VDIは、これからテレワークを導入しようとする企業に注目されているソリューションです。
VDIであれば、テレワークを行うときもセキュリティ的なリスクを軽減できます。この記事ではVDIとはどんな技術か、またその種類、メリット、デメリットについて解説します。
VDIは業務環境をサーバサイドに集約しPCを所持する。から利用する形態に変換するソリューションです。デスクトップ上の操作を実行するのは、全てサーバー側の役割です。使う側のパソコンには、サーバーが操作を行った結果が、逐一画面結果としてPC上に映されます。使う側のパソコンはキーボードやマウスの操作した内容をサーバーに送るだけで、デスクトップ上での実際の処理はサーバーに任せているのです。
使う側からみると、このオペレーションはあたかもパソコン上で行われているように見えます。VDIでデスクトップを使うときも、通常パソコンを操作するのと同じように違和感なくソフトウェアの操作などが可能です。
このサービスは、シンクライアントを実現する技術の1つです。VDI以外にも、シンクライアントを実践するのに使える技術は複数存在します。ただしシンクライアント用の技術としてVDIは機能面・コスト面で優位性があり、多くの企業に採用されています。
VDIは導入するべき?
企業がVDIを導入すれば、従業員は自宅のパソコンからでも仕事用のデスクトップが使えるようになります。「仕事をするために、決まった時間にオフィスにいる」という制約がなくなるわけです。
昨今では少子高齢化によって、働き手の確保が難しくなっています。VDIが導入されれば、育児・介護などで出勤ができない従業員やフルタイム勤務の難しい従業員も業務が可能です。このようにVDI導入によってテレワーク環境が確保され、社内の働き方改革を一歩前進させるでしょう。
仮想デスクトップの主な方式
一口にVDIといっても複数の種類があります。なかでも代表的な種類は以下の通りです。
VDI方式
サーバーに使う人数分のデスクトップを確保する方式です。VDI方式では、物理的なサーバー上に人数分の「仮想マシン」を用意します。その分だけカスタマイズ性が高いですが、コストも増える点は注意しなければなりません。
SBC方式
1個のサーバー上に確保された単一のデスクトップ環境を、従業員が共同で使う方式です。従業員ごとのカスタマイズができないため、利便性はVDI方式と比べ劣ります。反面、OSやソフトウェアのライセンスは1個ですむため、予算の節約が可能です。
HDI方式
1個のサーバーを、一人の従業員が占有して使う方式です。VDI方式のように1個のサーバー上で複数のデスクトップを確保・動作させる必要がない分、処理速度が安定します。もちろんHDI方式でも、従業員ごとにデスクトップ環境をカスタマイズ可能です。ただし、ハードウェアとして人数分の環境を用意する必要があるため、高額となりやすく、故障時の対応等、メンテナンス性が他方式と比べ低くなります。
DaaS方式
パブリッククラウド上で仮想デスクトップサービスを利用する方式です。DaaS方式では、自社で物理サーバーを準備しなくてよい分、初期予算の削減を見込めます。また、自社で物理サーバーの運用管理をする必要がなくなるので、管理コストの削減も見込むことができます。
VDIのメリット
VDIを採用することで、企業にはどんな利点があるのでしょうか。以下詳しくみていきましょう。
セキュリティが向上する
VDIであれば、扱うデータが全てサーバー上に保管され、従業員のパソコンには残りません。そのためパソコンを失くしてしまったり盗まれてしまった場合でも、情報が漏えいのリスクはありません。。セキュリティ性が非常に高い方法だといえます。
どこからでもアクセスできる
サーバーへネットワーク接続できる手段さえあれば、どこからでも仮想デスクトップへアクセスできます。自宅やカフェなどでも、仕事用のデスクトップ環境で業務を実行できるようになるのです。もちろん、自宅でテレワークを行う場合でも同様にどこからでも接続できるので多様な働き方が選べるようになります。
BCP対策になる
BCPは「Business Continuity Plan」を略した言葉で、日本語では事業継続計画と訳されます。BCPの目的は災害などで会社の業務に支障が生じた際に、できる限り事業を継続したり、早急に業務を再開するための対策・計画のことです。
VDIが導入されていれば災害などで会社に出勤できない状況でも、ネットワーク経由で仕事用のデスクトップ環境が使えます。その結果、災害下でも会社の業務を停止しなくてすむようになるのです。
端末の管理・運用から開放される
DIは、クライアント端末を一元管理できるため、OSやアプリケーションのアップデート、セキュリティを強化するためのパッチ適用や不正アクセスの監視などもサーバ側から集中的に行うことができます。これによりメンテナンスにかかる人件費も抑えられますし、さらに安全性を高めることが可能です。
VDI導入時の注意点
VDIの導入にあたっては、いくつかの点に注意しなくてはなりません。具体的には、以下の通りです。
パフォーマンスが発揮されないことがある
自社の環境次第では、製品カタログなどに記載されているようなパフォーマンスが得られない場合も少なくありません。特にサーバーへのアクセスが多くなる時間帯では、レスポンスが遅くなり、仕事を停滞させることもありえます。VDIを採用したことでプリンターが反応しないといった周辺機器の利用に支障が生じるケースもあるでしょう。導入前に、従業員の利用状況や、サーバーをはじめとした環境の把握や分析を、慎重に検証することが必要です。
管理の複雑化に注意
VDI導入のように規模の大きいシステム変更は最初から全社的にすすめるのでなく、部門ごとにはじめることが多いです。しかしながら導入をすすめている間に、VDIシステムのアップデートで、複数のバージョンが共存することになる可能性が高くなります。プロジェクトが長期化すればするほどその傾向は顕著で、その結果、運用管理が複雑化し、業務に支障をきたすことも少なくありません。
やはり、IT知識に長けた担当者がいれば安心ですが、運用が属人化してしまうことも考えられ、あまりにも複雑化している場合、引き継ぎがうまくいかないなどの弊害が生じる恐れもあるでしょう。従業員の不満が増えないように、できる限り短期間でできる導入スケジュール計画をおすすめします。
まとめ
VDIとは従業員が使う仮想的なデスクトップ環境を、サーバー上にまとめて格納する技術です。VDIを採用することによって、データはサーバーに集約され、従業員のパソコンには保存されません。その結果、データ漏えいのリスクを軽減できます。
このような特徴から、VDIはセキュアにテレワークを行う手段として注目されています。VDI導入で働き方改革を前進させることも可能です。その上で、堅牢なセキュリティを誇るChromebookを導入すれば、さらに安心・安全なテレワーク環境を確保できます。
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