さらなる DX 推進に向けた、アクティオの Google 活用法とはアクティオの Google Workspace 導入事例
株式会社アクティオホールディングス様
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中津市役所
大分県の最北西部にある中津市。福沢諭吉の出身地であることから教育に力を入れており、 2024 年に「学びの里なかつ推進宣言条例」を制定し、「学びの里なかつ」の取組みを推進しています。年齢やライフスタイルに関わらず、誰もが自己実現できる学びの機会の提供、地域人材の育成による社会課題の解決を目指し、「ひと」と「まち」が共に発展する持続可能なまちづくりを進めています。
また中津市では、中津市の発展を目指して 2021 年から中津流DXをスタートしました。中津流DXでは、福沢諭吉の「独立自尊」という言葉を尊重し、職員が主体的に取り組み、内製化できるように、職員の人材育成、組織文化の改革をしています。
課題
対策
効果
多くの自治体が三層分離のαモデルの制約を課題とし、β/β'(*2)モデルへの移行を進めています。中津市も例外ではありませんでした。
「インターネットに接続できる端末は各係に 1 台に限られていたため、調べ物をするのに、個人のスマートフォンを使うことがありました。また、パソコンを使う作業は自席でしかできないため、現場訪問が必要な部署でも、現場でメモを作成して庁舎に戻ってから訪問記録を作成していました。これが残業増加や機会損失を招いていました。」(中尾氏)
同市では「β'モデル」への移行も検討しましたが、高いセキュリティ要件とコストが障壁になっていました。
「全職員分のWindows端末とEDR(Endpoint Detection and Response)ソリューション導入・運用コストは高額で、半ばあきらめていました」(和田氏)
さらに、独自調達されたメールや掲示板、スケジューラー、チャット等のツールは連携していませんでした。また、自席でないと確認できないため、予定管理に手帳や個人のスマホを併用する人や、そもそも利用しない人も多くいました。市役所特有の部門の壁もあり、部門横断で情報を共有し、コミュニケーションするための共通の仕組みが整っていないことも課題でした。
(*2)端末をインターネット接続系に置き画面転送で業務を行うβモデルに対し、業務システム自体もインターネット接続系へ移行することで、より高い利便性とそれに見合う高度なセキュリティ対策を両立させるネットワーク構成
DX推進にあたり、職員のワークスタイルのあるべき姿を描き、その実現方法を考えました。
「庁内でしか事務処理ができないことは、職員の外出を阻む心理的障壁でした。外出先でも仕事ができるようになればワークスタイルが変わります。また、共通する課題に対して複数の関連部門が横断的にコラボレーションできれば、より効果的な解決策を実現できます。そのためには、部門を超えてコミュニケーションできる共通の基盤が必要でした」(中尾氏)
検討の一環として、 2021 年に Google Workspace をDX・情報部門の一部の 7 名で導入し、アプリ開発なども含めて検証を行いました。
「小さな挑戦の積み重ねがDXには必要です。 Google Workspaceであれば、あるべき姿を実現できると実感したものの、αモデルのままでは効果が限定的でした」(中尾氏)
転機となったのは 2023 年に Google のイベントに参加し、Chromebook のゼロトラスト思想に触れたことでした。
「ウイルス対策ソフトや EDR が不要で、端末のコストも安い。Google Workspace のライセンス料も他社の約 3 分の 2 と非常に魅力的でした」(和田氏)
「稟議を通すにあたっては、現状のシステム構成を維持した場合と、 Google Workspace と Chromebook を導入した場合のデジタル関連経費を 10 年間で推計し、7,800 万円のコスト削減ができることを伝えました。同時に、職員のワークスタイルの変革もできることを訴えました。また、 2023 年にコラボレーションツール体験会を開催し、約 100 名の職員にファイル共有や共同編集の利便性を伝えました。こうした活動を通して職員の合意形成をはかっていきました」(中尾氏)
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2024 年度にPoCとして 70 ライセンスを導入し、課長・係長・担当がセットで利用することを条件に希望者を募り、総合政策、企画、土木・建設、福祉、支所など幅広い部門で検証を行いました。
「検証終了後にアンケートを実施したところ、ファイル共有やチャットの業務の適合性、ワークスタイルの変革の可能性などの視点でポジティブな結果が得られました」(中尾氏)
この結果を受け、 2025 年度には 920 ライセンスを全庁導入しました。導入にあたっては、全職員を対象に研修を行い、意識改革を徹底しました。
「まず市長や参与などの経営層向け研修、次に部長・課長級研修を行い、市役所がどう変わるのかを理解してもらいました。その上で、全職員を対象とした部署単位のハンズオン研修を 36 回に分けて実施しました」(城戸氏)
ハンズオン研修は、城戸氏が自ら企画し、カレンダー共有、チャット、文書の共同編集など、実務を想定した操作ができるようになることを目標にしました。
「研修ではDXが目指す姿を示した後、 Chromebook を配布しました。講義動画を流しながら、参加者が操作し、私たちはつまずいている人をフォローすることに専念しました」(城戸氏)
さらに、 Google サイト でマニュアルを公開。文章だけでなく画面キャプチャや動画を多用し、ビジュアルで直感的にわかる工夫を凝らしました。
「マニュアルを Google サイト に集約したことで、必要な情報にアクセスしやすくなりました。質問があった際も、該当箇所のURL をチャットで送るだけで迅速に対応できます」(城戸氏)
Gemini 、 NotebookLM 、 Google Workspace with Gemini などの生成AIの活用も進んでいます。導入にあたってはガイドラインを作成し、研修受講と確認テストの合格を義務付けました。現在 73 % の職員が活用しています。
「企画の壁打ちや議会答弁の素案作成などに活用しています。特に NotebookLM は行政と相性が良く、マニュアルをインプットして要点をまとめたり、チャット形式で内容を確認したりといった活用が進んでいます。動画生成にAIを使うケースもあります」(中尾氏)
特筆すべきは、職員によるアプリ開発です。
「バイブコーディングで、 Google Apps Script ( GAS )を使い、 PDF の分割ツールなどを作成して公開しました。フリーソフトはリスクがあるため利用を禁止していますが、AIの力を借りれば職員自らが必要なツールを用意できます。また、会議室や備品、および車の予約を Google カレンダー で行えるようにし、その情報から予約一覧を取得するスクリプトも作成しました。以前は備品番号の問い合わせ対応で業務が遮られることがありましたが、予約者本人が簡単に確認できるようになり、双方の負担が減りました」(和田氏)
Google Workspace の導入により、確かな手応えを感じていると言います。
「以前は 1週間ほどかかっていたセキュリティテストの作成も、Gemini で問題を作り、 Google Apps Script (GAS) でGoogle フォーム を生成することで約 3 時間に短縮されました。日々の業務が驚くほど効率化されています」(和田氏)
「コミュニケーションのスピードも変わりました。かつては通達や照会回答を紙で回していたため、部署によっては 1 週間くらいかかることもありました。今はチャットで全職員に一瞬で届くため、応答も決断のスピードも格段に上がっています」(中尾氏)
今後の展望について、中尾氏は次のように語ります。
「DXを契機に人材育成と組織文化の改革を進め、経営的なインパクトを生み出すことが重要です。今後は、DXを推進する中核人材に加え、インフラやセキュリティを担える次世代の高度デジタル人材の育成をさらに進めていきたいです。デジタル化が特別なことではなく、当たり前になるよう層の厚い組織をつくることが目標です。デジタルは、人と向き合うアナログな時間を確保するためのもの。職員は役所に留まらず現場に出て、市民との接点を増やし、課題解決の質と確率を高めていけるようにしたいですね」(中尾氏)
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