情報システム部門や総務、経理、法務などのバックオフィス部門では、社内からの問い合わせや確認作業に日々追われていることかと思います。
問い合わせ対応や確認作業はそれ自体が大変ですが、「来た依頼を整理する」という作業に時間を取られてしまいがちです。
ある人はメールで、ある人はチャットで、出社をしていれば口頭で…。バラバラの場所で発生する依頼を改めてメモやTodoリストに書き写すのは手間ですし、漏れが発生する可能性も非常に高くなります。
今回は、そんな依頼窓口を一本化するAsanaのテクニックやよくある使い方をご紹介いたします。
依頼などのリクエストだけでなく、案件管理などにも応用できる内容です。
社内だけでなく、社外からのリクエストを収集するのにも利用できるので、是非チェックしてみてください。
窓口がバラバラだと何が困るの?
そもそも、なぜ窓口がバラバラだとどんな課題に繋がるのか。
実際によく聞く問題を紹介いたします。
整理するだけで時間がかかる
最も多く聞く課題がこちらです。
情報システム部門にしても、総務・経理にしても、だいたいの場合はどこかしらで受け取った依頼事項を自分のタスクに書き込んだり、チームで共有しているExcelやスプレッドシートに書き込んで管理をしています。
忘れないため、共有のためのメモは大事ですが、いちいち何かに転記する作業がアプリの行き来だけでも大変です。
また、依頼のされ方によっては情報が揃っておらず、すぐに対応できない場合もあります。
例えばメールで来た依頼に対して、「対応のため、これとこれについて教えて下さい」と質問で返す場面も少なくないでしょう。その確認が終わるまでは作業に取り掛かることができません。
窓口のテンプレートが定まっていないと、タスクとなる依頼そのものの整理だけでなく、依頼の中身(情報)の整理にも時間がかかってしまうのです。
対応漏れが発生しやすい
メールやチャットを使って仕事をする以上、新しい通知はどんどんやってきます。
意識していても、ヒューマンエラーは起こります。転記するのを忘れてしまったり、後で見ようと思っていたメッセージを間違って既読状態にしてしまったり、別の会話が発生することで重要な依頼を見逃してしまえば、対応しないまま流れてしまうこともあります。
その結果、「あの件どうなってますか?」と確認が入って初めてその依頼を認識する、ということになってしまう時もあるでしょう。
口頭はもちろん、メールもチャットも「流れていくコミュニケーション」です。
「情報をストックしておく」ということにはあまり向いていない傾向にあるので、運用や他のツールでカバーしていく必要があります。
引き継ぎ作業が難しい・面倒
自分が依頼されたものについて、誰かに確認・相談したり適任の方に引き継いだりすることもあるでしょう。
そのタイミングでも、漏れが発生してしまえば最適な対応はできません。
また、例えばメールで来た問い合わせについて、他の方を宛先に加えて引き継ぐとします。
多くの場合、そのまま相手が対応すればCCに自分が巻き込まれたまま会話が進み、特にアクションが必要ないメールが溜まっていきます。それが積み重なれば、受信トレイは「返信が必要なメール」だけでなく「返信が必要ないかもしれないメール」でパンパンになってしまいます。
届いたメールを開封し、確認するだけで疲弊してしまうでしょう。
本来であれば、「正確に、漏れなく」「最適な人だけに共有し、」「他の人も必要であればそれを探し出せる」ようにしたいところですが、従来のツールではそれも難しいのです。
窓口を一本化しても、Excel・スプレッドシートでの管理では限界がある
例えば、「今後はこのメールアドレス宛に問い合わせしてください」と周知して、窓口を一本化できたとします。
前述の通り、共有されたExcelやスプレッドシートに依頼事項を書き込んで、誰がどう担当するかなどを入力しているチームも多いです。
確かに、全員が確認可能な場所に記載をしておくことは大切です。しかし、頻度によってはその編集作業自体が負担になってしまうこともあります。
また、対応したかどうかの結果を残すだけでは、その後同じような内容が出た時にナレッジを活用できません。
回答を記載しても、そこに辿り着くまでに時間がかかってしまうことも多いです。
運用でカバーすることもできるかもしれませんが、それにもコストがかかってしまいます。
このように、依頼事項を一本化できないとさまざまな課題につながってしまうのです。
Asanaでできる「一本化」
では、どのようにその問題は解決すればいいのでしょうか?
その解決策の一つとして、Asanaをご紹介いたします。
Asanaとは
Asanaは「タスク」の単位で仕事を管理し、最適な業務フローを回すのを手助けするワークマネジメントツールです。
タスク管理・プロジェクト管理のツールと並べられることが多いですが、Asanaの良いところは「チームの管理」だけでなく「自分の管理」から「組織全体の管理」までマルチに活躍できるところです。
利用するメンバーがそれぞれ自分の使いやすいように仕事をマネジメントでき、その結果管理者も楽にチームや組織の仕事をモニタリング・調整できる、全員の仕事を楽にするツールなのです。
オススメはAsanaの「フォーム」機能
個人的なTodoリストとしても扱いやすいAsanaですが、何人かで動く業務であれば「プロジェクト」を作成して全員のタスクが見えるようにすることもできます。
そして、問い合わせ管理のプロジェクトで是非使っていただきたいのが「フォーム」です。
Googleフォームなどで申込みフォームやアンケートフォームを作ったことがある方であれば、すぐに操作ができるUIになっています。
記述式、選択式、カレンダー式の他、ファイル添付などの項目にも対応しています。
送信された内容は、一つのタスクとしてプロジェクト内にリアルタイムで反映されます。
Asanaはタスクの中で説明などの前提情報、添付ファイル、会話のやり取りまで可能なので、一つのタスクについての情報をすべて集約することができます。
問い合わせのプロジェクトでは、所謂カンバン形式でチケット管理のように運用しているチームが多いです。
作成したフォームは、Asanaを使っているメンバーのみへの公開はもちろん、Asanaを使っていない人に公開することもできるので、リクエストを送信するだけであればAsanaのライセンスを消費する必要はありません。
※ 「誰でもアクセス可能」とする場合はURLの取り扱いにはご注意ください!
フォームの「設定」では、デフォルトの担当者を誰にするかや他のWebサイトに埋め込む用のコードの発行などもできます。
フォームはそのまま使うだけでも情報集約の役に立ちますが、合わせて使っていただきたいのが「カスタムフィールド」です。
カスタムフィールドは、プロジェクトの中でタスクをカテゴリ分けするための選択項目、ちょっとしたメモ代わりにできるテキスト欄を追加したりできるカスタマイズ機能です。
豊富な種類があるため、業務に合った項目を自由に作成することができます。
例えばグループウェアに関する問い合わせで、メールやチャットなど、機能によってカテゴリを分け、絞り込みや分析をしやすくするとします。
その際、フォームに入力されたものを見てカテゴリを選択するのは面倒ですよね。
Asanaフォームの選択項目はカスタムフィールドと同期することができるので、送信者が選択した内容をそのまま作成済みのフィールドに反映させることができます。
この他、カレンダーに入力してもらった内容を期日として設定することなども出来るようになっています。
Asanaをフルに活用することで、依頼受付の時点で情報をまとめることができるだけでなく、その後の対応状況の報告や相談などの会話も一ヶ所に集約できる他、モニタリングまでしやすくなるのです。
それでもメールやチャットで来てしまった時は
そうは言っても、慣れない内はどうしてもメールやチャットで依頼が来てしまったり、何気ないやり取りからタスクが生まれることもあるでしょう。
(もちろん、「Asanaでお願いします」と促すことも大事ですが…)
Asanaはメール転送でタスクを作成できる機能や、各種アプリ連携やAsana for Gmailなどのアドオンを用意しています。ご利用されているチャットツールによっては直接連携できないものもありますが、Zapierなどの連携ツールで実現できる可能性もあります。
まずは、自社で利用しているツールが連携できるものなのか調べてみましょう。
《参考》
- Asana の Gmail アドオンでメールを即タスク化
- Google Chat と Asana を連携!Asana bot を使いこなそう
- AsanaとTeamsの連携方法とメリットを解説
- AsanaとSlackの連携方法とメリットを解説
対応がスムーズになるだけでなく、その後の利活用やナレッジ共有にも
「誰がいつまでに何をするか」がわかるだけで、仕事は早く進みます。
しかし、ここまでの内容であれば他のツールでもできるかもしれません。
Asanaには、一つのタスクを複数のプロジェクトに紐づけできる「マルチホーム」という機能があります。複製ではなく、まったく同じものがそのままそれぞれのプロジェクト上に表示されるため、内容に更新があった場合でもリアルタイムで同じ情報を共有することができます。
これを活用することで、例えば回答に至るまでの情報が詰まった問い合わせタスクを、Webサイトで『よくあるご質問』のページを作成するチームのプロジェクトに共有したり、社内のナレッジベース用のプロジェクトに反映させたりすることができます。
せっかく情報の集約をしたなら、完了して終わりではもったいないですよね。
その情報をフルに活用して、他の仕事や社員の育成に活かしていきましょう!
まとめ
Asanaのフォームを利用すれば、欲しい情報が揃った状態で依頼が届くだけでなく、その依頼(タスク)の中で会話ができるため、その後の引き継ぎやナレッジ共有にも役立ちます。
もしメールやチャットで依頼が来たとしても、転送や連携機能で瞬時にタスクにできます。(※チャットについては、標準機能だけでは連携できないものもございます。)
依頼を整理する時間を減らすことで、対応する時間や他の作業に当てる時間を増やすことができます。
依頼窓口をAsanaに一本化して、効率的に業務を進めましょう!