力できるので、統合作業が不要になり、これまで 2−3 時間かかっていた 1 回あたりの連絡調整に関わる業務時間を 1−2 時間ほど短縮できるようになりました。その分残業時間削減できていますし、他の業務に時間を使えるようになりました。スマートフォンからアクセスして入力できるようになったため、会議出席者からのレスポンスが早くなり、使い勝手がよいと好評です」(神谷氏)
このプロジェクトは、政府全体で業務効率化に取り組んだチームを表彰する「ワークライフバランス職場表彰」において「業務見直し特別賞」を受賞したそうです。
「利用が浸透してきた頃に応募しました。庁内では 2 つ受賞したうちの 1 つとなります。受賞は初めての経験だったので嬉しかったですし、モチベーションアップにもなっています。今後は、アプリの保守や改善などの業務が必要になります。庁内の IT に詳しいメンバーを巻き込んで、アップデートしていきたいです」(佐藤氏)
「日程調整のような業務に時間を取られると、若手の職員が仕事内容に失望して退職してしまうなどモチベーション低下につながることがあるので、解決の糸口の一つになったと思います。システム構築を外注した場合、多少の費用負担が必要になっていたかもしれませんが、自分たちの力で解決できたことは、コスト削減だけでなく実装スキル向上の機会にもなりました」(長谷川氏)
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