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CDPとは?CRM・DMPとの違いや
導入メリット、活用事例を紹介

 2024.12.04  株式会社電算システム

IT技術の発展やインターネットの普及により、事業活動で取得できる情報が増えたことで、いかにビッグデータを活用できるかがビジネスを成功させるうえで重要な鍵を握っています。なかでも顧客データは、売上や利益の向上に直結する特に重要な要素です。

今回紹介するCDPを活用すれば、ファーストパーティやサードパーティなど、さまざまな場所から収集した顧客データを一元管理できます。そのデータをもとに詳細な顧客プロファイルを作成できるため、顧客のニーズや特性を正確に理解したうえで最適なマーケティング施策の展開が可能です。

本記事では、CDPの特徴や導入メリット、代表的な機能などを詳しく解説します。CDPの導入事例も紹介しているので、顧客データの活用を考えている方は参考にしてください。

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CDPとはあらゆる顧客データを集約するためのプラットフォーム

まずは、CDPの特徴や混同しやすい用語との違いを解説します。

CDPの特徴

CDP(Customer Data Platform)とは、あらゆる顧客データを一つのシステムに集約し、活用しやすいように整理・統合するためのプラットフォームです。

一概に顧客データといっても、基本的な属性や会員としての情報、購買履歴、カスタマーサポートでの対応履歴など多岐にわたります。これらのデータを別々のシステムで管理する場合、作業の煩雑化や属人化が起こりがちです。その点、CDPは幅広い種類のデータソースに対応しているため、異なるシステム同士でも必要なデータを効率良く統合できます。

また、連携できる外部システムの種類が豊富な点も特徴です。例えば、問い合わせ管理システムやWeb接客ツール、メール配信システムなどと連携できるため、統合した顧客データをさまざまな場面で活用できます。

CRMとの違い

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客満足度を向上させて企業利益を高める管理手法を指しますが、近年では顧客データを一元管理する顧客管理システムとして用いるのが一般的です。CDPと同様、顧客データ管理に役立つツールなので意味を混同しがちですが、それぞれの役割には大きな違いがあります。

CRMに保管されるのは基本的にファーストパーティデータです。ファーストパーティデータとは、名刺情報や会員情報、自社サイトへのアクセス履歴など、自社でのみ収集が可能なデータを指します。

一方のCDPはファーストパーティデータはもちろん、リサーチ会社など自社以外の組織が収集したセカンドパーティデータや、官公庁データなどの一般公開されているサードパーティデータも取り扱い対象に含まれます。そのため、より広範な顧客データを収集・統合するにはCDPが最適です。

DMPとの違い

さまざまなデータソースからデータを抽出・蓄積するためのツールには、ほかにもDMP(Data Management Platform)があります。また、DMPはさらに「プライベートDMP」と「パブリックDMP」の2種類に分かれます。

プライベートDMPとは、閉域的なネットワーク内(社内や内部組織など)、すなわちファーストパーティデータの収集に特化したツールです。つまり、CDPよりもCRMに近いツールですが、プライベートDMPでは顧客データ以外にも、広告配信データや実店舗の販売データなどを収集できます。その分、CRMよりも外部システムとの連携範囲が広く、マーケティング・営業関連のあらゆるデータに対応しています。

パブリックDMPとは、匿名データ(サードパーティデータ)の収集に特化したツールです。収集可能なデータ範囲こそCDPには敵いませんが、検索履歴や外部サイトの閲覧履歴など、より深掘りしたサードパーティデータを収集できる点に特徴があります。

CDPに搭載されている3つの基本機能

CDPには、顧客データの収集・統合・分析という3つの機能が搭載されています。こうした機能を活用すれば、複数のシステムから集めた顧客データをセグメントに分け、より詳細なターゲティングデータを構築できます。

CDPの具体的な活用方法をイメージするためにも、各機能の特徴を押さえましょう。

顧客データの収集

CDPでは、さまざまな種類のデータソースから顧客データを収集できます。ファーストパーティデータだけでなく、セカンドパーティデータやサードパーティデータも一つのシステムに集約できるのが特徴です。そのため、システム内に蓄積できる顧客データは次のように多岐にわたります。

  • 氏名や年齢などの基本属性情報
  • WebサイトやECサイトのアクセス履歴
  • 商品やサービスの購買履歴
  • SNSをはじめとするソーシャルデータ
  • GPSを用いた位置情報
    など

また、なかには非構造化データ(画像・音声など)や実店舗のPOS情報に対応している製品もあります。連携できるデータソースはCRMやSFA(営業支援システム)、アクセス解析ツール、MA(マーケティングオートメーション)などが代表的です。それぞれAPIを使ってスムーズに連携できるため、いちからシステムやアプリケーションを開発する必要がありません。

顧客データの統合

収集した顧客データを統合し、一元管理できるのもCDPの特徴です。

具体的には、顧客の属性データや行動履歴データを一つのIDに紐付けて、顧客ごとにプロファイル(顧客一人ひとりの詳細情報)を作成できます。さらに、類似のプロファイル同士をセグメントに分類できるため、それぞれの顧客の関係性や相関性が一目でわかります。

CDPを活用せずに顧客データを統合する場合、スクラッチ開発で一からシステムを構築したり、Excelで複雑な数式を組み上げたりと、膨大な工数が必要です。一方のCDPは、データテーブルの自動作成や統合データの自動計算などの機能を活用することで、システム開発にかける工数を大幅に短縮できます。

顧客データの分析

ほとんどのCDPは、単独で顧客データを分析できる機能はありませんが、API連携を活用して機能を拡張できます。データ分析機能を搭載したMAやBIツールなどと連携すれば、CDPで統合した顧客データを出力し、精度の高い顧客分析を行えます。

代表的な顧客分析手法は次の通りです。

  • デシル分析:
    商品やサービスの購入金額に応じて、顧客を10種類のパターンに分類する手法。売上に対する貢献度によって、柔軟に施策を使い分けたい場合に効果的。
  • RFM分析:
    直近の購入日や購入頻度、購入総額の3つの指標で顧客を分類する手法。優良顧客や顧客の購買力を正確に分析できるのが特徴。
  • コホート分析:
    属性データや行動履歴データをもとに、顧客をコホート(条件が類似するグループ)に分ける手法。顧客同士の相関性にもとづいて適正な施策を実施できる。

顧客分析の手法や活用方法に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

CDPを導入する4つのメリット

CDPを導入するメリットは次の通りです。

  • 顧客データを一元化して作業効率のアップ
  • 顧客一人ひとりに対応できる
  • 分析スピードの向上につながる
  • より円滑な部門間連携を促せる

あらかじめ導入メリットを意識しておくと、目標の策定や費用対効果の検証を行いやすくなります。

顧客データを一元化して作業効率のアップ

本来、効果的なマーケティング施策を立案できるように顧客データを加工するには、膨大な手間と時間がかかります。特に、顧客の行動履歴データを収集する場合、アクセス解析ツールや広告統合管理ツールなど、さまざまなシステムから情報を抽出しなければなりません。

一方、CDPを活用すれば、顧客データの収集・統合にかかる手間や時間を大幅に削減できます。

例えば、CDPのなかには、Webサイト上に計測タグを設置するだけでアクセスデータを集計できるものがあります。さらに、SQL言語を記述する必要がなく、簡単な操作のみでデータの統合や加工ができるCDPも存在します。複数の外部システムを行き来せずとも、ワンストップでデータ収集・統合業務を完結できるのがCDPのメリットです。

顧客一人ひとりに対応できる

CDPを導入すると、顧客一人ひとりの詳細なプロファイルを作成できます。個別のIDに氏名や性別、年齢、連絡先、行動パターンといった事細かな情報が登録されるため、顧客の課題やニーズを明確にできるのがメリットです。

さらにCDPでは、外部システムにデータを出力し、高度な顧客分析を行えます。CDPで作成したプロファイルをもとにデータを解析し、適切なセグメント設定や仮説検証を実施することで、より効果的なアクションプランを策定できるでしょう。

分析スピードの向上につながる

データ分析を行う際は本来、さまざまなデータソースからのデータ抽出やデータベースへの格納、フォーマット変換など、数多くの工数が発生します。入力・出力の両面で幅広い種類のシステムと連携できるCDPは、この作業工数を削減し、分析スピードを向上できるのが利点です。

例えば入力面では、CRMやSFA、MA、アクセス解析ツールなどから、分析に必要なデータのみを集約し、統一化されたフォーマットで運用できます。さらに出力面でBIツールと連携すれば、蓄積したデータのスムーズな分析や可視化(レポートやダッシュボードへの出力)が可能です。

迅速な意思決定が求められる昨今のビジネス情勢において、分析効率を高められるのは大きな強みとなるでしょう。

より円滑な部門間連携を促せる

CDP内で作成された顧客プロファイルは、さまざまな業務領域で活用できます。見込み客や顧客と接する機会が多い営業やマーケティングはもちろん、カスタマーサポートの問い合わせ対応にデータを活用することや、商品・サービス開発に既存顧客のニーズを反映することも可能です。

異なる部門同士で顧客データを利用する場合でも、一つのシステムにアクセスするだけで必要な情報を参照できます。そのため、「他部門のシステムにアクセスする権限がない」「複数のシステムを経由するうちに情報がブラックボックス化する」といった問題が起こりにくく、おのずと円滑な部門間連携につながります。

CDPを導入する際の2つの注意点

CDPには多くのメリットがある一方で、次のような注意点も存在します。

  • セキュリティリスクが高まる恐れがある
  • 取り込むデータが多いと煩雑化を招きやすい

これらはCDP導入時に起こりがちな課題でもあるため、事前準備が不可欠です。ポイントごとに要点を解説します。

セキュリティリスクが高まる恐れがある

あらゆる顧客データを1ヶ所に集約できるCDPだからこそ、そのメリットがリスクに変わることも考えられます。仮にCDPのシステムが外部からの集中的な攻撃を受けた場合、顧客のあらゆる個人情報が流出する恐れがあります。これは信用失墜や損害賠償につながりかねない重大な問題です。

そのため、CDPを取り扱う以上、厳重なセキュリティ対策が必要です。データの保管方法や保管場所に加え、アクセス制限や暗号化、アンチウイルスといった対策方法を見直し、盤石な体制を構築しなければなりません。また、データの不正持ち出しやヒューマンエラーによる情報漏えいリスクも想定されるため、コンプライアンスやガバナンスを強化することも大切です。

取り込むデータが多いと煩雑化を招きやすい

さまざまなデータソースに対応しているCDPだからといって、初めから膨大な量のデータを取り込むのはおすすめできません。データ量が多くなるとデータベースの複雑化や検索性の低下により、どこにどのようなデータがあるかを把握しにくくなります。

そのため、導入当初はスモールスタートを意識することが大切です。データ管理におけるさまざまな課題に優先順位を付け、最も実現したいユースケースから順に取り組んでいくと良いでしょう。対象範囲を絞り込めば、連携する外部システムの種類や取り込むデータ量を最低限に抑えられるため、組織が混乱するリスクを取り除けます。

CDPの導入事例2選

他社の導入事例を参考にすることで、CDPのより具体的な活用方法がわかります。ここでは、穴吹興産株式会社とターゲットメディア株式会社の事例を紹介します。

穴吹興産株式会社

不動産事業を展開する穴吹興産株式会社は、CDPでオンラインとオフラインの顧客データを統合しました。Web会員データや購買情報、来場データなどを紐付けることで、顧客一人ひとりのインサイトを正確に把握できます。それぞれの状況に応じた顧客対応や提案を行い、CX(顧客体験)を向上することが目的です。

参考:マンション分譲などの大手不動産会社・穴吹興産、顧客の「見える化」のためCDP「INTEGRAL-CORE」を導入|EVERRISE

ターゲットメディア株式会社

BtoBマーケティングサービスを提供するターゲットメディア株式会社は、見込み客の行動データの蓄積基盤を構築するためにCDPを導入しました。従来は、コンバージョンポイントのみの情報を参考にしていたところ、CDPによってその前後の行動データを取得することに成功しています。結果、リードプロファイルに温度感や興味関心といった情報が追加され、より見込み客のニーズに応じた施策を展開できるようになりました。

参考:CDP「INTEGRAL-CORE」がターゲットメディア株式会社にて導入されます|EVERRISE

CDPを選定する際のポイント

一概にCDPといっても、さまざまな製品が存在します。そのため、あらかじめ比較ポイントを明確にし、現状の課題や目的と照らし合わせて検証することが大切です。

CDPを選定する際のポイントは次の通りです。

  • どのようなデータソースに対応しているか
  • どのようなデータの種類(構造化データや非構造化データなど)に対応しているか
  • 必要な付加機能が搭載されているか
  • 十分なスケーラビリティが確保されているか
  • セキュリティ対策やユーザーサポートが充実しているか

さまざまなデータソースに対応しているCDPですが、対応範囲は製品ごとに大きな差があります。また、格納できるデータの種類も各製品で異なります。適切な対応範囲を見極めるには、データを管理している既存システムの種類を洗い出し、CDPとの互換性やAPIの有無を確認しましょう。

CDPは、データの収集や統合以外に、顧客情報のセグメンテーションやパーソナライゼーションなどの付加機能を備えたものもあります。機能が多いほどできることが増える一方で、導入コストや運用コストが高くなる可能性があるため、費用対効果をしっかりと検証することが大切です。

CDPで顧客ニーズを把握してマーケティング施策を実施しよう

CDPは、顧客一人ひとりの課題やニーズを分析するために欠かせないツールの一つです。

CDPを導入すれば、社内に散在した膨大な顧客データを集約し、データ分析のベースとなるプロファイルやセグメントを作成できます。さらにMAやBIツールなどの連携により、詳細な顧客分析ができるため、マーケティングのパフォーマンスを向上させる、精度の高いアクションプランの策定につながります。

CDPの導入を検討しているものの、「社内にデータ分析ができる人材がいない」「ツールを有効活用できるか不安」といったように悩んでいる方は、電算システムにご相談ください。電算システムでは、データサイエンティストやデータエンジニアなどのスキルを持つ担当者が、データ基盤の構築やシステム開発をサポートします。

こちらで「初めてのデータ分析〜DSKマーケティングチームと一緒に学ぼう〜」という無料の資料をダウンロードできますので、まずは目を通してみてください。

監修者

新 直哉
新 直哉
入社5年目。データエンジニアとして、BigQueryを主としたデータ分析基盤の提案・導入支援や、ウェブセミナーの講師などを務める。現在はプリセールスエンジニアの卵として奮闘中。

<保有資格>
・Professional Data Engineer
Professional Data Engineer
初めてのデータ分析

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