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ETLツールを導入するための7つのポイントを紹介|
自社導入に役立つ最適な選び方6選も解説

 2023.10.10  2023.10.18

近年、データ活用の推進により多くの企業がデータの価値に注目しています。
そんな中、企業のデータ量は急激に増加しておりデータの種類や形式も多様化しています。
そのため、本当に必要なデータがどれかなどデータの整理・整頓に課題を感じるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
このような課題を解決するための有効な手段として「ETLツール」が注目されています。
ETLツールとは、企業が持つ様々なデータを自動で統合しBIツールなどに活用しやすくするためのツールです。

本記事では、ETLツールの導入メリットやポイント、ツールの選び方について解説します。
自社のデータを有効活用するためにETLツールの導入を考えている方、ETLツールがどのようなものか良く知らない方はぜひ参考にしてみてください。

ETLツールを導入するための7つのポイントを紹介|自社導入に役立つ最適な選び方6選も解説

ETLとは

ETLとは、「Extract:『抽出』」「Transform:『変換』」「Load:『格納』」の略語です。
データ統合時に発生する一連の処理であり、データフロー全体において中間的な位置を担っています。


具体的には、以下のような機能を備えています。

  • 抽出:データソースからデータを抽出する。
  • 変換:データの形式や構造を変換する。
  • 格納:データをデータウェアハウスやデータマートなどの目的の場所へ格納する。

また、ETLの特徴としてあらゆる「定型データ(構造化データ)」を活用できます。
定型データとは、あらかじめ決められた形式で保存されたデータのことです。表形式のデータ、数値データ、文字列データなどに値します。

一方、テキストデータ、画像データ、音声データ、動画データなどの「非定型データ(非構造化データ)」は、定型データに比べてデータの形式や内容がばらばらであることが多いため、ETLを介さずに直接活用・共有されたりするものとして利用されます。

ETLツールのイメージ図

ETLツールの導入で期待できる3つの効果

ETLツールを導入することは、企業に様々な効果をもたらします。
本章ではETLツール導入によって特に期待できる効果を3つ紹介します。

部分最適やサイロの集合体だった情報を連携

ETLツールは、データソースから対象のデータを抽出し統合することができるため、複数の情報システムのデータを統合することができます。

「サイロ」とは、組織内の複数の情報システムがそれぞれ孤立して情報が連携されていない状態のことを言います。システムのユーザーはデータを作る人とデータを使う人に分かれていますが、システムはデータを作る人に合わせるように最適化されています。
これが複数のシステムでそれぞれ用途や目的が異なるものであれば、データを使う人にとって必要な時に必要な情報を取得することが困難な状況に陥っています。
上記のような散在データという課題が改善されれば、より正確なデータ分析や活用が実現できます。

定型タスクの実行に要する時間を大幅に削減

定型タスクのような単純作業であれば、ETLツールに任せることで作業時間を大幅に短縮することができます。
ETLツールはデータ統合処理を自動化してくれるため、伝票の入力作業やデータの収集・加工作業など今まで手作業で時間をかけて行っていた作業を一部軽減したり丸ごとツールに任せたりすることが可能です。

作業の自動化は、データの誤操作・誤変換・喪失などのヒューマンエラーによるミスの発生を避けられます。また、作業時間の削減は作業効率や生産性の向上に繋がります。
また、上記の作業に割り当てていた時間をよりコアな業務に費やすことが可能です。

バラバラだった作業手順を標準化

ETLプロセスの自動化は、「誰が作業しても同じ手順で行える」ということも実現できます。
ETLプロセスは主にデータ統合のために行われるため、高度な知識を持ったエンジニアがプログラミングする必要がありますが属人化してしまいがちな作業も処理の自動化により解消されます。

属人化がなくなれば、担当者の異動時の引き継ぎトラブルや業務の滞りを防ぐことが可能です。また、導入時のノウハウを共有することで組織全体のスキルアップにも繋がります。

ETLツールを導入するための7つのポイント

ここまでETLツールについて解説しましたが、ETLツールに興味を持ちいざ導入するとなった際には事前に検討するべきポイントがいくつかあります。
本章ではETLツールを導入するためのポイントを7つ紹介します。

ETLツール導入の目的と目標をはっきりさせる

どのツールを使うかを考える前に、まずはETLツールを導入する目的と目標をはっきりさせましょう。
導入の目的と目標が明確であれば、自社のシステムにどのツールが適しているかも明確になり導入プロセスも効率的に行えます。

具体的には以下のような観点で整理しましょう。

  • 『目的』:ツールを導入して何を実現したいか(例:業務効率化、コスト削減、品質向上など)
  • 『目標』:その目的を実現するために何を達成したいか(例:業務時間を10%削減する、品質を10%向上させる)

すべての利用者が納得できる目的と目標を立てて、高いモチベーションがあるときに導入すれば導入の成功率は高くなります。
一方で、目的と目標があいまいなまま進めてしまうと必要な作業が漏れてしまったり、導入後の効果が感じられなかったりします。もしかしたら結局使われなくなるという可能性もあります。

ETLツールが補うシステム数やデータ量、処理に要している工数を調査する

現状のデータの状態は、導入に必要な機能や性能を判断するための材料です。
以下のデータを調査しておくと、ツール選定時の指標となるでしょう。

  • データの種類、量、形式、品質
  • データ量の増減値や変化の傾向
  • データの流れ
  • 対象システムの数
  • ETLプロセスの工数

さらに、上記の調査結果から潜在的な課題や問題を発見し解消するべきボトルネックを把握しておくと良いでしょう。

導入効果の仮説を立てる

導入への備えが十分であればあるほど、成功確率は高くなります。
前項で定義した「導入目的・目標」や「現状のデータの状態」から、以下を具体的にイメージできていると、導入効果を測定するための指標になり、客観的に評価することが可能です。

  • ツールがどのように活用されるのか
  • ツールがどのような機能を備えている必要があるのか
  • 現状の業務のどの部分を効率化できるのか
  • 導入後の運用や保守にどれくらいコストや人員がかかるのか

自社で利用しているDBやデータ形式の対応

ツールによって抽出できるデータの種類や形式、処理能力がそれぞれ異なります。
自社で利用しているデータソースを事前に把握しておき、それに対応しているツールであるかをしっかり調べておくと良いでしょう。

開発生産性や品質・保守性の向上

ETLプロセスという点で、ツールによる性能の差は大きくありません。
一方でETLツールによっては、開発をサポートしてくれる「上位機能」を備えた製品もあります。
そのため、開発という視点での課題を浮き彫りにしてそれを解消できるツールを探すというのも一つの手です。

例えばノンプログラミングやGUIによる開発は、プログラミングの知識がなくても開発できるようになります。テンプレートの活用や変換定義の部品化などの機能により、再利用してスムーズに開発することが可能です。
また、処理実行中に発生したエラーを自動的に検出・解決する機能や処理の変更履歴を管理する機能など保守作業を効率化することができる機能もあります。

誰にでも使いやすいツール

ETLツールは、ノンプログラミングで利用できる製品が多いです。
利用するには多大な習熟が必要ですが、導入のみならデータベース知識さえあればできてしまい専門的な知識がなくても簡単に利用できます。
ユーザーの知識レベルを把握しておくと、その人たちにとって使い勝手が良いものがツール選定時に1つの指標になるでしょう。
そのため、非エンジニアでも簡単に操作できるような使いやすいものを選びましょう。

チーム開発を支援する機能を備えている

導入に向けての開発に役立つ機能を活用することで、効率的なETL開発や運用を実現することも可能です。
前項よりETLツールには、チーム開発を支援する機能も多く存在しワークフロー管理やドキュメント管理、コラボレーション機能が備わっているものもあります。
このような上位機能を利用するには、ある程度のIT知識やスキルが必要になります。しかし、上手く活用すれば開発の効率化に繋がるためこちらが必要かどうかも考慮できれば良いでしょう。

ETLツールを選ぶ6つのポイント

前章では、導入前にあらかじめ検討するべきポイントについて紹介しました。
本章では、実際にETLツールを選ぶ際の選定ポイントについて6つ紹介します。

データ連携アダプタ・コネクタの種類

ETLツールにはツールごとに複数の連携アダプタやコネクタが用意されていますが、この種類が豊富なほどデータ連携がスムーズに行えます。
データソースからデータを抽出するには、アダプタやコネクタを利用します。アダプタやコネクタはデータソースやデータ形式ごとに用意されていて、製品によっては100種類以上用意されているものもあります。
そのため複数のデータソースと連携する場合、その分のアダプタやコネクタを持つツールが必要です。

処理可能なデータ量

ETLツールのデータ処理能力が、自社で扱うデータ量や処理工数に適したものを選びましょう。
ツールごとに一度に処理できるデータ規模や処理速度は異なります。
特に膨大なデータ量を処理する場合には、高速処理能力やスケーラビリティなどの機能が必要です。
そのため、自社のデータ量に対して処理パフォーマンスが高い製品であると、ETLプロセスの体感速度の改善を感じやすくなるでしょう。

インターフェイス(UI)の操作性

ETLツールはGUIで操作できるものが多く、直感的な操作で構築できるのが強みです。
一概にGUIと言ってもドラッグ&ドロップの操作のみで利用できたり、プレビュー結果が見やすいなど製品によって操作方法や機能は様々です。
そのため、ユーザーにとって親しみやすく使いやすいツールを検討できると良いでしょう。

専門知識がなくても使えるツールを選ぶ

ETLツールはほとんどの製品がノンプログラミングに対応しており、ITスキルやプログラミングの知識がなくても使うことが可能です。
前項で説明したようにGCUの直感操作で使えたり、一部機能をテンプレート化できる製品もあります。誰がツールを操作するのかを念頭に置いて、ユーザーに負担の少ないツールを選びましょう。

オンプレミス版では対応OSを確認する

オンプレミス版のETLツールを利用する場合、自社サーバーなどのハードウェアのOSに対応しているツールを選ぶ必要があります。
インストールする場合はWindows Server、Linuxのどちらに対応しているのかを確認しましょう。

また注意点として、オンプレミス版はクラウド版に比べて処理速度が遅くなってしまうことや、セキュリティ構成を確保しなければならないなどクラウド版とは異なる特徴があります。
上述の点も考慮しつつ、慎重に判断する必要があります。

連携できるサービス・処理可能なデータ量の確認

ETLプロセスに関して、現在自社で利用している他のサービスやツールがある場合それも連携できるETLツールを選ぶと良いでしょう。
またETLツールによく似たツールとして、「EAI(Enterprise Application Integration)ツール」があります。
EAIツールは異なるアプリケーション間でのデータ統合・連携が主な機能であり、リアルタイムデータの処理に適しています。
一方でETLツールは、日ごとや週ごと、月ごとなどの決まったタイミングでのデータ処理ができるため大容量データの処理という点で優れています。

上述のツール用途と自社の課題を照らし合わせてETLツールの方が導入に適しているのか、もしくは両方のツールを使い分ける必要があるかという点も考慮しておくと良いでしょう。

ETLツール導入の3つの注意点 

多くのメリットがあるETLツールですが、膨大な数のデータを扱うからには気を付けなければならない点もあります。
本章では、ETLツールを導入する上で注意すべき点を3つ紹介します。

専門知識が求められるツールもある

ETLツールはGUIやノンプログラミングで操作できる製品が多く、データ抽出・変換・格納などの作業は非エンジニアでも使いやすくなっているものが多いです。

ですが、中には操作感が難しいツールや、データの品質管理やセキュリティ設定などの高度な機能も存在します。
これらを使用するには、ある程度のITリテラシー・スキルやコーディングの知識が必要です。
知識のないまま開発を進めてしまうとデータ連携のパフォーマンス低下のみならず、システム全体に影響する可能性もあるため安易に使わないように気を付けましょう。

導入や学習に時間が必要

ETLツールの種類や規模、自社の状況によりますが、ツールの導入までに多少の時間がかかります。
どのETLツールを導入するか検討してから開発やテストを行って稼働するまで、十分な時間をかけて準備を行うことが重要です。
またオンプレミス版のETLツールを導入する場合は、ハードウェアやソフトウェアの調達や運用・保守体制の構築などの準備も必要です。

そしてツールを使う際も、始めは使い方を学習しなければなりません。ETLツールの機能や目的を理解して、操作方法を学びましょう。ETLツールのメーカーや販売会社により、サポートを提供している場合があります。
サポートを活用しETLツールの操作方法や機能の使い方などを学ぶことも知っておくと便利です。

コスト・時間がかかる

無料のツールも存在しますが、多くのETLツールでは利用するにあたってコストが発生します。
料金体系について、定額制や従量課金制など多岐にわたっています。
ツールによって使用感や操作感が異なり、コストが高ければ使える機能も多くマニュアルやサポートも豊富です。
利用するユーザーの知識や経験やETLツールに求める機能に合わせて、費用対効果の高いツールを選定する必要があります。

自社にあったETLツールでデータを活用しよう 

多くの企業には、蓄積されたまま有効活用されていないデータが眠っています。
ETLツールによるデータ連携処理の自動化は、処理業務における様々な面での効率化をもたらしてくれます。

現在データ分析を行う多くの企業でETLツールが採用されており、ツール自体も用途に合わせて様々な種類の製品が生み出されています。
その中から、自社に合ったツールを見つける必要があります。導入目的・目標やツールの操作性、処理性能、価格など、多角的な目線で比較検討し、ぜひ自社に適したETLツールを見つけてみてください。

また、ETLツールはGoogle Cloudと組み合わせることで、データ活用でより大きな効果を得られます。
Google Cloud(GCP)はGoogleがクラウドを介して提供しているサービスの集合体で、数多くのクラウドサービスの中でも特にデータ分析やAI/MLの分野に長けています。
ETLツールで抽出、変換したデータをBigQueryなどのデータウェアハウスに取り込むことで強力かつ高精度のデータ分析が実現できます。
またAI/MLサービスと組み合わせることで、データの抽出・変換・格納の自動化処理をさらに高度化することができます。
オンプレミス環境と比較した場合、ツールの運用・保守にかかるコストを削減することも可能です。

電算システムでは、Google Cloud(GCP)の概要や特徴をまとめた資料を無料で提供しています。サービスを活用するには、記事で述べた情報以上に細かい知識が必要です。より多くの情報を集めたい場合は、ぜひ以下の資料をダウンロードしてみてください。

本記事を読んでETLツールに興味を持った方やツールの導入を検討し始めた方がいましたら、今回ご紹介したポイントが導入時の参考になれば幸いです。

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執筆者紹介

高尾 隆一 氏
株式会社電算システム 高尾 隆一
入社5年目、ERPシステムの運用・保守を担当。Google Cloud の資格取得をきっかけに、Google Cloud の環境構築支援にも携わるようになる。
<保有資格>
・Associate Cloud Engineer
・Professional Cloud Developer
Google Cloud と 電算システムのご紹介

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