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機械学習と深層学習の違いとは?メリットや課題を挙げながら解説

 2022.03.01  2022.04.27

機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いについて、「違いがよくわからないけど、何が違うのか今さら聞けない…」「解説がどれも難しい…」と困っている人は多いのではないでしょうか。

今回は、機械学習と深層学習について、簡単に仕組みにも触れながらその違いを整理していきます。それぞれ向き、不向きな分野があり、導入に伴う課題も存在します。

具体的な違いについて理解を深めていきましょう。

機械学習とは?

まずは、機械学習とはどのようなものなのか重要なポイントを整理していきましょう。

機械学習とは、データの持つ法則性や意味づけ、重要度といった特徴をコンピュータに教え、与えられたデータをどのように処理すればよいかをアルゴリズムに基づいて学習させることです。

具体的には「モデル」と呼ばれる仕組みに対して学習を行います。

「モデル」とは、機械学習において中心的役割を担う、受け取った入力データをもとに結果を出力する仕組みのことを言います。

つまり、機械学習は「入力→モデル→出力」といったプロセスで実現されているということです。

この「モデル」を十分な量のデータでトレーニングすることで、モデルは与えられたデータをどのように解釈すればより精度の高い結果を返せるかを学習します。学習済みのモデルに対して入力を与えれば、モデルは学習から得られた経験をもとにデータを判断・処理し、適切な結果を返します。

迷惑メールを判別するモデルを例に考えてみましょう。

学習では、迷惑メールを含んだ多くのメールのサンプルをモデルに与えます。モデルはメールに含まれるキーワードなどから、どのような文面であれば迷惑メールの可能性が高いか、といった判断方法を学習します。学習の済んだモデルに、メールの内容を入力として与えると、モデルは学習結果に基づいて迷惑メールである可能性を計算し、迷惑メールか否かという結果を出力します。

機械学習では、この出力の精度を高める。つまり、迷惑メール判別の例ではより間違いなくメールを仕分けることを目指します。

より精度の高いモデルを作るには、用途に合ったアルゴリズムの選定や、モデルの学習に用いるデータをあらかじめ分析して、データの持つどの特徴を学習させればよいかを人間が考える必要があります。

機械学習で使われるモデルは用途に応じて様々なものがありますが、大きく分けると以下の3つに分類することができます。

  • 教師あり
  • 教師なし
  • 強化学習

「教師あり」とは、学習データを与える際に、そのデータの結果(=正解)も一緒に学習させます。モデルは、「データがこのような特徴を持っていたとき、このような結果となった」といった関係性を学習します。正しく学習できれば、本番で正解のないデータが与えられたときに、高い精度で正解を導き出せるでしょう。そのため、予測を行いたいときに良く使われます。

「教師なし」では、正解データは与えず、データ同士の類似点や相違点を学習させます。モデルは、与えられたデータが何なのかは知ることができないため、「このデータとこのデータは良く似ているが、これは似ていない」といったデータ同士の関連を学習します。そのため、異常の判別やデータの分類を行いたいときに良く使われます。

「強化学習」では、目的に基づいて、最も良い結果を得られる方法を学習させます。モデルは「ある行動をしたときに、どのような結果になったか」を繰り返し学習します。通常、行動が良い結果につながればプラスの得点を、悪い結果につながればマイナスの得点が与えられ、得点を最大にできる行動パターンを導き出します。そのため、囲碁、将棋のAIや、自動運転に使われます。

それぞれのモデルについての詳細や、使われているアルゴリズムについてはこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

このように、目的によって学習方法を選択することで、自動運転や迷惑メールの分類、不良品の検出など様々な場所で機械学習が活用されています。

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深層学習とは?

では機械学習に対して、深層学習(ディープラーニング)とはどのような学習手法なのでしょうか。

実は、深層学習(ディープラーニング)も、機械学習の学習方法の1つです。

深層学習では、ディープニューラルネットワークと呼ばれる手法を用いて学習を行います。

ニューラルネットワークとは、入力に対して重みをつけて出力を返す「ニューロン」というものの層を重ねたものです。この層が何層も深く重なっているものを、ディープニューラルネットワークと呼びます。ニューロン同士が結合し合い多層構造になっている構造が、人間の神経回路と似ているとも言われています。

理論自体は数十年前からありましたが、学習を高速化させる手法の発見や、コンピュータの計算能力向上が後押しし、近年になって様々な分野で実用化が進んでいます。

深層学習(ディープラーニング)のポイントは、データが各層で処理されていく中で、データの持つ特徴が判断されるという点です。他の手法のようにデータが持っている特徴を人間が教えなくても、ニューラルネットワークが特徴を見つけます。

これは、人間がデータの特徴をうまく扱えないような抽象的な問題であっても結果を出せるということです。そのため、画像認識、音声処理、言語処理といった分野で大きな成果を上げています。

機械学習と深層学習の違いとは

では、機械学習と深層学習にはどのような違いがあるのかを整理していきましょう。

基本的には深層学習(ディープラーニング)は、機械学習の手法の1つにあたります。しかし、決定的でわかりやすい違いのポイントとしては、人間がデータの特徴を判断するものが機械学習、機械がデータの特徴を判断するものが深層学習ということです。

つまり機械学習の場合は、具体的な学習目的や内容については人間が手を加え、学習と分析の効率化を図ることができます。一方、ディープラーニングなら、何を学ぶべきなのかも機械が判断するため、抽象的な問題の解決を効率化することができます。また、通常の機械学習で用いられるアルゴリズムは「教師あり」「教師なし」「強化学習」の3つに分類されるのに対し、深層学習はこれら3つ全てに応用することが可能です。

一見、深層学習の方が高機能に見えてしまいますが、ニューラルネットワークのトレーニングには大量のデータが必要ですし、学習に時間がかかり、高い処理能力を持つコンピュータも求められるといった課題もあります。

機械学習で解決できる問題であれば、機械学習を用いる方が高速かつ低コストで結果が出せるというメリットがあります。

そのため、目的や手段によって使い分けることが重要なのです。

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機械学習と深層学習に適しているプロジェクト

機械学習と深層学習は、それぞれ適しているプロジェクトも違います。前述しましたように、目的や手段によって使い分けることが重要です。どのようなプロジェクトが適しているのか、具体的な例を見ていきましょう。

より早く結果を出したい場合は機械学習

機械学習は、出力の予測や傾向の把握を早期に望むプロジェクトに多く使用されています。機械学習の方が深層学習と比べて学習スピードが速く、必要な計算能力も少ない場合が多いためです。

早く結果が欲しい場合や、分析のための着目点が判明している場合、また、どのアルゴリズムを用いて学習を行うか見当がついている場合には、機械学習を用いることで、スピーディーに結果を入手することができます。また、使用するアルゴリズムによっては深層学習と比べて少ないデータでも十分に学習できる場合があります。学習のために用意できるデータが少ない場合にも、メリットがあるでしょう。

深層学習は学習に時間がかかる

深層学習(ディープラーニング)は、アルゴリズムの学習にある程度の時間を要しますが、その分より高度に細分化された学習をすることができます。そのため、単純な機械学習では解決の難しいより複雑なプロジェクトに採用されることが多いです。例えば、画像内のオブジェクト認識や、手書き文字の判別、音声認識、翻訳といったプロジェクトに適していると言えます。

また、学習に当たっては大量のデータが必要になります。学習用のデータを準備することも考えると、短期間で結果を出したい場合には適していません。日々コンピューターの処理能力は進歩し続けていますし、近年ではクラウドサービスの利用によって、高価な高性能コンピュータを購入するよりも安価に処理を行うこともできます。しかし、それでもなお深層学習には時間がかかってしまいます。

深層学習の活用方法

ではここからは、実際にどのような場面に深層学習(ディープラーニング)が導入されているのかを整理していきましょう。

自動運転

近年話題になっている技術の1つに、自動車の自動運転機能があります。AIが運転のシステムを制御し、まるで人間が運転しているかのように走行してくれる画期的な機能です。これは、有名なディープラーニング活用事例の1つです。

私たちが普段車を運転しているときには、標識、歩行者、信号、周囲の車の動きなど、様々な情報を自然と認知して運転をしています。自動運転では、センサーで取得したそれらの膨大な情報をもとに、どのように運転すればよいかをディープラーニングによって学習させることで実現させています。年を追うごとに研究、開発は進み、従来は難しいと言われていた情報量の多い街中で合っても、まるで人間のように運転ができるまでに進化しています。

医療診断

医療診断のような医療の分野でも、ディープラーニングの活用が進められています。過去の患者のデータから病状を把握したり、レントゲン写真をディープラーニングによって学習させることで、AIに異常箇所の診断をさせるプロジェクトも進んでいます。

ディープラーニングの進歩に伴い、医師の負担軽減や診断の迅速化など、医療現場も発展していくこととなるでしょう。

画像処理技術

画像処理技術はディープラーニングを活用した代表的なプロジェクトですが、すでに実用化されている技術もたくさんあるため、画像検索など日常的な場面で利用している人も多いでしょう。

カメラの顔認識、文字認識や物体識別などがディープラーニングによって実現されています。これは主に、製造業や農業などの生産の現場で役立つ技術にあたります。他にも、防犯など幅広い分野で現在は活用されています。

まとめ

深層学習(ディープラーニング)は機械学習の1つの手法にあたります。人間がデータの特徴を定義できないような複雑な問題であっても扱うことができ、成果を出すことができます。しかし、学習には時間がかかり、学習用データの準備にも手間がかかります。

そのため、目的に応じて機械学習と深層学習を選択することが重要です。

ディープラーニングがさらに普及すれば、様々な分野で私たちを助けてくれるようになります。今後、企業戦略を考える上で機械学習や深層学習の導入は様々な場面で必要となっていくことでしょう。

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