データベースは、データ分析をはじめとしたデータ活用に欠かせないシステムです。さまざまな情報がデジタル化し、データとして管理される現代では、データベースの重要性が高まっています。データベースの導入や変更を検討している方は、自社に適したデータベースを選定するために、まずは基礎知識を身につけておくと良いでしょう。
この記事では、データベースの概要や種類、選び方について解説しています。代表的なデータベースやデータベースの活用事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
データベースとは?概要を解説
データベースとは、データ活用に欠かせない基盤の1つです。データベースの定義や役割を確認して、正確に理解しましょう。
データベースの定義
データベースとは、特定の形式やルールをもとにデータが収集・保管された情報群です。必要な情報が使いやすい形で保管されており、日常業務はもちろん、ビジネスにおける予測や企業の意思決定を支える根拠としても広く活用されています。
データベースに保管されているデータは、そのまま表示される場合もあれば、表やグラフとして表示できる場合もあります。情報を根拠により効果的に事業を行う方法が一般的になっている現代では、データベースの存在は必要不可欠です。
データベースの役割とメリット
データベースの役割は、収集したデータを整理し、抽出・編集・共有しやすくすることです。データベースによって扱いやすく整理されたデータは、利用者が必要な時に素早く取り出せて、業務や意思決定といったさまざまな目的に活用できます。
データが散在していたり、どんな情報か一目でわからなかったりする状態では、データ活用の効率が著しく低下します。データベースがあれば、データがまとまった状態で情報の内容も一目で把握できるため、スムーズにデータを活用可能です。
また、データベースは複数人でも利用でき、データの共同編集を可能にして、組織内のコラボレーションや業務効率の向上にも大きく貢献します。
データベースにおける4つの種類
データベースには、以下のような種類があります。
- リレーショナル型データベース(RDB)
- NoSQL
- 階層型データベース
- ネットワーク型データベース
現在主流となっているデータベースは、リレーショナル型データベースとNoSQLです。主流となっているデータベースを含む4種類の特徴を確認して、データベースの基礎知識を身につけましょう。
リレーショナル型データベース(RDB)
リレーショナル型データベース(RDB)とは、表形式でデータを蓄積するデータベースです。「顧客名」や「取引企業名」といった項目を列に入力し、数値や文字列などの具体的な情報を行に入力する構造になっており、複数の表を紐付けることで複雑なデータ構造を表現できます。
リレーショナル型データベースでは、重複データの登録を排除できる点も特徴です。例えば、複数の部署に所属する社員がいる場合、「社員」として1レコードを登録し、所属部署と紐付けることで複数部署への所属を表現しながら管理が可能です。リレーショナル型データベースは、このように複雑な情報を効率良く管理できますが、データが増えた際には、処理能力が落ちる場合もあります。
NoSQL
NoSQLとは、データベースを操作する際に役立つSQLという言語を使用しないデータベースです。非リレーショナル型データベースとも呼ばれており、リレーショナル型データベースよりも比較的シンプルな構造になっています。
NoSQLは、シンプルな構造のデータ管理に向いており、リレーショナル型データベースとは違いデータが増えても処理能力は基本的に落ちません。しかし、複雑な構造をしているデータの管理には向いていないのが特徴です。
階層型データベース
階層型データベースとは、データの親子関係を登録した状態でデータを蓄積するデータベースです。家系図や組織図のようなデータ構造をしており、データ登録の際に親子関係を管理するための「ルート」を登録するため、素早く必要なデータを見つけ出せます。階層型データベースのデメリットとしては、複数の親データに属している子データがある場合、それぞれの親データに子データを登録する必要があり、データ登録が重複する点です。
ネットワーク型データベース
ネットワーク型データベースとは、ノードというデータを表す「結び目」が網目状につながった構造をしているデータベースです。1つの子ノードは複数の親ノードを持つことができるため、階層型データベースのような重複登録を防止できます。
ネットワーク型データベースは、リレーショナル型データベースよりも柔軟かつ複雑なデータ構成が可能ですが、データの整合性の維持が難しいため、現在利用されるケースはほとんどありません。
データベースの種類の選び方
データベースの種類の選び方を、現在主流となっているリレーショナル型データベースとNoSQLの2つのケースで紹介します。それぞれのケースを確認して、自社がどちらに向いているのかを把握しましょう。
リレーショナル型データベース(RDB)が向いているケース
リレーショナル型データベースでは、データの整合性や一貫性が重要なシステムに向いています。例えば、以下のようなシステムが挙げられます。
- 企業の基幹業務システム:顧客管理システムをはじめとしたデータの更新・参照が多く行われるシステム
- 在庫管理・販売管理システム:ECサイトの在庫管理システムをはじめとしたデータの正確性が重要なシステム
- 金融・会計システム:トランザクション管理を要する銀行システム
NoSQLが向いているケース
NoSQLは、スケーラビリティや柔軟なデータ管理が重要なシステムに向いています。例えば、以下のようなシステムが挙げられます。
- チャットアプリ・SNS:メッセージアプリをはじめとした膨大な量の非構造化データを高速で処理するシステム
- IoTデータ管理:リアルタイム分析システムをはじめとしたストリーミングデータを扱うシステム
- 機械学習・ビッグデータ:レコメンドエンジンをはじめとした膨大な量のログデータを処理するシステム
- 柔軟なスキーマ変更を要するケース:MVP(実用最小限の製品)の開発をはじめとしたデータ構造の変更が多いケース
代表的なデータベース10選
データベースには数多くの種類がありますが、導入を検討する際には、まずは代表的なものから確認していく方法がおすすめです。代表的なデータベースは、以下の通りです。
- SQLite【リレーショナル型】
- FileMaker【リレーショナル型】
- MySQL【リレーショナル型】
- Oracle Database【リレーショナル型】
- PostgreSQL【リレーショナル型】
- Microsoft Access【リレーショナル型】
- Microsoft SQL Server【リレーショナル型】
- Redis【NoSQL型】
- MongoDB【NoSQL型】
- HBase【NoSQL型】
それぞれの特徴を確認して、自社の要件に合うものを見つけましょう。
SQLite【リレーショナル型】
SQLiteは、オープンソースのリレーショナル型データベースです。ソフトウェアに組み込んで使用するタイプのデータベースで、他のリレーショナル型データベースとは大きく異なります。容量もコンパクトなため、モバイル端末で動作するソフトウェアに向いています。
FileMaker【リレーショナル型】
FileMakerは、入れ物としてのデータベースだけでなく、データベースを操作する機能も持ったリレーショナル型データベースです。Excelからのデータ利用も簡単に実行でき、プログラミングのスキルを持っていない人でも、手軽にデータベースアプリケーションを作成できます。
MySQL【リレーショナル型】
MySQLは、オープンソースのリレーショナル型データベースです。商用利用の場合は費用がかかりますが、私的な利用では無償なので、データベースを使用した個人のシステム開発やプログラミング研修などで多く活用されています。
Oracle Database【リレーショナル型】
Oracle Databaseは、高いシェア率を誇る世界で最初にリリースされたリレーショナル型データベースです。有償のデータベースで、クライアントサーバーシステムの時代から使われており、最近のクラウドシステムにも対応しています。
PostgreSQL【リレーショナル型】
PostgreSQLは、無償で利用できるリレーショナル型データベースです。重複データを持たなくても登録できるように、データ構造を整理して登録できます。PostgreSQLは、小規模なシステムのデータベースやプログラム開発の練習用として多く利用されています。
Microsoft Access【リレーショナル型】
Microsoft Accessは、Microsoft 365に含まれるリレーショナル型データベースです。リレーショナル型データベースの入門として使用されており、プログラミングスキルがない人でも、Microsoft Accessで簡単なデータベースシステムを作成できます。データベースの理解を目的とした研修でも使用されているサービスです。
Microsoft SQL Server【リレーショナル型】
Microsoft SQL Serverは、Microsoft社が提供している有償のリレーショナル型データベースです。業務システムで利用されるデータベースとしては、Oracle Databaseの次に高いシェア率を誇っており、Microsoft社のシステム管理ツールを導入する際にも役立ちます。
Redis【NoSQL型】
Redisは、データアクセス時にストレージではなくメインメモリ上にデータを展開するインメモリ型と呼ばれるデータベースです。NoSQL型のデータベースで、高速な処理性能を備えている点が特徴です。もとはWeb上のログを解析するツールとして開発されましたが、IoT分野では、センサからのデータを処理する場合にも活用されています。
MongoDB【NoSQL型】
MongoDBは、オープンソースのNoSQL型データベースです。NoSQL型の中でも特に導入されることが多いデータベースで、クラウド型アプリやブロックチェーンのデータベースとしても利用されています。
HBase【NoSQL型】
HBaseは、GoogleのBigtableをもとにしたオープンソースのNoSQL型データベースです。ビッグデータ処理に役立つプラットフォームのHadoopエコシステムと統合されており、膨大な量のデータ処理に向いています。
データベースの3つの活用事例
データベースを実際に利用する際の参考として、以下の3つの活用事例を紹介します。
- ビッグデータの分析
- 顧客情報の管理・分析
- 企業の基幹システム
事例を確認して、データベースを活用する際の参考にしましょう。
ビッグデータの分析
リレーショナル型データベースとNoSQLは、それぞれの短所を補い合えることから、併用されるケースも多くあります。例えば、ビッグデータ分析でNoSQL型データベースを利用し、蓄積した情報をリレーショナル型データベースに転送した後、BIツールで分析するという方法があります。
顧客情報の管理・分析
小売業では、以下のような顧客情報をデータベースで管理し、活用したマーケティング戦略が多く実施されています。
- 個人情報
- 購買履歴
- Webサイトの閲覧履歴
顧客の個人情報や購買履歴は、会員カードや店舗での注文履歴をもとにデータベースに蓄積できます。また、ECサイトがある場合、データベースからそれぞれの顧客に最適な情報を送るマーケティング手法も効果的です。
企業の基幹システム
自社の基幹システムをWebアプリに移行する企業が増えている中、そのWebアプリのデータ管理を担う存在として、リレーショナル型データベースが活用されています。リレーショナル型データベースのサービスを導入した場合、サービス事業者が提供するセキュリティ対策やシステムのサポートも利用できるため、効率良く基幹システムを運用可能です。
データベースの種類の違いを理解したうえで自社に合った製品を選ぼう
データベースとは、特定のルールをもとにデータが収集・保管されている情報群のことです。4種類あるものの内、現在は「リレーショナル型データベース」と「NoSQL」の2種類が主流となっており、企業の基幹システム運用やビッグデータ分析といった目的で活用されています。
データベースは種類によって向き・不向きがあるため、自社の業務内容に合わせて慎重に選ぶ必要があります。導入を検討する際は、実際にサービスを比較しながら、自社に合うものを見つけましょう。
データベースは、データ分析に欠かせないシステムです。データベースを実際に活用する時を見越して、今のうちからデータ分析の知識を学ぶと良いでしょう。以下のページでは、データ分析についてわかりやすくまとめた資料を無料で提供しています。興味のある方は、ぜひご覧ください。
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