最近、生成AIが話題になっているものの、「自社の業務に本当に役立つのかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。コンテンツ作成やアイデア出しなど、生成AIアプリはさまざまな業務シーンで活用されています。ただ、自社で使いこなすには、目的やリソースに合った最適なアプリを選ぶことが欠かせません。
本記事では、生成AIの基本やメリットに加えて、厳選した生成AIアプリ10選を紹介します。業務への導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
生成AIとは?従来のAIとの違いや注目される背景を解説
まずは生成AIの概要を把握しましょう。ここでは、生成AIの基本や従来のAIとの違い、注目されている背景を解説します。
生成AIとは?
生成AI(ジェネレーティブAI / Generative AI)は機械学習の一分野で、学習したパターンや関係性に基づき、さまざまなアウトプットを新規に生成できるAIです。総務省の情報通信白書では、「『生成AI』は、テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称」と定義されています。
専門知識がなくても容易にコンテンツを作成できるため、クリエイティブの現場では表現の幅を広げたり、業務効率化を高めたりする手段として期待されています。
参照先:令和6年版情報通信白書|総務省
従来のAIとはどう違う?
生成AIは、オリジナルのコンテンツを生成できる点が従来のAIと異なる点です。これまでのAIは、人間が与えたデータをもとに、あらかじめ決められたルールやパターンに沿った処理を自動化することが主な役割でした。
一方で生成AIは、ディープラーニング※によってAI自らがデータの特徴や関係性を学習し、新たなテキストや画像などのコンテンツを生成できます。
※ディープラーニング:機械学習の一分野。人工ニューラルネットワーク(神経ニューロンを模した学習モデル)を利用し、莫大なデータから特徴や関係性を自動で見つけ出す技術。別名「深層学習」。
生成AIが注目される背景
ChatGPTが2022年にリリースされたことは、生成AIへの注目度が一気に高まった大きな要因です。背景には、コンピューター性能の向上によって膨大なデータ処理が可能になり、モデルのパラメータ数も飛躍的に増加したことが挙げられます。
その結果、生成される文章の質や正確性が大きく向上し、専門的な知識がなくてもコンテンツの生成など高度な知的作業が可能なレベルにまで進化しました。
生成AI活用の5つのメリット
生成AIは従来のAIと異なり、自ら学習したデータをもとに新たなアウトプットを生成することができます。ここでは、生成AIの活用によって得られる5つのメリットを解説します。
幅広い業務に応用できる
生成AIを活用すれば、定型業務の効率化が可能で、マーケティングや営業など幅広い業務で応用できます。業務を最適化させる施策の立案や業務アシスタントとしての活用で、作業時間短縮やコストの最適化につなげられるでしょう。
▼生成AIを活用できる業務の例
- 文字起こしやデータ抽出
- クリエイティブ業務の支援
- レポート作成
- データ予測
- コンテンツ作成
クリエイティブなアイデアを補助する
生成AIは、クリエイティブなアイデアを出したいときにも役立ちます。例えば、ターゲット設定や訴求ポイントなどが思い浮かばないときには、壁打ち相手として活用が可能です。また、例えば動画広告のストーリーが思いつかない場合も、これまでの検討内容を生成AIに共有することで、新たな視点や切り口を得られます。
コンテンツ作成を効率化する
これまで、コンテンツ作成は人の手で行われてきましたが、人の作業スピードには限界があります。また、制作のための人件費や外注コストも課題でした。
そこで、これらの作業の一部を生成AIに置き換えることで、作業効率の向上が期待できます。また、生成AIは作業スピードが早いため、対応可能な領域ではコストパフォーマンスの改善にもつながります。技術の進化により、近年ではコンテンツ作成の多くを生成AIが担うケースも見られるようになっています。
顧客との関係性を向上させられる
顧客との関係性を深めることは、顧客をひきつけ、収益を安定させるために欠かせません。こうした顧客接点の強化にも、生成AIは有効に活用できます。例えば、顧客の好みや購買履歴をもとにデータ分析を生成AIで効率化すれば、製品やサービスのパーソナライズが可能になり、リピート率の向上や長期的なロイヤリティの獲得にもつながります。
また、カスタマーサポートでの顧客対応においても、生成AI搭載のチャットボットやボイスボット、バーチャルアシスタントの導入が進んでいます。これによりコミュニケーションコストを軽減し、顧客とオペレーター双方の負担軽減が期待できます。
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これまでのデータ処理では見出せなかった分析ができる
生成AIを活用すれば、複雑なデータをこれまでにないアプローチで探索・分析でき、新たな傾向やパターンの発見につながります。また、論文の要約やアイデアのブレインストーミングといった作業の補助にも有効です。さらに、研究メモや断片的な記録をもとに、新たな文書を作成する際にも活用できます。
生成AIの3つのデメリット
生成AIにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、生成AIを活用する際に注意したい3つのデメリットを解説します。
不正確なアウトプットが行われるリスクがある
生成AIが学習するデータの中には、誤情報や偏った情報が紛れている可能性があります。また、モデルの精度が低い場合や、プロンプトを通じた攻撃により、不正確な出力が生成される可能性も否定できません。加えて、AIは出力内容の真偽を完全に判断できないため、ハルシネーション※の発生を完全に防ぐことは困難です。
※ハルシネーション:AIがもっともらしい嘘をつくこと
こうした不正確なアウトプットは、フェイクニュースの拡散による個人や組織の信頼低下、社会への悪影響、著作権侵害、雇用の喪失や格差の拡大と言った問題を引き起こすおそれがあります。法整備もAIの進歩に追いついておらず、今後さらに新たなリスクが生じる可能性があります。
セキュリティリスクがある
生成AIではユーザーデータを活用するため、データ漏えいやプライバシー侵害のリスクに注意しなければなりません。例えば、悪意ある第三者がAIで不正アクセスや個人情報の不正取得を試みる可能性があります。また、生成されたコンテンツが個人への誹謗中傷を助長する恐れや、プロンプト経由で悪意をもってモデルが攻撃される可能性もあるでしょう。
こうしたセキュリティリスクに対する法整備はいまだ十分とはいえず、技術の進展に伴い新たな脅威が次々に現れる可能性もあります。今後新たなセキュリティ対策が講じられても、それを上回る技術で突破されるリスクを常に念頭に置く必要があるでしょう。
コンテンツが悪用されるリスクがある
生成AIで生成したアウトプットは、詐欺などの犯罪行為に悪用される恐れがあります。また、差別的な内容や他者の尊厳を傷つける表現が生成される可能性もあります。
こうした悪用を防ぐには、生成AI利用者の倫理観やリテラシーの向上が不可欠です。生成AIを安全かつ健全に活用するためには、技術の理解とあわせて、適切な使い方への意識も求められます。
生成AIアプリで生成できるコンテンツの種類
生成AIは、主に4種類のコンテンツを作成できます。ここでは、生成AIアプリで生成できるコンテンツの種類を紹介します。
テキスト生成
生成AIは、プロンプトにもとづき、自然な文章やコンテンツを自動生成できます。また、高度な自然言語処理技術により、チャット上でスムーズな対話を実行できます。
▼活用例
- 長文の要約
- キャッチコピーのアイデア創出
- プログラミングのコード生成
- レポートやドキュメント作成
- 各種コンテンツの執筆支援
- 問い合わせ対応文の生成
- 翻訳作業の補助
- 新規事業や企画アイデアの創出支援
画像生成
生成AIは、プロンプトにもとづいて、オリジナルの画像を生成できます。従来より早く手軽に高品質の画像を生成できるのが特徴です。スタイルの指定が可能なサービスも存在し、風景画やキャラクター画など幅広い画像生成に対応しています。
▼活用例
- マーケティングの広告素材
- ゲームのビジュアル制作
- チラシ・ポスターなど印刷物のデザイン
- 医療分野における画像作成
動画生成
生成AIは、プロンプトにもとづき、オリジナル動画を生成できます。動画生成には高度な処理が必要で、特に難易度が高いといわれています。そのため、現時点では長時間動画の生成は困難ですが、今後技術が進歩すれば対応可能になると期待されています。
▼活用例
- 短編プロモーション動画(PV)
- ショート形式の解説動画
- 動画素材の自動編集・生成
音声生成
生成AIは、音声やテキストを入力することで、新たな音声を生成します。特定の人物の音声データを学習させることで、指定した文章をその人の声で読み上げることができます。近年は技術が進歩し、機械的な読み上げだけでなく、喜怒哀楽の感情を含む自然な音声の生成も可能になっています。
▼活用例
- ナレーションの自動読み上げ
- テキストコンテンツの音声化
- 動画コンテンツの吹き替え
- アバターやキャラクターの音声生成
- コールセンターでの自動応答システム
生成AIに用いられている代表モデル4選
生成AIにはさまざまなモデルが用いられています。ここでは、生成AIの代表的なモデルを4つ紹介します。
GPT
GPT(Generative Pre-trained Transforme)は、事前に学習させたデータから自然な文章を生成するための大規模言語モデル(LLM)で、アメリカのOpenAIが開発しました。
▼最新バージョン
バージョン名 | リリース年月 | 特徴 |
GPT-4.5 | 2025.2 | 感情知能やハルシネーションの抑制に強み |
GPT-4o | 2025.3 | テキスト生成と画像生成が一体化 |
高い言語処理能力を有しており、膨大な文章データをもとに事前学習を行うことで、高精度な文章生成が可能になります。自然な文章の生成に加え、質問応答・プログラミング・翻訳など、幅広い用途が対応できます。
VAE
VAE(Variational Autoencoder)は、変分オートエンコーダーと呼ばれるディープラーニング技術を用いた画像生成モデルです。画像データの特徴量(データの特徴を示す変数)から、エンコーダーとデコーダーで新しい画像を生成します。
▼エンコーダーとデコーダーの意味
エンコーダー | 入力されたデータから特徴量を抽出 |
デコーダー | その特徴量から実際の画像を生成 |
例えばアーティストの絵画データを参考に、そのアーティストの画風に寄せた新作画像の生成が可能です。
GAN
GAN(Generative Adversarial Networks)は、敵対的生成ネットワークと呼ばれるディープラーニング技術を用いた画像生成モデルです。前述のVAEとは異なり、ジェネレーター(Generator:生成器)とディスクリミネーター(Discriminator:識別器)から構成されています。
▼ジェネレーターとディスクリミネーターの意味
ジェネレーター | 偽物の画像を生成 |
ディスクリミネーター | ジェネレーターが生成した画像が本物か偽物か判別 |
両者が対立(敵対)しながら繰り返し学習することで、画像品質の向上が可能です。
拡散モデル
拡散モデル(Diffusion Model)は、元の画像データにランダムノイズを加えた後、そのノイズを段階的に除去することで、画像を再構築する仕組みです。前述のGANの発展形とも言え、ノイズを加える「拡散過程」とノイズを取り除く「生成過程」の2つで構成されています。画像生成のプロセスを何度も学習して繰り返すことで、より高精度な画像を生成できる点が特徴です。
生成AIのビジネス活用事例6選
生成AIは、すでに多くのビジネスシーンで活用されています。ここでは、生成AIの代表的な活用事例を6つ紹介します。
データ分析・抽出
大量の社内データから、本当に必要な情報だけを抽出するには大きな労力がかかります。しかし、生成AIに必要なデータだけを抽出するように指示すれば、必要な情報を迅速に整理・取得できます。また、レビューやアンケート結果を生成AIに分析させることで、潜在ニーズや意見の傾向を可視化でき、商品開発やサービス改善にも活用できます。
アイデア出し
生成AIは、キャッチコピーやプレゼン資料などのアイデア出しにも活用できます。目的やターゲットに応じて、複数のアウトプット案を提示できるほか、トレンドや季節感などを考慮した施策の提案も可能です。ビジネス戦略を検討する際の壁打ち相手としても有効です。
文章作成
生成AIは、メールやチャットの定型文、社内文書など、幅広い文章作成に活用できます。また、文書作成だけでなく顧客対応の効率化も可能です。さらに、長文の要約にも対応できるため、報告書などの内容把握を効率化し、情報収集や共有をスムーズに進められます。
また、他言語対応可能なツールを使えば、文章やコンテンツを高精度かつ迅速に翻訳可能です。専門用語を含む文書にも柔軟に対応できるため、グローバル対応の強化にもつながります。
画像素材の作成
生成AIを使えば、Webサイトの背景画像やSNSのアイコンなど、さまざまな画像素材を効率よく生成できます。これにより、デザイン作業にかかるコスト削減や制作時間の短縮につながります。多くの画像生成AIツールでは商用可能なプランが用意されており、著作権を侵害しない範囲であれば自由に活用できます。
プログラミング作業
コード生成では、内容を詳しく指示することで、ほとんど手直し不要のコードを生成できます。デバッグにも使え、記述中のコードを貼り付けて、「コードのどこが間違っているか教えて」と指示することで、修正すべきポイントを示してくれます。
音声の文字起こし
文字起こしAIに会議の音声データを入力すると、内容をリアルタイムでテキスト化でき、手書きよりも迅速かつ正確に議事録を作成できます。会議で複数の言語が出てくる場合には、多言語対応のアプリの活用によって翻訳の手間も省けてさらに効率化につながります。
生成AIアプリを正しく使う5つのポイント
生成AIを使いこなすポイントを把握することで、より生成AIの効果を発揮して活用できるようになります。ここでは、生成AIを正しく使うポイントを5つ紹介します。
運用ルールを適切に設定する
生成AIの効果を最大化し、リスクを最小限に抑えるには、明確な運用ルールの策定が不可欠です。運用ルールには、模倣や盗用の防止、著作権・知的財産権の遵守などを盛り込みましょう。
運用ルールの作成で参考になるのが「生成AIの利用ガイドライン」(日本ディープラーニング協会)です。企業の生成AI活用で留意すべき点がまとめられており、最適な社内ルール策定に役立ちます。
また、生成AIのアウトプット精度や社内リソースも考慮して、どの業務にどのように活用するのか、最適な運用方法を検討することが重要です。
従業員教育を徹底する
生成AIを全社的に使いこなすには、従業員のリテラシー向上が不可欠です。そのために、従業員に対して情報セキュリティに関する研修や勉強会を実施し、AIの仕組みや活用方法、リスクなどの基礎知識を学ぶ機会を設けましょう。
適切な指示文を入力する
生成AIでアウトプットの質を高めるには、適切な指示文(プロンプト)の入力が必要です。あいまいな指示では期待どおりのアウトプットを得られないため、数値や具体的を交えて指示をする、アウトプットの条件を示すなど、工夫して入力しましょう。
最後は人間の目を通す
生成AIはコンテンツを高速で生成できる一方で、自然な表現や正確な内容を完全に保証することは現時点では困難です。また、学習データに他者の著作物が含まれている場合、著作権侵害のリスクもあります。そのため、生成されたコンテンツは必ず人の目でチェックして、必要に応じて修正することが重要です。
また、学習データの質もアウトプットの質に影響を与えます。事前に学習データを確認できる場合は、誤情報や倫理的に問題のあるデータを削除しておくことで、リスクを軽減できます。
適切なサービスを選定する
自社業務に生成AIを導入する際は、最適なアプリを選定することが重要です。例えば、データの暗号化やアクセス制御など、自社のセキュリティ要件を満たしているかを確認しましょう。また、アウトプットの精度やクオリティ、導入実績なども、サービスを選ぶ際の判断材料となります。
生成AIアプリの7つの選び方
すでにさまざまな生成AIアプリがリリースされており、どれを選べばよいか悩むケースがあるでしょう。ここでは、生成AIアプリの選び方を7つ解説します。
求めるコンテンツのアウトプットが可能か
生成AIアプリには、テキスト生成や画像生成など幅広く対応できるタイプや、特定用途に特化したタイプがあります。また、使いやすいが精度が低いもの、高品質だが操作に慣れが必要なものなど、アプリによって特徴はさまざまです。
そのため、まずは自社の生成AIアプリの利用目的や生成したいアウトプットの種類を明確にし、対応可能なアプリを選ぶことが重要です。
直感的に操作しやすい
特に初心者には、直感的に操作しやすいツールがおすすめです。チュートリアルやユーザーサポートが充実していれば、安心して導入できます。また、プロンプトで細かい指示を出す自信がない場合は、設定項目が豊富で、ノーコード感覚で操作できるツールが適しています。一方、操作に慣れていてカスタマイズしたい場合は、高性能・高自由度のアプリも選択肢に入ります。
初めてのアプリを選ぶ際は、無料プランや無料トライアルを活用して、実際の操作感を確認することがおすすめです。
日本語に対応しているか
現状では生成AIアプリの多くが海外製で、日本語に非対応のツールも数多く存在しています。そのため、利用を検討する際は、操作画面だけではなく、生成されるアウトプットが自然な日本語であるかも確認しましょう。無料プランやトライアルを活用し、出力の精度や表現の自然さをチェックすることが重要です。
アウトプットの品質が十分か
アプリによって、テキストの自然さや画像の解像度、動画の滑らかさなど、アウトプットの品質に大きく差があるケースがあります。特に業務利用をする場合は、なるべく完成度が高く、品質の調整ができるアプリを選ぶとよいでしょう。
ただ、高解像度の画像や大容量の動画を生成する場合、処理速度が遅くなるケースもあります。品質とスピードのバランスにも注意しなければなりません。
料金体系が適切か
生成AIアプリの多くは、無料プランと有料プランが用意されています。無料プランでも十分使えるものもありますが、多くは利用回数や出力精度、機能に制限があるため注意が必要です。
有料プランを選ぶ場合は、必要な機能を満たすかどうかと、費用対効果を踏まえて検討しましょう。利用後にプランに変更したくなるケースもあるため、柔軟にプラン変更ができるかどうかも見ておきたいポイントです。
商用利用が可能か
ビジネスで生成AIを活用する場合、生成したアウトプットの商用利用可否を必ず確認しましょう。アプリやプランによっては、商用利用が禁止されているケースや、追加ライセンスが必要な場合もあります。
利用方法に関する情報がすぐ見つかるか
生成AIは簡単な操作でもある程度の成果は出せますが、高度な活用にはスキルや知見が必要です。そのため、使い方やコツがWebサイトやYouTube、コミュニティなどで共有されているかどうかも重要な選定基準です。
他ユーザーのプロンプト事例や活用ノウハウを参考にできる環境があれば、自社の活用レベル向上にもつながります。また、公式チュートリアルやヘルプセンターの充実度もあわせてチェックしましょう。
おすすめの生成AIアプリ10選(無料利用可能なアプリもあり)
さまざまな種類がある生成AIの中から、ここでは特におすすめのアプリを10選紹介します。提供プランや機能も一覧で解説するので、参考にしてみてください。
▼おすすめ生成AIアプリ一覧
アプリ名 | 提供プラン | 代表的機能 |
ChatGPT |
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Gemini |
※税抜 |
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Claude |
※税抜 |
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Microsoft Copilot |
【個人向け】
【法人向けプラン】
【Copilot Studioのプラン】
※税抜 |
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Adobe Firefly |
【個人、学生教職員向け】
【法人向け】
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Canva |
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Runway |
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Veo |
(Veo3)
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CoeFont |
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Voice Space |
【月間契約】
【年間契約(年間一括払い)】
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ChatGPT
ChatGPTは、OpenAI社によって開発されたAIチャットサービスです。GPTを用いることで、自然なテキスト生成だけでなく、要約や翻訳、コーディングなど、マルチモーダルに機能を使えます。GPTでは並列処理が可能で、既存モデルよりデータを効率よく学習できます。これにより、今までよりも複雑な文章を自然に生成することが可能です。2022年11月に「ChatGPT-3.5」が無料公開され、2023年3月に「ChatGPT-4.0」が有料公開されました。
ChatGPT-4.0は、3.5よりも高精度で文書作成だけでなく画像・音楽・動画の生成も可能です。また、GPT-3.5とGPT-4.0はどちらも学習済みのAIであるため、新規データをAIに学習させる必要はありません。
料金体系 |
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主な機能 |
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公式サイト |
Gemini
GeminiはGoogle社が提供しているマルチモーダルAIアプリです。2023年12月には初期のモデルが発表され、2024年2月には旧来のAIサービス「Google Bard」と統合されました。
Googleサービスとの親和性が高いアプリで、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントに直接エクスポートできる機能も備えています。これでデータ分析やレポート作成などの業務を効率化できます。Googleと連携することで、インターネットより最新の情報をとりこむことも容易です。
有料版では、無料版より高度なAI機能を利用できます。また、「Gems」と呼ばれるカスタマイズ機能があり、ユーザーは自分のニーズに合わせてAIアシスタントを作成・カスタマイズできる点も特徴です。さらに、大量の複雑なデータから結論を弾き出すことも可能です。
料金体系 |
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主な機能 |
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公式サイト | https://gemini.google.com/app |
Claude
Claudeは、Anthropic社がリリースしているチャット型の生成AIです。文章精度と安全性の高さに強みがあります。倫理的な原則にもとづいて設計することで有害なコンテンツの生成を抑制し、人との自然で安全な対話を目指して開発されました。また、Claudeは、質問回答への根拠を説明できるよう設計されています。
さらに、人間らしい応答や人との自然な会話も特徴です。現在使用できるモデルで一番新しいモデルはClaude 3.7 Sonnetで、高度な推論や複雑な問題解決などにおすすめです。ウェブ版に加え、iOS・Androidのアプリも提供されています。
料金体系 |
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主な機能 |
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公式サイト | https://claude.ai/new |
Microsoft Copilot
Microsoft Copilotは、Microsoft社が提供する生成AIサービスです。Microsoft 365をはじめとするMicrosoftのさまざまな業務アプリケーションやサービスと連携して使える点が大きな特長で、手軽に生成AIを業務に導入できるようになります。
例えば、検索エンジンのMicrosoft Bingと連携することで、質問をするとインターネット上で最新かつ適切な情報を探し、回答とともに参照したウェブサイトの詳細情報が表示されます。また、法人向けのCopilot for Microsoft 365では、Word、ExcelなどMicrosoft 365のアプリケーション上で動作します。
Microsoft Copilotは、書籍やWebサイトなどのデータでトレーニングを行い、言語や文脈などを学習します。そのため、チャット上で質問と回答を続けると、今までの会話から関連性がある回答を生成し、精度の向上が可能です。
料金体系 |
【個人向け】
【法人向けプラン】
【Copilot Studioのプラン】
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主な機能 |
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公式サイト | https://copilot.microsoft.com/chats/LVaVz1JugNMeXHkoMgYYv |
Adobe Firefly
Adobe Fireflyは、画像や動画編集のツールを多数リリースしているAdobe社提供の画像生成AIアプリです。Adobe Fireflyでは、100以上の言語でプロンプトを入力でき、操作画面も20か国語以上に対応しています。また、Adobe FIreflyは単体でも使用可能ですが、Photoshopなど既存Adobe製品にも搭載されています。
Adobe Fireflyでは、AIの学習データにはAdobe Stock上の画像やオープンライセンスコンテンツ・著作権切れコンテンツなど、権利関係が明確な画像のみ使われています。そのため、著作権侵害のリスクが少なく、商用利用も可能です。
料金体系 |
【個人、学生教職員向け】
【法人向け】
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主な機能 |
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公式サイト | https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html |
Canva
Canvaは、Canva社が提供している代表的なオンライン画像作成ツールで、AI機能も活用可能です。テンプレートや素材が豊富で、ドラッグ&ドロップの簡単操作で誰でも簡単にあらゆるデザインを作成できます。PCだけでなくスマホやタブレットでも操作可能です。
また、Canvaの画像生成AI、TexttoImageを使えば、イラスト、絵画、写真などあらゆる種類の画像を生成できます。使い方は、内容テキストを入力して、画像スタイルを選択し、生成ボタンを押すだけです。また、文章作成AIや音声生成AI、音楽生成AIなども備わっており、1箇所でさまざまな生成AIが使えます。
料金体系 |
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主な機能 |
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公式サイト | https://www.canva.com/ja_jp/ |
Runway
Runwayは、Runway社が提供している直感的操作が可能な動画生成AIアプリです。機能の豊富さから、動画編集ツールの枠を超えさまざまなユーザーに利用されており、海外の一流大学のカリキュラムにも組み込まれています。さらに、GoogleやSalesforceなどの有名企業からも投資を受けた実績もあります。
スマホとパソコンどちらからでも利用でき、動画編集に関する機能が豊富です。テキストや画像から動画を容易に生成でき、生成動画はもちろん、画像や音楽データも編集可能です。Runwayによって作成されたコンテンツは商用利用が可能なので、Runwayはビジネスシーンでも十分活用できるでしょう。
料金体系 |
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主な機能 |
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公式サイト | https://runwayml.com/ |
Veo
VeoはGoogle社提供の動画生成AIアプリで、最大8秒までの動画生成に対応しています。プロンプトで指示されたスタイル、トーンを忠実に反映させられる点が特徴です。
Veo3は、映像だけでなくセリフやBGMなどの音声も同時に生成できます。また、映画的なカメラワークをプロンプトで指示し、動画に反映させることも可能です。
また、AI映画作成ツール「Flow(フロウ)」を使えば、「Veo3」など複数のAIモデルとの連携で、ストーリーテリングや編集などのプロセスを支援できます。操作に自信がない人でも、映画のような作品を制作できるでしょう。
料金体系 |
(Veo3)
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主な機能 |
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公式サイト | https://deepmind.google/models/veo/ |
CoeFont
CoeFontは、CoeFont株式会社が提供している有名声優などの音声も活用できる音声生成AIアプリです。数分間の音声データだけでその人の声を学習でき、与えられたテキストを自然に読み上げられます。
特許取得済みの技術を活用しており、導入実績1,000社超と音声数10,000個以上を利用できます。従来より少ないデータ量でも高品質な音声を生成できることと、精密に声の特徴を再現でき、感情表現もできる点が革新的だと言われています。GoogleアカウントやAppleアカウントでも登録でき、インストール不要でブラウザ上ですぐに音声作成を試せるのも特徴です。
ただ、CoeFontで作成した音声では、すべての知的財産権が運営会社に帰属する点には注意が必要です。ユーザーはその音声を使えるものの、所有権はありません。無料プランでは商用利用が不可能で、「Voiced by coefont.cloud」のクレジット表記も必須です。
料金体系 |
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主な機能 |
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公式サイト | https://coefont.cloud/ |
Voice Space
Voice Spaceは、株式会社Stand Technologiesが提供している、10,000アカウント以上の利用実績がある音声生成AIアプリです。アプリをインストールしなくてもWeb上で利用でき、Googleアカウント、Appleアカウントでも登録できます。
テキスト読み上げ機能では、200以上もの音声モデルの中から最適な声を選択でき、自然なイントネーションのAI音声を生成できます。ボイスチェンジ機能では、自然で表現豊かなAI音声が生成できます。また、アクセントを手動で修正すれば自分の思い通りに音声を編集することが可能です。
さらに、Voice Spaceでは、ユーザーの発話をリアルタイムで解析・処理します。これにより、例えばカスタマーサポートにおいて、音声による問い合わせを即座に処理し、適切な回答を提供できます。会議の議事録を音声で自動生成する機能や音声分析機能も、ビジネスで活用できるでしょう。
料金体系 |
【月間契約】
【年間契約(年間一括払い)】
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主な機能 |
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公式サイト | https://voicespace.ai/ |
生成AIアプリでコンテンツ作成を効率化しよう
生成AIは、さまざまなコンテンツを新たに生み出せる人工知能(AI)です。データから学習した関係性やパターンを活用し、テキスト、画像、動画、音声など多岐にわたるコンテンツを新たに生成できる点が、従来のAIとは異なります。
アウトプットの種類により、GPTやVAEなどの技術が用いられ、文章作成や画像生成、プログラミングなど、生成AIを幅広い業務に活用できます。コンテンツ作成やアイデア出しの補助などが可能で活用メリットは大きいものの、不正確なアウトプットやセキュリティ面でのリスクには注意が必要です。
生成AIをビジネスで活用するには、運用ルールの策定や従業員教育が欠かせません。また、求めるアウトプットや料金体系などを考慮し、使いやすいアプリを選ぶのも重要です。
なお、代表的なクラウドサービスであるGoogle Cloudでも生成AI機能が提供されています。電算システムではGoogle Cloudの導入・運用支援を行っていますので、関心のある方はぜひ以下から詳細をご覧ください。
- カテゴリ:
- Google Cloud(GCP)
- キーワード:
- 生成 ai とは 生成 ai アプリ