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Google が提供する会話型AIサービスBard とは何か?
特徴や注意点をご紹介

 2023.08.21  2023.10.10

「対話型AIを使用して効果的な情報検索や文章作成をしたい」と考えている方が、増えているのではないでしょうか。

Googleが提供する対話型AIサービス「Bard」を利用することで自然な文章を作り出し、質問に回答したり、文章を作成したりできます。
ChatGPTをはじめとする対話型AIサービスは、質問に対してまるで人間のように回答する流暢さで大きなムーブメントを起こしています。
検索エンジン最大手のGoogleも自社製の対話型AIサービス「Bard」をアメリカ・イギリスで公開し、日本でも2023年4月に一般公開されました。

そこで、本記事ではGoogleの「Bard」と、OpenAIの「ChatGPT」、そしてMicrosoft社の「Bing AI」を取り上げ、それぞれの特長や使い勝手を比較してみました。対話型AIに関する最新の知識を得たい方や、これからどのサービスを選んで使用すべきか迷っている方は、本記事が非常に参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

Google Bardとは?

Bardとは、Googleがコンシューマー向け(個人向け)に提供している対話型AIサービスです。
「Bard」という名前は吟遊詩人という意味があり、その名の通り、人間と会話しているような自然な文章で回答を生成するサービスです。
チャット欄に質問を入力するだけで、それに合わせた回答を生成してくれます。

Bardは現在日本語を始め、40以上の言語に対応しています。また、利用料金もかからない為、無料のGoogleアカウント(〜@gmail.com)を持つ方であれば誰でも利用できます。
また、有償版の Google Workspace をご利用頂いている場合でも、管理コンソールで利用を許可することで、Bardを利用することができます。

Bardは、ユーザーの質問に回答するだけでなく、文章作成や文章校正、情報の要点の整理、ソースコードの生成から小説や詩の創作、文章の翻訳まで、多岐にわたる作業をサポートしてくれます。そして、Google ドキュメント、Gmail等のGoogleサービスへの連携機能が豊富に用意されています。これにより、クリエイティブな活動からビジネスの効率化まで、幅広いシーンで活用されることが期待されています。

Bardの基盤には、「PaLM 2(Pathways Language Model 2)」という大規模言語モデル(LLM)が採用されています。
はじめはLaMDA(Language Model for Dialogue Applications)というモデルが採用されていましたが、コーディングや数学に関する情報、翻訳と多言語への習熟度を高めた最新のモデルとしてPaLM2がベースとなっています。

現在Bardは試験運用中です。そのため、ユーザーからのフィードバックによってさらに品質が向上していきます。
回答に対して「良い回答」「悪い回答」をフィードバックできるので、利用した際は積極的にフィードバックしましょう。

弊社、電算ブログでも『Bard』を使い始めるまでの詳細や、利用方法についての解説を行っています。Bardの使い方について、ぜひチェックしてみてください。

Bard は何ができる?

Bardによってできることを、箇条書きでまとめてみました。

  1. 質問応答: 一般的な質問から専門的なものまで幅広い質問に答える。
  2. 文の生成と校正: 文章を生成することや、提供された文章の文法や文体を校正する。
  3. 翻訳: 多くの言語間の翻訳をサポートする。
  4. プログラミングのヘルプ: コードの問題点の特定やコードの提案を行う。
  5. 会話: 一般的な会話や専門的なディスカッションをサポートする。
  6. アイディアのブレインストーミング: あるトピックや問題に対するアイディアや解決策を提案する。
  7. アドバイス: さまざまなトピックに関する一般的なアドバイスを提供する。
  8. トピックの解析: 与えられたトピックや文を分析して、その意味や背景を解説する。

Bardは多岐にわたる質問や要求に対して回答を生成する能力を持っています。
もし答えられない質問に出会った場合、正直に「わかりません」と答える場合もあります。

実際にユーザーがBardに入力する文章は「プロンプト」と呼ばれます。このプロンプトの内容や質を工夫することで、より的確な回答を得られることがあります。

上記の例に限らず、さまざまなシチュエーションや用途での利用が可能です。是非、自身のニーズや好奇心に応じて、どのようにこのツールを活用できるか探求してみてください。

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Bard の2つの特徴

Bardの主な特徴として、「新鮮で質の高い回答を提供できる」「複雑な質問に対してもユーザーに合わせて回答ができる」という2点が挙げられます。
Bardは常に新しい情報を学習しているので、このようなことができます。
それぞれの特徴についてさらに詳しく解説します。

新鮮で質の高い回答を提供

Bardは、常にインターネット上から学習を行っているため、最新の情報についても対応することができます。また、ChatGPTは、ソースの情報が古く2021年9月までですが、Bardは新鮮な新しい回答を提供することができます。

たとえば、ユーザーが「最近のニュースをまとめて」と質問した場合、Bardはインターネット上から最新のニュースを検索し、まとめた情報をユーザーに提供することができます。

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一方、ChatGPTは、2021年9月までの情報を基に回答するため、最新の情報を提供することができません。

Google が提供する会話型AIサービスBard とは何か?特徴や注意点をご紹介2

また、Bardはユーザーの位置情報も把握できるので、ユーザーの場所に合わせて回答することができます。
ユーザーが位置を指定せず「明日の天気は?」と質問した場合でも、Bardはユーザーの位置情報を基に、ユーザーの地域の天気予報を回答することができます。

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一方、ChatGPTは、2021年9月までの情報となってしまうので、こちらも回答することができない結果となりました。

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このようにBardは、常にインターネット上から学習を行っているため、最新の情報についても対応することができることが大きな特徴です。

しかし、こちらも、誤った回答を生成する場合があるので、よく注意して回答を確認するようにしましょう。

複雑な質問に対してもユーザーに合わせて回答ができる

Bardは、様々な学問に対して専門知識を持っていますが、質問のレベルや指示に合わせて、複雑な話題を分かりやすく回答してくれます。

難しい物事を理解するためには、時間をかけて少しずつ理解して行く必要があるかと思います。
しかし、Bardのような対話型AIでは、即座にまとめて回答を生成することができます。そのため、時間をかけずに難しい物事を理解することができます。

例えば、Bardに「太陽の光はどこから来るのか?小学生向けに説明してください。」と質問したところ、具体的に回答してくれました。

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核融合反応について簡単に解説されていて、大まかにどのようなものかが理解できる回答でした。

次に、「太陽の光はどこから来るのか?高校生向けに説明してください。」と質問をしました。

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すると、数値や割合なども組み合わせて先ほどよりも細かく太陽の光について説明しています。
このように、指示の中で指定することで、
自分が調べる際に「高校生向け」や、あまりわからない分野については「中学生向け」などのキーワードを利用することで、かみ砕いて説明してくれるので、使ってみましょう。

またBardは、正解がないような質問に対しても回答を生成します。
例えば下記のように、複雑な質問を投げて意見をまとめて回答しています。

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読む人によって感想や感じたことが変わるような、いわゆる「正解がない質問」についても、単に情報を生成するだけでなく、意見も合わせて生成することができています。

このように、Bardにはユーザーに合わせた回答の生成や、正解がない質問についても回答することができるという大きな特徴があります。

GoogleBardはGoogle検索と連動できる

BardのGoogle検索との連携機能は2つあり、1つ目は「Googleで検索」機能です。
生成された回答の下部に「Googleで検索」ボタンが表示される機能です。

Bardに質問した内容をもとに、どんなキーワードで検索すればいいのかの候補をピックアップしてくれます。その候補をクリックするだけで、Google検索ができ、関連トピックを手間なく検索することができます。

「Googleが出す対話型AIサービス「Bard」とはなんですか。」と聞いて、「Googleで検索」ボタンをクリックすると、会話の内容から下記の検索ワードを生成してくれました。

  • グーグルのバードは対話型AIサービス
  • 対話型AIのバードとは何ですか?

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Google が提供する会話型AIサービスBard とは何か?特徴や注意点をご紹介9

Bardは時折「ハルシネーション」と呼ばれる、噓をついてしまう現象があります。
そういった時にこの「Googleで検索ボタン」を使い関連情報を簡単に確認することができる利点があります。
MicrosoftのBing AIでも同様の機能があり、こちらはBing検索と連携しています。

もう一点は「Google画像検索の結果を表示」する機能です。
Bardの回答の中に、Google画像検索の結果を含めて生成する機能です。
画像をクリックすると、その画像が掲載されているサイトへ遷移することができます。

こちらの機能は2023年8月13日現在も英語での質問にのみ対応している機能となります。

まずは日本語で「真珠の耳飾りの少女の画像を見せてください。」と質問しましたが、回答の中には画像は含まれません。

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次にBardの翻訳機能を利用して、質問内容を英語に翻訳してもらいました。

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そして回答で得られた「Can you show me a picture of the Girl with a Pearl Earring?」と質問してみると、回答の中に画像が生成されます。

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画像をクリックするとその画像が含まれているサイトへアクセスできます。

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これらの機能をもしまだ試してない方は、ぜひ使ってみてください。
BardとGoogle検索の連携を活用して、情報収集しましょう!

Google Workspace 事例
Google Workspace

Chat GPTとBardの違い

最近話題のChat GPTとBardに関して、どのような違いが存在するのでしょうか?
本章では、これらのAIサービスの特徴、得意な点、そして不得意な点を詳しく比較したいと思います。

ChatGPTは、OpenAIによって開発された対話型のAIサービスです。GPTとは「Generative Pre-trained Transformer」の略称で、大規模な言語モデルの一種です。
このモデルは、Googleが2017年に発表した「Transformer」という技術を元にして開発されました。

一方で、Bardは「PaLM2」という大規模言語モデルを使用しています。このモデルは多言語の最新情報を取り込んでおり、これがBardの強みとなっています。ChatGPTの「GPT」は、2021年9月までの情報を元に学習しているため、Bardが最新情報を持つという点で一歩先んじていると言えるでしょう。

Chat GPTとBardの機能面での違いについても紹介します。BardはGmailや、Googleドキュメント等のGoogleサービスとの連携が非常に豊富です。それに対してChat GPTはAPIを持ち、これによりさまざまな外部サービスと連携が可能です。更に、Chat GPTでは将来的に画像やマルチモーダル機能が追加される予定です。これは、文章だけでなく、画像などもAIに入力することができる革新的な機能となります。
マルチモーダル機能として、英語での対応ですが、Bardでも2023年7月に画像の入力に対応しています。

続いて、Bing AIについても触れてみましょう。Bing AIは、ChatGPTと同じGPT-4モデルを採用しており、非常に高度な機能を持っています。特に、最新の情報をリアルタイムで取得して学習する能力は、Bing AIの大きな特徴となっています。

具体的には、BingAIを利用するためにはMicrosoftアカウントが必要です。またBard同様無料で利用が可能となっています。ChatGPTでは有償となっていた「GPT-4」が無料で利用できるのは大きな強みとなります。BingAIのもう一つの魅力は、Bing検索と連携ができる点です。

BardはGoogle検索との連携、BingAIはBing検索との連携で、質問をするだけで、検索エンジンと連携して最新の情報が手に入るのは非常に便利です。

いずれのAIも今後さまざまなアップデートが予定されており、これらの進化を待つのが楽しみですね。

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GoogleBardを含めた会話型AIサービスの3つの注意点

GoogleBardを含めた対話型AIサービスの注意点を紹介します。

正しい情報であるかを判断できる知識が必要

Bardを含めた対話型AIはとても便利ですが、完璧ではないという点に注意が必要です。
「ハルシネーション」と呼ばれる、情報を捏造したり、存在しない情報を事実のように伝えたりすることがあります。これは、訓練データの中にそのような情報が含まれていたり、モデルが推測に基づいて回答を生成することに起因する場合があります。
そのため、AIの言葉をそのまま信じるのではなく、情報の真偽を自分で確認する姿勢が大切です。

悪用される危険性もある

対話型AIはユーザーからの質問に応じて、回答を生成します。そのため、ユーザーが悪意のあるコードやメールの文面を書かせて悪用することなどが想像できます。
もちろん、これらのAIサービスを提供している開発元は、このような行為の対策を進めていくでしょう。しかし、ユーザーがAIに対してどのような質問や指示をするかによって、意図的に悪用することも可能となるので、利用する私たち自身が正しい使い方を心がけましょう。

ゼロクリック問題が加速する可能性がある

対話型AIサービスは、私たちの情報取得の方法を大きく変える可能性があります。
AIが瞬時に回答を提供することで、Webページを訪れるユーザーの数が減少するという問題が考えられています。
従来から指摘されている問題として、検索結果だけでユーザーが欲しい情報を得てしまい、実際のWebページへのアクセスがされない状態を指す「ゼロクリック問題」がありました。
会話型AIの出現により、この問題がさらに深刻化する恐れがあります。
なぜなら、AIサービスはインターネット上の多くのコンテンツを利用して情報を提供しているにも関わらず、コンテンツを生み出す制作者への直接的な報酬、例えば広告料などの収入が存在しないからです。これは、コンテンツ制作者の収益モデルに影響を与える大きな課題となります。

国内でも活用が進んでいくとみられる対話型AI

Bardとは、Googleが開発した対話型AIサービスです。近年、対話型AIサービスの技術は飛躍的な進化を遂げ、Chat GPTの登場で盛り上がりを見せていますが、GoogleもBardを開発し、追従する形となりました。
BardはGoogleが持つ独自のリソースと技術力を背景に、多くの期待が寄せられています。

Bardの最大の特徴は、"新鮮な回答"を提供する点にあります。これにより、ユーザーは最新の情報や専門的な知識をリアルタイムで得ることができます。さらに、"複雑な質問に対してもユーザーに合わせて回答できる"点もポイントとなっています。

国内に目を向けると、対話型AIの活用は急速に広がっています。企業や官公庁を中心に、これらの先進的な技術をサービスや業務の中に取り入れる動きが目立ちます。特に、Chat GPTのようなサービスは先行して導入されており、多くの実績を上げています。

しかしながら、Googleとしては、検索広告を主要な収益源としてきた背景から、対話型AIの出現は新たな脅威として捉えられています。そうした中で、Google AIは日々進化しています。
そしてGoogle WorkspaceにはGoogle AIを利用した様々な機能が取り入れられ、日常業務の中での活用が進められています。
これらのAI機能を上手く取り入れることで、私たちの業務はさらに効率的かつ生産的にすることができます。具体的な機能や詳細は、以下をご覧ください。

執筆者紹介

河窪 伸弥
株式会社電算システム 河窪 伸弥
入社5年目。文教向けの Google Workspace の導入支援に携わる。
Google Workspace のエンジニア資格はもちろん、ChromeOS、Google Cloud (旧GCP)の資格も保有。
顧客と伴走し Google サービスを効果的に活用していただく支援をしております。
趣味は落語。
<保有資格>
・Associate Cloud Engineer
・Professional Google Workspace Administrator
・Professional Cloud Architect
・Professional Cloud Security Engineer
・Professional ChromeOS Administrator
・Certified Educator Level 1
・Certified Educator Level 2
Google Workspaceの7つの特徴

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