NotebookLM をご存知でしょうか?
NotebookLMは、Google が開発したAIを搭載した、画期的な情報整理ツールです。一言でいうと、自分だけのAIアシスタントを、アップロードしたドキュメントに基づいて作成できるサービスです。
その NotebookLM が2025年2月5日に、Google Workspace のコアサービスとしてご利用いただけるようになりました。
膨大なテキストデータや動画・音声データもソースとして利用できるNotebookLMですが、
「どんなときに役立つの?」「共有や制限はできるの?」などなど
気になるところも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、
機能概要からアクセス方法、利用シーン、共有方法などあらゆる側面からNotebookLMをご紹介します。
NotebookLMとは?その特徴を解説
NotebookLM は、ウェブサイトや文章、PDF、音声、動画などあらゆる形式のデータをソースに指定して、Google の生成AI(Gemini)を利用した情報検索、要約、アドバイスなどを出力することのできるサービスです。
指定できるソース形式は多様であるため、これまで Google Workspace with Gemini(旧:Gemini for Google Workspace)でできなかった動画や音声の読み込み、生成が可能です。
また、ソースが指定できることで、生成AIによるハルシネーションが発生する可能性も少なくなります。
実は、NotebookLM はコンシューマーにも提供されており、Googleアカウントがあればだれでも利用することが可能です。
さらに、Google Workspace アカウントで利用する場合には、Google Workspace の利用規約に準じた状態でNotebookLMを利用することができます。
NotebookLM へのアクセス方法
2025年2月5日にGoogle Workspace のコアサービスに仲間入りしましたが、現時点(2025/04/07)でGoogle Workspace のアプリランチャーからのアクセスは実装されていません。
以下のURLよりアクセスが可能です。
https://notebooklm.google.com/
大幅上限UPする!メリット満載の NotebookLM Plus
あらゆる自社データをソースとした生成AI Chat が可能な NotebookLM ですが、実は上位プランである「Notebook LM Plus」というサービスがあります。
これは、NotebookLM とどういった違いがあるのでしょうか?
大きな違いは
- 1 ノートブックあたりのリソース(音声概要、クエリ、ソース)が 5 倍に増加
- 作成可能なノートブック数も 5 倍に
- Plus ユーザーだけが利用できるプレミアム機能が利用できる
といった点です。
具体的な違いをさらに説明していきます。
▲
左上のロゴに「Plus」表記があれば NotebookLM Plus です。
NotebookLM Plus では使用上の上限が大幅アップ
NotebookLM Plus を使うメリットとして、NotebookLMと比べ、使用上のさまざまな上限が大きくアップする点が挙げられます。
NotebookLM ではノートブックの作成数の上限は100ですが、NotebookLM Plus だと上限が500に引き上げられています。
また、1ノートブックあたりのソースの登録数は、NotebookLM では最大50ですが、NotebookLM Plus では最大300 のソース登録が可能です。
そして、1日あたりのクエリ上限にも大きな違いがあり、NotebookLM では最大50件のチャットクエリと、3件の音声生成ができますが、NotebookLM Plus ではチャットクエリ数は最大500件、音声生成は最大20件となります。
機能 | NotebookLM | NotebookLM Plus |
ノートブック数 | 100 |
500 |
ノートブックあたりのソース数 | 50 | 300 |
1日のチャットクエリ数 | 50 | 500 |
1日の音声生成数 | 3 | 20 |
(2025/03/27時点)
参考:NotebookLM と NotebookLM Plus の相違点
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これだけのソースを追加してもまだまだ上限には達しません。
NotebookLM Plus でのみ利用できるプレミアム機能
ソースやクエリ数の上限だけでなく、NotebookLM Plus ユーザーにのみ展開されているプレミアム機能もあります。
- 高度なアクセス許可コントロール
ノートブックの共有設定で共有範囲のカスタマイズが可能に。全体(ソースを含む)へのアクセスを許可するか、ソースを表示せずチャットへのアクセスのみを共有するか、カスタマイズができます。
- 好みの回答スタイルの指定
応答スタイルを選択したり、出力の長さ(短め・長め)などを選択することで、ニーズに合わせてノートブックをカスタマイズすることが可能です。
- 使用状況の分析
ノートブックのアクセス数やクエリ実行数を確認できます。1日に何人のユーザーがアクセスしたか、過去1週間で何件のクエリが実行されたかがわかります。
NotebookLM のユースケースを4つご紹介
NotebookLM ではサイズの大きなデータやWEBサイト、Youtubeなどの多種多様なソースを利用できるため、すぐにその道の「プロ」を作り出すことができます。
ここではいくつかのユースケースをご紹介します。
NotebookLM が活躍しそうなケースとしては、以下のものが考えられます。
論文・参考文献の分析・比較
NotebookLMはボリュームあるPDFファイルを複数アップロードして、それらをまとめて分析することができるので、論文のレビューや分析に適しています。
また、ソースが英語の論文であっても、日本語のプロンプトで問いかけ、回答を得ることができます。(生成結果も日本語です。)
顧客データや市場データを分析し、ビジネス戦略の立案に役立てる
NotebookLMでは多様なデータ形式を扱うことができるため、
- テキストデータを含むお客様アンケート(レビューやコメント)
- 顧客の属性データ(職業、性別、年齢層など)
- 利用状況データ(1日あたりの閲覧数や主な閲覧時間帯など)
といった様々なデータを併せて分析することが可能です。
マルチモーダル処理が得意なGeminiを利用しているからこその強みと言えます。
音声や動画データをアップロードして、AIが自動的に文字起こしする
また、NotebookLMではMP4などの動画データやYoutubeもソースに指定することができます。
例えば、参加することの出来なかった会議の録画データをソースにして、要点やネクストアクションをNotebookLMに聞くことも可能です。
インサイドセールスの電話の録音データや、営業担当者の製品紹介ピッチなどの録画データを読み込ませて、メンバーごとの傾向を分析することもできるので、営業メンバーのスキルアップにも役立てられます。
音声概要を使って主旨を理解する
さらに「音声概要」という機能を使うと、アップロードしたソースを要約した結果を、ポッドキャストのような音声データとして出力することも可能です。
例えば、これから訪問する取引先の情報を複数登録し、移動時間にその要約された音声データを聞くことで、訪問前の事前の情報収集を効率的に行うことができます。
(音声概要機能は2025/04/07時点で日本語対応していません。)
NotebookLM/Geminiサイドパネル/Geminiアプリ の使い分けイメージ
Google Workspace with Gemini(旧:Gemini for Google Workspace)を使っている方は、Geminiアプリやサイドパネルとどう違うのか?といった点も気になりますよね。
NotebookLM も Google Workspace with Gemini も、どちらもGoogleの生成AIであるGemini が利用できる点は変わりませんが、用途によって使い分けることで、よりユーザーの意図に沿った回答を得ることができます。
- NotebookLM・・・大量なデータに基づく的確な回答が得られやすい
- Gemini サイドパネル・・・日常的な反復作業の自動化に便利
- Gemini アプリ・・・調べ物やアイデア出しの壁打ちに最適
これらのツールの使い分けには慣れる時間が必要です。
まずは、それぞれのツールでどんな回答が得られやすいのか、同じプロンプトで試してみることをおすすめします。
作成したノートブックの共有
ナレッジ集として作ったノートブックや顧客分析のノートブックは、社内のチームに共有してみんなで使いたいですよね。NotebookLM で作成したノートブックは、他のユーザーに共有することができます!
個別にユーザーを追加する、もしくはメーリングリスト(Googleグループ)のメールアドレスを追加することで、ノートブックの共有ができます。
また、NotebookLM Plus であれば、閲覧者のアクセス権を選ぶことも可能です。
「ノートブックすべて」にすると、ソースや保存したメモも閲覧することができますが、
「チャットのみ」にすると、チャット画面でのプロンプト入力と生成結果の参照のみにとどまり、ソースや保存したメモを閲覧することはできません。
ソースを参照させずにチャットのみをユーザーに使わせたい場合には、「閲覧者」「チャットのみ」と設定することをおすすめします。
NotebookLM の安全性
NotebookLM は、様々な業務で活用できる便利な機能ですが、企業として利用する場合にはその安全性も気になるところです。
NotebookLMはGoogle Workspace ユーザーとして利用する場合には、Google Workspace の利用規約に準じるため、データは保護され安全に機能を利用することができます。
そして、NotebookLMにアップロードしたデータやプロンプト、回答結果は人間のレビュアーが確認することも、AI モデルのトレーニングに使用されることもありません。
そのため、企業としてユーザーに使わせる場合にも、セキュリティ面が担保された状態でNotebookLMを活用することができると言えます。
参考:NotebookLM でデータを保護する仕組み
回答の信頼性が高い!NotebookLMを使ってみよう
生成AIは様々な業務を革新的に効率化してくれる、まさに神機能ですが、生成結果の信頼性とセキュリティ面がおろそかであってはなりません。
NotebookLMは、ソース指定ができて、なおかつ高精度のGeminiが利用できることから、ハルシネーションの発生を格段に低くすることができています。
(とはいえ、生成結果は必ず人間が回答を再確認する必要があります。)
Google Workspace ユーザーであれば安全性を担保されたうえで利用できるため、顧客データや企業データの分析にも最適です。
さらに、ガイドラインの制定やNotebookLMの勉強会を実施することも有効です。
電算システムでは、電算システムよりGoogle Workspace をご契約いただいているお客様に限り、生成AIガイドラインサンプルやGemini関連のトレーニングを提供しています。
Google Workspace を利用してみたい、Google Workspace で使える生成AIについて知りたい!という方は、ぜひ電算システムへと気軽にお問い合わせください。
執筆者紹介

- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- NotebooLM / NotebookLM Plus