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Amazon S3とは?
機能や料金体系・活用方法を分かりやすく解説

 2026.02.23  株式会社電算システム

Amazon S3とは、Amazonが提供するファイル管理の効率化に役立つクラウドストレージサービスです。世界的に高いシェア率を誇り、大企業も導入しているサービスで、コストや機能、セキュリティのいずれにおいても優れています。AWSの他サービスとも連携でき、データの保存だけでなく、Webサイトの運用にも利用できます。

この記事では、Amazon S3の概要や主な機能、メリットなどについて解説しています。Amazon S3の特徴や活用事例をわかりやすくまとめた内容になっているため、ぜひ最後までご覧ください。

Amazon S3とはAmazonが提供するストレージサービス

Amazon S3は、ファイル管理ができるAmazonのクラウド型ストレージサービスです。Amazon Simple Storage Serviceの頭文字を取っており、サービスの利用によってファイル管理や冗長化を効率化できます。文書や画像、動画などのデータを保管するだけでなく、アプリケーションやWebサイトのバックアップ先としても活用されています。

また、AWS(Amazon Web Services)に含まれる他のサービスと連携して、外部ツールとのデータ共有やバックアップといった作業の効率化も可能です。AWSは、サービス数や種類が豊富で、クラウドサービスの中でも世界トップのシェア率を誇っています。AWSを導入すれば、機械学習やデータ分析などさまざまな機能を備えたサービスを活用でき、その一部としてAmazon S3も利用できます。

Amazon S3の主な5つの機能

Amazon S3には、代表的な以下の5つの機能があります。

  • ストレージ

  • ライフサイクル

  • ホスティング

  • バージョニング

  • アクセス管理

各機能の特徴を確認して、Amazon S3の基礎知識を身につけましょう。

ストレージ

Amazon S3の最も主要な機能として挙げられるのが、ストレージ機能です。文書や画像、動画、音楽といったあらゆる種類のデータに対応しており、データ管理を効率化できます。Amazon S3では、バケットというデータの保存場所を作成して、ストレージを管理します。ストレージにもいくつかの種類が用意されており、データへのアクセス頻度や利用者のコスト要件に応じて自由に選択が可能です。

また、Amazon S3では、以下のような機能を使ってストレージを管理できます。

  • オブジェクトロック:データの削除・上書きを一定期間もしくは無期限で防止できる機能

  • バッチ操作:ストレージ内のデータに対して一括でAPIを実行できる機能

  • レプリケーション:データを異なるリージョンやバケットへ自動でコピーできる機能

  • タグ:データに任意のキーや値のペアを割り当てて、アクセス制御やデータ管理を効率化できる機能

ライフサイクル

ライフサイクルは、利用状況に応じたデータ削除やストレージ間の移動を自動で実行できるAmazon S3の機能です。例えば、保存から一定期間が経過したファイルを、アクセス頻度が低いデータ向けに用意されたストレージクラス(ストレージの種類)へ自動で移動できます。

Amazon S3では、アクセス頻度に応じて複数のストレージクラスが用意されており、それぞれ利用料金が異なります。アクセス頻度の低いファイルを利用料金の低いストレージクラスへ移動すれば、コストの削減が可能です。また、ライフサイクルを活用すれば、保存から一定期間が経過したファイルも自動で削除できます。

ホスティング

ホスティングは、Amazon S3で静的Webサイトの保存・運用・管理ができる機能です。具体的には、以下のようなアクションを実行可能です。

  • Webサイト内でデフォルトのページが設定できる

  • 別のドメインやバケットにリダイレクトできる

  • エラーが発生した際にエラーページを表示できる

  • HTTPSでWebサイトへアクセスできる

  • 独自ドメインでWebサイトを公開できる

通常Webサイトを運用するには、ホスティング用のサーバーを別途用意しなければなりませんが、Amazon S3のホスティング機能を活用すれば、サーバーやネットワークの構築が不要になります。Webサイト運用に関わる作業を削減することで、管理者の負担軽減につながります。

バージョニング

Amazon S3には、バージョニングというオブジェクト単位でファイルのバージョン管理ができる機能が備わっています。意図せずデータの削除や上書きをしてしまっても、保存された過去のバージョンのファイルを使って、データの復元が可能です。

また、万が一Amazon S3の複数のデータセンターに何らかの障害が発生してアクセスできない状況になっても、データ紛失を防ぐ対策が施されているため、機密情報を安全に保護できます。

アクセス管理

Amazon S3では、オブジェクト単位やバケット単位によるアクセス制御が可能です。細かくアクセス制御ができれば、データの重要度に合わせて適切にアクセス権限を管理でき、高いセキュリティレベルを維持できます。

例えば、顧客や取引先の情報は営業部署やサービス提供部署のみがアクセスできるようにし、会社経営に関わる情報は管理職や役員に限定してアクセス権限を設定するといった制御が可能です。アクセス権限を適切に管理することで、情報漏洩リスクの低減につながります。

Amazon S3のアクセス制御には、主に以下の3つの方法があります。

IAMポリシー ユーザー単位でアクセス権限を設定する方法
バケットポリシー バケット単位でアクセス権限を設定する方法。ファイル名やオブジェクト名でもアクセス権限を設定可能
ACL(アクセスコントロールリスト) ACLを活用して、オブジェクトとバケットのそれぞれにアクセス権限を設定する方法

Amazon S3では、オブジェクトを暗号化できる機能も利用可能です。アクセス制御の機能と併用する形でオブジェクトの暗号化機能を活用すれば、セキュリティをより強固にできます。オブジェクトの暗号化は、バケットの標準暗号化機能を有効にするだけで実行できます。

Amazon S3を利用する4つのメリット

Amazon S3を利用するメリットは、以下の通りです。

  • 耐久性・可用性が高い

  • 容量制限がない

  • セキュリティレベルが高い

  • 従量課金制でコストを抑えられる

メリットを把握して、Amazon S3の導入効果を確認しましょう。

耐久性・可用性が高い

Amazon S3は、クラウド型ストレージサービスの中でも特に高い耐久性と可用性を持ったサービスです。99.999999999%の耐久性と99.9%の可用性を持っており、重要なデータも安全に保護できます。

また、Amazon S3にアップロードされたデータは、3ヶ所以上のデータセンターへ自動保存されるため、万が一データを破損・紛失しても、バックアップデータから素早く復旧が可能です。複数のデータセンターはそれぞれ距離も離れており、災害による物理的な被害にも対策が施されています。

容量制限がない

Amazon S3は、容量無制限で利用できるストレージサービスです。多くのストレージサービスには容量制限が設けられていますが、Amazon S3を利用すれば、ストレージの残容量を気にせずにデータをアップロードできます。

大量のデータを扱っている企業でも、Amazon S3へデータをすべて集約でき、データ管理がしやすくなります。1つのファイルにつき5TBまでという制限はありますが、大容量の動画でも問題なくアップロード可能です。

セキュリティレベルが高い

Amazon S3では、データへのアクセス制御や暗号化を設定できる機能が提供されています。アクセス制御を設定できるストレージサービスは他にもありますが、ユーザーやバケット、オブジェクト単位で細かくアクセス権限を設定でき、暗号化でより強力にデータを保護できる点は、Amazon S3の大きな特徴です。Amazon S3の利用によって、不正アクセスによる情報漏洩のリスクを最小限にできます。

また、Amazon S3に搭載されているS3 Block Public Access(BPA)という機能によって、バケットへのアクセスをすべてブロック可能です。データに応じてS3 Block Public Accessを有効にすれば、人為的ミスで意図せずデータを公開するリスクを低減できます。

従量課金制でコストを抑えられる

Amazon S3は、従量課金制のストレージサービスです。使用容量、データの送受信量、リクエスト数といった使用状況によって料金が請求されるため、定額制のサービスに比べて無駄なコストを抑えられます。そのため、小規模な事業立ち上げ時など、コストを抑えたいフェーズでも、必要な機能を活用しながら柔軟に運用できます。

また、Amazon S3には、コスト最適化に役立つストレージクラス分析という機能があります。ストレージクラス分析を活用すれば、保存されているデータのアクセス状況を監視・分析でき、アクセス頻度の低いデータをより低コストなストレージクラスへ移行できます。ライフサイクル機能と併用すれば、運用の手間をかけずに、より効率良くコスト管理が可能です。

Amazon S3の料金体系

Amazon S3は、従量課金制で以下の項目ごとの使用量に応じて、料金が請求されます。

ストレージの容量 保存されたデータに対して料金が決定
リクエスト データのアップロード・ダウンロードに対して料金が決定
データ転送 リージョン外へのデータ転送に対して料金が決定

Amazon S3では、ストレージクラスによっても料金が変わるため、データへのアクセス頻度に応じてストレージクラスを選択すれば、コストを抑えられます。また、サービスでは無料枠が提供されており、本格的な導入前に使用感やユーザーに合った利用方法を確認可能です。料金体系の詳細や見積もりが欲しい場合は、公式サイトを確認してみましょう。

ビジネスにおけるAmazon S3の5つの活用法

Amazon S3には、ビジネスにおいて以下のような具体的な活用方法があります。

  • データの長期保存

  • データのバックアップ・復元

  • データのアーカイブ

  • 静的Webサイトの公開

  • BCP対策

活用方法を確認して、Amazon S3を使用する際のイメージをより具体的にしましょう。

データの長期保存

Amazon S3は、データの保存期間や量を気にせずに業務で使うデータをすべて保管できるため、多くの企業が利用しています。業務で使うデータは基本的に年々増えていくものですが、Amazon S3であれば、オンプレミス型ストレージのように、容量を追加する必要はありません。容量追加に伴う機器の変更や追加も不要になるため、コストも大幅に削減できます。

また、アクセス頻度の低いデータの長期保存に適したAmazon S3 Glacierというストレージクラスを利用すれば、さらにコストを抑えられます。

データのバックアップ・復元

Amazon S3は、データのバックアップ用途にも適したサービスです。データの保護や復元に役立ついくつものセキュリティ機能により、データの破損や紛失を防止できます。

AWSには、Amazon S3以外にも、安全なデータの保管や共有を可能にするAmazon EBSやAmazon EFSといったサービスもあります。Amazon S3とこれらのサービスの併用によって、自社の可用性が高まると共に、より安全なデータ活用が可能です。

また、既存のオンプレミス型ストレージとAmazon S3を同時に利用したい場合は、AWS Storage Gatewayを使用すれば、オンプレミス環境のデータを自動でAmazon S3にバックアップできます。

データのアーカイブ

Amazon S3は、データのアーカイブにも活用可能です。ストレージクラスの1つであるAmazon S3 Glacierで提供されているAmazon S3 Glacier Deep Archiveを利用すれば、データを長期間・低コストでアーカイブできます。

Amazon S3 Glacierは、アクセス頻度の低いデータの長期保存に適したストレージクラスですが、用途に応じて復元速度を選択できます。例えば、迅速取り出しサービスの場合で1分、標準取り出しサービスの場合で3〜5時間でアーカイブデータを復元可能です。

Amazon S3 Glacierからの一括データ復元とAmazon S3 Glacier Deep Archiveを使用した復元は、すべて12時間以内に完了できます。

静的Webサイトの公開

Amazon S3とAWSに含まれるAmazon CloudFrontを組み合わせて利用すれば、静的Webサイトを安全かつ迅速に公開できます。異なる企業が運営するサービスを複数導入しなくても、AWSのサービスのみでWebサイトの運用・管理が可能です。さらに、Amazon S3には静的コンテンツ、Amazon EC2に動的コンテンツを配置することで、コストを抑えながらWebサイトを運用できます。

BCP対策

Amazon S3は、BCP対策の一環として活用できるサービスです。BCP対策(事業継続計画)とは、Business Continuity Planの頭文字を取った言葉で、企業が災害や事故、大規模な感染症といった被害にあっても、事業を継続もしくは早期復旧できるように対策をまとめた計画のことです。

Amazon S3では、距離の離れた3ヶ所以上のデータセンターで利用者のデータを管理しているため、災害や事故によって事業が停止するリスクを低減できます。また、バージョニングやバックアップといった機能により、データの復旧も素早く実行できます。

Amazon S3を導入してデータを管理すれば、いつ発生するかわからない災害や事故による被害を最小限にでき、BCP対策を行っている企業として株主や取引先、顧客にもアピールが可能です。

Amazon S3で低コストかつ容易にデータを管理しよう

Amazon S3とは、ファイル管理に便利なAmazonのクラウド型ストレージサービスです。データへのアクセス頻度や利用者のコスト要件によってストレージの種類を選べるため、コストを抑えたデータ管理が可能です。

Amazon S3は、容量無制限でデータを保存できるため、大量のデータを扱う企業でも、データをすべて集約できます。また、3ヶ所以上のデータセンターでバックアップデータも管理されており、万が一災害が起きても、データを素早く復旧可能です。コストだけでなく、機能やセキュリティにも優れたクラウド型ストレージサービスを探している方は、Amazon S3の利用を検討してみると良いでしょう。

クラウド型ストレージサービスには他にも、Amazon S3に並ぶサービスとして、Microsoft AzureやGoogle Cloud(GCP)もあります。それぞれに特徴があり、利用者の求めるニーズによって最適なサービスは変わるため、これらのサービスも候補として検討することをおすすめします。

以下のページでは、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud(GCP)の比較情報をまとめた資料を無料でダウンロード可能です。興味のある方は、ぜひご覧ください。