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筑波大学附属高等学校様
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北海道岩見沢東高等学校
北海道岩見沢東高等学校は岩見沢市内のトップクラスの進学校で、多くの生徒が国公立大学への進学を目指しています。2025 年度には北海道岩見沢西高等学校との統合が予定されており、新設校として新たにスタートします。
同校では、2024 年 6 月に 3 年生を対象に、電算システムが提供する高校生向け特別 授業として、テキストマイニングを体験する「データエンジニアリング特別授業」を実施しました。授業では、Web ブラウザ上で Python のプログラミングと実行ができる Google Colaboratory を活用しました。
※ Google Colaboratory(以下、Colaboratory)
Google が提供する、ブラウザから直接 Python を記述、実行できるサービスです。
(取材はオンラインで Google Meet を利用)
課題
対策
効果
北海道岩見沢東高等学校の情報の授業を担当する桑原先生は、高校数学と情報の教員免許を持っています。以前は両方の科目を担当していましたが、2024 年度より情報が共通テストの科目になったため、情報の授業に集中しています。
情報Ⅰは、カリキュラム変更に伴い、教科書の内容が高度化しています。桑原先生 は、生徒たちが学ぶ内容を実感を持って理解できるようにする方法に課題を持っていました。
「プログラムがどのように動いているかが見えないため、苦手意識を持つ生徒がいます。教科書にデータサイエンスやテキストマイニングといった用語が登場するようになったので、それが実際の社会でどのように使われているかを教えたいと考え ました」(桑原先生)
この考えに至った背景には、来年度新設校になることを控え、探究活動に力を入れていくという学校の方針がありました。
「探究活動では、データを正しく解釈し、分析結果を説明できるスキルが必要です。新設校では、文理探究科という最先端の学科を設置予定で、その準備段階として本年度中に実践的なデータエンジニアリングやデータサイエンスに取り組む授業を実施することになりました」(桑原先生)
特別授業を行うにあたり、桑原先生がこだわった点は、Colaboratory を使ってプログラミングを体験することでした。
「私がテキストマイニングの研修を受けた際は、パソコンに Python の環境を構築しましたが、授業ではもっと簡単に利用できる方法が必要です。そこで、ブラウザ上で Python を実行できる Colaboratory を使うことにしました。生徒がプログラムをゼロから書くのは難しいですが、既存のプログラムの一部を変えたり、処理を実行したりすることで、テキストマイニングを実際に体験できます」(桑原先生)
電算システムが提供する特別授業は、学校や教員の方針に合わせてカスタマイズされます。他の専門学校や企業から特別授業の提案もありましたが、Colaboratory に対応でき、要件を満たす授業を提供できるのは電算システムだけでした。さらに、電算システムの講師であるエンジニアの説明がわかりやすいことも採用の決め手になったそうです。
授業は 3 年生約 160 名を対象とし、クラスごとにパソコン室の端末を利用して実施しました。なお、授業は有料で、生徒から受講料を徴収する形で実施しました。保護者は、学校の先進的な取り組みに理解があり、費用の徴収には問題はなかったとのことです。
授業は下記の構成の 50 分の内容を 5 クラス分に分けて実施しました。
授業では、エンジニアが用意した Python のプログラムを生徒に配布し、プログラムを実行してWebサイトにあるテキストをスクレイピングし、ワードクラウドを作成してデータの可視化を体験しました。ワードクラウドを用いて、そのWebサイトが重視している内容を推察する方法についても解説しました。その後、プログラム内のURL部分を変更して再度ワードクラウドを作成し、さらに画像を読み込んでワードクラウドの形を変更しました。
パソコン室の端末に Google アカウントでログインする際、パスワードを忘れて戸惑う生徒もいましたが、電算システムの講師に加え、 2 名のサポートスタッフがいたため、授業は円滑に進みました。
特別授業を受講した生徒の川上 将和さん、吉原 朱莉さんにお話を聞きました。
「授業を受ける前は、日常生活の中にデータがあることは感じていましたが、自分には見えない裏側で構築されているイメージでした。授業でテキストマイニングを体験し、ブラックボックスだったデータの収集や加工の処理を理解できました。これまではデータを数字の羅列として無機質にとらえていましたが、データの表層だけを見るのではなく、そのデータからどんな意味を読み取るのかがデータ分析の目的だと感じました。
普段の授業では表計算ソフトなどを扱いますが、こうしたスキルは職業に関係なく将来的に必要だと思います。さらに、データを整理して傾向を見つけるスキルは、今後の生活に役立つので、ぜひ身につけたいと感じました」(川上さん)
「地理の授業で GIS(地理情報システム)を使って地域の数値情報を整理したり、数学の授業で平均や相関、データの範囲や散らばり度合いなどを学ぶ中で、データは数値であり、データ分析は数値に着目するものだと考えていました。しかし、特別授業を受けて、Webサイトで使われている言葉から傾向を探ることができるとわかり、データは数値だけにとどまらないのだと理解しました。自治体のWebサイトで使われている単語から、何に力を入れているのかがわかるというのは新鮮でした。 プログラミングは難しいですが、元のコードを少し変えるだけで結果が変わるというのがおもしろかったです。
将来は医療従事者になりたいです。将来、患者の生体データから健康状態を分析できるように、表計算ソフトなどを扱えるようになりたいです」(吉原さん)
授業終了後に実施したアンケート調査では、 94.5 %の生徒が「とても満足」または「まぁまぁ満足」と回答しました。
「想定以上に好評でした。楽しいだけでなく、データを見て考え、先を見越す姿勢が学べたのが良かったです。データエンジニアとデータサイエンティストの違いについても明確な説明があり、参考になりました。授業では、データエンジニアの仕事とデータサイエンティストの仕事を区別して説明できるようになりました」(桑原先生)
桑原先生は、こうした特別授業は引き続き検討したいと考え、今後の授業の展開について次のように話しています。
「最近はノーコード開発が話題になっているため、それを授業でも実践できるか検討しています。また Google の生成AIである GeminiTM にも関心があります。ChatGPT は学校で使いにくい側面があるため、Gemini が高校の授業に適しているのであれば、ぜひ取り入れてみたいです」(桑原先生)
さらに、今後注力したいのは、教科書に登場する概念や仕組みを生徒が実感できるように伝えていくことだと桑原先生は話します。
「例えばモデル化とシミュレーションの単元において、授業でプログラムを書くのは時間の関係上難しいですが、シミュレー ションがどう行われるのかを具体的なイメージで体験してほしいです。
動画世代の高校生には、教科書の文字だけでは伝わりづらいので、手を動かして体験することを重視しています。授業を通して技術や概念を実感させ、生徒を社会に送り出すのが私たちの役割です」(桑原先生)
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