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【完全版】AI OCR の5つのメリットと注意点!
導入事例やツールを比較するポイントも解説

 2023.11.27  株式会社電算システム

AI技術を業務に活用したいと考えている方のなかには、「AI OCR」について調べている方もいらっしゃるのではないでしょうか。AI OCR は、AI技術で画像内の文字の認識率を継続的に高めて、正確にテキストデータを抽出できるツールです。手書きの情報も含めて読み取れる精度の高さから、多くの企業が注目しています。

この記事では、AI OCR と OCR の違いや、導入のメリット、利用上の注意点などを解説します。また、AI OCR の導入事例も紹介していますので、導入を考えている企業の担当者の方はぜひ最後までお読みください。

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AI OCR とは? OCR との違いも解説

AI OCR の導入を検討する前に、まずは基礎知識を身につけましょう。ここでは、AI OCR の概要や、OCR との違いを解説します。

AI OCR とは

AI OCR は、画像内の文字情報をテキストデータへ変換できる機能に、AI技術を加えたツールです。海外では、ICR(※1)とも呼ばれており、機械学習の1つであるディープラーニングによって、文字を補正した結果をもとに、文字の認識率向上が可能です。自動的に、さまざまな帳票の項目を抽出できます。

※1. ICR:Intelligent Character Recognition の頭文字を取った言葉

OCRとは

OCRは、画像内の文字情報をテキストデータへ変換できるツールです。文字の書かれた紙をスキャナーで読み込み、OCR が文字情報をデジタル化します。人の手で紙に書かれた文字情報を手動でデジタル化するには、多くの時間がかかって非効率であるため、OCR が業務に活用されています。

AI OCR と OCR の違い

AI OCR と OCR では、文字情報を読み取る精度の向上に差があります。文字情報を読み取る精度の向上に差が生まれるのは、AI技術の有無が要因です。

一般的な OCR では、活字の読み取りはできても、手書きの文字は認識できない場合が多くあります。また、文字がシンプルであるほど、誤認する可能性が高くなる点も課題です。

OCR は、文字を認識する際に、線が交差する箇所を算出する方法が利用されています。そのため、工事の「工」とカタカナの「エ」や、カタカナの「ン」と「ソ」は誤認されやすい文字です。カタカナはほかの文字に比べてシンプルであるため、少しのズレや傾きが誤認を招きます。

AI OCR は、AI技術を活用した機械学習により、誤認する可能性を減らせるツールです。OCR では認識が難しい手書きの文字だけでなく、非定型フォーマットの文書も読み取りができます。

AI OCR の5つのメリット

企業は、契約書や納品書、アンケート用紙などの数多くの帳票を扱うため、高い精度で効率よく文字情報をデジタル化できる AI OCR が、近年注目を集めています。AI OCR を導入するメリットは、以下の5つです。

  • 学習を繰り返すことで精度が向上する
  • 手書き文字でも識字率が高い
  • さまざまなフォーマットの帳票に対応できる
  • 他のシステムと連携することで作業効率が上がる
  • 省力化やペーパレス化など業務効率化につながる

メリットを確認して、AI OCR の理解を深めましょう。

学習を繰り返すことで精度が向上する

AI OCR のメリットの1つは、文字認識の精度を継続的に向上できる点です。AI OCR には、機械学習の1つであるディープラーニングが活用されています。膨大な量のデータをもとにさまざまなパターンを学習するディープラーニングによって、文字認識の精度を高められます。学習のもととなるデータの量と質により、文字認識の精度は異なりますが、継続的な向上が可能です。

手書き文字でも識字率が高い

OCR は、すでに決まったパターンでしか識字ができません。例えば、人によって癖のある手書き文字の場合は、誤認が多く起こります。AI OCR では、ディープラーニングを活用したAIの学習によって、手書き文字でも認識率向上が可能です。特定の文字を一度誤認しても、文字を読み取る回数を重ねる度にデータを学習するため、より正確に文字を認識できるようになります。

さまざまなフォーマットの帳票に対応できる

OCR では、文字情報を認識させるために、事前に項目の詳細定義や読み取り位置を設定しなければなりません。AI OCR では、AI が項目の詳細定義や読み取り位置を自動で設定するため、紙資料をスキャンさえすれば、事前の設定は必要ありません。

納品書や請求書といった異なるフォーマットの帳票であっても、紙資料をスキャンすれば、項目を自動で設定し、抽出が可能です。AI OCR は、OCR よりも、より効率的に文字情報をデジタル化できます。

他のシステムと連携することで作業効率が上がる

AI OCR は、RPA といった他のシステムと連携して作業効率を向上できる特徴があります。RPA は、人が手動で行っているパソコンでの作業をロボットが代行して、自動化するシステムです。

AI OCR のみを活用した場合、紙資料を読み取った後に、情報ごとの仕分け作業を人の手で行わなければなりません。AI OCR と RPA を連携すれば、読み取ったデータの抽出に加えて、データ入力、集計、編集、ファイル作成などの作業まで自動化が可能です。

省力化やペーパレス化など業務効率化につながる

人の手作業によるデータ入力は、ヒューマンエラーが発生しやすいものです。AI OCR を業務に活用すれば、スキャナーによる紙資料の読み込みと最終的なデータ確認以外は、人の手が必要ありません。文字情報をデジタル化する作業がすばやく完了し、業務効率化やミスの防止につながります。

また、AI OCR によって、データでの資料の整理や管理がしやすくなり、ペーパーレス化にも貢献します。資料のデジタル化が進めば、データの一元管理も可能になり、必要な情報の検索やチーム同士の共有も円滑になる点は、企業にとって大きなメリットです。

AI OCR の注意点【100%の認識精度ではない】

AI OCR は、誤認率を減らして文字認識の精度は上げられますが、認識精度を100%にはできません。実際に利用する際には、紙資料をスキャナーで読み取る前に画像の鮮明度を確認したり、読み取ったデータを補正したりするなどの作業が必要です。AI OCR の導入は、人の手による確認や修正作業を考慮した上で、費用対効果が見込めるかどうかや、業務効率化につながるかどうかを慎重に判断して、実行しましょう。

AI OCR を取り入れた3つの事例

AI OCR は、フォーマットが異なる帳票でも効率よく文字情報のデジタル化ができるため、FAX処理や契約業務の大幅な業務効率化が可能です。フォーマットが統一された帳票を数多く利用している企業は、AI OCR の導入により、基本的に業務の効率化を達成できます。以下の業界における AI OCR の導入事例を確認して、ツールの具体的な活用方法を把握しましょう。

  • 金融機関
  • 不動産業
  • 教育機関・地方自治体

金融機関

金融機関では、AI OCR の導入により、業務効率化が進んでいます。主に、以下の書類のデータ化やシステムへの登録業務に AI OCR が活用されています。

  • クレジットカードの申込書
  • 金融機関銀行口座開設申込書
  • 振込依頼書
  • 口座振替依頼書
  • リース申込書
  • 公共料金申込

一般社団法人全国銀行協会では、小切手や手形のイメージデータを送受信して、決済業務を効率化するサービスのリリースが予定されています。また、横浜銀行では、AI OCR と RPA を活用して、申込書類を自動的に処理し、業務効率化につなげています。

不動産業

不動産業も、AI OCR の導入による業務効率化に成功している業界です。不動産業では、紙資料で管理している契約情報のデータ化に、AI OCR を活用しています。例えば、株式会社ジェイエーアメニティーハウスでは、紙の管理帳票を用いており、大きな業務負荷の原因になっていました。

AI OCR の導入によって、請求書の処理や転記業務が削減され、業務負荷の軽減につながっています。業務が効率化された結果、従業員のモチベーションアップや人員配置の最適化にも成功した事例です。

教育機関・地方自治体

教育機関では、テスト答案用紙のデジタル化に AI OCR が活用されており、地方自治体では、給付金の申請対応業務にツールが利用されています。教育機関と地方自治体のように、AI OCR を導入すれば、膨大な時間と手間が必要だった業務でも効率化が可能です。

例えば、茨城県大子町では、タクシー利用助成事業に AI OCR を活用して、タクシー券の入力業務の負担軽減に成功しています。また、岩手県久慈市では、アンケート集計業務やふるさと納税の申請書の処理業務で、AI OCR が利用されています。

AI OCR を比較する4つのポイント

AI OCR は、多くの企業で開発・提供されているため、ツールを選ぶ際は、慎重に検討しなければなりません。ツールの特徴を比較して、自社に合ったものを選びましょう。AI OCRを比較する際のポイントは、以下の通りです。

  • 読み取り精度・対応言語
  • 設定・アップロード方法
  • セキュリティ要件
  • サポート体制

ポイントを確認して、ツールを選ぶ際の参考にしてください。

読み取り精度・対応言語

AI OCR を導入する際は、現場で取り扱っている紙資料を実際に読み取れるかどうかの確認が大切です。ディープラーニングの技術は、サービス事業者によって異なります。導入予定のツールで文字情報の誤認が多く発生する場合は、業務効率化にはつながりません。ツールを使うよりも、手作業で入力した方が早ければ、かえって業務効率の低下を招きます。

可能であれば、AI OCR の導入前に現場の紙資料を読み取るテストを行い、ツールの精度を確かめてから導入しましょう。また、サービス事業者が海外の企業である場合は、多言語対応のツールかどうかの確認も必要です。

設定・アップロード方法

AI OCR を比較する際は、ツールの設定やアップロードが簡単かどうかも確認しましょう。文字情報を読み取る精度が高くて多言語対応であっても、設定が複雑であれば、日々の運用に手間と時間がかかります。

例えば、OCR は「どの部分から読み取るのか」「データの反映先をどこにするのか」といった詳細な設定が必要です。なかには、帳票の特徴に合わせて自動で設定ができるサービスもあります。無料トライアルが利用できる場合は、実際の使用感や設定方法を確認してから導入しましょう。

セキュリティ要件

AI OCR を比較する際は、ツールのセキュリティ機能が自社の基準を満たしているのかも大切なポイントです。AI OCR の多くはクラウド型のサービスですが、オンプレミス型やインストール型のツールもあります。企業が扱う機密情報の内容や、自社のセキュリティポリシーが厳しい場合は、クラウド型のサービスは利用できない可能性もあるため、セキュリティ要件を確認してからサービスを選びましょう。

サポート体制

AI OCR を比較する際は、サービスのサポート体制も重要です。問い合わせ方法の充実度や相談受付時間の長さなど、サポート体制が整っていれば、安心してツールを運用できます。

サポート体制の充実度を確認する際は、自社の営業時間やツールの運用方法を考慮して、サービスのサポート範囲と相談受付時間が合っているかどうかをチェックしましょう。

AI OCR の理解を深めたいなら「はじめての機械学習」がおすすめ

電算システムでは、機械学習の概要や種類について解説している「はじめての機械学習」という資料を無料で提供しています。機械学習について情報収集をしていたり、導入の進め方を調べたりしている企業さまにおすすめの資料です。AI OCR をはじめとしたシステムを導入して、自社の業務効率化を図りたい企業さまは、以下のリンクから資料をダウンロードしてみてください。

はじめての機械学習

AI OCR を導入して業務効率化を進めよう

AI OCR は、画像内の文字情報をテキストデータへ変換できる機能に、AI技術を加えたツールです。AI OCR を活用すれば、AI技術によって文字の認識率を向上させながら、さまざまな帳票の項目を自動的に抽出できます。OCR とは異なり、機械学習によって文字情報の誤認を減らせるだけでなく、手書き文字でも高い精度でデジタル化が可能です。

しかし、AI OCR は、誤認を減らして文字認識の精度は上げられますが、認識率を100%にはできません。人の手による確認や修正作業は必要になるため、事前に理解しておきましょう。ただ、AI OCR は、決まった書式の帳票を多く利用している企業さまには、特におすすめで、自社の事業内容や特徴を踏まえて最適なツールを選べば、高い費用対効果が期待できます。

電算システムでは、機械学習の概要について詳しく解説している「はじめての機械学習」という資料を提供しています。AI OCR について理解を深めたい企業さまは、ぜひ一度資料をダウンロードしてみてください。

はじめての機械学習

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