本記事では「クラウドのメリット」についてわかりやすく解説しています。メリットだけでなくデメリットやクラウドの概要、オンプレミスとの違い、種類、注意点、選び方まで幅広く説明しています。自社にクラウドの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
クラウドを活用する6つのメリット
クラウドにはどのようなメリットがあるのでしょうか。おもな6つを解説します。
コストを抑えられる
クラウド導入の大きなメリットは、初期のコストを抑えられることです。自社でサーバーや通信回線、ソフトウェア、システムなどを用意するオンプレミスでは、初期の導入コストが大きくなります。しかし、クラウドであればインターネットを経由してサービスを利用するため、サーバーや周辺機器、ソフトウェアなどの設備が不要です。その後は継続して月額費用が必要ですが、サーバーの運用・管理を自社でする必要がなく、費用を軽減できます。
データの共有を容易にできる
クラウドは、インターネットを介してサービスを利用します。そのためインターネット環境さえあれば、社内のパソコンに加えて社外に持参したパソコン・スマートフォンなど、さまざまなデバイスから利用できます。インターネットを介しているため、どこからでもデータの共有が可能です。
容量を柔軟に拡張できる
自社の状況に応じて、プランの変更によって容易に容量を拡張できます。たとえば、はじめは容量を抑えておき、必要な量が増加した際の拡張も可能です。拡張だけでなく、容量を減らすことも容易です。オンプレミスであれば、必要な設備を自社で購入しなければならず、容量の拡張には費用も時間もかかります。
運用・管理の負担を軽減できる
オンプレミスは自社で運用・管理しなければならず、自社内に専門知識に長けた担当者を配置しなければなりません。クラウドであれば事業者が運用・管理をしてくれるため、負担を減らせます。ただし、自社内にノウハウが蓄積できないため、将来的に自社での運用を検討している場合には注意しましょう。
導入後すぐに始動できる
オンプレミスであればサーバーの構築が必要なため、導入を決意して運用を始めるまでに時間がかかります。導入の決定から利用開始まで、半年から1年ほどかかることもあるでしょう。クラウド、なかでもパブリッククラウドであれば、完成済みのサービスを利用するため、導入さえすればすぐに運用できます。
常に最新のセキュリティを利用できる
クラウドは管理・運用するベンダーがメンテナンスを実施するため、新たなコストをかけず常に最新の状態で利用できます。常に最新のセキュリティを利用できるため、特に専門知識が多くない際には安心できるでしょう。ただし、常にインターネットを介しているため、オンプレミスと比較するとセキュリティに問題があります。
クラウドを活用する際の3つのデメリット
クラウドには、カスタマイズ、既存システムとの連携、インターネット環境などの面にデメリットも存在します。詳しく解説します。
カスタマイズできない範囲がある
オンプレミスであれば、専門的な知識と技術さえあれば、自由にカスタマイズできます。しかし、クラウドはベンダーがパッケージ化したサービスを利用するため、カスタマイズできる範囲が限られます。自社独自のシステムを構築したい場合には、おすすめできません。
自社の既存システムと連携できないことがある
クラウドはベンダーに用意された範囲で利用するため、自社がこれまで使用してきたシステムと互換性がないケースがあります。クラウドの導入を検討する際には、導入予定のクラウドが自社のシステムと互換性があるかを調べ、互換性のあるサービスを選択しましょう。
常にインターネット環境が必要になる
クラウドを利用する前提条件として、インターネット環境が必要になります。インターネットが利用できなければ、クラウドは利用できません。外出先や出張先などでインターネットを利用できないケースが予想される際は、ポケットWiFiやスマートフォンでのテザリングなど、インターネットを利用できる手段を考えなければなりません。
クラウドの基礎知識
そもそもクラウドとは、どのようなものなのでしょうか。クラウドの概要と、クラウドとオンプレミスとの違いを解説します。
クラウドの概要
クラウドとは、「Cloud(雲)」が元になった言葉です。ハードウェアやソフトウェアを持たず、インターネットを通してデータベースやアプリケーションなどのサービスのことです。クラウドのなかには、いくつかの種類があります。
オンプレミスとの違い
クラウドはハードウェアやソフトウェアを持たずにインターネットを経由してサービスを利用することです。一方で、オンプレミス(自社運用型)は必要なハードウェアやソフトウェア・システムなどを自社で用意して、運用・管理することです。クラウドが導入コストを抑えられるのに対して、オンプレミスは導入コストは大きくなるものの、社内で運用するため自社にとって最適なものにできます。自社内にノウハウがあれば、セキュリティ対策を厳重にできるでしょう。
クラウドの2つの種類
クラウドには、大きくわけてプライベートクラウドとパブリッククラウドの2種類があります。それぞれの特徴を解説します。
プライベートクラウド
プライベートクラウドは、自社専門のクラウド環境です。プライベートクラウドは、オンプレミス型とホスティング型の2つに分けられます。オンプレミス型はサーバーを仮想化するクラウド環境で、ホスティング型はサーバーの一部をベンダーからレンタルして自社専用のクラウドにするものです。
パブリッククラウド
パブリッククラウドはベンダーから提供を受け、不特定多数が利用するクラウド環境のことです。希望する容量やサービスなどを選択して利用します。インターネット環境が整備されていれば、手続きとともにすぐに利用開始できることが特徴です。ただし、インターネットを経由するため、セキュリティの面で問題がみられるケースがあります。
クラウド導入時にに考慮すべき3つのポイント
クラウドにも種類があり、提供するベンダーも数多くの選択肢があります。選ぶ際に考慮すべき3つの項目を解説します。
導入の目的を明確にする
クラウドには多くのメリットがありますが、用途が明確でなければ効果的には活用できません。なぜクラウドを導入するのか、目的を明確にしましょう。目的がはっきりすると、どのクラウドサービスが適しているかを考えられます。
導入の計画を定める
クラウドは手続きさえすれば利用できますが、従業員は新たなシステムに慣れなければなりません。定着までには時間を要し、一時的に業務の効率が低下する恐れがあります。クラウドの導入前には社内で説明会を開き、はじめは部分的な導入から始めるとよいでしょう。
かかる費用を理解する
クラウドサービスは自社で設備を用意する必要がないため、大幅に初期費用を抑えることが可能です。ただし、利用を続けるためにはランニングコストが発生します。容量によって月額料金が発生する従量課金制、または定額制のため、自社に必要な量を把握すると金額を低減できます。
クラウドサービスの4つの選び方
さまざまな種類のあるクラウドサービスから、どのように選べばよいのでしょうか。4つの選び方を解説します。
予算に合致しているか
クラウドは一時的なものではなく、継続的に利用料が発生します。また、1度導入し蓄積してきたデータを移行したり、運用フローを確率したりすると、利用をやめるのは容易ではありません。自社の予算に合致したサービスか、長期間利用できるかを見極めましょう。
必要なデータ容量を満たしているか
業務内容によって、必要なデータは異なります。テキストファイルの送信が中心なのか、画像や動画を使用するのかで、使用するデータ容量が異なるためです。また、自社が蓄積してきたデータが格納できることも大切です。データ容量が大きいサービスほど料金が上がるため、把握したデータ容量に照らし合わせて確実に足りるものを選びましょう。
セキュリティ対策は万全か
クラウドには自社のデータを保存するため、セキュリティ対策は重要です。暗号化通信やIPアドレスの制限、端末認証などの対策に加え、国際基準に則っているかが目安となります。導入企業に金融や医療、行政などがあれば、機密情報を扱える安全性である可能性が高いでしょう。
求めるサポート内容が含まれているか
クラウドサービスを決定する前には、サポートの内容を確認しましょう。最新のセキュリティが施されているとはいえ、エラーや不具合などが発生する可能性は0ではありません。安定してシステムを運用するためには、万が一の際に時間帯に関わらず対応してもらえるかが重要です。サポートする部門との連絡手段が豊富にあると安心です。
自社に最適なクラウドサービスを選ぶことが大切
クラウドには、導入する際のコストが抑えられたり、データ共有が容易にできたり、容量を柔軟に変更できたりするというメリットがあります。カスタマイズや既存の自社システムとの連携に支障のある場合がみられるというデメリットも存在しますが、目的や計画、費用を明確にしたうえで導入すると多くの魅力があります。
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