皆さんは普段どのような場面でメーリングリストを使っていますか?メーリングリストというと業務のメールのやりとりでccに入れるなど、「関係者間で効率良く情報共有するためのもの」と考えている方が多いかと思います。しかし、Google Workspace(旧G Suite)のグループはどちらかといえば「共通の目的を持つユーザーの集団」と考えて頂いたほうがわかりやすいかもしれません。
メーリングリストは、グループの持つ機能の一つなのです。他にも、Q&Aフォーラムのようなグループや、タスクをメンバーに割り振ることの出来る共同トレイなどの機能もあります。
活用方法によっては、社内のコラボレーションの活性化、業務の効率化など様々な効果を生み出すことが可能です。たとえば次のような活用方法はいかがでしょうか。
特定のコミュニティの運用に利用
Google Workspace(旧 G Suite)を始めとする、コラボレーションツールを導入している場合、社内でいくつかのコミュニティを形成しコミュニティ間の情報交換を活発化することで、イノベーションが生まれやすい環境を作ることが可能です。コミュニティごとにメーリングリストを作成して、興味を持っているユーザーが自由に参加できるようにするとコミュニティ活動がより活発になります。
お問い合わせ窓口として
情報システム部門では日々社内ユーザーからのトラブル相談などが寄せられますが、電話での問い合わせや特定の担当者にメールでの問い合わせが集中すれば、対応効率が下がります。そこで担当者で共有可能なメーリングリストを作成しお問い合わせ窓口にしておけば、それだけでトラブルへの対応の効率は上がります。
またその際は担当者同士で作業を割り振れる「共同トレイ」の機能を使うと、それぞれの抱えているタスク量が分かりやすく便利です。また、Q&Aフォーラムのような機能を利用すれば、担当者が毎回回答をしなくても、ユーザー同士で課題を解決しあったり、過去の回答を参照して問い合わせの数を減らすといった工夫ができます。
これら全てはグループの機能です。グループ=メーリングリストではないのがお分かりいただけたでしょうか。アイディア次第で多彩な活用方法があり、フル活用することで社内の情報共有や連絡、対応といった業務を効率化できます。本稿では Google Workspaceでもっとグループ(メーリングリスト)を活用していただくためにも、Google Workspaceでのグループを作成する方法と、管理する方法をご紹介します。
Google Workspace(旧 G Suite)でメーリングリストを作成する
Google Workspaceでメーリングリストを作成する方法としては、Google 管理コンソールから作成する場合とビジネス向け Google グループサービスを利用して作成する場合、ディレクトリサービスから自動作成するなどの方法があります。今回は Google 管理コンソールから作成する場合をご紹介したいと思います。
Google Workspace(旧 G Suite)でメーリングリストを作成するには、まず[管理コンソール]画面に移動します。管理者アカウントでログインしていることを確認してから、[管理コンソール]画面に移動してください。次にダッシュボードにある[グループ]をクリックし、[グループを作成」ボタンをクリックしましょう。設定画面が表示されるので、次の項目を入力していきます。
グループの名前
好きなグループ名を入力します。ただし使用できるグループ名については Google の「ガイドライン」に従ってください。複数のグループを作成する予定の場合、事前に名称のルール決めを行うことをおすすめします。
新しいグループのメールアドレス
組織の Google アカウントに複数のドメインがある場合はプルダウンリストから適切なドメインを選択します。こちらも名前と同様に事前にルール決めを行うことをおすすめします。特に社内に複数の部署やチームがある場合、info@やsupport@など使われやすいアドレスは顧客からのメール誤送信にも繋がりやすいので注意します。
グループの説明
グループの説明文を加えると、ユーザーがグループの目的を判断しやすくなります。たとえば、「グループへの参加を推奨するユーザー」、「グループ宛てに送信すべきメッセージの種類」、「メッセージを送信する際のルール」、「グループに関するよくある質問へのリンク」、「関連するグループ」など様々な情報を追加可能です。この入力欄は省略もできます。
アクセスレベルの設定
ここまで入力が完了したら、次に[アクセスレベル]を選択しましょう。この設定ではグループのアクセスレベルを「公開」、「チーム」、「通知のみ」、「制限付き」の4つの段階で決めることができます。
公開
ドメイン内のすべてのユーザに公開されます。設定によってはドメイン外のユーザにも公開することが可能です。社外のお問い合わせ用アドレスは一般的にこの設定を利用します。
チーム
社内の特定の部署やチームで利用するグループを作成する場合はこの設定を選択します。フォーラムの利用などに使える他、Google Workspaceのアクセスポリシーの設定などにも利用できます。
通知のみ
社内情報を配信するためのグループを作成するためにはこの設定を選択します。たとえば社内ニュースやコミュニティニュースを従業員に配信するためのグループ等に適用します。
制限付き
非公開情報や機密情報を共有する従業員用の限定公開グループを作成する場合に、この設定を選択します。
アクセスレベルの設定が完了したら[作成]をクリックします。すると管理コンソールのグループページが表示されるのでこれで完了です。ちなみに社内すべてのユーザーをグループに追加したい場合は[組織内のすべてのユーザーを新しいグループに追加する」というチェックボックスをオンにしてから[作成]をクリックしましょう。
Google Workspace(旧 G Suite)のグループにユーザーを追加する
次に、すでに作成済みのグループに新しいユーザーを追加する方法をご紹介します。グループに登録されているユーザーは流動的であり、コミュニティ等が活発化すると常にユーザー管理を行わないといけません。ここでは個々のユーザーを追加する方法と、複数のユーザーを追加する方法を説明します。
個々のユーザーを追加する
管理者アカウントでログインしていることを確認してから[管理コンソール]にアクセスします。ダッシュボードにある[ユーザー]をクリックしましょう。[ユーザー]のリストが表示されるので目的のユーザーを探します。ユーザーを検索する際は名、姓、メールのいずれかでフィルタリングしましょう。
目的のユーザーを発見したらその名前をクリックしてユーザーのアカウントページを開きます。次に[グループ]を選択し、[+(追加)]ボタンをクリックしましょう。追加したいグループを選択するために、グループ名またはメールアドレスの最初の数文字を入力してグループを検索します。目的のグループが表示されたらそのグループを選択しましょう。
グループを選択したら[追加]をクリックし、グループ内でのユーザーの役割を設定します。最後に[保存]をクリックしてユーザー追加を完了させましょう。
複数のユーザーを追加する
管理者アカウントでログインしていることを確認してから[管理コンソール]にアクセスします。ダッシュボードにある[ユーザー]をクリックしましょう。[ユーザー]のリストが表示されるので目的のユーザーを探します。ユーザーを検索する際は名、姓、メールのいずれかでフィルタリングしましょう。
グループに追加したいユーザーのチェックボックスをオンにします。ちなみにグループに追加したいすべてのユーザーが同じ組織部門に属している場合は、画面左側でその組織部門を選択するとユーザーが見つけやすくなります。次に画面右上にある選択肢したユーザーをグループに追加するアイコン(プラスと人影のボタン)をクリックしましょう。
追加したいグループを選択するために、グループ名またはメールアドレスの最初の数文字を入力してグループを検索します。目的のグループが表示されたらそのグループを選択しましょう。グループを選択したら[追加]をクリックして完了です。
CSVファイルを使用し追加する
上記の他に、CSVファイルを使用したユーザー追加方法が利用可能になりました。管理コンソールのホームページから、[グループ] にアクセスします。※[グループ] が表示されていない場合は、画面下部の [その他の設定] をクリックします。グループの名前をクリックし、[メンバー] をクリックします。アイコン 追加 にカーソルを合わせ、[メンバーを一括アップロード] をクリックします。グループに追加するメンバーのカンマ区切り値ファイル(CSV)を作成します。作成時はCSV ファイルの書式設定が適切であることを確認してください。作成できたらメンバーリストの CSV ファイルへのリンクをクリックしてください。[CSV を添付] をクリックし、目的の CSV ファイルを探して開きます。最後に[アップロード] で完了です。
書式設定等の詳細は下記より
https://support.google.com/a/answer/6191469?hl=ja&ref_topic=6059322
Google Workspace(旧 G Suite)のグループ内での役割について
Google Workspace(旧 G Suite)のグループではユーザーごとに役割があり、それによって行える操作が異なります。グループを全体的に管理する役割が「グループオーナー」です。グループオーナーに設定されているユーザーは次の操作ができます。
- グループにメッセージを送信する
- グループ メンバーを追加、削除する
- メンバーの役割を変更する(例: メンバーからオーナーに変更)
- グループの設定を変更する
- グループを削除する
「グループメンバー」については、設定によってメンバーがグループにメッセージを送信することが可能です。また、ビジネス向け Google グループを利用している場合は、次の操作もできます。
- グループに登録する
- グループのディスカッション アーカイブを閲覧する
- グループのメンバーリストを閲覧する
いかがでしょうか? Google Workspace(旧 G Suite)のメーリングリストにあたるグループでは様々な設定によって多彩な活用方法があるため、この機会にぜひフル活用してみてください。
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