2025年1月16日、Google Workspace の Business プランとEnterprise プランで、Gemini 機能が利用できるようになりました。
これを機に、Geminiを使ってみよう!と思われた方も多いのではないでしょうか。
中には、
「Geminiは本当に安全なの?」
「生成AIって嘘の回答をしてくるんじゃない?」
「業務でどう活用できるのか、イマイチイメージできない・・・」
と不安な方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、
Gemini の安全性やGeminiのリアルなユースケースをご紹介します。
Google Workspace with Gemini(旧名称:Gemini for Google Workspace)とは?
まずは、Google Workspace with Gemini(旧名称:Gemini for Google Workspace)で何ができるのかをご紹介します。
図のとおり、Gemini機能には3つのインターフェースがあり、利用シーンにあわせて柔軟に使い分けることができます。
ここからは、それぞれのインターフェースの特徴について説明します。
Geminiアプリ
Geminiアプリは、対話型生成AIツールのウェブアプリもしくはモバイルアプリを指します。
ユーザーはGeminiにプロンプトを投げかけることで、生成結果を得ることができます。
GeminiアプリにはGoogleドライブアイテムや画像をプロンプトに含めることができるため、
業務データがGoogle Workspace 内に集約されている企業ほど、有効に活用することができます。
サイドパネル
サイドパネルは、まさしくあなたのアシスタントのように、GmailやGoogleスプレッドシートの画面上で呼び出すことのできるGemini機能です。
今あなたが見ているメールやスプレッドシート、ドキュメントに対してプロンプトを投げかけることができ、Geminiはそれを受けて回答を生成します。
また、サイドパネルからも他のGoogleドライブアイテムを呼び出してプロンプトに組み込むことができます。
これにより、プロンプトを長く入力する必要も、別のインターフェースで得た生成結果をコピー&ペーストして新たなプロンプトを打ち込む必要もありません。
Google Workspace 3つの連携機能
さらには、Google Workspace と強固に連携したGemini機能もリリースされています。
ここではいくつかの機能にフォーカスしてご紹介します。
1.Create a document
Googleドキュメントの”Create a document”では、プロンプト指示に基づいたテンプレート生成が可能です。
ゼロから1を作る作業に適しているため、テンプレートやメールフォーマットの作成などにおすすめです。
※ この機能は2025/03/21時点で日本語未対応です。
2.Help me create a slide
Googleスライドでは、スライド作成もGeminiがアシストしてくれます。
画像生成やデザインの提案だけでなく、資料の内容も生成してくれるため、
「こんなスライド資料を作りたいけど、どんな項目で作ればいいかな・・・」と頭を悩ませる時間を減らせます。
3.Take notes with Gemini
特に多くの方が注目しているのは、Google Meet で使えるGemini機能ではないでしょうか。
“Take notes with Gemini”は、Google Meet で話した内容の要約を生成する機能です。
Google Meet 上の会話は自動的に要約され、Googleドキュメントに議事録として生成されます。
Geminiの安全性を紹介
Gemini機能は目新しく、革新的な業務効率向上に繋がりますが、ビジネスシーンで利用する場合には、その安全性も気になるところです。
Googleは公式に、以下のようなプライバシーハブを提示しています。
“お客様のプライバシーが最優先
- Gemini とのやり取りが組織外に開示されることはありません。
- 既存の Google Workspace の保護は自動的に適用されます。
- お客様のコンテンツが他のお客様のために使用されることはありません。”
参考:Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ
https://support.google.com/a/answer/15706919?hl=ja
ユーザーは、Geminiに入力した内容を、生成AIのトレーニングに使われることなく、安心してGemini機能を利用できます。
また、その生成物も、ユーザーが意図して外部に共有しない限り、組織外に開示されることはありません。
Gemini機能含むGoogle Workspace のサービスは、Googleの高度なエンタープライズグレードのセキュリティ基準が適用されるため、企業の重要な情報も、安心して取り扱いいただけます。
リアルなユースケースを3つ紹介
安全性が担保され、さまざまなGoogle Workspace サービスと連携して使える Google Workspace with Gemini(旧名称:Gemini for Google Workspace) ですが、
具体的にどんな使い方ができるのでしょうか?
ここでは、弊社の営業担当者が実践しているユースケースを紹介します。
【ユースケース 1 】RFPの読み解き
顧客から提示されたRFP(提案依頼書)はボリュームがあり、読み解くのに時間がかかりますよね。
Geminiアプリでは、RFPのPDFデータを読み込ませたうえで、
「RFPの内容から、本提案でお客様が解決したい課題と実現したい目的を抜粋して、要約をして」
とプロンプトを投げかけると、要点をわかりやすく教えてくれます。
これまでRFPの読み解きに2~3時間かかっていましたが、数分に短縮されました。
【ユースケース 2 】GAS コード生成とサンプルデータの作成
初めてGAS(Google Apps Script)を使うという営業担当者が実践したユースケースです。
GASは業務短縮に役立つ優れたツールですが、初めて使う人にとってはわかりにくいものです。
Gemini はGASコードを生成することもできます。
Googleドライブからスプレッドシートのファイルを選択したうえで、「このリストの宛先にメールを一斉送信するGASを組んでください。」と指示すると、それに応じたGASコードを生成してくれます。
【ユースケース 3 】顧客情報の下調べ
Geminiアプリでは最新LLMの 1.5 pro with Deep Research が使えます。
Deep Research では、膨大なWeb全体から関連情報を収集し、詳細な分析を行うことができるため、例えば営業担当者が提案前に顧客情報を収集、分析するのに適しています。
プロンプト例:
あなたは営業担当者です。
株式会社電算システムへSaaSサービスである、タレントマネジメントサービスの提案をする予定です。
株式会社電算システムの基本情報から、顧客の持つ想定Needsを教えてください。
これまで、営業担当者自身がGoogle検索してWEB情報から顧客情報を抽出し、そこから考えられる想定ニーズをひねり出していましたが、Gemini の Deep Research を活用することで、大幅に時間を削減することができます。
このように、Gemini は「資料を読み込む」「データを分析する」「WEBを検索して情報を得る」といった、地味に時間のかかる業務を大幅に短縮することができるため、Geminiの登場は、ユーザーのこれまでの働き方を大きく変えるきっかけになるでしょう。
Google Workspace with Gemini(旧名称:Gemini for Google Workspace)の料金
多彩で先進的な生成AIを活用できる Google Workspace with Gemini(旧名称:Gemini for Google Workspace)。
先に述べたように、2025年1月16日より、Google Workspace Business / Enterprise のユーザーはGemini機能が使えるようになりました。
そのため、Google Workspace ライセンス料金のみで、これらのGemini機能を利用することが可能です。
ただし、ご契約プランにより使えるGemini機能に差異がありますので、事前にご確認いただくことをおすすめします。
参考:Google Workspace の料金とプランごとのAI機能
Gemini を使って業務効率をグッと上げよう!
これまで、私たちは多くの時間を、情報収集や資料作成、単純作業といった、付加価値を生み出すとは言い難い業務に費やしてきました。
Gemini はこれらの時間を大幅に削減し、これからは本当に重要な業務に集中する時間に当てることができるでしょう。
電算システムでは、Geminiとうまく付き合うコツや、具体的な活用方法を学ぶためのハンズオントレーニングやワークショップのメニューをご用意しております。
「ただ使えるようになっただけ」で終わらない利活用支援が可能です。
Gemini の使い方にお悩みの方は、ぜひ電算システムにお問い合わせください。
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