開発環境の構築や管理、チームでの共有に手間取っていませんか。Dockerは、そんな悩みを解決する画期的なツールです。
しかし、Dockerを初めて使う方にとっては、その仕組みやメリット、使い方が分かりづらいと感じるかもしれません。
そこで本記事では、Dockerの基本的な概念から主要コマンド、利用するメリット、注意点まで、分かりやすく解説していきます。Dockerの導入を検討している方や、基本を学び直したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。Dockerを使いこなせるようになれば、開発効率が大幅に向上し、より快適な開発ライフサイクルを実現できるでしょう。
Dockerとは?概要やできることを解説
開発環境の構築や管理、チームでの共有に手間取っていることはないでしょうか?
Dockerは、そんな悩みを解決する画期的なツールです。
Dockerは、アプリケーションとその実行に必要な環境をまとめてコンテナと呼ばれる独立した単位にパッケージ化します。これにより、環境の違いによる不具合を解消し、開発・テスト・本番環境間でのスムーズな移行を可能にします。
Dockerを使えば、アプリケーションの迅速なデプロイ、効率的なリソース活用、環境の再現性向上など、開発効率を大幅に改善できます。そこで本記事では「Dockerの基本的な構成」について解説します。
Dockerの概要
Dockerの概要としては、下記のような特徴があります。
- アプリケーションをパッケージ化して配布するためのオープンソースのプラットフォームです。Dockerを使用すると、アプリケーションをコンテナと呼ばれる軽量でポータブルなパッケージにパッケージ化できます。コンテナは、任意の環境で実行できます。
- アプリケーションの開発、テスト、デプロイを簡素化します。Dockerを使用すると、開発者はアプリケーションをコンテナにパッケージ化し、そのコンテナを任意の環境で実行できます。これにより、開発者はアプリケーションを開発環境からテスト環境や本番環境に簡単に移行できます。
- アプリケーションのデプロイを簡素化します。Dockerを使用すると、アプリケーションをコンテナにパッケージ化し、そのコンテナを任意の環境で実行できます。これにより、アプリケーションをデプロイする際の複雑さを軽減できます。
- アプリケーションの共有を簡素化します。Dockerを使用すると、アプリケーションをコンテナにパッケージ化し、そのコンテナを他の開発者と共有できます。これにより、アプリケーションの共有が簡単になります。
- アプリケーションのスケーリングを簡素化します。Dockerを使用すると、アプリケーションをコンテナにパッケージ化し、そのコンテナを任意の環境で実行できます。これにより、アプリケーションのスケーリングが簡単になります。
- アプリケーションのセキュリティを強化します。Dockerを使用すると、アプリケーションをコンテナにパッケージ化し、そのコンテナを任意の環境で実行できます。これにより、アプリケーションのセキュリティが強化されます。
Dockerは主に以下の5つの機能を持っています。
- コンテナの管理
- イメージの管理
- ネットワークの管理
- ストレージの管理
- セキュリティの管理
Dockerは、Linux、Windows、macOSで動作します。個人利用であれば、Dockerは、無料で使用できますが、業務で利用する際は課金が必要が必要となりますのでご注意ください。Dockerの詳細については、Dockerのドキュメントを参照してください。
Dockerでできること7選
Dockerは、アプリケーション開発、テスト、デプロイのライフサイクル全体を効率化する、様々な機能を提供します。
1. 環境の一貫性
Dockerを使用すると、開発、テスト、本番環境全体で一貫した環境を構築できます。これにより、"自分のマシンでは動いたのに…"といった環境依存の問題を大幅に削減し、開発チーム全体の効率を高めます。
2. 迅速なデプロイ
Dockerコンテナは軽量でポータブルなため、アプリケーションのデプロイを迅速に行えます。新しいバージョンへの更新やスケーリングも容易になり、市場の変化への対応を加速させます。
3. リソースの効率的な利用
Dockerコンテナは、ホストOSのカーネルを共有するため、従来の仮想マシンよりも軽量です。これにより、限られたリソースでも多くのアプリケーションを実行でき、インフラコストの削減に貢献します。
4. マイクロサービスアーキテクチャ
Dockerは、マイクロサービスアーキテクチャの構築を支援します。個々のサービスをコンテナとして独立して開発・デプロイできるため、システム全体の複雑さを軽減し、柔軟性を向上させます。
5. 継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)
Dockerは、CI/CDパイプラインとの統合が容易です。コードの変更を自動的にコンテナ化し、テスト、デプロイすることで、開発サイクルを高速化し、品質向上に貢献します。
6. 開発環境の共有
Dockerを使用すると、開発環境をチームメンバー間で簡単に共有できます。これにより、環境構築の手間を省き、共同開発をスムーズに進められます。
7. レガシーアプリケーションのモダナイゼーション
Dockerは、レガシーアプリケーションをコンテナ化することで、最新技術との連携やクラウドへの移行を容易にします。既存の資産を有効活用しながら、システムの近代化を推進できます。
これらの機能により、Dockerは開発者から運用チームまで、幅広いユーザーにとって強力なツールとなっています。開発効率の向上、インフラコストの削減、柔軟性の向上など、様々なメリットをもたらし、現代のアプリケーション開発に欠かせない存在となっています。
【基礎】Dockerの4つの主要コマンドを解説
Dockerには、コンテナやイメージを操作するための主要なコマンドがいくつか存在します。
- docker build: Dockerfileを基にDockerイメージをビルドするコマンドです。
- docker run: Dockerイメージからコンテナを作成し、起動するコマンドです。
- docker ps: 現在実行中のコンテナの一覧を表示するコマンドです。
- docker push: ローカルで作成したDockerイメージを、Docker Hubなどのレジストリにアップロードするためのコマンドです。
これらのコマンドを理解することで、Dockerの基本的な操作が可能になります。より高度な操作を行うためには、他のコマンドも学習していく必要がありますが、まずはこれらの主要コマンドから使い始めてみましょう。
この後に記載するDockerにおける主要な構成要素を上記を基本としたコマンドで制御していきます。
Dockerファイル
Dockerファイルは、Dockerイメージをビルドするための設計図となるテキストファイルです。ここに記述された命令に従って、Dockerは自動的にイメージを構築します。
重要な構成要素(命令)
FROM: ベースとなるイメージを指定します。
RUN: コンテナ内で実行するコマンドを記述します。例えば、アプリケーションに必要なパッケージのインストールや設定ファイルの配置などを行います。
COPY: ローカルのファイルをコンテナ内にコピーします。アプリケーションのソースコードや必要なファイルをコンテナに持ち込む際に使用します。
CMD: コンテナ起動時にデフォルトで実行されるコマンドを指定します。
EXPOSE: コンテナが外部に公開するポートを指定します。
ENV: 環境変数を設定します。アプリケーションの設定などを柔軟に変更できるようにします。
重要性
- 再現性の確保: Dockerfileがあれば、同じ環境を何度でも再現できます。開発環境と本番環境の差異による問題を回避できます。
- 効率的なビルド: ビルドプロセスを自動化し、効率的なイメージ作成を可能にします。
- 共有とバージョン管理: Dockerfileを共有することで、チームでの開発がスムーズになります。また、バージョン管理システムで管理することで、変更履歴を追跡できます。
Dockerfileは、Dockerを活用する上で非常に重要な要素です。適切に記述することで、効率的で再現性の高い開発環境を構築できます。
Dockerイメージ
Dockerイメージは、コンテナを実行するための設計図のようなものです。アプリケーションの実行に必要なファイル、ライブラリ、依存関係などをまとめてパッケージ化しています。
・不変性
Dockerイメージは一度作成されると変更できません。この不変性により、同じイメージから作成されたコンテナは常に同じように動作することが保証され、環境による差異を防ぎます。
・レイヤー構造
Dockerイメージはレイヤー構造になっており、各レイヤーは変更の差分のみを保持します。これにより、イメージのサイズを効率的に管理し、ストレージ容量を節約できます。
・コマンド例
docker build -t myimage .:カレントディレクトリのDockerfileを基に、myimageという名前のイメージをビルドします。
docker images:ローカルに保存されているDockerイメージの一覧を表示します。
・重要性
Dockerイメージは、アプリケーションのポータビリティと再現性を高め、開発、テスト、デプロイを効率化するための基盤となります。Dockerを活用する上で、イメージの理解は欠かせません。
Dockerコンテナ
Dockerコンテナは、アプリケーションとその依存関係をすべてパッケージ化し、独立した実行環境を提供する軽量な仮想化技術です。従来の仮想マシンとは異なり、ホストOSのカーネルを共有するため、起動が速く、リソース効率が良いのが特徴です。
Dockerコンテナは、以下の要素で構成されます。
- Dockerイメージ: コンテナを作成するためのテンプレートとなるファイルシステムのスナップショットです。アプリケーション、ライブラリ、設定などが含まれます。
- Dockerコンテナ: Dockerイメージを元に実行されるインスタンスです。隔離された環境でアプリケーションを実行できます。
- Dockerfile: Dockerイメージをビルドするための手順を記述したテキストファイルです。
Dockerコンテナを操作するには、主に以下のコマンドを使用します。
docker run: Dockerイメージから新しいコンテナを作成し、起動します。
docker ps: 現在実行中のコンテナの一覧を表示します。
Dockerコンテナを利用することで、開発環境の構築やアプリケーションのデプロイを効率化できます。また、環境の再現性が高いため、開発者間での共有や、開発環境から本番環境への移行もスムーズに行えます。
Dockerレジストリ
Dockerレジストリは、Dockerイメージを保管、共有するための集中管理された場所です。Docker Hubのようなパブリックレジストリと、組織内で運用するプライベートレジストリがあります。
1.パブリックレジストリ
- Docker Hubが代表的
- 公式イメージやコミュニティが作成したイメージを公開、取得可能
2.プライベートレジストリ
- 組織内でDockerイメージを安全に保管、共有
- セキュリティやコンプライアンス要件に対応
3.主要な操作コマンド
- docker pull コマンドでイメージを取得
- docker push コマンドでイメージをアップロード
4.DockerレジストリとCI/CDパイプライン
Dockerレジストリは、CI/CDパイプラインにおいて重要な役割を果たします。CI/CDパイプラインでは、コードの変更が自動的にビルド、テストされ、Dockerイメージが生成されます。このイメージはレジストリにプッシュされ、デプロイ環境でプルされてアプリケーションが実行されます。レジストリを使用することで、一貫性のある環境を維持し、デプロイプロセスを効率化できます。
Dockerレジストリは、Dockerイメージの保管と共有を効率化し、CI/CDパイプラインとの連携により開発ワークフローを改善する重要なコンポーネントです。適切なレジストリを選択し、docker push/pull コマンドを活用することで、Dockerの利点を最大限に引き出すことができます。
パブリックレジストリ
パブリックレジストリは、Dockerイメージをインターネット上で公開し、誰でも自由に利用できるようにするための仕組みです。最も有名なパブリックレジストリはDocker Hubですが、他にも様々な選択肢があります。
メリット
- 手軽なイメージの共有と入手: 開発したイメージを公開したり、必要なイメージを簡単に見つけて利用できます。
- コミュニティとの連携: 他の開発者とイメージを共有し、フィードバックを得たり、共同開発を進めることができます。
- 学習リソース: 様々なアプリケーションのイメージが公開されているため、Dockerの学習や技術検証に役立ちます。
選択肢
- Docker Hub: 最大規模のパブリックレジストリで、豊富なイメージが公開されています。
- Google Container Registry: Google Cloud Platform上で利用できるレジストリです。
- Quay.io: Red Hatが提供するレジストリで、セキュリティ機能が充実しています。
- Amazon Elastic Container Registry: Amazon Web Services上で利用できるレジストリです。
重要な点
- セキュリティ: 公開するイメージには機密情報を含めないように注意が必要です。
- ライセンス: 利用するイメージのライセンスを確認し、適切に利用しましょう。
- メンテナンス: 利用するイメージが最新の状態に保たれているか確認しましょう。
パブリックレジストリは、Dockerのエコシステムを支える重要な要素です。適切に活用することで、開発効率の向上やコミュニティとの連携を促進できます。
プライベートレジストリ
一方、Docker Hubのようなパブリックレジストリとは異なり、プライベートレジストリは組織内でDockerイメージを安全に保管・共有するための仕組みです。機密性の高いアプリケーションや独自の環境設定を含むイメージを、外部に公開することなく管理できます。
メリット
- セキュリティ強化: 外部からの不正アクセスを防ぎ、重要なイメージを保護します。
- アクセス制御: 特定のユーザーやチームにのみイメージへのアクセスを許可できます。
- 帯域幅の節約: ネットワーク帯域幅を節約し、イメージのプル/プッシュを高速化できます。
- カスタマイズ性: 独自の認証・認可メカニズムやストレージバックエンドなどを実装できます。
選択肢
- Docker Registry: Dockerが提供するオープンソースのレジストリ実装。
- サードパーティ製レジストリ: JFrog Artifactory、Harbor、GitLab Container Registryなど、様々な機能やサポートを提供。
- クラウドプロバイダーのレジストリ: AWS ECR、Azure Container Registry、Google Container Registryなど、クラウド環境との連携が容易。
重要な点
- セキュリティ設定: 適切な認証・認可設定を行い、不正アクセスを防ぐ必要があります。
- バックアップ: 障害発生時に備え、定期的なバックアップが必要です。
- メンテナンス: レジストリのバージョンアップやセキュリティパッチの適用など、継続的なメンテナンスが必要です。
プライベートレジストリは、Dockerイメージの安全な管理と共有を実現するための重要なツールです。組織のニーズに合わせて適切なレジストリを選択し、セキュリティ対策を徹底しましょう。
Dockerコンテナを利用する4つのメリット
Dockerコンテナは、開発プロセスを効率化し、コスト削減にも貢献する様々なメリットを提供します。
1. アプリケーションを素早く実行できる: Dockerイメージには、アプリケーションの実行に必要な全ての要素が含まれているため、環境構築の手間を省き、迅速にアプリケーションを起動できます。
2. 他のパソコンと共有が簡単にできる: Dockerイメージはポータブルなため、チームメンバーや他の環境への共有が容易です。これにより、開発環境の再現性を高め、共同作業を円滑に進めることができます。
3. 開発環境の構築・統一ができる: Dockerを使用することで、開発、テスト、本番環境を統一し、環境差異による問題を回避できます。また、Dockerfileを用いることで、環境構築の手順をコード化し、再現性を確保できます。
4. 費用の削減につながる: 仮想マシンと比較して、Dockerコンテナは軽量でリソース効率が高いため、ハードウェアの使用量を削減し、コストを抑えることができます。
これらのメリットを活用することで、開発者は開発プロセスに集中し、より高品質なアプリケーションを迅速に提供できるようになります。
アプリケーションを素早く実行できる
Dockerコンテナは、アプリケーションを素早く実行できます。従来の仮想マシンと異なり、DockerコンテナはホストOSのカーネルを共有するため、OS全体を起動する必要がありません。これにより、コンテナの起動は数秒で完了し、アプリケーションの実行までの時間を大幅に短縮できます。
この迅速な起動は、開発サイクルの高速化に大きく貢献します。開発者は、変更をすぐにテストし、フィードバックを得ることができます。また、デプロイやスケーリングも迅速に行えるため、変化の激しいビジネス環境にも柔軟に対応できます。さらに、軽量なコンテナはリソースの使用効率も高いため、コスト削減にもつながります。
他のパソコンと共有が簡単にできる
Dockerコンテナは、アプリケーションをコンテナと呼ばれる軽量な仮想環境にパッケージングできます。これにより、アプリケーションの実行に必要な全ての環境(ライブラリ、設定ファイルなど)をコンテナ内にまとめて管理できます。
このパッケージングされたコンテナは「Dockerイメージ」という形で保存され、開発チームに配布することが可能です。配布先のPCでも、Dockerさえインストールされていれば、同じイメージからコンテナを作成し、全く同じ環境でアプリケーションを実行できます。
これにより、環境の違いによる不具合や、環境構築の手間を大幅に削減できます。開発チーム内でのスムーズな共有、さらには開発環境から本番環境への移行も容易になり、開発効率の向上に大きく貢献します。
開発環境の構築・統一ができる
従来の開発では、別のマシンに同じ環境を再現するには多数の手順が必要でした。操作ミスや手順の記憶違いなどのヒューマンエラーは、開発遅延に繋がる可能性がありました。
Dockerはこの課題を解決します。「Dockerイメージ」と呼ばれるイメージファイルを展開するだけで環境が構築できるため、複数人が関わる開発でも共通の開発環境を簡単に構築できます。環境全体が提供されるため、少ない手順で同じ環境を再現可能です。
さらに、環境のバージョンアップも簡単です。新しいイメージを作成し、それを展開するだけで、全ての開発環境を最新の状態に保てます。Dockerは、環境構築の効率化と統一性を高め、開発チーム全体の生産性向上に貢献します。
費用の削減につながる
従来のWebサービスやWebアプリケーション開発では、OSやバージョンごとに複数のサーバーを用意する必要がありました。しかし、Dockerを使用すると、1台のマシン上に複数の環境を構築できるため、サーバーやインフラのコストを大幅に削減できます。
Dockerはコンテナ技術を活用し、アプリケーションとその依存関係をまとめてパッケージ化します。これにより、各アプリケーションは独立した環境で動作し、他のアプリケーションやホストOSに影響を与えることなく実行できます。複数のコンテナを同一マシン上で実行できるため、従来のようにOSやバージョンごとに個別のサーバーを用意する必要がなくなり、効率的なリソース活用が可能になります。
結果として、ハードウェアやライセンス費用、運用管理コストなどを削減できるため、特に大規模なシステムや複数のアプリケーションを運用する場合に大きなメリットとなります。
Dockerコンテナを利用するときの2つの注意点
Dockerコンテナは効率的な開発環境を提供しますが、利用にはいくつかの注意点があります。
1. Dockerを使いこなすには、コンテナ技術や関連コマンドに関する知識習得が必須です。学習コストを考慮する必要があります。
2. Dockerは対応しているホストOS上でしか動作しません。利用環境によっては、OSのアップグレードや変更が必要になる場合もあります。
これらの注意点を理解した上で、Dockerのメリットを最大限に活かせるよう、適切な導入と運用を行いましょう。
1. 知識を身につける必要がある
Dockerコンテナは、従来の仮想化技術とは異なる新しい概念と仕組みを持つため、使いこなせるようになるには一定の学習期間が必要です。
Dockerfileの作成やイメージのビルド、コンテナの起動・管理など、基本的な操作を習得するだけでなく、ネットワーク設定やボリューム管理、セキュリティ対策など、より高度な知識も必要になります。
特に、Dockerfileはコンテナの基盤となる重要なファイルであり、適切に記述しなければ意図しない動作やトラブルを引き起こす可能性があります。独自のDockerイメージを構築する際には、ベースイメージの選択、依存関係の定義、環境変数の設定など、様々な要素を考慮する必要があります。
従来の仮想化技術は比較的単純な仕組みで理解しやすかった一方、Dockerはコンテナ技術を基盤としており、その仕組みや概念を深く理解しなければ、安全かつ確実に運用することは困難です。
Dockerの導入を検討する際には、これらの学習コストを考慮し、適切な教育体制やサポート体制を整えることが重要です。
2. 対応しているホストOSが必要
Dockerコンテナは、ホスト型やハイパーバイザー型の仮想化技術とは異なり、ホストOS上で直接動作します。そのため、Dockerを利用するには、対応しているホストOSが必要です。
従来の仮想化技術では、ゲストOS上にアプリケーションをインストールするため、ホストOSの種類に関係なく様々なOS上でアプリケーションを実行できました。しかし、Dockerはコンテナ技術を用いており、ホストOSのカーネルを共有して動作するため、ホストOSに対応していないアプリケーションは起動できません。
さらに、Dockerは同一のOSから複数のコンテナを作成するため、異なるOS環境での検証が必要な場合は、別のマシンや仮想マシンを用意する必要があります。これは、従来の仮想化技術ではゲストOSごとに異なる環境を構築できたのに対し、DockerではホストOSに依存するため、柔軟性に欠ける点と言えるでしょう。
Dockerを利用する際は、これらの制約を理解し、適切なホストOSを選択する必要があります。対応OSやバージョンについては、公式ドキュメントを参考に最新情報を確認しましょう。
Google CloudでDockerコンテナの仮想化をしよう
Dockerは、1台のサーバー上で様々なアプリケーションを手軽に仮想化・実行できるようにする技術です。従来の仮想化技術とは異なり、ホストOSのカーネルを共有して利用するため、より軽快に動作するのが特徴です。
Dockerを利用することで、アプリケーションを素早く実行できる、他のPCと簡単に共有できるなどのメリットがあります。一方、新しい技術であるため、使いこなすにはある程度の知識習得が必要となります。
Google Cloudでは、Dockerコンテナをさらに便利に活用するためのサービスを提供しています。その一つが、Dockerコンテナをサーバレスで実行できる「Cloud Run」です。Cloud Runを使えば、どんな言語で書かれたアプリケーションでも、Dockerコンテナ化することで非常に簡単にデプロイ・実行できます。
Google Cloudには、Cloud Run以外にも、効率的なアプリケーション開発・運用を支援する様々なサービスが用意されています。これらのサービスを活用することで、開発者はインフラ管理の負担を軽減し、より創造的な業務に集中できます。
特にGoogle Kubernetes Engine(GKE)は、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理を自動化するオープンソースのKubernetesプラットフォームをGoogle Cloud上で簡単に利用できるようにしたサービスです。弊社の別ブログでも紹介していますので、ご参考とされてください。
もしGoogle Cloudの導入を検討されているなら、ぜひ電算システムにご相談ください。Google Cloudの専門知識を持つエンジニアが、お客様のビジネスを次のステージへと導くお手伝いをいたします。詳細については、ぜひ下記のページをご覧ください。
資料請求はこちら
DockerとGoogle Cloudの連携により、開発環境はさらに進化します。ぜひこの機会に、最新の技術を活用し、ビジネスの成長を加速させてください。
執筆者紹介
<保有資格>
・Associate Cloud Engineer
・Professional Cloud Architect
・Professional Data Engineer
・Professional Cloud Database Engineer
・Professional Cloud DevOps Engineer
・Professional Cloud Developer
・Professional Cloud Security Engineer
・Professional Cloud Network Engineer
・Professional Workspace Administrator
・Professional Machine Learning Engineer
・Google Certified - Professional ChromeOS Administrator
・Amazon Web Services Certified - ANS/SAA/DVA/SOA
・Microsoft Certified: Azure Fundamentals
- カテゴリ:
- Google Cloud(GCP)
- キーワード:
- docker コンテナ