Google Vidsは、生成AIのサポートによって動画作成を効率化できるGoogleのアプリケーションです。動画作成スキルのない方でもクオリティの高い動画を短時間で作成でき、ビジネスに活用できます。
Google Vidsを利用すれば、外部に動画作成を依頼しなくても、営業用のプレゼンテーション資料やPR動画を作成できるため、自社のマーケティング活動を強化できます。動画を使ってより効果的な営業資料やPRコンテンツを作成したい方は、Google Vidsの導入を検討してみましょう。
この記事では、Google Vidsの概要や利用料金、メリットなどを解説しています。Google Vidsの使い方や活用事例も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
Google VidsとはAI搭載の動画作成アプリケーション
Google Vidsは、効率的に動画作成が可能なGoogleが提供するアプリケーションです。Google WorkspaceやGemini for Google Workspaceに含まれるアプリケーションの1つで、動画制作が初めての方でも、簡単にクオリティの高い動画を作成できます。
Google Vidsの特徴は、Googleが開発した生成AI「Gemini」のサポートによって、企画や脚本の作成といった動画撮影以外のタスクを大幅に効率化できる点です。2024年にサービスが公開され、現在は段階的にアクセスが提供されています。
Google Vidsの利用料金
Google Vidsへのアクセスが段階的に提供されている都合で、ユーザーによってはサービスを利用できない場合があります。仕事で活用するためにGoogle Vidsで動画を作成する場合は、Google WorkspaceもしくはGoogle Workspace with Gemini への加入が必要です。それぞれの利用料金は、以下をご覧ください。
プラン名 | ユーザー1人あたりの月額(1年契約の場合) | |
Google Workspace | Business Standard | 1,360円 |
Business Plus | 2,040円 | |
Enterprise | 営業担当者に要問い合わせ | |
Gemini for Google Workspace | Gemini Business | 2,260円 |
Gemini Enterprise | 3,400円 |
Google WorkspaceのStarterプランを利用しているユーザーはGoogle Vidsを利用できないため、プランのアップグレードが必要です。
Google Vidsを利用する5つのメリット
Google Vidsは、仕事で動画を作成する人にとって役立つアプリケーションです。Google Vidsを利用するメリットは、以下の通りです。
- 自然言語で動画作成の指示を出せる
- テンプレートから動画を作成できる
- Googleドライブ上のファイルを活用できる
- 共同編集が可能
- Google Workspaceアプリとの連携が簡単
メリットを確認して、Google Vidsの理解を深めましょう。
自然言語で動画作成の指示を出せる
Google Vidsでは、作成したい動画の内容をプロンプトとして入力することで、Geminiに指示できます。Geminiは日本語に対応しており、入力されたプロンプトを自然言語処理によって正確に理解できるため、ユーザーの意図を汲み取った動画の作成が可能です。
「動画のアイデアはあるものの、うまく表現できない」と感じる方にとって、Google Vidsはその課題を解決する手助けになります。
テンプレートから動画を作成できる
Google Vidsには多くのテンプレートが用意されており、目的に応じて好きなものを活用できます。テンプレートを使えば、動画作成の経験がない方でも簡単にクオリティの高い動画の作成が可能です。また、動画作成にかかる時間も短縮されるため、業務の効率化にも貢献します。
Googleドライブ上のファイルを活用できる
Google Vidsでは、Googleドライブに保存されたファイルを活用して動画の作成が可能です。Google Vidsに動画ファイルとともにプロンプトを送れば、そのファイルをベースに新たな動画を作成してくれます。自分の持つファイルを利用すれば、プロンプトのみで一から作成するよりも、オリジナリティのある動画を生み出せます。
共同編集が可能
Google Vidsは、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメント、Googleスライドのように、複数人で1つのファイルを共同編集できる機能があります。また、動画ファイルの共有も簡単なため、Google Vidsの活用によってチーム内のコラボレーションの強化が可能です。
Google Vidsは、ファイルの共同編集や共有という便利な機能がありながら、セキュリティ対策に役立つ機能も備えています。例えば、ファイルのアクセス権限を簡単に設定でき、動画の閲覧や編集、コメントができるユーザーを細かく管理できます。また、ツール内に保存されたファイルはデフォルトで暗号化されるため、セキュリティの高い環境で安全に動画の作成が可能です。
Google Workspaceアプリとの連携が簡単
Google Vidsは、Google Workspaceの他のアプリケーションとシームレスな連携が可能です。例えば、Googleカレンダーとの連携で、会議や打ち合わせの招待状に動画を添付でき、Google Meetではビデオ会議中にリアルタイムで動画の作成・共有ができます。
Google Workspaceでは、Google Vidsをはじめとした優れたアプリケーションが利用できるだけでなく、アプリケーション同士の連携によって社内全体の生産性向上に大きく貢献します。Google Workspaceについてより詳しく知りたい方は、以下の資料をぜひご覧ください。
Google Workspaceの7つの特徴 | 株式会社電算システム
Google Vidsの使い方【シーン別】
Google Vidsは現在、段階的にリリースされているツールのため、AI機能やテンプレートなどの一部の機能は英語でのみ提供されています。そのため操作が難しいと感じる場合は、翻訳ツールを利用しながら活用すると良いでしょう。
ここではGoogle Vidsの基本的な使い方を解説します。基本操作方法を確認しながら、実際にツールを使ってみましょう。
新しい動画を作成する場合
Google Vidsで新しい動画を作成する場合の操作方法を、以下のステップ別に解説します。
- 動画の構成を作成する
- 動画スタイル・スクリプトを設定する
- 音声を設定する
- 必要に応じて画像や動画を追加する
動画の構成を作成する
Google Vidsで新しい動画を作成する際は、まず「テンプレート」もしくは「help me create」機能のいずれかを選んで初稿を作成します。その後、ユーザーが選んだ動画スタイルをもとに、Google Vidsがストーリーボードを自動で生成してくれます。
大まかな構成は、Geminiが設定してくれるため、動画作成に慣れていない方でも安心して作業が可能です。動画で使う素材をGoogle Vids recording studioで録画する場合は、以下のような操作ができます。
- 自分の動画録画を追加する
- ナレーション付きの画面録画を追加する
- 動画録画で画面録画を追加する
- ナレーションを追加する
動画スタイル・スクリプトを設定する
希望する動画スタイルを設定します。動画スタイルの設定後、スクリプトを作成して挿入すれば、実際にナレーションが加わった動画が再生されます。
音声を設定する
動画の音声を設定します。音声は、AIで生成された声もしくは自分の声を使用可能です。Google Vidsでは、自分の声を録音できるレコーディングスタジオ機能を利用できます。営業資料の説明動画を作成する場合は、レコーディングスタジオ機能を使って、自分の声で効果的に顧客へのアプローチが可能です。
必要に応じて画像や動画を追加する
Google Vidsで作成する動画には、新しい画像や動画の挿入もできます。自分の撮影した画像や動画を挿入して編集すれば、よりオリジナリティの溢れる動画を作成可能です。
既存の動画をコピーする場合
Google Vidsでは、ユーザーが保有する既存のファイルをコピーして、新しいバージョンや更新バージョンの動画を作成できます。既存ファイルをコピーして利用する手順は、以下の通りです。
- パソコンでGoogle Vidsを開く
- コピーしたい既存の動画をダブルクリックで開く
- 「ファイル」→「コピーを作成」をクリックする(Googleドライブから動画のコピーを作成する場合は、右クリックでメニューバーを開き「コピーを作成」をクリックする)
動画を編集する場合
Google Vidsでは、一般的な動画編集ソフトと同じく、動画の各シーンでテキストや画像、動画の追加、編集、形式の設定ができます。また、シーン間の切り替えのカスタマイズも可能です。Google Vidsで動画を編集する場合の操作方法を、以下のステップ別に解説します。
- ストックメディアを追加する
- テキストやオブジェクトを追加する
- 音声を追加する
- トランジションを追加する
ストックメディアを追加する
Google Vidsでは、動画に画像や効果音、音楽などのストックメディアを自由に追加できます。利用できるストックメディアには、以下のようなものがあります。
- 画像
- 動画
- 効果音
- 音楽
- ステッカー
- GIF
動画にストックメディアを追加する手順は、以下の通りです。
- サイドバーでストックメディアアイコンをクリックするもしくは、画面上部の「挿入」にあるストックメディアのアイコンをクリックする
- 検索バーに検索キーワードを入力して、ストックメディアにあるコンテンツを検索する
- キャンバスに追加したいコンテンツをクリックする
- 追加したコンテンツの位置をカスタマイズする
コンテンツを検索する際に、すべてのストックメディアを対象に検索したい場合は、検索バーに検索キーワードを入力した後、種類を「すべて」のままにします。コンテンツにフィルタをかけて検索したい場合は「すべて」をクリックして、プルダウンから希望のメディアタイプを選択しましょう。
テキストやオブジェクトを追加する
動画のシーンにテキストやオブジェクト(線や図形)を挿入する手順は、以下の通りです。
- テキストボックスもしくはオブジェクトを追加したいシーンを選択する
- サイドバーにある「テキスト」もしくは「図形と線」をクリックする
- シーンに挿入したいテキストもしくはオブジェクトをクリックする
挿入したテキストやオブジェクトを動画から削除する際の手順は、以下の通りです。
- 削除したいテキストボックスもしくはオブジェクトをクリックする
- 「Deleteキー」をクリックする
音声を追加する
Google Vidsで、動画に音声を追加する手順は、以下の通りです。
- タイムライン内から音声を追加したいシーンをクリックする
- サイドバーにある「マイメディア」をクリックするもしくは、画面上部にある「マイメディアの挿入」をクリックする
- 「マイメディア」パネルで追加したい音声ファイルを選択する
トランジションを追加する
Google Vidsで、トランジション(場面転換に用いるエフェクト)を追加する手順は、以下の通りです。
- 画面下部の2つのシーンの間にある「トランジション」をクリックする
- トランジションサイドバーからトランジションの種類を選択する
- アニメーションの継続時間を変更したい場合は、継続時間スライダーをドラッグして調整する
Google Vidsにおける3つの活用事例
Google Vidsは、誰でも短時間でクオリティの高い動画を作成できるため、さまざまな目的に活用できます。時間やコストの都合で今まで動画を作成できなかったという方でも、手軽に取り組むことが可能です。
ここでは、Google Vidsの活用事例を紹介します。自社でのツールの活用方法を具体的にイメージしてみましょう。
社内研修用動画の作成
Google Vidsを活用すれば、企業の研修やオリエンテーションの内容を手軽に動画にできます。動画では、音声とともに視覚的にわかりやすく自社の事業内容や歴史、業務プロセスなどを伝えられるため、効果的に研修を進められます。
プロモーションビデオの作成
Google Vidsでは、自社のサービスや商品のプロモーションビデオも簡単に作成可能です。インパクトのある動画も短時間で作成できるため、効率良く効果的なプロモーションビデオを作成できます。
新商品やイベントの告知など、あらゆるマーケティング活動において、Google Vidsで作成した動画が役立ちます。
プレゼンテーション資料の作成
Google Vidsは、動画によるプレゼンテーション資料の作成も可能です。例えば、営業目的で自社のサービス内容や過去の実績などを紹介したプレゼンテーション資料を作成すれば、情報をわかりやすく顧客に伝えられます。また、資料をページごとに解説する手間がなくなるため、営業担当者の負担も大幅に軽減できます。
Google Vidsで動画作成の効率性を向上させよう
Google Vidsは、Googleが提供する、誰でも手軽にクオリティの高い動画を作成できるアプリケーションです。撮影以外の作業をAIのサポートによって効率化できるため、時間と労力のかかる動画作成の業務を大幅に効率化できます。
プロンプトの入力や用意されたテンプレートの活用によって簡単に動画を作成できるため、専門スキルがない方でも扱いやすいのが特徴です。自社のマーケティング活動や研修資料の作成などで動画の活用を検討している方は、ぜひGoogle Vidsを利用してみましょう。
生成AIは動画作成以外にも、あらゆる業務の効率化やアイデア創出に役立ちます。生成AIの業務への活用を考えている方は、以下のページからダウンロードできる資料をぜひご覧ください。資料では、生成AIに関するレポートやトレンド予測をわかりやすく解説しています。
監修者

<保有資格>
・Professional Data Engineer

- カテゴリ:
- Google Cloud(GCP)
- キーワード:
- Google Vids