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PaLM2の優れた4つの機能!
4つの活用例やGoogle製品への3つの利用例を紹介

 2024.09.18  株式会社電算システム

PaLM2は、世界で注目されているGoogleの大規模言語モデルです。翻訳や顧客対応、医学分野の業務サポートなどに活用されており、近年活躍の場を広げています。PaLM2が利用されたサービスを業務に活用すれば、作業の効率化や生成AIを組み込んだアプリケーション開発も可能です。
ビジネスの可能性が広がり、企業の成長に大きく貢献するでしょう。

この記事では、PaLM2の特徴や機能、活用例などを解説しています。PaLM2についての情報を網羅できる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

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PaLM2の特徴

まずはPaLM2の特徴を把握して、基礎知識を身につけましょう。

PaLM2はGoogleの大規模言語モデル

PaLM2は、Googleが2023年5月に発表した大規模言語モデルです。大規模言語モデルとは、大規模なデータセットとディープラーニングを使ってトレーニングされた言語モデルです。大規模言語モデルに膨大な量の会話や文章を学習させれば、データをもとに言語の意味や文法を理解できるようになります。

従来の言語モデルとは異なり、人に近い自然な会話が可能で、高い精度でさまざまな処理ができる言語モデルであるとして、世界で注目されています。大規模言語モデルが活用されている分野の具体例は、以下の通りです。

  • 検索エンジン
  • 翻訳
  • AIアシスタント(Siri、Alexa)
  • 医療診断
  • 感情分析
  • カスタマーサービス

2023年8月より日本語で利用可能になった

PaLM2が日本語で利用可能になったのは、2023年8月です。PaLM2の日本語版は、コーディングなしで機械学習のチューニングやトレーニングができる「Vertex AI」から利用できます。PaLM2の日本語は、日本語が母語ではない外国人の日本語スキルを測定するJ.TEST実用日本語検定の上級者向けで、合格率94%を記録しています。PaLM2の日本語版は、自然な日本語で会話ができるだけでなく、言葉の細かなニュアンスの理解も可能です。

PaLM2はPaLMの改良版

PaLM2は、Googleが2022年4月に発表したPaLMの改良版です。PaLMは「Transformer」モデルという標準モデルをベースに、幅広い言語タスクを通して改良された大規模言語モデルです。多くのデバイス間で非同期にデータを送受信でき、タスクの効率化に役立ちます。

2023年3月には、ソフトウェアとPaLMをつなぐAPIが発表され、PaLMを活用した対話や文章生成などの機能を外部のシステムと連携して使用できるようになりました。

PaLM2の前身であるPaLMの機能3選

PaLM2の前身であるPaLMの機能は、以下の3つです。

  • 因果関係の正しい理解
  • 段階に分けた推論
  • ジョークの理解

PaLMの機能を確認して、PaLM2のルーツを把握しましょう。

因果関係の正しい理解

PaLMは、因果関係に関する質問に対して、適切に回答できます。言葉の理解能力を評価する測定において、PaLMに質問を送り、出された回答の得点によって機能を評価した結果、問題なく対応できると証明されました。従来の大規模言語モデルは、因果関係を理解したり、文章要約や対話に反映したりはできませんでしたが、PaLMであれば実現可能です。

段階に分けた推論

PaLMは、数学の計算問題を段階に分けて推測し、正解を導き出せる言語モデルです。従来の大規模言語モデルは、論理的な考えに基づいて数学の問題を解くことはできませんでしたが、「CoTプロンプト(Chain of Thought Prompting)」と呼ばれる手法を活用して、実現できるようになりました。CoTプロンプトでは、人の論理的思考を再現するように、思考過程をAI言語モデルが段階に分けて実行し、結果を出力します。

ジョークの理解

PaLMは、ジョークを理解して面白い理由まで説明できる言語モデルです。実際に論文では、英語でのジョークを理解し、オチが面白い理由まで説明したという記述があります。PaLMは、仮に意味のわからない文章を送られても、論理的に推測して、理解します。言葉や文章の意味を論理的に推測できれば、細かいニュアンスの理解が求められる分野でも活用可能です。

PaLM2の優れた機能4選

PaLM2は、以下の点でPaLMよりも優れた性能を持っています。

  • 100以上の言語に対応
  • 推論の能力
  • 4つのサイズ展開でさまざまな用途に対応
  • 多言語でのコード生成

機能を確認して、PaLM2の理解を深めましょう。

100以上の言語に対応

PaLM2は、100以上の言語に対応している大規模言語モデルです。PaLMは英語によって開発され、学習も英語で行われましたが、PaLM2は開発段階から英語以外も多く学習しています。

100以上の言語で構成された多くのテキストを学習させており、PaLMよりも多言語対応に優れた大規模言語モデルとして成長しています。なぞなぞや慣用句など、細かいニュアンスを含む表現を多言語で理解して、文章の生成・翻訳が可能です。

推論の能力

PaLM2は、推論の高い能力を持った大規模言語モデルです。PaLM2の学習に活用したデータセットには、数式のあるWebページや化学論文が含まれており、複数の推論のテストでPaLMや他社サービスよりも高い点数を獲得したとGoogleが発表しています。

推論とは、与えられた情報をもとに新たな結論や情報を導き出すことです。推論の能力が高いというのは、文脈を正確に理解して、品質の高いアウトプットができることを意味します。

4つのサイズ展開でさまざまな用途に対応

PaLM2は、以下4つのサイズ展開があり、さまざまな用途に対応しています。

  • Gecko
  • Bison
  • Otter
  • Unicorn

モデルサイズの中で最も軽量である「Gecko」は、モバイル端末にも対応しているため、オフライン環境でのアプリケーション利用に最適です。PaLMは、モバイル端末での利用はできませんでしたが、PaLM2になり、実現可能になりました。より多くのデバイスに対応できれば、さまざまな用途で大規模言語モデルを活用できます。

多言語でのコード生成

PaLM2は、自然言語以外にも、プログラミング言語を多く学習しています。PaLM2で使用できる主なコードは、以下の通りです。

  • Python
  • C#
  • JavaScript
  • Rust
  • TypeScript
  • PHP
  • Prolog
  • Fortran
  • Verilog

PaLM2は、PythonコードをC#に翻訳するなど、プログラミング言語同士の翻訳も可能です。

PaLM2の4つの活用例

PaLM2の活用例を、以下の4つのテーマに沿って紹介します。

  • より自然な文面での言語翻訳
  • 文章・コードの生成
  • 複雑な文章の要約
  • 高度なレベルの質疑応答

活用例を確認して、PaLM2の活用方法を具体的にイメージしましょう。

より自然な文面での言語翻訳

PaLM2を活用すれば、短時間で自然な文面での言語翻訳が可能です。多くの言語を学習しているため、多言語で語彙や文法、文化的背景まで考慮した翻訳ができます。PaLM2の機能は、Google翻訳でも活用されており、多くのユーザーが入力したテキストを瞬時に翻訳しています。

Googleは、音声ベースの言語モデルである「Audio LM」とPaLM2を組み合わせた「AudioPaLM」というサービスも発表しており、現在は音声からテキスト、音声から音声への翻訳が可能です。

文章・コードの生成

PaLM2は、テーマに沿った文章を指定の条件に合わせて作成できます。例えば、「大規模言語モデルとPaLM2についてというタイトルで、1200文字の記事を作成してください」と送れば、指示の通りに文章の自動生成が可能です。

また、PaLM2は、対応しているプログラミング言語でコードの自動生成もできます。例えば「Codey」というGoogle Cloudの基盤モデルを活用して、指示に沿ったコード生成が可能です。コード生成に関する疑問がある場合も、PaLM2が役立ちます。チャット形式でPaLM2に質問を投げかければ、質問に対する回答を得られるため、疑問がある時は活用してみましょう。

複雑な文章の要約

PaLM2を活用すれば、長文のドキュメントや複雑な文章を要約したり、膨大な量のドキュメントから特定の情報を抽出したりできます。ドキュメントを送って指示を出せば、要約や求める情報を短時間で取得可能です。

例えば「以下の文章を1000文字で要約してください」と指示するだけで、文章の要約を作成できます。PaLM2で要約できるものには、以下のようなものがあります。

  • 研究論文
  • ニュース記事
  • ビジネスレポート

要約したい文章さえ集めれば、目を通さなくてもPaLM2で要約を自動生成できるため、情報収集の大幅な効率化が可能です。マーケティングの市場調査をはじめとする時間のかかる業務を、効率良く実行できます。

高度なレベルの質疑応答

PaLM2は、顧客からの問い合わせに答えるチャットボットに活用されています。PaLM2を利用したチャットボットは、問い合わせに対する回答や関連する情報を自然な文面で瞬時に表示可能です。従業員とは違って勤務時間がないため、基本的に24時間365日を通して、顧客の問い合わせに対応できます。PaLM2は、チャットボット以外にもオンライン教育やお客様相談室に活用されており、活躍の場を広げています。

PaLM2の製品への4つの利用例

PaLM2はその性能の高さから、さまざまなサービスに搭載されています。ここでは、PaLM2が活用されている以下の4つのサービスを紹介し、利用例まで解説します。

  • Med-PaLM2
  • Sec-PaLM
  • Google Workspace
  • Duet AI

Med-PaLM2

Med-PaLM2は、PaLM2を利用して作られた医学分野に特化した大規模言語モデルです。医学分野における専門性に優れており、医学の専門用語を用いて質問に答えたり、洞察をまとめたりできます。Med-PaLM2は、医師の適正を測定する試験で合格点を上回る結果を出し、米国医師国家試験形式の質問では「エキスパート」レベルを達成しました。

将来的には、マンモグラフィーやX線などの情報を統合して質問に回答する機能も実装される予定で、今後の期待が大きい大規模言語モデルです。日本では、中外製薬が2023年11月からMed-PaLM2を採用し、創薬プロセスの改善に活用すると発表しました。

Sec-PaLM

Sec-PaLMは、PaLM2を利用して作られたサイバーセキュリティに特化した大規模言語モデルです。組織の脅威となる問題を素早く検出できるため、サイバーセキュリティ対策の強化に貢献します。Sec-PaLMには、セキュリティに関わる以下の機能が実装されています。

  • ソフトウェアの脆弱性
  • 攻撃者のプロファイル
  • 脅威指標
  • マルウェア

Google Workspace

Google Workspaceは、組織のコミュニケーションを活性化しながら、ビジネスの効率化にも役立つツールです。インターネットからアプリケーションにログインするだけで、パソコンやタブレット、スマートフォンで便利な機能を利用でき、社内外から安全に業務を進められます。

Google Workspaceは、以下のような複数のアプリケーションを備えており、PaLM2の新機能が実装されています。

  • Gmail
  • Google カレンダー
  • Google ドライブ
  • Google ドキュメント
  • Google スプレッドシート
  • Google Meet
  • Google Chat

PaLM2によって、GmailやGoogle ドキュメントの下書き・校正、Google スプレッドシートの自動補完など、作業の効率化に役立つ機能が搭載されています。

Duet AI

Duet AIは、Google ドキュメント・Google スプレッドシートなどのGoogleサービスに搭載された生成AI機能の総称です。Googleサービスへ組み込めば、AI技術を活用したさまざまな機能を追加できます。

例えば、Google MeetにDuet AIを組み込むことで、簡単な操作でビデオ会議に独自の背景を使用できます。また、Duet AIが活用されたGoogleスプレッドシートの「Help me organize」機能は、プロジェクトやタスクなどを遂行するプランを自動で作成可能です。

Google Cloudを通じてPaLM2を活用しよう

GoogleのPaLM2は、100以上の言語からなる巨大データセットとディープラーニング技術によって構築された大規模言語モデルです。従来モデルであるPaLMよりも、以下のポイントにおいて優れています。

  • より多くの言語への対応
  • 推論の能力
  • さまざまな用途に対応できるサイズ展開
  • 多言語でのコード生成が可能

PaLM2は、対話型AIサービスや医療分野、セキュリティ分野などのシステムに組み込まれて活用されています。専門性の高い業務のサポートにも活用されており、今後もさらに活躍の場を広げていくでしょう。

PaLM2をビジネスに活用したい場合は「Google Cloud」の導入がおすすめです。Vertex AIでPaLM2を利用でき、生成AIを組み込んだ自社アプリケーションの開発も可能になります。また、BigQueryやCloud Storageなどの他のGoogle CloudサービスとVertex AIを連携させて、機械学習モデルの開発やトレーニング、デプロイメントをスムーズに行うための基盤形成も可能です。

Google Cloudについてさらに知りたい方は、以下のページから無料でダウンロードできる資料をぜひご覧ください。

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