OneDriveを使用されている方のなかには、ストレージ容量がいっぱいになり、どのように対処するか検討されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。OneDriveの無料プランで利用できるストレージ容量には、5GBの上限があるため、多くの方がストレージの容量不足に悩んでいます。限られたストレージ容量で継続的に運用するには、いくつかの対策が必要です。
この記事では、OneDriveの容量がいっぱいにならないための対策、スマホでOneDriveの容量がいっぱいになった場合の対処法、他社ストレージの特徴などについて解説します。OneDriveの容量不足になった場合や、容量不足が近い場合の対応をわかりやすく解説するので、クラウドストレージを運用する際の参考にしてください。
意図せずOneDriveの容量がいっぱいになった場合
OneDriveは、無料版で5GB、 Microsoft 365(旧Office 365)のユーザーで1TBのストレージ容量が利用できるクラウドストレージです。以前はストレージ容量の上限が25GBまででしたが、2016年から上限が5GBに変更されました。多くの容量を使用している場合、容量不足に関する通知が表示されます。
また、ストレージ容量の空きがなくなれば、データの保存が一切できなくなると共に、クラウドとの同期も停止されるため、注意が必要です。ストレージ容量の空きがない状態が3ヶ月継続した場合、アカウントが凍結されます。アカウントが凍結されれば、ファイルのアップロードや同期、編集ができません。ファイルの読み取り機能しか使用できなくなるため、早めの対策が必要です。
OneDriveの容量がいっぱいにならないための6つの対策
OneDriveの容量がいっぱいにならないための対策は、以下の6つです。
- 空き容量の確認
- ファイルの整理整頓
- 同期領域の見直し
- 容量モニタリングと警告設定
- 拡張ストレージの購入
- プラン変更
対策を確認して、OneDriveを利用する際の参考にしてください。
空き容量の確認
ストレージの空き容量は、OneDriveの設定から確認しましょう。無料版で利用できるストレージ容量は5GB、有料版で利用できるストレージ容量は、プランによって異なります。ストレージの空き容量を確認する手順は、以下の通りです。
ブラウザから確認する手順
- ブラウザでOneDriveにアクセスする
- 画面右上の歯車マーク(設定)をクリックする
- 「オプション」をクリックする
- 「ストレージの管理」をクリックして、ストレージの空き容量が確認できる
OneDriveアプリから確認する手順
- タスクバーにある OneDriveのアイコンをクリックする
- 右上の歯車のマークをクリックする
- 「設定」をクリックする
- ストレージ欄に、ストレージの空き容量が表示される
Windows 11 version 22H2 以降のバージョンは、同期しているフォルダーからも、ストレージの空き容量が確認できます。
ファイルの整理整頓
OneDriveのストレージ容量をいっぱいにしないためには、不要なファイルもしくはフォルダの削除が有効です。不要なファイルもしくはフォルダを削除する方法は、以下の通りです。
- ブラウザからOneDriveにアクセスする
- 削除したいファイルまたはフォルダーにカーソルを合わせて、表示されるチェックボックスをクリックする
- ページ上部にあるバーから「削除」をクリックする
フォルダー内にあるすべてのファイルを削除したい場合は、キーボードで「Ctrlキー」を押しながら「Aキー」を押せば、フォルダー内にあるすべてのファイルを選択できます。 一度に複数のファイルを削除したい場合は、削除したいファイルを1つ選択して「Shiftキー」を押したままほかのファイルをクリックし、複数のファイルをまとめて選択します。
一度削除されたファイルもしくはフォルダは、OneDriveのゴミ箱から復元できる場合がありますが、OneDriveのゴミ箱から削除した場合は、復元できません。
同期領域の見直し
OneDriveでは、ファイルやフォルダーの同期機能が利用可能です。ドキュメント、ピクチャなどのさまざまなデータを同期できます。同期によって、パソコンとOneDriveのなかでファイルやフォルダーが常に最新の状態に保たれますが、設定によってはストレージ容量を多く利用するため、注意が必要です。
同期を設定する際は、自己管理できる必要最低限の範囲を同期の対象にしましょう。同期の対象が多すぎれば、知らない間にストレージ容量の上限を越える場合があります。状況に応じて、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャの同期解除が必要です。
容量モニタリングと警告設定
OneDriveを利用している場合は、ストレージ容量のモニタリングが大切です。使用済みのストレージ容量と利用可能なストレージの空き容量をこまめに確認しましょう。企業でOneDriveを導入する際は、従業員のストレージ容量の確認も必要です。ストレージの空き容量が少ない場合は、従業員に通知を送って対応を促すといった動きが求められます。
拡張ストレージの購入
OneDriveのストレージ内を整理しても、容量不足が改善されない場合は、追加でストレージ容量の購入をしましょう。ストレージの容量不足は、業務効率の低下を招く恐れがあるため、早めの対策が必要です。OneDriveで追加できるストレージ容量は、200GB〜1TBまでになっています。
プラン変更
Microsoft 365の「E3」「E5」プランは、大企業向けとして提供されており、より高度なセキュリティ機能が利用できる上位プランです。利用ユーザー数が5名以上の場合、1人あたり最大5TBまでストレージ容量が拡大されるため、十分なストレージ容量とセキュリティ機能を活用したい場合は、利用を検討しましょう。
「Microsoft 365 E3」と「Microsoft 365 E5」の利用料金は、以下の通りです。
- Microsoft 365 E3(年間契約):ユーザー1人あたり月額 ¥4,500(税抜き)
- Microsoft 365 E5(年間契約):ユーザー1人あたり月額 ¥7,130(税抜き)
スマホでOneDriveの容量がいっぱいになった場合の3つの対処法
スマホを使っている方は、スマホやパソコンの紛失・故障に備えて、OneDirveとの接続がおすすめです。万が一スマホやパソコンに問題が起きても、大切なデータを紛失する心配がありません。スマホでOneDriveの容量がいっぱいになった場合は、以下の対処法があります。
- キャッシュを削除
- 画像のバックアップ
- SDカードを利用
対処法を確認して、スマホとOneDriveを最大限に活用しましょう。
キャッシュを削除
キャッシュは、アプリが一時的に保存するデータです。キャッシュにより、前回アプリを使用した際の状況や設定を継続して利用できます。キャッシュを削除すれば、OneDriveの空き容量を増やせるため、ストレージ容量がいっぱいになった際に実行してみましょう。キャッシュを削除する方法は、以下の通りです。
Android
- 「設定」を開く
- 「アプリと通知」をタップする
- 「アプリ情報」にある「〜個のアプリをすべて表示」をタップする
- OneDriveをタップする
- 「ストレージとキャッシュ」をタップする
- アイコンの下にある「キャッシュを削除」をタップする
iphone
- OneDriveのアプリを開く
- ホーム画面で「ホーム」と書かれた文字の左にある丸いアイコンをタップする
- 「設定」をタップする
- 「ヘルプとフィードバック」をタップする
- 「キャッシュをクリア」をタップする
キャッシュを削除する方法は、Androidやiphoneの種類によって表示が異なる場合があります。
画像のパックアップ
スマホでOneDriveのストレージ容量がいっぱいになった場合は、ほかのアプリへの画像のパックアップがおすすめです。Googleフォトへのバックアップ方法を例として、以下に記載します。
- Googleフォトを開く
- Google アカウントにログインする
- 右上にあるアイコンをタップする
- 「バックアップ」をタップする
- 「バックアップの設定」が表示される
- 「保存容量の節約画質」もしくは「元の画質」から希望の画質を選んでタップする
- 「確認」をタップする
スマホを利用する際は、ローカルのストレージ容量だけではなく、Google ドライブやGmailなどのほかのアプリへのバックアップが便利です。ストレージ容量を節約しながら、快適に利用できます。
SDカードを利用
SDカードを利用すれば、スマホでいっぱいになったOneDriveのストレージ容量を節約できます。スマホ本体に保存された画像や動画をSDカードに移動させましょう。スマホ本体からSDカードにデータを移動する方法は、以下の通りです。
- アプリ一覧から「Files」をタップする
- 画面下の「見る」をタップする
- 移動させたいファイルを長押しする
- 画面が切り替わったら、右上の「メニューボタン」をタップする
- 「移動」をタップする
- 「SDカードに移動しますか?」と表示される
- 「続行」をタップする
スマホ本体からSDカードにデータを移動する方法は、Androidの種類によって表示が異なる場合があります。iphoneには直接SDカードを接続できないため、パソコンへデータを移す方法がおすすめです。
他社ストレージへの見直しすることも検討しよう
OneDriveのストレージ容量がいっぱいになった場合は、他社のストレージサービスへの移行も検討しましょう。サービスによっては、OneDriveよりも多くのストレージ容量を利用できる場合があります。おすすめのストレージサービスは、以下の3つです。
- box
- Dropbox
- Google ドライブ
サービスの特徴を確認して、OneDriveと比較しましょう
box
boxは、すべての有料プランで無制限のストレージ容量が利用できるクラウドストレージサービスです。boxの有料プランには、さまざまな機能があり、セキュリティ対策も充実しています。ユーザーごとにアクセス権限の設定ができるため、セキュリティリスクの軽減にも活用できます。boxで利用できるプランごとの特徴は、以下の通りです。
公式ページ:Boxサービスサイト
プラン名 | 各プランの特徴 |
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Individual |
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Business |
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Business Plus |
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Enterprise |
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※1. 二要素認証:通常のパスワード認証に併せて、ワンタイムパスワードによる認証を設定する機能
※2. 電子透かし: データに別の情報を埋め込み、コピーかオリジナルかを判別できる技術
Dropbox
Dropboxは、Dropbox.incが開発したクラウドストレージサービスです。無料プランのストレージ容量の上限は、2GBであるため、ビジネスでの利用には、有料プランがおすすめです。Dropboxには、boxと同様に無制限のストレージ容量を利用できるプランもあります。
チャットツールやWeb会議ツールといったビジネスツールとの連携に優れており、チーム間のやり取りに便利なサービスです。Dropboxで利用できるプランごとの特徴は、以下の通りです。
公式ページ:Dropbox サービスサイト
プラン名 | 各プランの特徴 |
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Basic |
|
Plus |
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Family |
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Professional |
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Standard |
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Advanced |
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Enterprise |
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Google ドライブ
Google ドライブは、Googleが開発したクラウドストレージサービスです。無料プランでは、15GBを上限とするストレージ容量が利用できます。マイクロソフトと同様に、グループウェア(※1)の1つとして利用でき、Google WorkspaceやGmailをはじめとしたオンライン会議やカレンダー、チャットなどのビジネスツールとしても活用できます。
モバイル端末では、パソコンにあるほとんどの機能が利用できるため、社内外にかかわらず、効率的に作業を進められるツールです。
※1. グループウェア:企業の業務やコミュニケーションの活性化に役立つツール
公式ページ:Google ドライブ サービスサイト
プラン名 | 各プランの特徴 |
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無料 |
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ベーシック |
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スタンダード |
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プレミアム |
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Business Starter |
|
Business Standard |
|
Business Plus |
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Enterprise |
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Google ドライブの利用なら共有ドライブ機能で容量削減
OneDriveのストレージ容量にお悩みの方は、Google ドライブの導入がおすすめです。Google ドライブは、Googleが開発したクラウドストレージサービスです。Google ドライブの法人プランであれば、共有ドライブ機能が利用できるため、ほかの人とストレージ容量をシェアして利用できます。
また、Google WorkspaceのEnterpriseでは、5TBのストレージ容量を使用可能です。ファイルサーバーの役割である共有ドライブ機能も備わっており、自分以外が作成したファイルであれば、5TBのストレージ容量に含まれません。ストレージ容量を削減しながら、効率的に活用できます。
Google ドライブは、共有機能にも優れており、社内で同じファイルを作る必要がないため、重複や似たファイルの削減にも利用できます。Google ドライブに興味のある方は、ツールの機能についてわかりやすくまとめた以下の資料をご覧ください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- ストレージ容量