世界的にパブリッククラウドの利用が拡大する中、特に高い人気を誇る5つのサービスがあります。それらは一般に「世界5大パブリッククラウド」と呼ばれ、パブリッククラウドの世界シェアの大半を占めています。本記事では世界5大パブリッククラウドを比較し、それぞれの特長や違いについて解説します。
パブリッククラウドとは
「パブリッククラウド」とは、ベンダーがインターネット上で提供している個人・法人向けのクラウドサービスです。通信回線やサーバー、ソフトウェアなどのクラウドリソースを複数のユーザーで共用できます。また、自社サーバーを用意する必要がないため、スムーズに導入できるほか、導入費用もほとんどかかりません。その反面、カスタマイズ性に乏しい製品が多く、自社の業務にフィットするような構築は難しい傾向にあります。
プライベートクラウドとの違い
「プライベートクラウド」とは、自社専用のクラウド環境を構築して利用する、企業内ユーザー向けのクラウドサービスです。パブリッククラウドとは違い、自社で設置したクラウドリソースを使用しますが、そのぶん導入までに相応の時間と費用がかかります。一方で、自社専用のクラウド環境ゆえセキュリティ性が高く、カスタマイズ性にも優れるメリットがあります。
対してパブリッククラウドでは、先述通り共有のクラウドリソースを利用するため、専用の設備を設置する必要がありません。ベンダーに申し込むだけで、コストをかけずにすぐ導入できます。しかしながら、インターネットを介してクラウド上にデータを保管するため、セキュリティ性やクラウドリソースのカスタマイズ性に関してはプライベートクラウドよりもやや劣りがちです。
このように、導入のしやすさやセキュリティ性・カスタマイズ性における違いこそあるものの、どちらもサーバーやソフトウェアなど必要なクラウド環境が利用できるため、システム上の大きな違いは基本ありません。
世界5大パブリッククラウドを比較
パブリッククラウドの世界シェアにおいては、下記5つのクラウドサービスがその大半を占めており、これらは一般に「世界5大パブリッククラウド」と呼ばれています。以下では、世界5大パブリッククラウドの特徴やサービスを比較していきます。
Google Cloud™
「Google Cloud 」は、Googleが提供しているクラウドサービスです。クラウド環境にはGmailやGoogleマップなど、Googleが世界中で提供しているテクノロジーやインフラが活用されているのが特徴です。ハイパフォーマンスな仮想マシンによるインフラで、安定したネットワーク環境が利用できます。
どこからでも素早くアクセスできるオブジェクトストレージ「Cloud Storage」や、クラウド内のビッグデータを解析し、数秒でクエリを実行できるデータウェアハウス「BigQuery」なども備えています。このほか、機械学習ツールやAI関連サービスなど数多くのサービスを利用できるため、必要なサービスを組み合わせたインフラストラクチャを作成して、自由度の高い活用が可能です。
Amazon Web Service(AWS)
「Amazon Web Service(以下AWS)」は、インターネット通販大手のAmazonが提供しているクラウドサービスです。2004年のサービス開始以降、世界中で多くのユーザーに支持されており、豊富な導入実績と高い信頼があります。現にシェア率は世界トップクラスを誇り、世界5大パブリッククラウド内のシェアだけで見ても、実に半数近くを占めるほど利用者の多いサービスです。
Amazonが自社商品の管理に使用していたインフラを基盤としているため、大量のデータを保存できるストレージやフルマネージドのデータベース、ビッグデータ分析、AIサービスやメールサービスなど、実に100以上ものサービスが利用できます。管理者の負担がかからないよう、ハードウェアの管理やソフトウェアのアップデート、強固なセキュリティ対策などサポート面も充実しており、快適なクラウド環境が実現します。
Microsoft Azure
「Microsoft Azure(以下Azure)」は、Microsoftが提供しているクラウドサービスです。Microsoft 365との連携がとりやすいことから、同社製品を使用する機会が多い企業に適しています。
Azureには政府や医療機関、製造、流通サービスなど、さまざまなビジネスシーンで活用できるサービスやサードパーティー製アプリケーションが搭載されています。クラウドプラットフォームで使用できるサービスは200を超えており、必要なサービスを選び、好みのフレームワークを活用し作業することが可能です。
データセンターやインフラなどの運用には多層的なセキュリティを構築し、専門の技術者によるデータ監視・保護を行います。クラウドベンダーの中でも最大数のコンプライアンス認証を取得しており、データ保護に関する安全性・信頼性の高さは指折りです。Active Directoryを使用した環境のクラウド移行の際も、Azureを活用すると効率よく行えます。
IBM Cloud
「IBM Cloud」は、IBMが提供している大規模企業向けクラウドサービスです。拡張性・俊敏性・継続性の高さに定評があり、国内では日本航空やみずほ銀行といった名だたる企業に導入されています。8,000人超の専門家による徹底したセキュリティ管理のもと、高い安全性を確立しているのが特徴です。
IBM Cloudはプライベート・パブリック・ハイブリッドと、さまざまな導入形態に対応しており、企業のビジネスモデルに合わせた導入が可能です。「IBM Watson」をはじめとするAI機能やデータ・コンテナ・IoTなど、170以上もの機能を備えた包括的なパッケージとして提供されるため、幅広い業務で活躍できるのもメリットです。
Alibaba Cloud(アリババクラウド)
「Alibaba Cloud」は、中国のEコマース大手Alibabaが提供しているクラウドサービスです。同社が手掛ける巨大ECサイト「Tmall(天猫)」の強力なインフラ基盤を利用しており、2009年にサービス開始されて以降、世界的に利用者を増やし続けています。
Alibaba Cloudには、データベース・ストレージ・ビッグデータ分析・機械学習といった豊富な機能が搭載されています。また、日本企業の中国進出を支援する「China Gateway プログラム」として、クラウドエンタープライズネットワークなどのクロスボーダー製品を利用できるのも特徴です。中国をはじめアジア圏への事業展開を目指している企業には、まさにうってつけのサービスといえます。
Google Cloud™が選ばれる理由
このように、世界5大パブリッククラウドにはそれぞれ違った強みがあるため、どれを選んだらよいか悩んでしまうことも少なくありません。もし、この5つの中から選ぶのであれば、是非 Google Cloud を検討してみてはいかがでしょうか。以下では、Google Cloud が選ばれる理由について解説します。
ビッグデータ分析
Google Cloud にはBigQueryやCloud dataproc、Bigtableといったビッグデータ分析・処理機能が搭載されています。これらは、検索エンジンなどで収集した世界中のデータを取り扱っている、Googleからのみ提供されている機能です。
ビッグデータ分析は、データドリブン経営を実現するうえで欠かせない要素であり、市場ニーズの変化が著しい近年では特に需要を増しています。Google Cloud の分析機能ならエンジニアでなくとも簡単に扱えるので、データ分析環境のスムーズな導入が可能です。
圧倒的コストパフォーマンス
Google Cloud は、他社のクラウドサービスと比べて利用料が安く、コストパフォーマンスに優れたクラウドサービスとして知られています。現にAWSやAzureなどから乗り換えた結果、月々の利用料を20%近く削減できた事例もあるそうです。
また、Survey Monkey社運営の調査機関「TechValidate」が2020年9月に公表したデータによると、調査対象となったGoogle Cloud ユーザー270名のうち、実に86%が業務効率化に役立ったと回答しています。このように、低コストながら優れたリターンを期待できるのも、Google Cloud が選ばれている理由のひとつです。
https://www.techvalidate.com/product-research/google/facts/1BC-38E-FF6
Google Cloudの導入はDSKにおまかせ!
Google Cloud の導入を検討しているものの、「専門的な技術者がいない」「自社に適した設定がわからない」といった理由で導入に踏み切れないケースは少なくありません。そのような場合は、株式会社電算システム(DSK)提供の「Google Cloud導入支援サービス」の利用がおすすめです。
DSKでは、「Google Cloud アドバイザリーサービス」「Google Cloud 設定代行サービス」「セキュリティ診断サービス」などをはじめとする充実したサポートにより、Google Cloud の導入・運用支援を行っています。導入から運用に至るまでのコンサルティングはもちろん、チャットボットや機械学習といったシステム開発も含め、GCPの利用に関するさまざまなお悩みを解決します。
花王や王子ネピアといった大手企業での導入実績もあるため、初めてでも安心してご利用いただけます。Google Cloud の導入・運用でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
パブリッククラウドは、インターネット上で提供されるクラウドサービスです。ベンダーにより使用できるサービスは異なりますが、プライベートクラウドのように専用設備を設置する必要がなく、少ないコスト・導入期間で取り入れられるメリットがあります。
「パブリッククラウドに切り替えたいけれど、自社だけで設定するのは不安」という場合には、DSKのクラウド支援サービスの利用がおすすめです。アカウント設定や環境構築などの代行はもちろん、セキュリティ面にも考慮し、貴社に最適なクラウド環境の導入・運用方法をご提案します。
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