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従来のAIと生成AIの違いとは?
両者の特徴や活用シーンを徹底比較!

 2024.06.25  株式会社電算システム

人間のような自然な回答を返せる「ChatGPT」や、簡単な指示だけでオリジナル画像を生み出せる「Stable Diffusion」などを筆頭に、生成AIが大きな注目を集めています。それとともに、生成AI技術を用いたビジネス向けのソリューションも徐々に登場しています。

このような生成AIを活用するには、従来のAIとの違いをよく理解することが大切です。それぞれ、活用シーンや役割が大きく異なるためです。

本記事では、従来のAIと生成AIの違いについて、多角的な比較点をもとに解説します。両者の差を明確にしたうえで、それぞれのメリットを最大限に活かしましょう。

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従来のAIと生成AIとの違い

従来のAIと生成AIには、「学習方法」と「出力物」の2点に大きな違いがあります。それぞれのポイントを以下で詳しく解説します。

学習方法の違い

従来のAIと生成AIでは、学習モデルそのものに大きな違いはありません。そのため、いずれも大量のデータを取り込んで学習する点は同じです。

しかし、学習方法や学習時の視点には大きな差があります。

従来型AIは、主にデータ分析の予測精度を向上するための役割があるため、情報の整理・分類・検索に重きを置いて学習を行います。一方の生成AIは、分析よりも何らかの要素を新たに生み出すことを目的としているため、データ同士の関連性や法則性を読み解く学習方法が重視されます。

出力物の違い

学習方法が異なると、出力物(AIに指示を与えて導き出される結果)にも違いが現れます。

従来のAIは、データベース上のテキストや数値といった構造化データを出力するのが得意です。結果として、基準値判定や入力データの正誤チェック、定型作業の自動化などが可能です。

一方の生成AIは、構造化・非構造化データにかかわらず、データ同士の法則性から新たなコンテンツを生み出せます。生成できるコンテンツはテキストに加え、画像や動画、音声などが含まれます。

つまり、従来のAIは人間の指示に従い、生成物を生み出す仕組みです。生成AIは、人間のように創造力を働かせ、オリジナルの生成物を生み出す点に特徴があります。

従来のAIの主な活用シーン5選

従来のAIと生成AIを使い分けるには、それぞれの役割と活用シーンを理解することが重要です。ここでは、まず従来型AIの主な活用シーンを紹介します。

  • 需要予測
  • 異常検知
  • 顔認証による本人確認
  • 議事録作成や翻訳作業の自動化
  • コールセンターの業務サポート

需要予測

ビッグデータと呼ばれる膨大な量のデータを効率良く分析できるのが、AIの利点です。

この利点を活かすことで、販売データや在庫データ、天候に関する統計情報などから傾向を割り出し、需要を予測できます。将来的な需要がわかれば、マーケティング戦略や仕入計画などの精度向上につながります。

需要予測は、さまざまな領域で活用が進んでいる、AIの代表的な手法の一つです。

例えば、食品業界では、小売店の発注データにもとづいて製造量を調整し、食品ロスの削減に向けた取り組みが見られます。また、仕入量や在庫量の適正化が可能なことから、業種や業態を問わずSCM(サプライチェーンマネジメント)の最適化にも効果的です。

異常検知

AI技術の一つである画像認識を活用すると、異常検知の作業をより効率的に処理できます。AIによって特定の物体を識別し、データセット内のほかのデータと照合することで、「既存データと一致していないもの=異常」として検知する仕組みです。

異常検知の手法は、主に製造業界や物流業界で活用されています。

具体的には、現場で作業員が入退場する際、所持品をスキャンし、余計な持ち出しや置き忘れをチェックする活用方法が代表的です。そのほか、完成した製品をAI搭載済みのカメラで読み取り、不良品のみを取り除く、あるいは機械の故障を未然に防ぐ予兆検知として活用されるケースもあります。

顔認証による本人確認

AIは画像だけでなく、人間の顔を認証するのにも役立ちます。

仕組みとしては、あらかじめデータセットに複数人の顔データを登録します。すると、センサーで実際の顔を読み取り、データセット内の顔データと照合して本人確認が可能です。顔認証には、非接触での認証が可能な2Dシステムと、光や髪型の変化に影響されにくい3Dシステムの2種類があります。

ビジネスシーンでは、セキュリティ対策の一環として活用されるのが一般的です。例えば、特定の部屋に入室する際に、顔認証による本人確認を実施すれば、社内設備の不正利用のリスクを抑えられます。入室に必要なIDカードや専用機器を持ち歩かずに済むのも利点です。

そのほか、サービス利用時のeKYC(電子本人確認)に活用されることもあります。特に、サービス利用時に本人確認が必要な金融業界や保険業界などが代表的な事例です。ユーザーがスマートフォンで本人確認書類と自身の顔を撮影すると、AIによってそれぞれの顔データを識別し、適合度合いを自動的に検証します。

議事録作成や翻訳作業の自動化

認識だけでなく、自然言語処理もAIの代表的な技術の一つです。

自然言語処理とは、人間が使う話し言葉や書き言葉をAIが解析し、内容を抽出する技術です。複数のデータを多層的に処理するディープラーニング技術が登場したことで、自然言語処理の精度が大幅に向上しました。

この自然言語処理と音声認識技術を組み合わせれば、さまざまなビジネスシーンで活用が可能です。

代表的な例が議事録作成です。会議に参加した人々の会話をAIが聞き取り、文章を解析したうえで自然文へと変換します。ほぼリアルタイムでテキストが作成されるため、議事録作成の工数を大幅に削減できるのがメリットです。

また、自動翻訳にも効果を発揮します。海外からの問い合わせ内容を即座に日本語に変換したり、外国語で記載された資料を翻訳したりと、業務効率の向上が期待できます。

コールセンターの業務サポート

AIのビッグデータ解析や自然言語処理、音声認識などの技術は、コールセンターの業務に向いています。代表的な活用方法は次の通りです。

  • AIチャットボット:ユーザーの質問にAIが回答するシステム
  • 電話自動応答:電話による単純な問い合わせ内容を解析し、自動回答するシステム
  • 声紋認証:問い合わせユーザーの声をもとに本人確認を実施
  • AI検索:調べたい情報を高精度かつ高速で検索できるシステム

このようなソリューションを活用すると、新人教育に時間がかかる、オペレーターごとにサポート品質が大きく異なるといった課題の解消につながります。

生成AIの主な活用シーン5選

生成AIの主な活用シーンは次の通りです。

  • 社内ヘルプデスク
  • メールや広告などの文面作成
  • プレゼン資料の作成
  • 資料掲載用の素材の作成
  • 分析データの生成・可視化

それぞれの具体的な活用例を紹介します。

社内ヘルプデスク

ChatGPTをはじめとするテキスト生成AIは、AIに対してテキストによる質問や指示をすると、自然文で適切な回答を返してくれます。このAIは、既存のデータソースやWeb上のデータ群に含まれる膨大な情報を学習しているため、テクニカルで高度な質問にも対応できるのがメリットです。

また、データソースの情報を整理するだけの従来のAIとは異なり、複数のデータを組み合わせてオリジナルのテキストを生成できるのも特徴です。そのため、文書の要約やプログラミング、戦略策定、設計書の作成といった形で活用できます。

近年では上記の仕組みを応用し、社内ヘルプデスクに生成AIを導入する企業も増えています。

例えば、ヘルプデスク用のシステムに社内規定文書や製品マニュアルといったドキュメントを登録すると、AIがその内容を解析したうえで、ユーザーの質問に適切な回答を返します。ユーザーが問題を自己解決できる可能性が高まるため、社内ヘルプデスク担当者の負担が軽減されるほか、対面での対応といった重要な業務に注力できるのが利点です。

メールや広告などの文面作成

取引先に送信するメールや、広告のキャッチコピー・説明文などをAIが自動生成する仕組みです。膨大な量の顧客情報をAIが解析することで、ターゲットや用途に合わせてオリジナルの文面を作成できます。AIが生成した文面を人間が手直しすることで、より質の高いメッセージが完成するでしょう。

特に、営業やマーケティングの領域ではメールの利用頻度が高く、新規メールの確認や返信に多くの時間を割きます。効率良くメールの文面を作成すると、それによって発生した空き時間を、アクションプラン策定やデータ分析といったコア業務に割り当てられるため、生産性の向上につながります。

プレゼン資料の作成

テキスト生成と画像生成の技術を組み合わせると、プレゼン資料の自動生成が可能です。

本来、プレゼン資料を作成するには、アウトラインの決定やスライドページの編集、画像挿入といった数多くの工程が発生します。一方、生成AIを活用すれば、テンプレートを選択し、内容の大筋を指示するだけで資料が完成します。テキストだけでなく画像も生成できるのがポイントです。

現状の技術では、初めから理想的な資料を完成させるのは困難です。しかし、人手による簡単な手直しを行うだけで、見栄えの良いプレゼン資料が完成するため、制作工数を大幅に削減できます。

資料掲載用の素材の作成

画像・動画・音声などのメディアは、社内向け資料の素材として活用できます。生成AIは、テキスト以外にも画像や動画、音声といった多様なフォーマットに対応しており、テキストによる指示を与えると目的のメディアが秒単位で生成されます。

Web検索すると、ビジネス資料用のイラスト素材サイトが多数ヒットしますが、そのなかには有償のものや、利用範囲が制限されているケースも珍しくありません。

生成AIを活用する際も一定のルールがあるものの、素材サイトを利用する手間やコストを省けるのは大きなメリットです。また、Webサイトや広告などに掲載する素材として活用するのも一案です。

ただし、商用利用の際には、生成AIサービスごとの利用可能範囲を必ず確認しましょう。

分析データの生成・可視化

分析業務を効率化するための生成AIサービスも登場しています。

従来のAIを活用した分析では、大量のデータを機械にインプットし、それらの情報を効率良く処理する方法が主流でした。しかしこの方法では、分析業務を完全に自動化するのは難しく、必要な情報の抽出や課題の特定、仮説検証といった作業は人間が行わなければなりません。

その点、生成AIによる分析は、どのような分析を行いたいか、テキストによる指示を与えるだけで、データベースをもとに最適解となる分析を実施してくれます。あわせて、グラフや表による出力結果の可視化も可能です。

つまり、AIがデータサイエンティストやデータアナリストの役割を担います。高度な知識が求められる分析業務を、誰でも手軽に利用できるのがメリットです。

従来のAIや生成AIを活用する際の注意点

AIの種別にかかわらず、導入・運用時にはいくつか注意すべきポイントがあります。運用効率を高めるためにも、それぞれの領域における注意点を押さえましょう。

従来のAIの注意点

従来のAIを活用する際に注意すべきポイントは次の通りです。

  • システムの開発や入れ替え、管理などに要するコストが増える
  • 膨大な量のデータを管理・処理するための手間が増加する
  • 特定のベンダーや製品などに依存してしまうベンダーロックインの危険性が高まる
  • 機密情報の漏洩リスクが高まりやすい
  • 思考プロセスのブラックボックス化に陥りやすい

AI活用時には、事前にしっかりと組織体制を整えることが重要です。データの管理・処理方法や担当者の責任範囲、リスクマネジメントなどを固める必要があります。

また、効率良くビッグデータを処理するために、データレイクやDWH(データウェアハウス)といったデータ分析基盤も欠かせません。さまざまなシステムを新たに導入する必要があるため、一時的にコストが増大することを念頭に置いておくべきでしょう。

まずは自社が抱えている課題を洗い出し、AI活用の目的と利用範囲を明確にしましょう。そのうえで適切な予算設定を行うことが大切です。

生成AIの注意点

生成AI活用する際に注意すべきポイントは次の通りです。

  • 既存コンテンツとの類似性や関連性により、著作権や意匠権などに抵触する恐れがある
  • 生成された情報の整合性を判別するために大きな手間が発生しやすい
  • AIに指示を与える際に機密情報を入力した場合、情報漏洩が起こり得る
  • 英語や専門知識が必要なサービスが多いため、高額な学習コストがかかることがある

生成AI活用時に最も注意すべきは権利関係の問題です。

生成AIは、Web上の大量のデータを学習するケースが多いため、生成後のコンテンツがすでに存在するコンテンツと似通っている可能性があります。そのため、クリエイターをはじめとする著作権者から、権利侵害を指摘される可能性もゼロではありません。

権利侵害のリスクを抑えるには、テキストや画像などのメディアにかかわらず、AIによる生成物を利用する前に、既存の著作物と類似していないか確認すると良いでしょう。

また、AIによる生成物には誤情報が含まれている場合があるため、妄信しないよう注意が必要です。特に、Webサイトやメールなどで生成コンテンツを一般公開する際は、情報の根拠やソースをしっかりと確認することが重要です。

AI技術を活用するならGoogle Cloudがおすすめ

Google Cloudは、ビッグデータ解析やストレージなどの幅広いプロダクトが搭載されているクラウドプラットフォームです。AIに関するプロダクトも豊富なので、これからAI技術を自社のビジネスへと取り入れたい場合におすすめです。

例えば、従来のAIに関するプロダクトには次のような種類があります。

  • AI Platform:AIの機械学習ルートを一元的に管理するためのプラットフォーム
  • AutoML:新たな機械学習モデルを生成
  • Natural Language AI:非構造化データから分析データを抽出
  • Speech-to-Text:入力した音声データをリアルタイムでテキストに変換
  • Translation AI:任意の文字列を指定された言語に翻訳

生成AIに関するプロダクトの一例は次の通りです。

  • Vertex AI Studio:Googleの基盤モデルを調整・デプロイできる開発者向けプラットフォーム
  • Vertex AI Search:会話型の情報検索が可能な企業向け検索エンジン
  • Imagen on Vertex AI :テキストによる指示のみでAIがオリジナル画像を生成

上記のように、AIに関するシステム開発やデータ分析などをワンストップで実行できるのが利点です。

従来のAIと生成AIの違いを理解して両者の技術を活用しよう

従来のAIと生成AIは、学習方法と出力物に違いがあるため、活用シーンにも違いが現れます。従来のAIは需要予測や異常検知、生成AIは社内ヘルプデスクや資料の作成といった具合に、それぞれの性質をよく理解したうえで使い分けましょう。

これからAI技術を活用する方は、Google Cloudを検討してみてはいかがでしょうか。

Google Cloudには、AIに関する幅広いプロダクトが用意されているため、システム開発やデータ分析などの多様なシーンで活用できます。電算システムでは、Google Cloudの導入支援サービスを提供しているため、導入・運用方法に悩んでいる方は気軽にご相談ください。

以下の資料でGoogle Cloudや電算システムについて詳しく紹介しています。無料でダウンロードできますので、まずは一度ご覧ください。

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