Gemini 1.5 Proは、近年注目を集めているGoogleの高性能なAIモデルです。複雑な処理を迅速に実行でき、さまざまな企業の業務効率化に貢献しています。AI技術を取り入れて業務効率の向上を図りたい方や、ビジネスの新しい可能性を広げたい方におすすめのサービスです。
この記事では、Gemini 1.5 Proの概要や料金体系、使い方などをわかりやすく解説しています。Gemini 1.5 Proの特徴や活用方法まで把握できる内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
Gemini 1.5 Proとは?概要やFlashとの違いを解説
Gemini 1.5 Proは、高い処理性能やセキュリティ面から、多くのユーザーに支持されています。まずは、その概要を確認しましょう。
Gemini 1.5 Proとは
Gemini 1.5 Proとは、Googleが提供している最新の高性能AIモデルで、Gemini Proの中でも特に性能が高いAIモデルです。日本語をはじめとした35以上の言語に対応しており、Geminiのプランの1つである「Gemini Advanced」で提供されています。Gemini 1.5 Proは、Gemini 1.0 Proをアップデートしたもので、飛躍的に性能が上がったため、大きな注目を集めました。
Gemini 1.5 proのもう1つの特徴は、与えられたデータを学習に利用しない点です。通常のAIモデルは、与えられたデータから学習して精度を向上させていきますが、Gemini 1.5 proは学習データがなくてもAIモデルとして機能し、複雑な処理を可能にします。自社の重要なデータや情報が守られ、セキュリティの安全性を確保できます。
Gemini 1.5 Flashとの違い
Gemini 1.5 Flashは、Gemini 1.5 Proと同じくGoogleが提供している最新のAIモデルの1つです。効率と速度に優れており、軽量でありながら高い処理能力を持っています。Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proの大きな違いは以下の3つです。
- コンテキストウィンドウの大きさ
- 処理速度
- 利用料金
違いの詳細は、以下の比較表を確認してください。
Gemini 1.5 Flash | Gemini 1.5 Pro | |
コンテキストウィンドウ | 最大100万トークン | 最大200万トークン |
処理速度 | すべてのAIモデルの中でトップレベル | Flashには劣るものの高速 |
利用料金 | 100万文字あたり 入力料金:$0.125 出力料金:$0.375 |
100万文字あたり 入力料金:$1.25 出力料金:$3.75 |
Gemini 1.5 Proは、大規模なデータ解析や複雑なタスクの処理に適したAIモデルです。一方でGemini 1.5 Flashは、コーディングや翻訳などの日常タスクに向いているモデルと言えます。
Gemini 1.5 Proの料金体系
Gemini 1.5 Proには、無料枠と有料枠があります。料金体系を確認して、Gemini 1.5 Proの導入を検討する際の参考にしてください。
無料枠
Gemini 1.5 Proには無料枠があり、AI研究者や開発者向けのプラットフォーム「Google AI Studio」で無料で使用できます。使用量に制限はありますが、Gemini 1.5 Proを本格的に導入する前に試しに活用すると良いでしょう。無料枠の具体的な上限は、以下の通りです。
無料枠の制限範囲 | |
1分あたりに行えるリクエスト回数 | 2回 |
1分あたりに処理できるトークン数 | 32,000トークン |
1日あたりに行えるリクエスト回数 | 50回 |
有料枠
Gemini 1.5 Proの有料枠では、従量課金制が採用されています。有料枠の料金は、以下の通りです。
レートに関する上限 | 1,000 RPM(1 分あたりのリクエスト数) 400 万 TPM(1 分あたりのトークン数) |
最大 128,000 トークンのプロンプト | 入力の料金:100万トークンあたり $1.25 出力の料金:100万トークンあたり $5.00 コンテキスト キャッシュ保存:10 万トークンあたり$0.3125 |
128,000 文字を超えるプロンプト | 入力の料金:100 万トークンあたり $2.50 出力の料金:100万トークンあたり $10.00 コンテキスト キャッシュ保存:100万トークンあたり $0.625 |
コンテキスト キャッシュ保存(ストレージ) | 100 万トークンあたり 1 時間あたり $4.50(詳細) |
Google検索によるグラウンディング | 1,000件の停止リクエストごとに$35(1日あたり最大 5,000件のリクエストまで) |
Gemini 1.5 Proは、Gemini Advancedに加入して利用する方法もあります。Gemini Advancedは、月額2,900円で利用可能です。
Gemini 1.5 Proにおける3つの特徴
Gemini 1.5 ProのAIモデルとしての大きな特徴は、以下の3つです。
- 一度に最大200万トークンまで読み込める
- Googleドライブに保存されているファイルの管理や分析が可能
- Pythonコードを直接編集・実行できる機能が搭載されている
特徴を確認して、Gemini 1.5 Proの理解を深めましょう。
一度に最大200万トークンまで読み込める
Gemini 1.5 Proは、一度に最大200万トークンまでの入力の処理が可能です。トークンとは、テキストを機械が扱いやすいように分割したものを指します。200万トークンは、日本語の160万〜170万文字程度にあたり、長編小説一冊や膨大な量の業務文書を一度に処理できることがわかります。
Googleドライブに保存されているファイルの管理や分析が可能
Gemini 1.5 Proは、Googleドライブに保存されているGoogle スプレッドシートやGoogle ドキュメント、PDFといったファイルのアップロードが可能です。1ファイル最大100MB、合計10ファイルまでアップロードできるため、デバイスに一度ダウンロードせずにそのままGeminiにアップロードでき、作業効率が向上します。
また、Gemini 1.5 Proは、アップロードされたデータの分析や要約、フィードバックが可能です。人の目では見落としがちな新しい情報や気づきの発見に活用できます。例えば、Gemini 1.5 ProとGoogle スプレッドシートを連携して、シート内のデータをクリーニングしたり、分析結果をグラフ化したりできます。
Gemini 1.5 Proは、ファイルのアップロード以外にも、データの検索・整理などのさまざまな目的に活用でき、業務効率の向上や新しいアイデアの創出に大きく貢献するAIモデルです。
Pythonコードを直接編集・実行できる機能が搭載されている
Gemini Advancedは、Gemini 1.5 Proを利用できるプランで、インターフェースからプログラミング言語である「Python」のコードを直接編集・実行できます。これにより、コードソースが出力に及ぼす影響をチェックしたり、正常に動作するかを事前確認したりできるため、システム開発時間の短縮が可能です。
Gemini 1.5 Proができる主なタスク
Gemini 1.5 Proができる主なタスクは、以下の通りです。
- 文章の作成・要約・翻訳・校正・編集
- 形式に沿ったテキストの作成
- 論文や数学などの問題の解説
- 画像生成
- 画像認識
- 音声入力
- プログラミングコードの自動生成
- Googleアプリとの連携
Gemini 1.5 Proでは、チャット形式で利用者が質問やその他のタスクを入力できます。入力された質問やタスクに応じて、Gemini 1.5 Proが質問の回答を行ったり、生成したものを表示したりする仕組みです。Gemini 1.5 Proは日本語に対応していますが、場合によっては英語入力の方が高い出力精度を得られます。
Gemini 1.5 Proの使い方
Gemini 1.5 Proは、パソコンとスマートフォンで使い方が異なります。それぞれの使い方を確認して、自社で利用する際の参考にしましょう。
パソコンで使う場合
パソコンでGemini 1.5 Proを無料で使う場合の方法は、以下の通りです。
- Google AI Studioにアクセスして、ログインをする
- 「Use Google AI Studio」というテキストの右側にある「New Prompt」というボタンをクリックする
- 表示されたホーム画面の右上にある「Model」の「Gemini 1.5 Pro」をクリックする
- プロンプトを入力する
有料版の場合は、Gemini Advancedにログインすれば、Gemini 1.5 Proを使用できます。
スマートフォンで使う場合
スマートフォンでGemini 1.5 Proを使う場合も、基本的な操作はパソコンと同じです。Google AI Studioにはアプリ版がないため、無料で使用したいときは、ブラウザからアクセスしましょう。
有料版のGemini 1.5 Proを使う場合は、Google PlayもしくはApp Storeでアプリのダウンロードが必要です。以下からアプリをダウンロードして、利用を開始できます。
デバイス | ダウンロード方法 |
Android | Google PlayからGoogle Geminiをダウンロードできる |
iOS(iPhone) | App StoreからGoogle Geminiをダウンロードできる |
アプリをダウンロードした後は、以下の手順でGemini 1.5 Proを利用可能です。
- iPhone で Gemini アプリを開く
- 画面上部にあるプロフィール写真もしくはイニシャルをタップする
- 「設定」をタップする
- 「Advanced モードの回答」をオンにする
Gemini 1.5 Proにおける3つの活用事例
Gemini 1.5 Proの活用事例を3つ紹介します。
- 録音した商談や会議の音声から議事録を作成する
- スライド資料や画像の内容をテキスト化する
- URLからWebページの内容を要約する
活用事例を参考に、Gemini 1.5 Proの活用方法を具体的にイメージしましょう。
録音した商談や会議の音声から議事録を作成する
Gemini 1.5 Proは、マルチモーダルという技術を持った生成AIツールです。マルチモーダルとは、画像や動画、テキストなどの異なる種類のデータをまとめて処理できる技術です。Gemini 1.5 Proは、マルチモーダルによって会議や商談の音声ファイルを、短時間で文字起こしできます。
また、文字起こしと翻訳の機能を組み合わせて、外国語で行われた会議や商談の音声ファイルを効率良く翻訳しながら、議事録の作成が可能です。Gemini 1.5 Proを活用すれば、短時間で音声ファイルの文字起こしと翻訳の両方を完了できるため、議事録の作成時間を大幅に短縮できます。
スライド資料や画像の内容をテキスト化する
Gemini 1.5 Proは、画像解析機能を活用して、資料や画像の内容を簡単に要約できます。例えば、プレゼンテーション資料をアップロードし、「資料の内容をわかりやすく説明してください」と入力すれば、指示に沿った状態で内容をテキスト化できます。
また、Gemini 1.5 Proは、スライド資料には記載されていない関連情報も自動で補完してくれるため、回答を読むだけで全体像を把握できるのも特徴です。情報量が膨大な資料や専門性の高いドキュメントでも、Gemini 1.5 Proを活用すればスムーズに把握できます。
URLからWebページの内容を要約する
Gemini 1.5 Proは、WebサイトのURLを読み取り、ページに記載されている内容を自動で要約できます。一般的なAIサービスは、URLからページタイトルや本文情報を読み取れない場合が多いですが、Gemini 1.5 ProはURLを貼りつけ、「このWebサイトのページ内容を説明してださい」と入力するだけで、情報を的確に把握できます。
例えば、海外のWebサイトから情報を得たい場合や、専門性の高いWebサイトのページ内容を理解したいときに、Gemini 1.5 Proの機能によって、短時間で効率良く内容を把握できます。
Gemini 1.5 Proで業務効率化を実現しよう
Gemini 1.5 Proは、Googleが開発した高い性能を誇る最新のAIモデルです。一度に最大200万トークンまで情報を読み込めるため、複雑なタスクや規模の大きいタスクでもスムーズに処理できます。文字起こしや翻訳、画像解析、Webサイトからの情報抽出などの優れた機能が利用でき、業務効率の向上に貢献します。AI技術を活用して効率良く業務を進めたい方は、Gemini 1.5 Proを導入すると良いでしょう。
Gemini 1.5 Proの利用を検討している方には、Gemini for Google Workspaceの導入がおすすめです。Google Workspaceの利用者向けに提供されている生成AIサービスで、メールやドキュメント、プレゼンテーション資料などの作成を生成AIがサポートし、業務効率を大幅に向上させます。
Gemini for Google Workspaceでは、Gemini Advancedも利用できるため、Gemini 1.5 Proを利用可能です。さらに、Gemini 1.5 Pro以外にも複数の高性能なAIモデルが提供されており、ビジネスをより強力にサポートします。
Gemini for Google Workspaceについてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下のページから資料をダウンロードしてみてください。
- カテゴリ:
- Google Cloud(GCP)
- キーワード:
- gemini 1.5 pro