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生成AI(GenAI)とは?
仕組みや種類、使い方をわかりやすく解説

 2024.05.21  株式会社電算システム

テキストによる指示だけで新たなコンテンツを生み出すAI技術は、「生成AI(GenAI)」と呼ばれており、昨今は特に注目を集めています。最近では、テキスト生成AIや画像生成AIを応用した、さまざまなソリューションが生まれ、ビジネスシーンでも活用が進んでいます。

そのため、このような生成AIの仕組みを導入しようと検討している方も多いのではないでしょうか。とはいえ、生成AIは従来のAIと構造が少し異なるため、基礎知識をしっかりと押さえることが大切です。

本記事では、生成AIの仕組みや種類、利用時の注意点を詳しく解説します。ビジネスシーンにおける活用例も紹介していますので、生成AIの導入を検討している方は参考にしてください。

what-is-genai

生成AI(GenAI)とは新たなコンテンツを創造できるAI技術

生成AIとは、膨大な量のデータをコンピュータに学習させることで、世の中に存在しない新たなコンテンツを生み出せる技術です。「ジェネレーティブAI」や「GenAI」とも呼ばれています。

生成可能なデータは、テキストや画像、音声など多岐にわたります。個人的に利用する際は、質疑応答やアバター作成などの用途が多いものの、ビジネスシーンでもプログラミングや資料作成、ロゴ制作などへの活用が可能です。従来のAIの苦手分野だったクリエイティブ作業を担えるのが大きなメリットです。

生成AIの基本的な使い方

生成AIの使い方は非常にシンプルで、次のような流れでコンテンツが自動生成されます。

  1. コンピュータに「プロンプト」と呼ばれる指示文を与える
    ※画像や音声を与えたい場合は、プロンプトに加えて参考画像・音声データをアップロードする
  2. 指示文に沿ってコンピュータがコンテンツを生成する

生成時間は出力するデータの種別によって異なりますが、テキストの場合は瞬時に、画像は早ければ数秒~数十秒程度で完成します。

従来のAIとの違い

従来のAIも生成AIと同様、機械学習やディープラーニングの仕組みを活かし、膨大な量のデータを学習します。しかし、従来のAIは、情報の整理や分類を得意としており、新たなコンテンツを生み出せるわけではありません。

両者はいずれか一方が優れているわけではなく、それぞれ役割が異なるため、目的や状況に応じて使い分けることが重要です。従来のAIはクリエイティブ業務には向いていませんが、代わりにビッグデータ解析や物体認識に長けています。日常生活だけでなく、需要予測や異常検知、顔認証といった形でビジネスシーンでも活用が進んでいます。

生成AIの種類と代表的なサービス

一概に生成AIといっても、次のような複数の種類に分かれています。

  • テキスト生成AI
  • 画像生成AI
  • 音声生成AI
  • 動画生成AI

また、それぞれの特徴を活かしたサービスも数多く存在します。ここでは、種類別の特徴や代表的なサービスを紹介します。

テキスト生成AI

テキスト生成AIでは、コンピュータにプロンプトを与えると、独自の文章が自動的に生成されます。ユーザーが質問し、コンピュータが答えるという、質疑応答形式で実行されるのが一般的です。

自然言語処理の技術が採用されているため、人間の書き言葉や話し言葉を正確に理解し、自然な文章を作成できます。あらかじめインプットされた学習データに加え、場合によってはリアルタイムで更新されるWeb上の情報も参考に、機械学習モデルが最適化される仕組みです。さまざまな情報を組み合わせて出力結果を生み出すため、単なる引用文ではなくオリジナル文章を生成できます。

テキスト生成AIの代表的なサービスとしては、「ChatGPT」が挙げられます。そのほか、Googleの「Gemini(旧Bard)」やMicrosoftの「Bing AI」など、検索エンジン上で利用できるサービスも台頭しつつあります。

画像生成AI

画像生成AIでは、プロンプトで指示をするとオリジナル画像が自動生成されます。既存の膨大な量の画像データを取り込み、データ間の類似性や法則性を学習する仕組みです。これにより、限りなく要望に沿った独自の画像を生み出せます。出力精度を高めるには、プロンプトだけでなく、ラフ案や参考画像を添付するのがおすすめです。

代表的なサービスには、「Stable Diffusion」や「Midjourney」などがあります。また、無料でサービスを利用できる画像生成アプリも、日増しに製品の種類が増えています。

音声生成AI

音声生成AIとは、既存データをもとにコンピュータが人間の声色や口調を学習し、新たな音声データを生み出す技術です。プロンプトで指示を与えると、その通りのテキスト読み上げモデルが完成します。テキスト読み上げ中に細かく感情を操作することも可能です。

音声生成AIに関するサービスは、Google Cloudに搭載されている「Text-to-Speech AI」や、多言語・感情表現といった多彩なバリエーションが特徴的な「ReadSpeaker」が代表的です。

動画生成AI

動画生成AIでは、インプットしたデータから新たな動画を生み出せます。テキストによる指示だけでオリジナル動画を生成できるのがポイントです。早ければ数十秒~数分程度で完成します。

テキスト生成AIや画像生成AIに比べ、データの処理が複雑なことから、まだ精度が高いとはいえません。生成できる動画の長さにも制限があります。

ただし、技術発展により質向上や長尺化などが期待されているため、将来的にはビジネスへの活用も十分に考えられるでしょう。現状でも「Gliacloud」や「Pictory」などの幅広いサービスが存在します。

4つの生成モデルから見る生成AIの仕組み

生成AIを導入する際は、コンテンツを生成する仕組みを理解することが重要です。ここでは、代表的な4種類の仕組みを解説します。

VAE

VAE(変分オートエンコーダ)は生成AIの最も代表的な生成モデルです。コンピュータに学習データをインプットすると、それらの法則性をもとに入力データの特徴を学び取ります。ユーザーが指示を与えると、学習した特徴とプロンプトの内容との類似性を判断し、新たなコンテンツを生み出す仕組みです。

GPTモデル

GPTとは、OpenAI社が開発したテキスト生成AI向けの生成モデルです。ChatGPTの基盤であり、2024年2月時点でGPT-1からGPT-4までのシリーズがリリースされています。GPTモデルが誕生したことで、テキストによる指示でコンピュータが自然文の回答を行う仕組みが完成しました。

一般公開されたのはGPT-3が初出です。過去のモデルよりも学習量が増えており、45TBもの膨大な量のテキストデータを学習し、特定の単語の次に記述される単語を正確に予測できるように進化しています。

GPT-3の発展モデルで、2024年4月時点で主流なのがGPT-4です。GPT-4は旧モデルに比べ誤字脱字が少なく、複数のプロンプトにも柔軟に対応できるなど、さまざまな発展を遂げています。

GAN

GAN(Generative Adversarial Networks)は、2種類のネットワーク構造を用いて新規コンテンツを生み出す、画像生成AIに用いられる生成モデルです。

具体的には、まずコンピュータがGeneratorと呼ばれるランダムデータを生成します。その後、学習用の正解データであるDiscriminatorをインプットします。GeneratorとDiscriminatorとの比較により正解の可否を判断し、これを何度も繰り返して質を高める仕組みです。

拡散モデル

拡散モデルとは、「Stable Diffusion」や「DALL-E2」などで活用されている、画像生成AI向けの生成モデルです。学習データにノイズを与え、それを取り除く作業を何度も繰り返します。本来の画像を復元する過程で、指示通りの正確な画像データを生み出す方法を学習するのが特徴です。

ビジネスシーンにおける生成AIの活用例7選

生成AIは、その精度の高さと汎用性の高さから、ビジネスの幅広いシーンで活用が可能です。ここでは、生成AIを活用できる7つのシーンを紹介します。

新規アイデアの創出

既存の情報を整理・分類するだけでなく、いままでに存在しない創造物を出力できるのが生成AIの利点です。この利点を活かせば、ビジネスチャンスにつながる新たなアイデアを見つけ出せます。

例えば、テキスト生成AIでは、「新製品のキャッチコピーを作成して」といった指示が可能です。質の高い出力結果を生み出すには、新商品のコンセプトやターゲットなどの指示は必要ですが、アイデア出しの労力を大幅に削減できるのは特筆すべき点だといえます。

オリジナルコンテンツ制作

画像生成AIや音声生成AIを活用すると、資料向けの素材を自動生成できます。プレゼン資料の見栄えを整えるイラストを作成したり、製品紹介動画の背景画像やBGMを作成したりと、工夫次第でさまざまな場面で効果を発揮します。

このような生成AIの活用により、素材サイトで画像や音声を探してダウンロードせずに済むのがメリットです。また、イラストレーターの外注費削減にもつながります。最近では、テキスト生成AIや画像生成AIを組み合わせた、プレゼン資料を自動生成できるサービスも登場しています。ただし、商用コンテンツを作成する際は、著作権の問題に注意が必要です。

資料の要約

ビジネスシーンでは、数十ページに及ぶ資料に目を通す機会が少なくありません。生成AIを活用すると、資料のテキストデータを読み取ったうえで要約が可能です。さらに、長文の英語の要約にも対応しています。

現段階の技術では、完全に正確な要約ができるとは限りませんが、資料の内容や方向性を把握する程度であれば問題なく使用できるでしょう。内容の把握にかかる手間や時間を削減できるのがメリットです。

議事録作成

生成AIを活用すれば、会議中に録音した音声データから、自動的に文字起こしが可能です。自然言語処理技術により、自然文でのテキスト生成が可能なため、「文字起こしの内容が機械的で読みにくい」「文字変換の精度が低い」などの問題が起こりにくいというメリットがあります。Web会議システムと連携し、簡単な操作のみで議事録を自動生成できる生成AIサービスも存在します。

プログラミング・デバッグ

テキスト生成AIでは、プログラミングに関するコードの質疑応答が可能です。「ユーザーの氏名を聞き出したうえで挨拶をするPythonのコードを記述して」といった形で指示を行えば、コンピュータが自動的にコードを生成します。

また、記述済みのコードのデバッグにも対応しています。「以下のプログラムが動作しないので、その原因を教えて」などのプロンプトと、記述済みのコードを伝えると、問題箇所や修正方法を回答してくれる仕組みです。

チャットボットのシナリオ作成

チャットボットでは、ユーザーの質問に対してどのような回答を用意するか、あらかじめシナリオを構築しなければなりません。生成AI技術を活用すれば、シナリオの自動生成が可能です。

あらかじめチャットボットのシステム内に、企業が保有するドキュメントやマニュアルなどのデータをインプットします。するとナレッジベースが形成されるため、ユーザーの質問に応じてコンピュータがナレッジベースから情報を引き出し、自動で回答を行う仕組みです。人の手を介してシナリオを構築せずに済むというメリットがあります。

データ分析の自動化

これまでにもデータ分析にAI技術を採用するケースがありましたが、それはあくまで大量のデータの整理・抽出が中心でした。そのため、分析手法の決定や、分析結果を可視化するためのレイアウト調整など、人間の手で実行しなければならない作業が数多く存在していました。

一方、生成AI技術をデータ分析に活用すると、プロンプトで目的や方向性を指示するだけで、分析結果の出力や可視化などが自動的に実行されます。データ分析にかかる時間・工数を大幅に短縮できるのがメリットです。

生成AIを活用する際の4つの注意点

生成AIを活用する際は、次のような注意すべきポイントが存在します。

  • 権利侵害の問題が発生する可能性がある
  • 生成物の情報が正しいとは限らない
  • 倫理的な観点から炎上リスクが発生する
  • 学習コストがかかる可能性がある

それぞれのポイントを押さえ、事前に適切な対処法を考えましょう。

権利侵害の問題が発生する可能性がある

生成AIから生み出されたコンテンツは完全オリジナルなので、既存の文章や画像と内容が一致することはありません。ただし、学習元のデータと姿形が似通ってしまう可能性は否定できません。

そのため、著作物との類似性や依拠性が認められた場合、権利侵害に発展し得る点には注意しましょう。特に、生成コンテンツを一般公開する際は、学習データと生成物が似通っていないか留意が必要です。著作権以外に意匠権や商標権にも気を付けるべきだといえます。

生成物の情報が正しいとは限らない

生成AIは、ときに誤った情報を生成することがあります。例えば、テキスト生成AIで著名人の経歴をたずねたところ、事実とはまったく異なる回答が返されるケースも珍しくありません。

このような課題があるからこそ、コンピュータの出力結果を完全に信用しないことが肝要です。生成AIの出力結果を利用する前に、情報の真偽を確認するファクトチェックが欠かせません。また、出力結果に対する根拠や情報ソースを提示するよう、生成AIに追加の指示を与えるのも方法の一つです。

倫理的な観点から炎上リスクが発生する

AIはあくまでコンピュータにしかすぎないため、人間のように社会構造や時代背景、地域ごとの価値観などを理解しているわけではありません。そのため、生成物のなかに差別的・暴力的な情報が含まれているケースもあります。

仮に、このような情報を人間の目で確認せずSNSに投稿すると、炎上に巻き込まれるリスクがあるので、十分に配慮が必要です。現代の倫理的価値観に当てはめ、生成物の情報に問題がないかをよく確認しましょう。

学習コストがかかる可能性がある

2024年2月時点において、生成AIサービスは日本語に対応していないものも数多く存在します。また、日本語には対応していても、英語によるプロンプトに比べて出力結果の精度が低いサービスもあります。

このような環境下では、適切なプロンプトを作成するための語学やノウハウを学ぶ機会が多くなるため、ある程度の学習コストがかかる点は想定しておくべきでしょう。あらかじめ生成AIを活用したときの費用対効果を検証しておくことが大切です。

生成AIを活用するならGoogle Cloudがおすすめ

生成AIの導入を検討している方は、Google Cloudを利用してみてはいかがでしょうか。Google Cloudは、150種類以上のプロダクトを利用できるクラウドプラットフォームです。そのなかには、データ分析基盤を構築するためのプロダクトのほか、さまざまなAI関連の機能が含まれています。

次の通り、生成AIに関するプロダクトも豊富です。

  • Vertex AI Studio:Googleの基盤モデルを調整・デプロイできる開発者向けプラットフォーム
  • Vertex AI Search:会話型の情報検索が可能な企業向け検索エンジン
  • Vertex AI Codey APIs:テキストからプログラミングコードを生成
  • Imagen on Vertex AI :テキストによる指示のみでAIがオリジナル画像を生成

Google Cloudの利点は、従来のAIと生成AIを組み合わせて利用できることです。そのため、定型業務の効率化に役立つ従来のAIと、クリエイティブ業務の生産性向上につながる生成AIの両者のメリットを享受できます。本格的にAI技術を活用したい方は、Google Cloudの導入を検討してみてください。

生成AIを活用してクリエイティブ業務の効率化を実現しよう

生成AIは、これまでAIが苦手としてきたクリエイティブ作業を扱えるのが特徴です。そのため、データ分析や予測を得意とする従来のAIと組み合わせることで、定型業務とクリエイティブ業務の両面での業務効率化につながります。

ビジネスシーンに生成AIを導入したい方は、Google Cloudを活用してみてはいかがでしょうか。従来のAI技術と生成AI技術の両方を活用できるため、組織全体での大幅な業務効率化に寄与します。

電算システムでは、Google Cloudの導入から運用まで一貫したサポートを提供しています。導入・運用支援だけでなく、支払代行や利用料割引を利用できるのもメリットです。Google Cloudと電算システムについては、こちらの資料で詳しく紹介していますので、生成AIの導入を検討している方は参考にしてください。

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