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Excelのデータ分析方法を4ステップで解説!
ツールの機能やおすすめのサービスも紹介

 2023.09.12  株式会社電算システム

ビジネスへのデータの活用について調べている方のなかには、どのような方法がよいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。データの活用に利用できるツールやアプリケーションは数多くありますが、身近なツールでデータの活用をしたい方には、Excelによるデータ分析がおすすめです。

この記事では、Excelのデータ分析のステップ、Excelの分析ツールの機能を解説します。Excelのデータ分析について詳しく把握できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

Excelのデータ分析には専用のツールが用意されている

Excelは、マイクロソフト社が開発した表計算ソフトです。グラフ作成やデータ集計など、データの分析に活用できる機能が数多く備わっています。特に、アドイン(新しい機能をソフトウェアに追加できるプログラム)の「分析ツール」を使いこなせば、業務改善やマーケティングの効率化が可能です。Excelでデータ分析をするメリットは、以下の通りです。

  • 分析データを共有しやすい:Excelは世界で広く利用されており、あらゆるサービスがExcelのファイル形式に対応しているため、分析データを共有しやすい
  • 人材育成コストを削減できる:Excelによるデータ分析のノウハウが、Web上にすでに蓄積されているため、社内の人材を一から育成する必要がない

また、アドインの「分析ツール」、VBA(Microsoft Officeのソフトウェアの拡張機能)、マクロ機能を組み合わせてデータ分析をすれば、業務の自動化にも活用できます。

Excelのデータ分析は4ステップ

Excelのデータ分析のステップは、以下の4つです。

  • データの下準備を行う
  • 分析ツールを有効にする
  • データを分析する
  • 分析結果を可視化する

ステップを確認して、実際にどのようにしてデータ分析をするのか把握しましょう。

データの下準備を行う

最初に行うのは、業務データの収集です。データ分析に必要な情報を特定・取得して、Excel上に集めます。業務データを収集する際に、必要なデータ項目が不足していたり、なかったりする場合は、正確な分析ができません。必要なデータが十分に集まれば、より信頼性の高いデータ分析が可能です。業務データを収集した後は、データクレンジング(※1)をします。

※1. データクレンジング:データの未入力、誤記、重複などの修正作業

分析ツールを有効にする

アドインである「分析ツール」を有効にするステップは、以下の通りです。

  1. 「ファイル」タブを開いて「オプション」をクリックする
  2. 「アドイン」カテゴリをクリックする
  3. 「管理」一覧から「Excel アドイン」をクリックして「設定」を開く
  4. 「有効なアドイン」一覧の「分析ツール」のチェックボックスをクリックして、有効にする
  5. 「OK」ボタンを押して設定を完了させる

「有効なアドイン」一覧に分析ツールが表示されない場合は「参照」をクリックします。また、分析ツールがパソコン上にない場合は、インストールしましょう。

データを分析する

データ分析のステップは、以下の通りです。

  1. 「データ」タブを開いて、メニュー右側にある「データ分析」をクリックする
  2. ダイアログボックス(表示される設定画面)の一覧から、目的の分析機能を選び「OK」ボタンを押す
  3. 分析するデータの指定(方向や範囲)と出力オプションの設定を行って、データ分析を実行する

データ分析の結果は、指定したシートやブックで出力可能です。

分析結果を可視化する

出力された分析結果は、意思決定者やほかの従業員と共有しやすい形に加工します。分析結果を加工すれば、より正確にデータを共有できて、現状把握や事業予測に活用しやすくなります。データ分析の種類によって、適切なグラフ(円・折れ線・チャート・散布図・マップなど)は異なるため、内容に応じて選択しましょう。

Excelの分析ツールの機能9選

Excelの分析ツールの機能は、以下の9つです。

  • 基本統計量
  • 順位と百分位数
  • ヒストグラム
  • 関連性の分析
  • 回帰分析
  • フーリエ解析
  • 時系列分析
  • 統計学的検定
  • 補助機能

Excelの分析ツールを使えば、基本統計量をはじめとした19種類の分析ができます。また、データをグラフや表形式で表示して、データの可視化も可能です。それぞれの機能を確認して、どのようなデータ分析ができるのかを把握しましょう。

基本統計量

「基本統計量」とは、データの特徴を要約した情報です。基本統計量には、代表値と散布度の2つの区分があります。代表値は、データ分布を1つの数で示す値を指しており、散布度は、データ分布のばらつきの大きさを示します。基本統計量の機能によって取得できるデータは、以下の通りです。

データの基礎情報:データの範囲・最小・最大・合計・個数
平均:データの合計をデータの数で割って求められる値
標準誤差(精度):推定量のばらつきを示す値
中央値:データの真んなかの値
最頻値:データ上で最も出現する値
標準偏差:データのばらつきを示す値
分散:平均値からの散らばりを示す値
尖度:正規分布(※1)に対してどの程度縦に偏っているかを示す値
歪度:正規分布に対してどの程度横に偏っているかを示す値

※1. 正規分布:データが出現する確率の一覧である確率分布の標準的なもの

順位と百分位数

「順位と百分位数」の機能では、データの順位と百分位(最小の標本を0、最大の標本を100とする指標)の表を作成できます。データ値の相対的な位置を分析できる機能です。

ヒストグラム

「ヒストグラム」では、グラフで度数分布表を表現できます。度数分布表は、特定の範囲ごとにデータを区切って、範囲に属する数の散らばりを示した表です。ヒストグラムの機能によって、対象となるデータの出現頻度を計算できます。分布への表現に優れており、全体像の把握や異常なデータの発見に役立つ点が特徴です。ヒストグラムの機能は、主に購買データや顧客データに使用されます。

関連性の分析

「関連性の分析」は、ある2種類のデータに影響や関係があるか調べられる機能です。データをもとに関係性のある項目を見つけたり、関係性を証明したりできます。「関連性の分析」には、共分散と相関の2種類があります。2種類それぞれの特徴は、以下の通りです。

  • 共分散:データの大きさに影響を受ける
  • 相関:データの大きさに影響を受けず、正確にデータ間の関連性を分析できる

共分散は値の範囲が定まっていないため、場合によっては値が100以上になる可能性もありますが、相関は、値が-1〜1になります。

回帰分析

「回帰分析」は、データの因果関係が調べられる機能です。分析をもとに導いた回帰式(因果関係を示す数式)に数値を代入して、予測ができます。回帰分析は、相関関係ではなく、因果関係(原因と結果)を分析する機能です。回帰分析と「関連性の分析」を併用すれば、擬似相関(相関はあっても因果はない状態)を排除して、データ分析の解釈違いを減らせます。

フーリエ解析

「フーリエ解析」は、変換によって線形システム(単純な変数と係数によって表現できる数式)の解を求められる機能です。 逆変換という変換データを元に戻す機能も利用できます。フーリエ解析を使えば、信号や波形(光・音波・振動など)の複雑な関数を分解して、単純化できます。工学(信号処理・制御)や、物理・化学(スペクトル解析)などのさまざまな分野に活用できる機能です。

時系列分析

「時系列分析」は、過去のデータをもとに将来の値を予測できる機能です。時系列分析には、移動平均と指数平滑の2種類があります。2種類それぞれの特徴は、以下の通りです。

  • 移動平均:一定期間の過去のデータ平均値から、将来の期間の値を予測できる
  • 指数平滑:以前の期間の予測から、誤差を調整した値を予測できる

時系列分析は、在庫や売上の傾向を予測する際に役立ちます。

統計学的検定

「統計学的検定」は、事前に立てた仮説が正しいかどうか検証する手法(いわゆる検定)ができる機能です。背理法(※1)で何かを証明する場合に活用されます。統計学的検定には、多くの検定方法があります。統計学的検定の代表的な検定方法は、以下の通りです。

  • t検定:2種類のデータの平均を比べる際に使う検定方法
  • F検定:2種類のデータのばらつきが同じかどうか判断する際に使う検定方法
  • z検定:2種類のデータのばらつきが判明している場合に使う検定方法
  • 分散分析:3種類以上のデータの平均を比べる際に使う検定方法

※1. 背理法:ある主張を証明するために、主張が誤っていると仮定して、矛盾を導く証明方法

補助機能

Excelの分析ツールには、補助機能として「乱数発生」と「サンプリング」という2つの機能があります。それぞれの特徴は、以下の通りです。

  • 乱数発生:分布(均一や離散など)によってランダムな値を生み出せる機能
  • サンプリング:入力範囲のデータから標本(※1)を抽出できる機能。データの規模が大きすぎて、グラフ化や統計処理が難しい場合に使用

標本:母集団(研究や調査の対象となるものの全体)から抽出した一部のデータ群のこと

Excelは大規模なデータ分析に向いていない

Excelの主となる機能は、表計算です。データ分析に活用できる機能は、あくまで副次的なものであるため、本格的な作業には向きません。また、Excelでは、データ処理をローカルで実行することから、パソコンのスペックが不足していると、数十万行のデータを処理できない場合があります。

パソコンにインストールするExcelとは別に、クラウド上で利用できるExcel Onlineというサービスもありますが、機能が一部制限されており、大規模なデータ分析には適していません。アドインの「分析ツール」では、因子分析(※1)や主成分分析(※2)といった扱えない分析方法もあります。可能となるデータ分析が限定される点でも、Excelによるデータ分析は、大規模または本格的なものには向きません。

また、企業や組織でデータ分析をする場合には、データ共有のしやすさが重要です。Excelは、クラウドサービスと比較して共有しにくいため、チームや部署などの複数人でのデータ分析には、不向きです。

※1. 因子分析:データにある複数の要素に共通する因子を調べる分析方法
※2. 主成分分析:たくさんの変数を持つデータを集めて、主成分(データにある特徴を示す要素)をつくる分析方法

より詳細なデータ分析を行うならGoogleの「BigQuery」がおすすめ

Excelの「分析ツール」では、データ分析に限界があります。本格的にデータ分析をしたい方には、Googleが開発した「BigQuery」がおすすめです。BigQueryは、Google Cloud上で提供されているデータウェアハウス(※1)で、サービスの導入によって、データドリブン経営(※2)を実現できます。

ほかのデータ分析クラウドサービスと比較して、処理が速く、可用性(※3)が高い点が特徴です。また、データの蓄積・加工・分析までのすべてを、BigQueryのみで実行できます。新規事業開拓や課題解決へのデータ利活用や、業務効率化に悩んでいる方は、ぜひBigQueryの導入を検討しましょう。

BigQueryの活用方法については、無料でダウンロードできる以下の資料で詳しく解説しています。BigQueryに興味のある方は、ぜひご覧ください。

※1. データウェアハウス:あらゆるシステムからデータを収集して整理するデータベース
※2. データドリブン経営:企業や組織の意思決定に、ビッグデータを活用する経営手法
※3. 可用性:障害が発生しても、システムを停めずに稼働できる能力

Excelでデータ分析を始めてみよう

Excelには、データ分析に活用できる専用ツールが備わっています。アドインである「分析ツール」は、専門知識がなくても活用できる点が特徴です。分析ツールの機能を、以下に記載します。

  • 基本統計量
  • 順位と百分位数
  • ヒストグラム
  • 関連性の分析
  • 回帰分析
  • フーリエ解析
  • 時系列分析
  • 統計学的検定
  • 補助機能

Excelには、データ分析に便利な多くの機能がありますが、扱えるデータ分析の規模や種類には、限界があります。より本格的で大規模なデータ分析をしたい方には、Googleの「BigQuery」がおすすめです。BigQueryには、データ分析に役立つ以下のような特徴があります。

  • 高速で処理できる
  • 可用性が高い
  • データの蓄積・加工・分析までを、BigQueryのみで実行できる

BigQueryを活用したデータドリブン経営について知りたい方は、無料でダウンロードできる以下の資料をご覧ください。

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