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Firebaseとは?9つの機能や
メリット・料金体系を分かりやすく解説

 2025.10.10  株式会社電算システム

Firebaseは、アプリ開発の可能性を広げ、作業を効率化できる優れたツールです。活用することで、莫大な費用がかかるアプリ開発のコスト削減も可能になり、さまざまな業界の企業が導入しています。アプリ開発を効率化したい方は、Firebaseの導入を検討してみると良いでしょう。

この記事では、Firebaseの概要や代表的な機能、メリットを解説しています。Firebaseについてわかりやすくまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

FirebaseとはWebアプリ・モバイルアプリを開発するためのプラットフォーム

Firebaseとは、Webアプリやモバイルアプリの開発・運用をサポートするGoogleのプラットフォームです。Firebaseの利用によって、バックエンド処理における開発作業時間を短縮でき、開発の効率化やコスト削減につながります。

Firebaseは、MBaaS/BaaSとしても知られており、アプリ開発者の中でも有名なツールの1つです。MBaaSとは、モバイルアプリのバックエンドサービスを提供するクラウドサービスです。バックエンド構築にかかる時間や手間を削減でき、開発者はアプリ開発に注力できるようになります。一方、BaaSはモバイルアプリだけでなく汎用的なバックエンドサービスを提供するクラウドサービスを指します。

Firebaseの代表的な9つの機能

Firebaseには、以下の代表的な9つの機能が備わっています。

  • Firebase Realtime Database
  • Cloud Firestore
  • Firebase Authentication
  • Firebase Hosting
  • Firebase Cloud Messaging
  • Firebase Crashlytics
  • Firebase analytics
  • Cloud Functions for Firebase
  • Cloud Storage for Firebase

ツールの代表的な機能を確認して、Firebaseでできることを把握しましょう。

Firebase Realtime Database

Firebase Realtime Databaseは、アプリ間でデータをリアルタイムに保存・同期できるクラウドホスト型NoSQLデータベースです。編集されたデータはクラウド上に保存された後、デバイスへ瞬時に同期されるため、各アプリはリアルタイムでの共同作業ができます。

Firebase Realtime Databaseは、データをオフラインのデータベースに保存するため、オフライン環境でも利用可能です。デバイスがオンラインになった際に、自動でローカルデータと同期され、データが更新されます。

Cloud Firestore

Cloud Firestoreは、拡張性に優れたクラウドホスト型NoSQLデータベースです。複雑なクエリを視野に入れた開発に向いており、同じクラウドホスト型NoSQLデータベースであることから、Firebase Realtime Databaseと比較される場合が多くあります。

Cloud Firestoreの利用開始時は、無料で利用可能な領域が提供されており、無料枠がなくなった後は従量課金制に切り替わります。

Firebase Authentication

Firebase Authenticationは、アプリへ安全で手軽にユーザー認証を実装できるサービスです。Firebase Authenticationの利用によって、独自の認証システムを開発者がゼロから構築する必要がなくなります。Firebase Authenticationでは、以下のような認証方法を利用可能です。

  • SNS認証
  • メール・パスワードによる認証
  • 電話番号認証
  • 匿名認証

Firebase Hosting

Firebase Hostingは、静的/動的コンテンツやWebアプリを安全にデプロイするクラウドホスティングサービスです。優れた安全性と通信速度が特徴で、デプロイした静的/動的コンテンツやWebアプリは、グローバル向けのCDN(Content Delivery Network)として配信できます。

Firebase Hostingでは、配信されているCDNにコンテンツがキャッシュされるため、レンタルサーバーの契約不要でコンテンツ配信が可能です。また、レンタルサーバーの契約手続きがない分、より簡単かつ迅速に静的/動的コンテンツやWebアプリをデプロイできます。

Firebase Cloud Messaging

Firebase Cloud Messagingは、アプリ開発者からユーザーへメッセージ送信をできるようにするメッセージングサービスです。Firebase Cloud Messagingによって、異なるプラットフォームやデバイス間でも無料でメッセージの送受信が可能になります。

また、セグメントを活用してメッセージを送信するターゲットの設定も可能です。送信したメッセージはサービスのダッシュボードでモニタリングできるため、データ分析すればマーケティングに活用できます。

Firebase Crashlytics

Firebase Crashlyticsは、アプリ上のクラッシュをリアルタイムで集計・分析できるクラッシュ分析サービスです。AndroidとiOS、Unity、Flutter向けに開発されており、収集したクラッシュレポートをもとに問題の原因特定ができるだけでなく、クラッシュによってユーザーに与える影響も測定できます。

アプリ上のクラッシュは、ユーザビリティの低下につながる大きな問題の1つです。Firebase Crashlyticsを活用すれば、効率良く効果的にアプリ改善を進められます。

Firebase analytics 

Firebase Analyticsは、「Google Analytics for Firebase」とも呼ばれており、モバイルアプリのレポート集計やユーザー分析ができるサービスです。アプリから取得したさまざまな種類のデータをグラフや表として可視化したり、レポートとして出力したりできます。

Firebase Analyticsを利用してユーザー分析をすれば、新しい機能開発やマーケティング戦略の検討に役立ちます。以下の記事では、Firebase Analyticsについてより詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。

Cloud Functions for Firebase

Cloud Functions for Firebaseは、Firebaseの機能を組み合わせてサーバーレス処理を構築できるサービスです。サーバーレス処理とは、専用サーバーを用意せずにサーバーサイドの処理を実行できる仕組みのことです。Cloud Functions for Firebaseによってサーバーレス処理を構築すれば、アプリ開発者のサーバー構築や運用の手間とコストを大幅に削減できます。

Cloud Storage for Firebase

Cloud Storage for Firebaseは、Firebaseを利用したWebアプリやモバイルアプリなどにクラウドストレージを提供するサービスです。Cloud Storage for Firebaseがあれば、アプリで加工されたファイルをクラウドストレージ上で自由に操作できるため、円滑なファイル管理が可能です。権限設定次第でアプリユーザーもファイルをダウンロードもしくはアップロードでき、ユーザー同士でファイルを共有できます。

アプリ開発にFirebaseを利用する4つのメリット

アプリ開発にFirebaseを利用するメリットは、以下の4つです。

  • ワンストップでバックグラウンド処理を完結できる
  • アプリ開発の効率化につながる
  • 得意な言語で開発できる
  • 自社でサーバーを運用する必要がなくなる

これらのメリットを押さえることで、Firebaseの活用イメージがより明確になります。

ワンストップでバックグランド処理を完結できる

Firebaseには、1つのツールであるにもかかわらず、多様な機能が備わっています。Firebaseを導入するだけで、バックグラウンド処理をワンストップで完結できるため、場合によっては他のMBaaSやBaaSの導入が不要になります。

管理するツールの数が減れば、管理工数の削減に加えてツールの利用コストも削減可能です。また、開発の際に複数のツールを毎回起動する必要がなくなり、作業しやすくなります。

アプリ開発の効率化につながる

Firebaseを利用すれば、アプリ開発の効率化が可能です。Webアプリやモバイルアプリを高速にデプロイできるだけでなく、認証システムの実装やバックエンドの構築なども効率化できるため、開発期間の短縮に大きく貢献します。

また、アプリ開発には一般的に莫大なコストがかかりますが、Firebaseの利用によって、コストを抑えて優れたアプリを開発できます。

得意な言語で開発できる

Firebaseは、複数のプログラミング言語に対応しているため、開発者の得意な言語でアプリ開発が可能です。Firebaseは、以下のようなプログラミング言語に対応しています。

  • JavaScript
  • Objective-C
  • Scriptava
  • Swift
  • C++
  • Unity

また、React NativeやVue.js、Nuxt.jsなどの最近主流のフレームワークにも対応しており、開発者のあらゆるニーズに応えられます。Firebaseを利用すれば、さまざまなクライアントのニーズにも対応できるようになり、より柔軟なアプリ開発が可能です。

自社でサーバーを運用する必要がなくなる

Firebaseを活用すれば、サーバーの構築や運用、管理などのバックエンド処理を効率化でき、自社でサーバーを運用する必要がなくなります。アプリ開発には膨大な作業工数を要しますが、Firebaseによって開発者の負担を軽減でき、クライアントサイドの開発に専念できます。また、Firebaseがあればアプリを素早くデプロイできるため、ローンチまでの時間も短縮可能です。

Firebaseの料金体系

Firebaseには、以下の2つの料金プランがあります。

  • 無料版:Spark
  • 有料版:Blaze

料金プランの詳細を確認して、Firebaseの導入を検討する際に役立てましょう。

無料版:Spark

Firebaseの無料版であるSparkプランは、Firebaseの基本機能の一部を無料で利用できるプランです。例えば、以下のような機能制限があります。

  • Firebase Hostingのストレージは最大10GBまで
  • Cloud Firestoreに保存できる容量は最大1GiBまで
  • Firebase Realtime Databaseの同時接続数は最大100まで

Sparkプランは多くの機能に制限がありますが、有料版のBlazeプランの導入前のお試しとして活用できます。無料でFirebaseの各種機能を実際に利用できるため、ツールの本格導入前におすすめのプランです。

有料版:Blaze

Firebaseの有料版であるBlazeプランは、使用したリソースによって料金が決まる従量課金制のプランです。従量課金制の対象は、ネットワーキングのデータ転送量やストレージの使用量、リアルタイムデータベースの書き込みもしくは読み取りです。Blazeプランでは、例えば以下のように料金が算出されます。

  • Firebase Authenticationの電話認証機能:$0.01/認証
  • Firebase Hostingのストレージ:$0.026/GB
  • Cloud Firestoreの保存データ:$0.15/GiB/月
    ※米国リージョンの場合

それぞれの機能には、無料使用枠が設定されています。例えば、Cloud Firestoreの無料使用枠は1日1GiBまであり、それ以上使用した場合に$0.15/GiB/月の料金がかかる仕組みです。

Googleでは、Firebaseの料金をシミュレーションできる料金計算シミュレーターが無料で提供されています。Blazeプランに加入する際は、事前にGoogleの料金計算シミュレーターで料金を試算し、自社の予算内に収まるかを確認しておくと安心です。

Googleの料金計算シミュレーター

 

 

Firebase利用したアプリの開発事例3選

Firebaseは、さまざまな業界や用途で活用されており、アプリ開発の効率化に貢献しています。Firebaseの活用事例を確認して、自社でのツールの活用方法を具体的にイメージしましょう。

故障診断アプリ

某機械メーカーは、FirebaseとFlutter(Googleが提供するフレームワーク)を使用して建設機械の故障診断アプリを開発しました。故障機械の運転席に表示されているエラーコードと発生症状を写真に撮り、故障診断アプリを使って故障箇所を特定できます。

アプリの故障診断では、ARと3Dモデルが併用されているため、迅速な原因特定が可能です。開発されたアプリは、タブレットやスマートフォンに対応しており、機能性だけでなく使いやすさも実現しています。

仮想通貨アプリ

某総合ディベロッパーの企業は、Firebase AuthenticationやCloud Functions for FirebaseといったFirebaseの機能を利用して仮想通貨アプリを開発しました。仮想通貨アプリには管理者がいないため、第三者による資産情報の閲覧や不正送金を防止するセキュリティ対策が必要不可欠です。

同社はFirebaseによって、アプリにおける認証コードの個別付与やアクセス権の制限を実装し、セキュリティリスクを低減しました。また、アプリにバックアップキーを備えることで、万が一スマートフォンが故障してもデータを紛失する心配がありません。

社内用業務アプリ

某デザイン・エンジニアリング会社では、Firebase analytics、Firebase Hosting、Cloud Firestoreといった機能を組み合わせて、社内用業務アプリを開発しました。このアプリでは、従業員同士のコミュニケーションに活用できるメッセージ機能や日報作成機能が利用可能です。

アプリへのログインにはGoogleアカウントが活用されており、専用アカウント作成の手間がなく、管理者と従業員の双方が使いやすいアプリになっています。将来的には、有給休暇や残業の申請ができるよう機能がさらに拡張される予定です。

Firebaseをアプリ開発に利用して効率化を図ろう

Firebaseとは、Webアプリやモバイルアプリの開発を効率化するGoogleのプラットフォームです。バックエンド処理の開発時間短縮や運用における手間の軽減に役立ち、コスト削減にも貢献しています。また、Firebaseはさまざまなプログラミング言語やフレームワークに対応しているため、ツールの導入によってより柔軟なアプリ開発ができます。

FIrebaseを活用する際は、Google Cloudとの併用がおすすめです。Google Cloudは、100種類以上の豊富なプロダクトが搭載されているGoogleのクラウドプラットフォームです。データ分析基盤構築やクラウドストレージ、AI開発などに関する幅広いプロダクトが搭載されており、複数のツールを組み合わせることでスムーズなクラウド移行やマルチクラウド環境の構築に役立ちます。

FirebaseとGoogle Cloudは、同じGoogleツールであるため、ユーザーやセキュリティ、決済といったシステムを共有しています。そのため、サービスの併用によって一括でユーザー設定を行ったり、請求書を1つにまとめられたりでき、管理・運用の効率化に加えて、より高度なアプリ開発を実現できます。Google Cloudについてより詳しく知りたい方は、以下のページからダウンロードできる資料をぜひご覧ください。