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【図解】AIの仕組みをわかりやすく解説!
ビジネスへの活用方法も紹介

 2024.03.26  株式会社電算システム

株式会社電通が2023年9月に行った「AIに関する生活者意識調査」によると、労働力不足・コスト対策にAIを導入したほうが良いと考える人は全体の7割以上、ビジネスチャンス拡大として導入したほうが良いと考える人は6割以上を占めています。つまり、AIに対する期待が高まっているということです。

AIには、データ分析やシステム開発などの多様な活用手段があります。どのような手段を用いるにせよ、AIの根本的な仕組みを理解することが大切です。

そこで本記事では、機械学習やディープラーニング、学習アルゴリズムに焦点を当て、AIの仕組みを解説します。ビジネスにAIの仕組みを活用する方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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AI技術を支える3つの基本的な仕組み

AI技術は、主に「機械学習・ディープラーニング・ニューラルネットワーク」の3つの仕組みから成り立っています。AI技術の最も根本的な仕組みなので、これらの要素は最低限押さえることが重要です。

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ここでは、AI技術を支える3つの仕組みを詳しく解説します。

機械学習

機械学習とは、入力されたさまざまな情報から類似性や法則性を見つけ、特定の処理を効率良く実行するための技術です。ビッグデータと呼ばれる大量のデータを取り込むのが一般的です。

取り込むデータが膨大な量に及ぶため、より高精度なパターン検証へとつながります。人間の話し言葉を正確に理解したり、画像に写っている物体を正しく認識したりと、高度な出力結果を返せるのが特徴です。

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結果として、脳内に取り込んだ情報を瞬時に判別する人間のような識別・認識機能が、コンピュータに備わっています。

ディープラーニング(深層学習)

ディープラーニング(深層学習)は、機械学習を構成する代表的な手法の一つです。

機械学習では、事前に大量のデータをコンピュータにインプットしますが、入力量が多い分、そのなかにノイズ(不必要な情報)が含まれているケースも珍しくありません。ノイズの量が増えると出力結果に誤差が生まれる原因となります。

そこでディープラーニングでは、学習時に人間側から「どのような部分に着目するか(=特徴量)」という指示を与えます。例えば、トマトとレモンの画像を識別するうえで、「色に着目する」という指示を与えることで、より正確に物体の識別や認識が可能です。

一度でもコンピュータが正解パターンを発見すると、後はこの特徴量を自ら見出し、学習効率を高めます。つまり、何度も同じ指示を与えずに学習精度を高められるのです。

ニューラルネットワーク

AI分野におけるニューラルネットワークとは、人間の脳内の神経細胞(ニューロン)とその回路網を人工的に作り出したものを指します。機械学習のなかでもディープラーニングの中枢を成す構成要素です。

ディープラーニングでは、入力情報から出力結果を生み出すまでの間に、「学習フェーズ」と「推論フェーズ」を経由します。ニューラルネットワークは、前者の学習フェーズで用いられる技術です。

また、ディープラーニングは、ニューラルネットワークの複数の層によって構成されています。

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それぞれの層(ノード)には、しきい値(上限値と下限値の境目)が設定されており、その値を超えない限り次の層へはデータが送信されません。

例えば、犬の画像を識別する際、蓄積された犬の情報と入力値を見比べて、しきい値を超えるかどうかが判定されます。しきい値を超えると入力層から中間層へと移行し、最終的に出力結果(犬の画像である・犬の画像ではない)が返される仕組みです。

このような仕組みを構築することで、データ同士の法則性が見つけにくい場合でも、正確にデータを処理できます。しかし、構造が複雑な分、機械による判断の根拠を人間が理解しにくいのが難点です。

AIに機械学習をさせる3つの仕組み

機械学習には、さらに「教師あり学習・教師なし学習・強化学習」の3つの仕組みが含まれています。それぞれ役割や目的が異なるため、特にAIを用いてシステム開発を行う場合は、学習方法をしっかりと理解することが重要です。

教師あり学習

教師あり学習とは、あらかじめ正解データを与えたうえで学習する方法です。正否が明らか、または法則性がわかりやすい問題を解決する際に用いられます。

例えば、システムや機器の異常を検知する場合、内部温度が60度を超えると、明らかに問題があることがわかるでしょう。そのため、「内部温度60度以上で異常を検知」といった正解データを与えておくと、コンピュータが自動的に問題を発見できます。

また、回帰と分類の仕組みを活用し、予測を行えるのも特徴です。

回帰とは、連続した複数のデータをもとに特定の値を予測する手法です。一方の分類は、複数のデータが所属するクラスを予測する手法で、「はい」と「いいえ」の2パターンに分類されるような出力結果を返します。

仮に飲食店のデータを解析する場合、回帰であれば将来的な顧客の訪問回数を予測し、分類であれば自店の好き嫌いを予測するようなイメージです。このような仕組みを活用すれば、需要予測や株価の予測、気象分析などに応用できます。

教師なし学習

教師なし学習とは、あえて正解データを与えずに学習を進める方法です。教師あり学習のように回帰や分類の手法は使えませんが、複数のデータ間に存在する未知の法則性を発見できます。

ビジネスシーンや日常生活にかかわらず、正否が明確に判別できない問題は数多く存在します。新規事業によって創出できる商圏規模や、営業経験がない未分野での新商品のターゲットなどが最たる例です。このようなケースでは正解となるデータが存在しないため、教師あり学習の仕組みを活かせません。

そこで教師なし学習では、一見関連性の薄そうなデータ同士をグルーピングする「クラスタリング」と、各々のデータの特徴を浮き彫りにする「次元削減」の仕組みを活用し、新たな法則性を編み出します。両者の仕組みがあることで、複数のモデルを用意し、互いに競わせて新たなデータを生成するような活用が可能です。

また、事前に正解データを用意する必要がない点から、学習時間を削減できるのも利点です。そのため、瞬時の認識や出力が求められる自動運転にも活用されています。

強化学習

強化学習は、教師あり学習を発展させた学習方法です。仕組みそのものは教師あり学習と変わりませんが、与えられたデータを指示通りに学習するのではなく、コンピュータが自ら試行錯誤して最適なパターンを見つけるのが特徴です。

強化学習を進める際は、コンピュータの出力結果に対し、スコア化されたフィードバック(報酬)を与えます。そのフィードバックをもとに、コンピュータが別のパターンを検出し、繰り返し出力結果を改善する仕組みです。

出力結果の精度向上が期待できるため、より高度な認識や予測が求められる分野で活用されています。ロボットやアームの制御、ゲームやパズルの解読などが代表的です。

AIでデータ処理を行うアルゴリズムの仕組み4選

AIが機械学習を行う際は、アルゴリズムと呼ばれる一定の法則によって処理が実行されます。アルゴリズムにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な手法を取り上げて解説します。

  • ランダムフォレスト
  • ロジスティック回帰
  • k近傍法
  • k平均法

ランダムフォレスト

ランダムフォレストは、主に教師あり学習で採用されているアルゴリズムです。決定木とアンサンブル学習と呼ばれる仕組みを用いて学習を進めます。

決定木とは、複数のルートに分岐する樹形図による分析手法です。例えば、「条件を満たすか・満たさないか」によってAルートとBルートに分岐し、裾広がりで複数の出力結果へと帰結します。決定木を活用することで、精度の低い結果を出力前に除外できるため、出力結果の質向上につながります。

アンサンブル学習とは、予測精度を高めるために複数のアルゴリズムを組み合わせる手法です。強力な学習モデルを構築できるため、膨大な量のデータを効率良く処理するのに向いています。

ロジスティック回帰

ロジスティック回帰とは、「はい・いいえ」のように答えが2つしかない要素を抽出し、特定の事象が起こる確率を予測する、教師あり学習用のアルゴリズムです。「回帰」という名称が付いているものの、実際には機械学習における「分類」で用いられます。

例えばビジネスシーンでは、商品の価格帯や機能の変化による、購買の意思決定への影響を見極める際に役立ちます。「商品価格が高額になるほど購買者がどの程度減少するのか」といった予測が可能です。

2パターンの正否のみで結果を判別するため、簡潔な仕組みに特徴があります。その分、表計算ソフトで学習訓練を行えるため、専門人材がいなくても扱えるのがメリットです。

k近傍法

k近傍法とは、教師あり学習におけるグルーピング処理をするためのアルゴリズムです。対象データがどのようなグループに含まれるか、データ同士の多数決で決定します。

具体的には、あらかじめグループ分けされた教師データをインプットし、近似性の高さから対象データのグループを予測します。機械学習において最もシンプルなアルゴリズムなので、ロジスティック回帰と同様、扱いやすさが特徴です。

k平均法

k平均法は、教師なし学習の代表的なアルゴリズムです。教師なし学習では、データ同士の類似性にもとづきグルーピングを行います。これを「クラスタリング」といいます。

k平均法は、クラスタリングを実行する際に、各クラスタ(データ群)から平均的な位置(代表点)を定め、距離が最も近いグループに対象データを分類する仕組みです。

教師なし学習は教師あり学習と異なり、データ分類時の基準が存在しません。このような基準が存在しない場合でも、座標上に散在するデータからグルーピングを行えるのが利点です。

AIの仕組みをビジネスへと取り込む4つの手順

AIの仕組みが理解できれば、その技術をビジネスへと取り入れましょう。ここでは、ビジネスへの導入手順を詳しく解説します。

  1. 課題の特定と目的の設定
  2. AIの活用範囲の決定
  3. 利用するサービスやシステムの選定
  4. 運用開始・効果検証

1. 課題の特定と目的の設定

AIを活用するうえで、まずは目的を設定することが重要です。明確な目的があれば、その活用範囲や導入すべきツールなどが明らかとなります。また、目指すべき方向性が明瞭になり、問題が起きた際でもスムーズな軌道修正を行えます。

目的を定めるには、先に自社が抱えている課題を特定しましょう。

AIは、業務サポートによる省人化や、業務代行による生産性向上などに効果を発揮します。そのため、慢性的な労働力不足に悩まされている、あるいは残業時間が思うように減らないといった課題を抱えている企業に向いています。

2. AIの活用範囲の決定

さまざまな場面で活用できるAIだからこそ、事前に適用範囲を定めることが重要です。最初から幅広い領域でAIを導入すると、新旧システム同士の不具合や業務の停滞などにより、組織が混乱してしまいかねません。

AIを活用する際は、組織規模にかかわらず、スモールスタートを意識するのがおすすめです。

例えば、情報システム部門からAI活用を始め、成果が出た後に範囲を広げるような方法が考えられます。この方法であれば、成功事例やそのノウハウを活かせるため、よりスムーズに定着へとつながります。

3. 利用するサービスやシステムの選定

一概にAIといっても、その仕組みを活用できるサービスやシステムは多岐にわたります。代表的なものは次の通りです。

  • 需要予測システム
  • チャットボット
  • 電話自動応答システム
  • RPA(Robotic Process Automation)
  • 作業現場向けの自動検知システム
  • 生体認証システム

そのほか、監視カメラやドローンなどのIoT製品と組み合わせるのも方法の一つです。

それぞれのサービスやシステムには明確な役割があるため、目的と活用範囲に応じて選び分けましょう。一つひとつの製品を比較するには、事前に要件定義を行うことが重要です。

また、独自開発したAIのプログラムを、既存のサービスやシステムに実装することも可能です。この場合は、収集すべきデータの種類や学習量を決めたうえで、プログラミングによって実装を行います。専門人材が必要なので、事前に社内体制の整備が欠かせません。

4. 運用開始・効果検証

AIの導入後に忘れてはならないのが効果検証です。

AIの導入によってどのような成果が現れたのか、客観的なデータをもとに検証しましょう。さらに、PDCAサイクルを回転させ、繰り返しアクションプランの改善が必要です。効果検証を実施しなければ正確な費用対効果がわからず、目的を達成できない可能性があります。

客観的なデータを収集するには、AIの活用方法に合わせて適切なKPIを設定することが重要です。

例えば、チャットボットを導入するなら、電話・メールでの問い合わせ件数が導入前後でどの程度変化したのかを分析すると、効果がわかりやすいでしょう。目標に到達しない場合は、新たな仮説をもとに対応策を検討します。

AIの仕組みを活用するならGoogle Cloudがおすすめ

AIの仕組みを活かし、さまざまなシーンで活用を進めるなら、Google Cloudの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Google Cloudは、AWSやMicrosoft Azureに並ぶ大手クラウドプラットフォームの一つで、100種類以上のプロダクトが搭載されています。データベースやインフラ管理、BI(ビジネスインテリジェンス)など、クラウド環境を構築するためのプロダクトが中心です。

そのほか、機械学習用のプラットフォームやAIを活用した分析基盤構築など、AIにまつわるプロダクトも豊富に用意されています。独自の機械学習モデルを開発できるほか、ビッグデータ解析に対応できるのも特徴です。

AIを最大限に活用したい企業にとって欠かせないツールだといえるでしょう。

基本的な仕組みを理解して最適な環境でAIを使いこなそう

AIには、機械学習やディープラーニングなどの仕組みが存在し、さらに学習方法やアルゴリズムも多岐にわたります。仕組みがやや複雑ではあるものの、根本的な知識を得ると、適切な環境でAIを活用できるほか、よりスムーズに開発が進められます。

もし、機械学習モデルをいちから開発したり、高度なビッグデータ解析を行ったりする場合は、Google Cloudを活用するのがおすすめです。Google Cloudを導入すれば、クラウド環境構築とAIの機能を組み合わせて利用できます。

電算システムでは、Google Cloudの導入支援サービスを提供していますので、導入や運用に少しでも不安があれば、気軽にご相談ください。Google Cloudや電算システムについては、以下の資料で詳細を紹介しています。

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