AIを用いたデータ分析は、ビッグデータと合わせて活用することで、より効率良く、効果的な新しいビジネスアプローチを発見できます。AI分析は今やマーケティングの可能性を広げる重要な要素であり、身近な場所でもさまざまな形で活用されています。
今回はビッグデータを活用したAI分析における注意点や、身近な活用例をご紹介します。
AI分析とは?
AI分析とは、収集した膨大なデータ量を分析し、AIが分析結果から推測・判断を行うことです。
AIはArtificial Intelligenceの略で、「人工知能」を指す言葉として使用されています。
AIには明確な定義はありませんが、厚生労働省によれば「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」(一般社団法人 人工知能学会設立趣意書からの抜粋)とされています。
しかしAIには、人間に頼らずとも作業を実行する「自立性」や、経験から学び、パフォーマンス能力を向上させるという「適応性」の2つの特性があります。この特性を進化・活用するべく、研究が進められてきました。
そしてAIは着実に進化を続け、これまでは実現できなかったような画像や音声、動画といったさまざまなデータを自動で認識できるようになりました。現代のAI技術をデータ分析する際に活用すれば、過去の事象の傾向から、現在や未来の動きを予測することも可能です。さらには、ウェブやソーシャルネットワークの普及に伴い、膨大なデータ量が発生する中、AIの情報処理スピードや正確性が向上してきていることから、AI分析は今後も大きな成長が期待される分野です。
AIをマーケティングへ適正に取り入れるために必要な要素は?
AI技術を利用したビッグデータの分析により、現在や未来の動きを予想し、新しいマーケティング手法を編み出すことができます。
続いてはビッグデータの意味、AIのマーケティングにビッグデータが活用されるために必要な要素を紹介します。
ビッグデータを取り扱うセキュリティの強化
ビッグデータとは、膨大な量のデータ群を指すとともに、さまざまな性質を持つ種類豊富なデータという意味も持ちます。AIの中でも機械学習やディープラーニングの発展に伴い、従来のシステムであれば不可能だったビッグデータを管理・分析できるようになり、企業にとって有益な情報を抽出することができるようになりました。
しかし、AIによりビッグデータを効率良く使用できる反面、多くのデータがインターネット上に氾濫するため、サイバー攻撃による被害にも注意しなければいけません。特に、顧客情報など安全な管理が求められるビッグデータには、プライバシー侵害を防ぐためにも、きちんとセキュリティ対策を行う必要があります。
ビッグデータを活用できるデータサイエンティストの存在
ビッグデータにはいくら有益な情報が含まれているからといって、ただ収集するだけでは意味がありません。ビッグデータをきちんと活用できるデータサイエンティストの存在が必要不可欠です。
ビッグデータの中には形式が統一されていないデータも多く存在し、収集したのちに取り扱いやすいようデータを整理しなければいけません。そしてデータを蓄積していき、本当に必要な情報を導きだせるよう分析・可視化する必要があります。
こういったビッグデータの取り扱いから、実際のAIのプログラミングまで行うのがデータサイエンティストの仕事です。
しかし現在の日本では、AI分析を用いたマーケティングが注目を集める一方、ビッグデータを適切に取り扱うことができるデータサイエンティストの数が不足しています。さらにデータサイエンティストには統計学や高いプログラミング能力等なども必要とされるため、育成に時間がかかるという課題があります。ビッグデータを活用したAIマーケティングの前に、データサイエンティストという人材の確保・育成も大きな課題となることを覚えておきましょう。
AIの分析が活用される事例
AIの分析技術は、日常に見る光景の中にも、数多く活用されています。
例えば、自動車の分野では、操縦者のいらない自動運転の開発や、自動運転による事故を回避するためのシステム作成に、AIの分析技術が取り入れられています。多数の走行シーンや交通データを収集・解析したのちにAIへ学習させることで、自動運転でも正常な運転を実現でき、異常と思われるアクセルの踏み具合などを検知し、事故のリスクを予測・回避することも可能となりました。各車両から得られる走行データと交通関連データは、再びネットワークを通じて他車両にデータ提供され、自立走行の精度を高める要素として活用されていきます。
また、採用活動の際にも、AI分析が活用されています。それぞれの企業や求人媒体では、数々のタレントプールを所有しています。各個人情報から、個々のスキルや履歴情報をビッグデータとして収集・AI分析を行うことで、会社に適した人材に対し、スムーズなアプローチが可能です。
エントリーシートの識別なども、AI分析で行うことができます。実際にソフトバンクでは、AI分析による採用判断に加え、AIが不合格と判断したエントリーシートを人の目で再チェックするという、二段階の採用システムを用いています。このシステムにより、人間の偏見なく、応募者が平等に審査を受けることができるというメリットが生まれました。
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まとめ
AI分析やビッグデータを用いた効果的なマーケティングを実現するためには、適切なデータの取り扱いやAI分析が行える「データのプロ」が必要です。
株式会社電算システムでは、データサイエンティストとデータエンジニアがプロの観点から企業ごとに合わせたデータ分析サービスを提供しています。データサイエンティストの人材確保・育成という課題にお悩みの方は、ぜひ一度株式会社電算システムにご相談ください。
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