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リレーショナルデータベース(RDB)とは?
特徴やメリット、NoSQLとの違いを解説

 2024.08.05  株式会社電算システム

ビジネスシーンにおいてデータは非常に重要な資産となりますが、データ活用の適切な基盤が構築されていなければ、せっかく蓄積したデータを活かしきれません。なかでもデータを効率良く管理するには、データベースシステムが必要です。

今回紹介するリレーショナルデータベース(RDB)は、数多くの企業に採用されている信頼できるデータベースシステムです。最近では、NoSQLと呼ばれるデータベースシステムが注目されていますが、それぞれのメリットとデメリットがあるため、課題や目的に合わせて使い分けることをおすすめします。

本記事では、リレーショナルデータベースの特徴やメリット・デメリットを解説します。NoSQLとの違いがわかる比較表も紹介しているので、データベースシステムの導入を検討している方は参考にしてください。

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リレーショナルデータベース(RDB)とは表形式でデータを管理するシステム

リレーショナルデータベース(Relational Database/RDB)とは、表形式でデータを管理するデータベースシステムです。行と列によって構成されるテーブルにデータが格納されます。この行はレコードを、列はフィールドを表し、それぞれがキー(テーブル内で特別な意味を持つ項目)によって関連付けられるのが特徴です。

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そのため、顧客の属性データと購買履歴データのような、複数のデータ同士を簡単に紐付けられます。膨大な量のデータでも効率良く整理・抽出できるのがメリットです。

リレーショナルデータベースの特徴6選

リレーショナルデータベースには、表形式でのデータ管理やデータ同士の関連付けなど、さまざまな特徴があります。このような特徴を押さえておくと、データベースシステムを選ぶ際の参考になるでしょう。

データをテーブル上に格納する

リレーショナルデータベースは、データをテーブル上に格納するというわかりやすい特徴があります。テーブルは行と列に分かれており、「どの項目にどのような情報が記載されているか」が明確なため、データを整理・抽出しやすいのが利点です。

複数のテーブル同士を関連付けられる

リレーショナルデータベースでは、役割が異なる複数のテーブルを一元管理できますが、それぞれのテーブル同士を関連付けられるのが特徴です。関連付けに際しては、キーと呼ばれる項目を活用します。

例えば、従業員の属性データが記録されたテーブルと、勤務データが記録されたテーブルを関連付ける際は、「従業員ID」のようなキー項目を設定するだけで、両方のデータが紐付きます。

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そのため、複数のテーブルが絡んだ、複雑なクエリでも容易に実行可能です。

データの一貫性を維持できる

データの一貫性とは、データベースに蓄積されたすべてのデータが、同じルールや構造に従っている状態を指します。データの一貫性を維持することで、データベース上の矛盾や不整合性を取り除けます。

仮に従業員の属性データと勤務データを連動させる場合、属性情報の変更が勤務データにも正しく反映されなければなりません。リレーショナルデータベースでは、変更箇所が強制的に反映されるよう、制約・トリガー機能を利用できるため、データの一貫性が常に維持されています。

SQL言語を使用する

リレーショナルデータベースを操作するには、SQL言語を使用するのが一般的です。SQLとは、データの格納や処理を実行するための標準的なデータベース言語を指します。リレーショナルデータベースはSQLの指示に従って処理が実行されるため、核ともいえる機能です。

近年は、SQLのコマンドが不要なNoSQLが注目されていますが、そもそもSQLの構文はシンプルで、プログラミング初心者の方でも扱いやすい特徴があります。

スキーマによって構造を定義する

スキーマとは、テーブルやカラムといった情報を含む、データベースの設計図を表します。リレーショナルデータベースを運用する際は、このスキーマによって構造を定義します。

スキーマを活用することでデータベースの構造が明確になるため、データに整合性が生まれ、正しい形式でデータ入力が可能です。結果として、入力時のミスや漏れといったヒューマンエラーを避けられます。

ACID特性が適用される

ACIDとは、「Atomicity(原子性)・Consistency(一貫性)・Isolation(分離性)・Durability(耐久性)」から成り立つ、トランザクションを安全に処理するための基本特性です。リレーショナルデータベースではこのACID特性が適用されるため、トランザクションの信頼性が保証されます。

このようにリレーショナルデータベースでは特に、データの整合性や一貫性を重視していることがわかります。そのため、処理速度よりも安全性を重視してデータベースを構築したい場合に向いているでしょう。

リレーショナルデータベースを利用する4つのメリット

リレーショナルデータベースを利用するメリットは次の通りです。

  • データの重複や不整合を避けられる
  • データの追加処理コストを抑えられる
  • わずかなコマンドのみでクエリを実行できる
  • 高度な検索や複雑な集計に対応できる

それぞれのメリットを詳しく解説します。

データの重複や不整合を避けられる

リレーショナルデータベースを利用することでデータの正規化が可能です。正規化とは、データの重複・欠落をなくして整合性を持たせることです。常に一貫性を維持できるリレーショナルデータベースだからこそ、データの重複や不整合を避けられます。

具体的には、同じ時期やタイミングで同一データを使用する場合でも、ユーザーごとに内容が異なる、情報が古いというようなことが起こり得ません。そのため、データそのものの信頼性向上やデータ管理の効率化が期待できます。

データの追加処理コストを抑えられる

データベースは本来、データを追加するたびにコストが発生します。リレーショナルデータベースの場合、一度システムを構築してしまえば複数のテーブルを作成するだけでデータを追加できるため、追加コストがほとんどかかりません。低コストでデータベースを運用できるのは、リレーショナルデータベースの大きなメリットです。

わずかなコマンドのみでクエリを実行できる

リレーショナルデータベースにおけるデータの「作成(Create)・読み取り(Read)・更新(Update)・削除(Delete)」の作業は、その頭文字を取ってCRUD操作と呼ばれています。SQL言語を使用することで、このCRUD操作を容易に実行できます。

CRUD操作の一例としては、顧客情報の一覧表示や在庫調査などがあげられます。クエリを実行する際も、わずかなコマンドのみで済むのがメリットです。そのため、リレーショナルデータベースは、エンジニア以外の人でも比較的簡単に取り扱えます。

高度な検索や複雑な集計に対応できる

リレーショナルデータベースで扱うSQL言語は記述が簡単なだけでなく、複雑な処理にも対応できるという利点を備えています。そのため、高度な検索、複雑な集計といった操作が可能です。これはNoSQLでは実行するのが難しい要素なので、リレーショナルデータベースならではのメリットだといえるでしょう。

リレーショナルデータベースを利用する3つのデメリット

さまざまなメリットがあるリレーショナルデータベースですが、次のようなデメリットも存在します。

  • データ量が多いほど処理速度が遅くなりやすい
  • 拡張性に欠ける傾向がある
  • 非構造化データを扱えない

メリットとデメリットを踏まえて、自社にとってリレーショナルデータベースが最適かどうかを判断しましょう。

データ量が多いほど処理速度が遅くなりやすい

複雑な処理に対応しているリレーショナルデータベースだけあり、データの容量が大きい、データ処理が多いような場合には、処理速度が低下しがちです。リレーショナルデータベースでは、データを書き込むたびに最適化処理を施すため、逐次処理になる分、速度が遅くなりやすい傾向があります。

拡張性に欠ける傾向がある

リレーショナルデータベースでは、データの整合性を維持できるよう、原則として単一サーバーでデータを管理します。複数のサーバーへと拡張したり、クラウドサーバーに移行したりする際は、高度な知識や技術を求められるのが難点です。そのため、データベースシステムのなかでは拡張性に欠ける傾向があります。

非構造化データを扱えない

非構造化データとは、テキスト以外の画像や動画、音声などのデータを指します。リレーショナルデータベースでは基本的に、行と列で構成された構造化データしか扱えません。そのため、活用するデータの種別やフォーマットに合わせて、適切なデータベースシステムを選択する必要があるでしょう。

リレーショナルデータベースとNoSQLとの違い

リレーショナルデータベースは、同じデータベースシステムであるNoSQLとよく比較されます。それぞれ役割や機能が大きく異なるため、課題や目的に合わせて選び分けましょう。

リレーショナルデータベースとNoSQLの比較

リレーショナルデータベースとNoSQLの違いは次の通りです。

  RDB NoSQL
構造 表形式のデータベース 幅広い種類の形式がある
データ処理速度 データ量が多いほど遅くなる データ量にかかわらず高速
データの分散性 原則的にサーバー1台で管理 サーバーの水平分散に対応
データの拡張性 低い 高い
データの一貫性 一貫性を維持できる 一貫性よりも柔軟性に優れる
データの検索性 高度な検索に対応 高度な検索が困難

NoSQLとは、「Not Only SQL」という正式名称の通り、SQL言語を使用せずに構築できるデータベースシステムです。リレーショナルデータベースのように構造や形式が決まっているわけではなく、キーとバリューの項目を組み合わせたり、ドキュメント形式のデータを併用したりと、さまざまな形式でデータベースを再現できます。

リレーショナルデータベースとNoSQLの活用シーン

リレーショナルデータベースは高度な処理を実行できるため、複数の条件を組み合わせて情報を検索することが多いシステムに向いています。例えば、顧客情報を一元管理するCRM(顧客関係管理)ツールでは、属性や行動傾向ごとに顧客を細分化するような形でリレーショナルデータベースを活用できます。そのほか、在庫管理システムやタレントマネジメントシステムなどとも好相性です。

一方、NoSQLは、大容量のデータをリアルタイムで処理できる、非構造化データを扱えるといった特徴があります。モバイルアプリケーションや金融機関の取引システム、プロセス制御システムなど、高速性とリアルタイム性が求められるシーンで活躍します。

リレーショナルデータベースを構築するならGoogle Cloudがおすすめ

リレーショナルデータベースを利用する場合、Google Cloudの導入を検討してみてはいかがでしょうか。Google Cloudとは、100種類以上のプロダクトが搭載されたクラウドプラットフォームで、そのなかにリレーショナルデータベース機能が用意されています。

該当するプロダクトは、Cloud SQLとCloud Spannerの2つです。いずれもフルマネージドサービス(ITインフラの保守管理をサービス事業者に一任できるサービス)で、ACIDとOLTPに対応しています。レプリケーションやデータの定義方法がやや異なるため、細かい要件に合わせて使い分けられるのが利点です。

また、Google Cloudには、収集したデータを蓄積できるCloud Storageや、データ分析用のBigQueryなどのプロダクトも搭載されています。そのため、単なるデータベース構築用として使用するだけでなく、データ収集から分析までの一連の流れを見据えた基盤構築が可能です。

課題や目的に合わせてリレーショナルデータベースを活用しよう

リレーショナルデータベースは、データの一貫性や整合性を維持できる、あるいは高度な検索に対応しているといったメリットがある。ただし、処理速度やデータの分散性などにおいては、NoSQLのデータベースに劣ります。このようなメリットとデメリットを踏まえ、課題や目的に合わせて適切なデータベースシステムを導入しましょう。

Google Cloudであれば、サーバレスでリレーショナルデータベースを運用できます。また、Cloud StorageやBigQueryなど、複数のプロダクトを組み合わせて、独自のデータ分析基盤を構築できるのも特徴です。結果として、組織内でのデータ活用を促進できます。

データ活用の手段や手順については、こちらの資料で詳しく解説しています。「収集したデータをどのように分析して良いかわからない」「独自の基盤を構築したい」といった課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

初めてのデータ活用

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