AIを用いたデータ分析は、ビッグデータと合わせて活用することで、より効率良く、効果的な新しいビジネスアプローチを発見できます。AI分析は今やビジネスの可能性を広げる重要な要素であり、身近な場所でもさまざまな形で活用されています。
今回はビッグデータを活用したAI分析における注意点や、身近な活用例をご紹介します。
AI分析とは?
AI分析とは、収集した膨大なデータ量を分析し、AIが分析結果から推測・判断を行うことです。
AIはArtificial Intelligenceの略で、「人工知能」を指す言葉として使用されています。
AIには明確な定義はありませんが、厚生労働省によれば「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」(一般社団法人 人工知能学会設立趣意書からの抜粋)とされています。
AIは着実に進化を続け、これまでは実現できなかったような画像や音声、動画といったさまざまなデータを自動で認識できるようになりました。現代のAI技術をデータ分析する際に活用すれば、過去の事象の傾向から、現在や未来の動きを予測することも可能です。さらには、ウェブやソーシャルネットワークの普及に伴い、膨大なデータ量が発生する中、これらのデータをAI分析に利用して、新しいサービスを提供するなどに大きな期待が寄せられています。
AIの分析が活用される事例
AIの分析技術は、日常に見る光景の中にも、数多く活用されています。
例えば、自動車の分野では、操縦者のいらない自動運転の開発や、自動運転による事故を回避するためのシステム作成に、AIの分析技術が取り入れられています。多数の走行シーンや交通データを収集・解析したのちにAIへ学習させることで、自動運転でも正常な運転を実現でき、異常と思われるアクセルの踏み具合などを検知し、事故のリスクを予測・回避することも可能となりました。各車両から得られる走行データと交通関連データは、再びネットワークを通じて他車両にデータ提供され、自立走行の精度を高める要素として活用されていきます。
また、採用活動の際にも、AI分析が活用されています。それぞれの企業や求人媒体では、数々のタレントプールを所有しています。各個人情報から、個々のスキルや履歴情報をビッグデータとして収集・AI分析を行うことで、会社に適した人材に対し、スムーズなアプローチが可能です。
エントリーシートの識別なども、AI分析で行うことができます。実際にソフトバンクでは、AI分析による採用判断に加え、AIが不合格と判断したエントリーシートを人の目で再チェックするという、二段階の採用システムを用いています。このシステムにより、人間の偏見なく、応募者が平等に審査を受けることができるというメリットが生まれました。
AI分析における注意点
AI分析の領域ではよく耳にする言葉ですが、「ガベージイン・ガベージアウト」という言葉をご存知でしょうか?ゴミを入れるとゴミが出てくるという意味ですが、これがAI分析とどのように関係するのでしょうか。
AI分析には膨大なデータが必要です。しかし、ただデータ量が多いだけでは駄目なのです。品質の悪いデータを利用してAI分析をしても、本来の精度ではない結果が出てしまいます。
ゴミを入れないために、AI分析ではデータを集めて整理して溜めるという前処理の仕組みや基盤が必要となります。
またAI分析では、AIに一度データを学習させたら終わりではありません。日々変化するデータに応じて、再学習をしてAIの精度をアップデートしていくことが大事です。
クラウドを利用したAI分析
弊社ではAI分析を運用するためのプラットフォームとして GoogleCloud を推奨します。
GoogleCloud には、言語や文字に関するAI、画像や動画判別のAI等、学習済みのAIが用意されております。また前処理に必要なデータの収集、加工、蓄積のサービスも充実しており、これらと学習済みAIを組み合わせたり、独自の学習モデルを作成することが、GoogleCloud 上のみで構築可能です。
[RELATED_POSTS]まとめ
ビッグデータを用いたAI分析では新しいビジネスの可能性がありますが、そのためには品質の良いデータを継続的に準備できる運用基盤が必要なことを解説いたしました。
電算システムでは、AI分析によるビジネス活用からそのデータ運用基盤を構築するデータ分析サービスの提供をしています。ご検討の際は、是非ご相談ください。