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顧客分析とは?その手法と活用方法

 2019.09.05  2022.04.14

新規開拓を効率良く行い、既存顧客との関係性をより良好なものとするためには“顧客分析”が欠かせません。顧客分析とは、「顧客情報を整理して、自社のサービスや商品を購入する顧客がどのような層なのか、どのような行動を取っているのか」を分析することを指します。顧客分析をすることによって、顧客に対して適切なタイミングでニーズに合致した情報を提供することが可能となり、商品やサービスを効率良く販売するための戦略に役立たせることができます。

しかし、言葉で説明するほど簡単なものではありませんし、いくつかポイントを押さえつつ実施していく必要があります。本稿では代表的なデータ分析の目的でもある顧客分析の基本と、その手法・活用方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

顧客分析とは?目的と必要性

顧客分析を実施する最大の目的、そして必要性は「顧客についてよく知ること」です。日常のビジネスの中で関りを持つ顧客について、皆さんはどれくらい知っているでしょうか?担当者氏名や人柄・人間性、上司の人となりなどは知っていて当たり前の情報であり、これだけでは顧客について知っているということにはなりません。

ここで言う「顧客についてよく知っている」とは、顧客がどのようなニーズを抱えていて、なぜ自社の商品やサービスを選択するのか、どのような経営課題を持っていて、何を欲しているのかといった情報を把握していることです。

実は、顧客ごとにこうした情報が明確にされていない企業がたくさん存在します。顧客のあらゆる情報について知っていなくても、ビジネスを持続することはできます。しかしそのままでは、新しい顧客を開拓してビジネスを拡大したり、既存顧客とのビジネスを拡大したりすることは難しいのではないでしょうか。

やはり、顧客分析を実施して顧客についてよく知ることが大切であり、それができればどのタイミングでどんな商品やサービスを提供すればよいかが明確になり、ひいては売上に貢献します。

「我が社は顧客密着型のビジネスをしているから、顧客情報については常に営業が把握しているよ」と自信を持っている企業でも、データを前提とした顧客分析を行っていないとどのようなニーズや経営課題を持っているか、定量的に把握することができません。難しく考えず、顧客分析は顧客をよく知るためのものと理解し、身近にあるデータ活用から気軽に取り組むことが大切です。

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顧客分析の手法

顧客分析にはたくさんの手法があります。例えばRFM分析は、3つの指標「Recency(直近購買日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」から顧客をグループ分けし、グループごとに実施すべきマーケティング施策について考えるためのものです。

よく用いられる手法として「デシル分析」などがあります。ある軸で顧客全体を10個の均一なグループに分けて、上位グループから売上等に与える影響を知るためのものです。ただし、これらの手法は売上データを中心に、自社にとっての顧客の立ち位置を把握するための分析であり、顧客について深く知るためのものではありません。

そこで、本稿で紹介する顧客分析は「顧客についてよく知ること」に焦点を当て、“ペルソナ分析”という手法についてご紹介します。

ペルソナ分析とは?

ペルソナ分析はデジタル・マーケティングを中心によく使用されている顧客分析です。これは「企業がターゲットとする顧客を代表する、1人(1社)の人物像を細かいところまで明確化した手法」と言えます。つまり、ターゲットとする顧客の人物像をあぶり出し、その顧客が抱きそうなニーズや経営課題、想定される解決方法や商品・サービスを想定し、自社のマーケティング活動に反映していくアプローチです。そこで作成した人物像を“ペルソナ”と呼びます。

あまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にペルソナで成功している企業は多く存在います。ペルソナで成功したことで有名なスープストックトーキョー 社は「秋野つゆ」という架空の人物像を創り上げ、年齢や住まい、性格や趣味まで徹底的に考えています。

ペルソナを作ることで企業とかかわりのある顧客についてより深く知る(考え直す)きっかけになり、自社の特長や差別化なども再確認することができます。何よりも大きな成果としてあげられるのが、「社内の共通認識」を持つことができ、それに基づいた活動を組織横断で展開することができる点です。

営業にとっての理想のお客様と、開発にとっての理想のお客様は違う概念です。両者はイコールのようで、イコールではありません。

しかしそこにペルソナがあると、営業も開発も、さらには製造も品質管理も、組織内のすべての部署が同じ認識を持ってお客様を定義することができます。これは非常に大きなメリットであり、企業全体が一丸となってビジネスを推進する指針になるのです。

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ペルソナの作成方法

それでは、ペルソナを作成する方法について、その手順を簡単に説明していきます。

Step1.     既存顧客から理想的な顧客を抽出する

最初のステップで肝心なことは、ペルソナのモデルとして理想的な顧客を獲得することです。社内の各部署からも意見を吸い上げ、あらゆる情報にアクセスし、多くの利益をあげている顧客や、会話の中でよく登場する顧客像、事例として取り上げている顧客等が主に該当します。

新商品や新サービスの場合は顧客がいない状態なので、社内で話し合って仮想的に顧客を作りあげたり、テストマーケティングや馴染みの顧客にヒアリングなどを通じて、ペルソナ像を形成する方法を取ることが一般的です。

Step2.     選定した顧客の妥当性を検証する

ペルソナのモデルとして選定した顧客と似たような顧客が、どれくらい存在するのかを検証します。統計情報やアンケート調査で現実的にどれくらい存在しているかを把握します。数があまりに少ない場合や条件が複雑になりすぎる場合は、モデルとなる顧客像について再考する必要があります。

Step3.     各部門と話し合い顧客情報を集める

受注から優良顧客になるまでのストーリーや課題、商談ごとの顧客の反応や心理変化など、営業活動のなかで気づいたことについて営業と話し合い、情報を整理していきます。また、サポート部門は契約後の満足度や効果的に成果をあげているケースを把握している場合が多く、それぞれ違った視点でも情報を集めることが大切です。

情報を集める際に注意したい点としては、天性の勘や長年の経験と行った抽象的なファクターだけでなく、セミナー参加者からの購買傾向、問い合わせしてきた人の属性など、データ化できる情報に基づき、ある程度ロジカルに検討することが効率的に作業を進め、指標としても使用しやすくなります。

Step4.     顧客にインタビューして情報を深める

可能ならば、ペルソナのモデルとして選定した顧客にインタビューを行えると貴重な情報が収集できます。事前にヒアリング項目を用意し、どこで導入した商品やサービスを知ったのか、そこまで至った背景や経緯などについても尋ねます。インターネットを使用した商品やサービスを検索している場合は、入力した検索キーワードやサイトを知ったきっかけなどもこの機会に把握し、マーケティング施策の検討に活用できます。

Step5.     これまでの情報をもとにペルソナを作成する

独自の情報収集や営業との会話、顧客インタビューを通じて整理した情報をもとにペルソナを作っていきます。

人物像にだけフォーカスするのではなく、出来るだけ購買プロセスを意識し、それぞれのプロセスごとで顧客の状態や関心事項、どう行った行動を想定しておくことで、ペルソナ像が具体化するとともに、実際にペルソナから施策に展開する際にも役立ちます。

Step6.     営業にフィードバックする

作成したペルソナをもとに、各部門との認識を合わせていきます。更にそこから得たフィードバックをもとに、追加・修正を行うことでよりターゲットとするペルソナ像にに近づけていきます。

Step7.     持続的に運用してペルソナを修正していく

ペルソナが完成したら、その情報にもとづいて商品開発を行ったり、サービスを修正したり、マーケティング活動や営業活動を行っていきます。大切なのは、全社一丸となって同じペルソナを共有し、ビジネスを推進することです。

そしてもっと大切なことは、定期的に関係部門と話し合いながらペルソナを修正していくことにあります。1度作成したペルソナは完璧ではなく、顧客のニーズや経営課題などは常に変化していきます。特に、想定したプロセス通りに行動しているのか?実施した施策の結果が想定したペルソナを獲得しているのか?など、具体的な数値データを元に分析することで、持続的にペルソナを修正していきます。

これは想定が外れてしまった場合に限らず、マーケットのニーズや製品の特長の変化などに柔軟に対応していくためにも必要な作業となります。

データ分析

さあ、顧客分析を始めてみましょう!

顧客分析を実施する上で大切なことは、目標に応じて正しい手法を使い分けることです。ただし、初めて顧客分析に取り組む場合は、まずペルソナからチャレンジすることをおすすめします。数ある顧客分析の中でも比較的簡単に実施できますし、コストも抑えられます。

また、固定概念に捉われず、各部門が持っている顧客関連の時系列データを使って分析を行うことでも、今まで気づかなかった新たな事実を発見する機会にも繋がります。この機会に、ぜひ顧客分析に取り組んでみてください。

電算システムでは、データサイエンティストチームである子会社のゴーガ解析コンサルティングと共にデータ分析ビジネスを展開しています。実際に自社の顧客データを使って分析をしてみたい方はお気軽にご相談下さい。

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