「クラウド」という言葉自体はよく耳にするものの、クラウドの意味を説明するとなると、言葉に詰まってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか?クラウドは我々の日常生活に欠かせない技術ですが、IT業界従事者を除くと、クラウドについて深い知識を有している人はそれほど多くありません。
そこで本記事ではクラウドの意味から注目される背景、そしてクラウドを使用するメリット・デメリットについて解説します。IT初心者の方でも簡単に理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
クラウドとは?注目される背景や今後の動向を解説
クラウドとはどのようなものなのでしょうか?クラウドの概要から普及状況まで解説します。
クラウドの意味
クラウド(クラウド・コンピューティング)とはネットワーク経由でサービスをユーザーに提供する形態を指します。従来はソフトウェアなどを使用する際、手元のPCなどにインストールして使用することが一般的でした。
しかし、クラウドを利用することでユーザーがPCにソフトウェアなどをインストールすることなくインターネット上で、サービスを必要な時に必要な分だけ利用することが可能になりました。
クラウドが注目される背景
クラウドが注目される代表的な背景として、
- リモートワーク、在宅勤務など働き方の多様化への注目
- BCP対策として災害時などでも事業をスムーズに継続する重要性の高まり
が挙げられます。
前者に関して、新型コロナ感染症の影響もあり、リモートワークなどの多様な働き方のニーズが増加しました。会社外においても出社時と同じ働き方が求められるようになったため、クラウドサービスへの注目が集まる背景の1つとなりました。
また後者に関して、日本が災害大国である点もクラウドへの注目が集まっている背景の1つです。クラウド上のデータはオフィスとは別の場所にあるデータセンターに保管されているため、オフィスが損害を受けても重要なデータなどは守られます。災害時に社外のどこからでもインターネットを通じてサービスにアクセスできる点もクラウドがBCP対策に貢献できるポイントです。
今後のクラウドの利用動向
クラウドを活用する企業は年々増加しています。
総務省の発表している通信利用動向調査報告書(企業編)によると、令和元年と令和3年を比較した際に「全社的に利用している」「一部の事業所または部門で利用している」という2つの層を合計したポイント数は5.7ポイント増加しています。令和3年時点でクラウド利用企業の割合は約7割であり、近年の増加ペースをみると、今後も一定普及していくと想定されます。
またクラウドの導入理由として「場所、機器を選ばずに利用できるから」という回答が増加しており、コロナ禍以降では働き方の多様化に対応する企業の姿勢が見て取れます。
参照元:総務省 | 令和3年通信利用動向調査報告書(企業編)
クラウドの種類
クラウドには以下のように複数の種類があります。
- Saas(Software as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
- IaaS (Infrastructure as a Service)
本章では各種類に対する解説と具体的な製品を紹介します。
SaaS(Software as a Service)
Saas(Software as a Servece)とはユーザーにクラウドベースのソフトウェアを供給するサービスです。
Saasの具体的な製品としてSalesforce、Hubspot、GoogleWorkspace、サイボウOffice、Microsoft365などが挙げられます。
Saas製品はエンジニア以外の職種の方にとっても使用頻度が高く、馴染みのある製品も比較的多い傾向があります。
混同されやすいMicrosoft365とGoogle Workspace のSaaS製品比較を以下の資料にて解説しておりますので、興味のある方は参考にしてください。
→Google WorkspaceとMicrosoft 365で悩んだらまず読もう
PaaS(Platform as a Service)
PaaS(Platform as a Service)とはアプリケーション実行のためのプラットフォームがインターネット上で利用できるサービスです。
アプリケーションの開発・実行環境で利用するサービスであるため、Saasと比較してエンジニア以外の職種の方は馴染みが薄い傾向があります。
Paasの具体的な製品としてAmazon Web Services、Microsoft Azure、GoogleCloud(GCP)などが挙げられます。
IaaS (Infrastructure as a Service)
IaaS(Infrastructure as a Service)は仮想化技術を利用してCPUなどのデジタルインフラをインターネット経由で提供するサービスです。
Iaasの具体的な製品としてAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud などが挙げられます。Paas製品と同じ製品構成であり、これらの製品はPaasとしての機能とIaasとしての機能の両方をあわせもっています。
Saas、Paas、Iaasの違い
(図解イメージ)
アプリ開発を行うにあたって必要な要素はアプリケーション、ミドルウェア、OS、ハードウェア、ネットワークの5階層あります。
どの階層までをサービスとして提供するかによって、Saas、Paas、Iaasという呼び方が変わります。
Saasは5階層すべて提供するのに対し、Paasはアプリケーションを除いた4階層(ミドルウェア・OS・ハードウェア・ネットワーク)、Iaasは3階層(OS・ハードウェア・ネットワーク)までを提供する点が大きな違いです。
クラウド導入による4つのメリット
クラウド導入は企業に様々なメリットをもたらします。
本章ではクラウド導入の代表的な4つのメリットを紹介します。
導入・運用コストが抑えられる
企業がシステムを管理する際には導入時のイニシャルコストと運用時のランニングコストがかかります。クラウドサービスはイニシャル・ランニングコスト双方の削減に繋がります。
まず、クラウドを導入するとすべて自社でシステム開発するパターンと比較して開発工数が抑制され、イニシャルコストが抑えられます。
また、稼働中もクラウドサービス提供事業者がメンテナンスを行うため、システム維持にかかる人件費などのランニングコストが削減可能です。
さらに、従量課金のため、利用量に応じての課金である点からも必要以上にコストがかからず、クラウド導入は全般的にコストを抑制することに繋がります。
システム構築の時間を短縮できる
システムを自社ですべて開発すると膨大な時間を要します。一方、クラウドサービスを利用すれば、システム構築が不要になるため素早く運用を行うことが可能です。
またすべてのサービスをクラウドサービスに切り替える必要はなく、自社開発とクラウドを使い分けシステムを構築を行うことも可能です。これによりすべて自社でサービス開発を行う際と比較して費用面・時間面でより効率的なシステム管理を行うことが可能です。
ユーザー側でのメンテナンスが不要になる
従来のように自分のPCやハードウェアにデータを保存している場合、定期的なメンテナンスが必要になります。一方、クラウドサービスでは運営元がメンテナンスを実施するため、ユーザー側でのメンテナンスが不要です。
まずクラウドサービス提供事業者側がメンテナンスを行うことでユーザーの工数削減に繋がります。またサービス提供事業者側が一括でメンテナンスを実施することにより、メンテナンス漏れによるインシデント発生などを防ぐことが可能でリスクの軽減にも繋がります。
場所を問わずサービスを利用できる
スマホなどの端末と、インターネット環境があればクラウドサービスはアクセス可能で、離れた場所でもサービス利用が可能です。場所を問わず、社内システムの利用やデータ共有が可能になるので、リモートワークなどの多様な働き方の実現に貢献します。
さらに、災害発生時にどんな場所からもサービスにアクセスできることは重要な点ですので、クラウドサービスの利用はBCP対策の観点からも有効です。
クラウド導入による4つのデメリット
クラウド導入のメリットについては先述しましたが、同様にデメリットも存在します。本章では代表的な4つのデメリットをご紹介します。
カスタマイズが難しい
クラウドサービスは自社で構築したシステムと比較して、カスタマイズに制限があります。クラウドサービスは業界のベストプラクティス(業界標準)をもとに構築されることが多く、自社の要件として反映するべき機能があったとしても、必ずしも機能搭載できるとは限りません。
ただ、最近はカスタマイズがある程度自由にできるサービスなども一定数存在しているため、自社に適したクラウドサービスを選ぶことでカスタマイズの問題も事前にある程度解消することが可能です。
自社システムと連携できない可能性がある
クラウドサービスの中には自社システムと互換性がなく、連携できないものが存在する可能性があります。システムを構築・導入する際に単体での要件は整理されますが、複数システムを跨いだ要件定義は見落とされがちです。
クラウドサービス導入後に自社の主要システムとの連携でつまづかないためにも事前に入念な調査を行うと安心です。
ネットワーク障害に弱い
ネットワークを介してクラウドサービスは利用します。そのため利用するネットワークに障害が発生した際に、重要なデータへのアクセスが出来なくなる可能性があります。
主要なデータは自社管理のサーバーで保存しておくなど、ネットワーク障害を見越した日ごろの準備が必要です。
サービス自体が終了する可能性がある
クラウドサービスの競争も激化しており、合併や売却などに伴いサービス自体が終了する可能性があります。サービス終了の際には他サービスへの乗り換えなどの対応が別途必要になる点を、担当者は認識しておくことが重要です。
そのため自社のコア業務など停止できない業務範囲についてはクラウドサービス選定の際も慎重に検討を進める必要があり、どこまでの業務範囲をクラウドサービスで賄うのかは他部署も含めて事前に認識合わせをしておくと安心です。
自社に合うクラウドサービスの選定が重要
働き方の多様化などが注目されており、今後ますますクラウドサービスは普及すると考えられます。クラウドサービスの導入にはいくつかのハードルもありますが、技術の発展に伴い徐々に解消されてきており、多くのメリットを享受できます。
ただ、クラウドサービスの導入自体が目的になるのではなく、あくまで自社の課題感に合わせて手段として適切なクラウドサービスを選定することが重要です。
以下の資料では代表的なクラウドサービスであるGoogleCloud(GCP)の概要やGoogleCloud内のサービスについて詳しく解説しています。クラウドサービスの導入を考えている方はぜひ参考にしてください。
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