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PythonでExcelを操作する方法は3ステップ!
環境構築方法やライブラリについて解説

 2023.10.12  2024.03.22

Excelを業務に活用している方のなかには、業務効率化につながるよりよい方法を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。Excelは、プログラミングの活用によってさらなる業務効率化が可能です。実際に、Excelと相性のよいプログラミングを活用して、定型業務の自動化に成功した企業の事例もあります。

なかでも、ほかの業務ツールと連携できる「Python」は、社内の業務効率化に役立つプログラミング言語です。そこで今回の記事では、PythonでExcelを操作するメリットや環境構築方法、操作方法などを解説します。Pythonを使ったExcelの活用方法について理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。

ExcelはPythonで操作できる

Pythonは、Excelに活用できるプログラミング言語です。さまざまなライブラリ(汎用性の高いプログラムをまとめたファイル)が用意されているため、Pythonを活用すれば、Excelでの作業を効率化できます。例えば、以下のような作業の自動化が可能です。

  • データの読み込み
  • データの書き込み
  • シートへの転記
  • グラフの作成
  • Webスクレイピング(特定の情報をインターネット上から抽出する)
  • PDFやCSV形式での出力
  • マクロの実行

Pythonは、Microsoftやサードパーティ製のアプリケーションとExcelを組み合わせて使用できます。アプリケーションとの組み合わせによって、以下のような作業が可能です。

  • Outlookを操作してメール本文を取得
  • Outlookを操作してメールを送信
  • ChatworkやSlackへの通知や投稿

このように、PythonはExcelだけでなくほかのツールとも連携でき、さまざまな業務の効率化が可能です。

PythonでExcelを操作する3つのメリット

PythonでExcelを操作するメリットは、以下の3つです。

  • 環境に依存せず動作する
  • ほかの業務ツールと連携できる
  • 学習コストが安い

メリットを確認して、Pythonの導入を検討する際の参考にしましょう。

環境に依存せず動作する

Pythonは、Excelを利用する環境に依存しないため、ほかのプログラミング言語よりも利用しやすい特徴があります。「Excel VBA」というプログラミング言語は、Mac版とWindows版のExcelで互換性(異なる環境で同じように動作する性質)がありません。そのため、両方の環境で同じコードを実行するには、互換性のあるプログラムに作り直すポーティングと呼ばれる作業をする必要があります。

Pythonであれば、Mac版とWindows版の両方のExcelで同じコードを実行できます。

ほかの業務ツールと連携できる

Excel VBAの場合、連携できるサービスがMicrosoft Office系統に限られているため、Pythonと比べて作業できる内容が限定的です。一方、Pythonは、オープンソース(無償公開)のプログラミング言語であるため、世界のあらゆる企業や技術者が、Pythonと連携可能なサービスを開発しています。そのため、Pythonと連携できるほかの業務ツールと組み合わせて、さまざまな作業の効率化が可能です。

学習コストが安い

Pythonは、ほかのプログラミング言語に比べて、コードがシンプルで記述量が少なく済むため、比較的早い習熟が可能です。習熟するまでのスピードが早ければ、Pythonを扱う人材育成のコストや時間を削減できます。できる限り少ないコストで業務の効率化をしたい場合は、Pythonの活用がおすすめです。

PythonでExcelを操作するための環境構築方法【2パターン】

PythonでExcelを操作するための環境構築方法は、以下の2パターンです。

  • 公式サイトから最新版のPythonをインストールする
  • Google Colaboratoryにアクセスする

環境構築方法を確認して、Pythonを活用する準備を進めましょう。

公式サイトから最新版のPythonをインストールする

Pythonは、公式サイトからインストールして環境構築ができます。公式サイトからPythonをインストールする場合の環境構築方法は、以下の通りです。

  1. Pythonの公式サイトにアクセスする
  2. Pythonの最新版パッケージをダウンロードする
  3. ダウンロードしたPythonをウィザード(表示される質問に答えながら設定を進める方法)に従ってインストールする
  4. コマンドラインツールからPythonが正常にインストールされているかどうかを確認する

Pythonをウィザードに従ってインストールする際は、途中で表示される「Add Python (バージョン名) to PATH」のチェックボックスをクリックしましょう。

Google Colaboratoryにアクセスする

「Google Colaboratory」は、AIの学習や研究用にGoogleが無料で提供しているjupyter notebook(Webブラウザ上で記述・実行できる統合開発環境)のクラウドサービスです。Googleアカウントがあれば、IDE(統合開発環境)インストールや複雑な初期設定なしで、Pythonを利用できます。

Google Colaboratoryは、サービスのWebページにアクセスするだけで利用を開始できます。初めてPythonを使用する場合や、お試しでプログラミングがしたい場合は「Google Colaboratory」がおすすめです。

PythonでExcelを操作する方法【3ステップ】

PythonでExcelを操作するためのステップは、以下の3つです。

  • ライブラリを用意する
  • コードを書く
  • 実行できるようにする

操作する方法を確認して、Pythonを活用する際の参考にしましょう。

ライブラリを用意する

PythonでExcelを操作するには、はじめに専用のライブラリをインストールする必要があります。Google Colaboratoryでコーディングする場合は、最初から主要なライブラリがインストールされているため、専用のライブラリが必要ない可能性があります。コマンドラインツールで、必要に応じてPythonの専用のライブラリをインストールしましょう。

コードを書く

Pythonで実行させたい内容をコーディングします。テキストエディタやIDLEを利用して、Excelワークブック・シート・セルの操作(データ処理、読み込み、書き込みなど)のなかでプログラムに実行させたい内容をコーディングしましょう。ライブラリはインストールしただけでは機能しません。インポート文をコードに記述する必要があります。

実行できるようにする

コマンドラインツールを使って、Pythonを実行できるように準備しましょう。コマンドラインツールは利便性が低いため、社内でプログラムを共有する場合は、使いやすいように工夫が必要です。例えば、Pythonをマクロと組み合わせて、ボタンで簡単に実行できるようにします。

Windowsではプログラムを共有する際に、共有先のパソコンで実行環境を構築しなければなりません。実行環境の構築の手間と時間を省きたい場合は、Google Colaboratoryを利用しましょう。

PythonでExcelを操作できないこと

Pythonは、インタプリタ型(ソースコードの命令を1つずつ機械語に翻訳してプログラムを実行する方式)のプログラミング言語です。JavaやC言語などのコンパイラ型(一度にすべてのソースコードを機械語に翻訳してプログラムを実行する方式)のプログラミング言語とは異なり、実行速度が遅いという特徴があります。

PythonでExcelを操作してビッグデータ分析をする場合は、処理に多くの時間がかかったり、フリーズしたりする可能性があるため、実行する際は注意しましょう。また、Pythonのライブラリ(pandasやOpenPyXLなど)では、Excel VBAで可能なExcel操作ができない場合があります。

例えば、Excel形式のファイルを処理するPythonのライブラリは、表計算ソフト自体を操作できないことがあります。Excelの計算式の結果(値)が読み込めなかったり、テーブル操作(列や行の挿入・削除など)によって値がおかしくなったりするなどの不具合が生じる恐れがあるため、事前にプログラムで実行したい内容を整理して、適切なプログラミング言語を選びましょう。

Excelを操作できるPythonライブラリ4選

Excelを操作できるPythonライブラリは、以下の4つです。

  • OpenPyXL
  • pandas
  • xlwings
  • Matplotlib

ライブラリによっては、サポートされていないExcelの機能があるため、用途によってライブラリやキットで補完する必要があります。ライブラリの特徴を確認して、自社に合ったものはどれか把握しましょう。

OpenPyXL

OpenPyXLは、多くの利用者がいるPythonライブラリです。ライブラリの活用方法やトラブルの解決方法がインターネット上に蓄積されています。ほとんどのPythonライブラリは、インターネット上にある情報が英語ですが、OpenPyXLの場合は、日本語で記された情報が多くあります。

また、OpenPyXLは高速で処理を実行でき、高度なExcelデータ操作にも適したライブラリです。主にExcelファイルや書式の読み書きに使用されるため、データ処理で利用される場合は少なく、実際にデータ処理や計算には向いていません。OpenPyXLは、書式を保つ必要のある帳票をExcelで作成する場合に向いています。OpenpyXLを利用したExcel操作は、以下のような流れで実行されます。

  1. OpenPyXLLでExcelファイルを読み込む
  2. ワークシートやセルに対応したオブジェクトが割り当てられる
  3. Excelが対応するオブジェクトに対して読み書きを行う

pandas

pandasは、AI開発やデータ分析に幅広く活用されているライブラリです。さまざまな形式のデータに対応でき、大規模なExcelデータの操作にも適しています。より高度なデータ操作をしたい場合には、pandasの利用がおすすめです。

pandasは、主にデータサイエンス(※1)に使用されています。分析には優れていますが、データの読み書き以外の機能は使えません。Excelファイルを使ったマーケティングデータの分析や集計などに向いているライブラリです。pandasでは、Excelを2次元配列(2次元的に配列されたもの)として操作する特徴があります。pandasを利用したExcel操作は、以下のような流れで実行されます。

  • pandasでExcelファイルを読み込む
  • DataFrameと呼ばれるデータ構造に、2次元配列として情報が格納される

※1. データサイエンス:数学、プログラミング、機械学習などの理論を利用して、膨大なデータの分析や解析を行い、有益な洞察を導く学問

xlwings

xlwingsは、Excelで使用されているほとんどのファイル形式に対応したライブラリです。OpenPyXLは一部のExcelファイル形式しか対応できませんが、xlwingsではより多くのファイル形式に対応できます。

xlwingsは、Excelワークブックやシートのデータを操作するのではなく、Excelアプリケーション自体を操作するため、マクロを動かしたり、ExcelからPythonを実行したりできます。xlwingsを活用すれば、書式の操作やマクロの呼び出しなど、Excelの機能のほとんどを使用できます。xlwingsは、資料作成や自動化などのExcel上での業務効率化に向いているライブラリです。

Matplotlib

Matplotlibは、グラフの作成に活用できるライブラリです。折れ線、棒、散布図、円グラフ、ヒストグラム、箱ひげ図などを作成できます。Matplotlibでは、2次元の描画だけでなく、立体的な(3次元)グラフの作成も可能です。データの可視化に優れているため、ほかのライブラリで処理した分析結果を出力する際に使われる場合が多くあります。

Matplotlibは、Excelでレポートやプレゼン資料などを作成する場合に向いているライブラリです。Matplotlibを利用したExcel操作は、以下のような流れで実行されます。

  • pandasのような科学技術計算系ライブラリで分析したデータを、Matplotlibの機能で描画する
  • Matplotlibで描画したグラフを画像として保存し、Excelに出力するもしくは、画像として保存せずに、グラフをOpenPyXLでExcelに貼り付ける

データ分析や業務効率化を始めるなら「Google Cloud」がおすすめ

Excel作業をスピーディーかつ手軽に自動化したい場合は、ローカル環境でpythonを使う方法がおすすめです。自社でExcelを利用している企業は、少ない労力で業務の効率化を進められます。pythonを活用すれば、Excel作業を効率化できますが、以下のような注意点もあります。

  • 扱うデータの規模が大きくなれば、動作が重くなる
  • 非構造化データを扱えない
  • データ共有に手間がかかる

上記の問題を解決し、社内の業務効率化を進めるには「Google Cloud(GCP)」の活用がおすすめです。Google Cloudは、Googleがクラウドを介して提供しているサービスの総称です。柔軟かつ拡張性のある環境の構築に役立ちます。データの利活用に便利なツールが多く用意されており、Excelでは難しいデータ分析や業務効率化につながる作業を実行できます。

例えば、Google Cloudで提供されているBigQueryは、テーブル(Excelと同様の形式)に加えて、非構造化データにも対応しています。また、外部ツールやほかのGoogle Cloudで提供されているプロダクトも含めたさまざまなサービスと連携できるため、処理の定期実行や自動化も可能です。

Google Cloudの活用について詳しく知りたい方は、Google Cloudの事例を紹介している資料を以下のページからダウンロードしてみてください。Google Cloudの導入をサポートしている電算システムが手掛けた事例をわかりやすく紹介しています。

Google Cloudの導入事例について詳しくはこちら

ExcelでPythonを活用してデータ分析を始めてみよう

Excelは、Excel VBAやPythonを使って操作でき、作業の効率化を実現できます。PythonでExcelを操作するメリットは、以下の3つです。

  • 環境に依存せず動作する
  • ほかの業務ツールと連携できる
  • 学習コストが安い

Pythonは、データ操作に特化した機能が数多くありますが、ビッグデータ分析に向かない点や、動画と音声を扱えないなどの弱点があります。さまざまなデータに対応でき、膨大なデータや高度な分析をしたい場合は「Google Cloud」の活用がおすすめです。Google Cloudには、データの利活用に便利なツールが多く用意されており、Excelでは難しいデータ分析や業務効率化につながる作業を実行できます。

社内の業務効率化や高度なデータ分析をしたい方は、Google Cloudの導入を検討しましょう。Google Cloudについて詳しく知りたい方や、サービスの導入によって発揮される効果がイメージしづらいという方は、以下のページから無料でダウンロードできる資料をぜひご覧ください。

Google Cloudの導入事例について詳しくはこちら

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