「Google Cloud(GCP)の導入を検討しているが、セキュリティ面が気になる」という方は多いのではないでしょうか。Google Cloudを導入すれば、情報漏えいや不正アクセス、サイバー攻撃などに対するセキュリティ対策になり、自社で保有しているデータの安全性を高めます。クラウドサービスの導入を検討している場合は、Google Cloudがおすすめです。
この記事では、Google Cloudのサービス概要やできること、Google Cloudのセキュリティに対する取り組み、Google Cloudのセキュリティ設定で押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。Google Cloudのセキュリティについて把握できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
Google Cloud(GCP)とはGoogleが提供するクラウド
Google Cloud(GCP)のサービス概要と、Google Cloudを使ってできることを解説します。サービスを詳しく理解して、自社にとって有益なサービスか確認しましょう。
Google Cloud(GCP)とは
Google Cloudは、クラウドを介して利用できるサービスの総称です。Googleが開発・提供しているサービスで、Google Cloud PlatformやGCPと呼ばれたりもします。Google Cloudは、Googleの社内で実際に利用されているテクノロジーやインフラを使っており、Googleのノウハウを活かして開発されています。Web開発や機械学習、データ解析などの効率化に役立つサービスです。
従量課金制のサービスになっており、使用量に応じて料金が発生します。一定の使用量を越えなければ、無料で利用可能です。使用量にかかわらず、常に一定の費用がかかるサービスとは異なり、余分な費用が抑えられます。Google Cloud(GCP)は、それぞれ異なる機能を持った複数のサービスが集まっており、利用目的に応じて活用できる点が特徴です。
Google Cloudでできること
Google Cloud(GCP)の主なサービス内容は、以下の5つです。
- コンピューティング:クラウドを介して必要な資源を提供する
- ストレージ・データベース:クラウド上にデータを保存・管理・共有できる
- ビッグデータ:さまざまな種類のデータの集合体を迅速に処理する
- ネットワーキング:すべてのサービスとリソースを双方向で接続できる
- 機械学習:画像解析を高い精度で遂行する
Google Cloud(GCP)は、AI・機械学習、データ処理に優れており、さまざまなデータを高速で分析可能です。分析結果をサービス開発や需要予測に活用すれば、売上向上が期待できます。また、データ運用を効率化できるサービスが揃っているため、分析に必要な手間と時間を削減可能です。
クラウドのセキュリティリスク3選
クラウドサービスの主なセキュリティリスクは、以下の3つです。
- 情報漏えい
- 不正アクセス
- サイバー攻撃
クラウドサービス特有のセキュリティリスクを把握して、注意が必要なポイントを理解しておきましょう。
情報漏えい
情報漏えいは、機密情報や顧客情報が意図せずに外部へ流出することです。企業や組織が情報漏えいを起こした場合、社会における信頼を大きく損ない、今後の活動に悪影響を与えます。外部に漏れた情報によっては、賠償問題になる可能性があるため、十分なセキュリティ対策が必要です。
クラウドサービスは、インターネット環境とデバイスがあれば、いつでも社内データにアクセスできるサービスです。場所や時間にかかわらず、外部からアクセスが可能なため、情報漏えいのリスクがあります。
不正アクセス
不正アクセスは、サービスへのアクセスに必要なIDとパスワードを不正に取得して、アクセス権限を持たない人がログインすることです。不正アクセスによる被害には、サービスアカウントにログインして勝手に注文したり、サーバーにアクセスして情報を改ざんしたりするケースがあります。
サービスへのアクセス情報を不正取得する手段としては、管理体制の不備による個人情報の取得や、マルウェア(デバイスに悪影響を与える目的で作成されたソフトウェアの総称)に感染させてIDとパスワードを取得する方法などがあります。
サイバー攻撃
サイバー攻撃は、ネットワークを通してスマートフォンやパソコンなどのデバイスに保存されたデータの改ざんや、システム自体の停止・破壊をする行為です。近年は、サイバー攻撃が複雑化・巧妙化しており、どの企業や組織にも被害に合うリスクがあります。
クラウドサービスは、クラウド上で提供されるサービスになるため、サイバー攻撃を受けるリスクがあります。リスクを事前に理解して、サイバー攻撃を防止できる高いセキュリティ対策が施されたクラウドサービスの選定が大切です。
Google Cloudのセキュリティに対する5つの取り組み
Google Cloudは、さまざまなセキュリティ対策を施しており、高い安全性を実現しています。Google Cloudのセキュリティに対する取り組みは、以下の5つです。
- 物理的なセキュリティ対策
- データや通信経路の暗号化
- 不正アクセスの防止
- インシデント対策
- 社内ルールの徹底
サービスのセキュリティ対策を把握して、導入する際の検討材料にしましょう。
物理的なセキュリティ対策
Google Cloudは、ハードウェアの破棄やデータセンターの保護などを行い、物理的なセキュリティ対策を実施しています。通常は、データセンターの準備や機器の運用を利用者がすべて行わなければなりませんが、Google Cloudであれば必要ありません。物理的なセキュリティ対策における責任は、Google Cloudが持ちます。
また、Googleのデータセンターには、さまざまなセキュリティ対策が施されており、不正なデータの持ち出し・持ち込み防止、入場者の制限が行われています。Googleのデータセンターで実施されている具体的なセキュリティ対策は、以下の通りです。
- 生体認証
- カメラ
- 金属検知
- 侵入検知
- 車両障害物
データや通信経路の暗号化
Google Cloudでは、特別な設定をしなくても、初期設定の状態でデータ保存の際に暗号化されます。また、インターネット上で行われるすべての通信は、SSL/TLS(インターネット上でデータを送受信する際に、暗号化して保護する仕組み)を使って暗号化されているため、第三者は簡単に解読できません。安全に保護された状態でデータのやり取りが行われます。
不正アクセスの防止
Google Cloudは、多層防御により、不正アクセスを防止しています。多層防御は、システムへの侵入前、侵入後、システム内部で複数の防御策を施して、強固なセキュリティを築く手法です。Googleでは、ユーザーの個人情報は、他のユーザーと切り離された状態で保管されており、データの安全性と機密性が確保されています。
また、顧客データへのアクセス権限を一部の社員に限定しており、アクセス履歴やアクセスしている間の行動は、内部監査チームとセキュリティシステムで監視しています。
インシデント対策
Google Cloudは、インシデント対策にも力を入れているサービスです。インシデントは、システムやサービスに問題が起こり、ユーザーに悪影響を与えている状態です。Google Cloud(GCP)でインシデントが起きた場合は、セキュリティチームが内容を記録して、重大度によって対応の優先順位をつけます。
セキュリティチームは24時間体制で稼働しており、すべての社員からの問い合わせに対応し、インシデントの早期解決に取り組んでいます。
社内ルールの徹底
セキュリティ対策において重要なのは、システムだけではありません。Googleでは、新しい人材の採用や、新入社員の教育といった初期段階から、セキュリティに関する人材教育を実施しています。すべての社員がセキュリティの重要性を理解し、普段から意識する仕組みを構築しています。
セキュリティ対策の一環として実施しているもう1つの取り組みは、第三者機関による監査試験です。Googleでは、セキュリティやデータの安全性に関する試験を実施しています。
Google Cloudのセキュリティ設定で押さえておくべき3つのポイント
Google Cloudを導入する際は、セキュリティに関する設定が大切です。設定において押さえておくべきポイントは、以下の3つです。
- アカウントの2段階認証
- ソフトウェアを最新の状態に保つ
- Security Health Analyticsの利用
ポイントを把握して、導入する際の参考にしてください。
アカウントの2段階認証
Google Cloudを利用する際は、アカウントのログインに対して2段階認証を設定しましょう。サービスを利用しているなかで問題が起きた場合は、Google Cloud(GCP)の過失がなければ、ユーザーの責任になります。
企業や組織は、サービスに初期設定されているセキュリティ機能に加えて、2段階認証の導入が大切です。Googleの2段階認証では、SMSやメール、専用アプリによる認証を行っており、不正アクセスのリスクを軽減しています。
ソフトウェアを最新の状態に保つ
Google Cloudを利用する際は、サービスのアップデートを小まめに行い、常に最新の状態になるように注意しましょう。Googleは、ユーザーがGoogle Cloudを安全に利用できるように、常に最新の更新プログラムを提供しています。
ソフトウェアの脆弱性は、更新プログラムによって改善されますが、ソフトウェアが最新の状態でなければ、新しいウィルスの攻撃に対応できません。小まめにソフトウェアをアップデートすれば、高いセキュリティのままサービスを利用できます。
Security Health Analyticsの利用
Google Cloudを導入した後は、Security Health Analyticsを利用しましょう。Security Health Analyticsは、サービスにおけるセキュリティ上の設定ミスや脆弱性を自動スキャンで検知する機能です。セキュリティ上の問題が起きた際に、早期に発見して対処できます。
Security Health Analyticsで可能なセキュリティ対策は日々変わっているため、Google Cloudの公式サイトで定期的に最新情報を確認しておきましょう。
まとめ
Google Cloud(GCP)は、アプリ開発やデータ解析の効率化ができ、手軽にプロジェクトを作成できますが、組織内で適切な権限管理や割り当てをしなければ、セキュリティ対策を万全にはできません。企業や組織にとって、サイバー攻撃や不正アクセスによる被害は大きな損失です。
株式会社電算システムには、Googleソリューションに精通したエンジニアが多数在籍しています。これまでに3,000社の企業様に、最適なサポートとスピード感のある製品を提供してきました。また、国内の自社データセンターを保有しており、想定外の事態になった場合のリスクを軽減できます。
Google Cloud(GCP)の導入を検討している方は、「株式会社電算システム」へ、ぜひご相談ください。
- カテゴリ:
- Google Cloud(GCP)
- キーワード:
- ソフトウェア 脆弱性