Gmailを利用していると、使い方や設定環境によってはメールが届かないケースがあります。このような問題を放置した場合、メールの見落としや確認漏れにより、取引先とのトラブルに発展する可能性も考えられるでしょう。
Gmailのメールが届かないのは、受信者・送信者側のそれぞれに原因があります。そのため、さまざまなケースの原因を理解したうえで、適切な対策方法を押さえることが大切です。
本記事では、Gmailのメールが受信できない原因と解決策を、受信者・送信者側のそれぞれの視点で解説します。Gmailで発生している問題をスムーズに解決したい方は、ぜひ参考にしてください。
Gmailのメールが受信できない場合の受信者側の原因と解決策
Gmailのメールが受信できないのは、受信者側の原因と送信者側の原因の両ケースが考えられます。まずは受信者側の原因について解説します。
迷惑メールフォルダやアーカイブにメールが届いている
Gmailは受信トレイ以外にも、迷惑メールフォルダやアーカイブなど、さまざまな受信フォルダが存在します。場合によっては自動的に受信トレイ以外のフォルダにメールが届くこともあります。すると、受信トレイにメールが表示されず、その存在に気付かないケースも珍しくありません。
例えば、正式な送信サーバーを経由せずに送られたメールや、不審なURLが掲載されたメール、過去に手動で迷惑メールに設定したメールなどは、自動で迷惑メールフォルダに格納される仕組みです。
誤ってメールを削除してしまったと勘違いしやすいため、受信トレイ以外のフォルダも定期的にチェックすると良いでしょう。過去に手動で迷惑メール設定を行った場合は、受信メールの三点リーダをクリックし、[「○○」さんのブロックを解除する]を選択するのも一案です。
フィルタやラベルが設定されている
Gmailにおけるフィルタとは、特定の条件によって受信メールを絞り込む機能で、ラベルは特定のテーマごとに受信メールを分類・格納する機能を指します。両者の機能を利用することで、一定の条件を満たした受信メールのみを専用のラベルスペースで管理できます。
また、フィルタとラベルの両方を設定した場合、特定のラベルスペースにメールが自動的に振り分けられます。この際、受信トレイをスキップしてラベルスペースに格納する設定を行っていると、受信トレイにメールが表示されません。確認漏れのリスクが高まるという場合は、この設定を解除しましょう。
画面右上の設定アイコンをクリックし、[すべての設定を表示]を選択します。
画面上部のタブを[フィルタとブロック中のアドレス]に切り替えると、設定済みのフィルタ一覧が表示されます。[処理:受信トレイをスキップ]に設定されているフィルタの[編集]をクリックし、スキップしない設定に変更しましょう。
Googleアカウントの容量が足りない
Gmailのストレージ容量はGoogleアカウント全体でカウントされる仕組みです。Gmailで受信したメール以外にも、GoogleドライブのファイルやGoogleフォトの画像も使用容量に含まれます。無料版の場合、1ユーザーあたり15GBまでしかデータを保存できないので注意が必要です。
Googleアカウントのストレージ容量は、Googleドライブ上で確認できます。Googleドライブにアクセスし、メニューバーの表示を確認しましょう。
ストレージの空き容量を解放するには、不要なメールやファイル、画像などを削除します。ゴミ箱からデータを完全に削除することで、その分の容量が解放されます。
また、有料版のGmailやGoogleドライブ、Google Meetなどが利用できるGoogle Workspaceに登録するのも一案です。有料版にアップグレードすると、ユーザー1人あたりのストレージ容量が30GB~5TBに拡張されます。ストレージ容量の上限は契約プランによって異なります。
転送や他社のメーラーでの受信を設定している
Gmailでは、届いたメールを別のメールアドレス宛てに転送できます。この設定を行っている場合、受信トレイにメールが届かない可能性があります。また、他社のメーラーでGmailのメールを受信できるように設定している場合も同様です。
転送設定を解除するには、設定画面にアクセスし、[メール転送とPOP/IMAP]のタブをクリックします。そして、転送先アドレスの下部にある項目を、[Gmailのメールを受信トレイに残す]に変更しましょう。
これでほかのメールアドレスにメールを転送しても、Gmailの受信トレイにメールが残るようになるので、確認漏れのリスクを抑えられます。また、転送設定が不要な場合は、[転送を無効にする]にチェックを入れるのも一つの方法です。
オフラインや通信環境の悪い場所で利用している
オフライン状態や通信環境の悪い場所でGmailを利用していると、メールを受信できない可能性があります。受信トレイに入っている既存メールはオフライン状態でも確認できますが、新たなメールを受け取るにはインターネットに接続しなければなりません。
そのため、社内LANやWi-Fiがつながっているかどうかをチェックしましょう。スマートフォンの場合、機内モードが有効になっていたり、モバイルデータがオフになっていたりするとインターネットに接続できないため、機能を有効化します。
Gmailのメールが受信できない場合の送信者側の原因と解決策
続いて、送信者側の原因について解説します。送信者に何らかの問題がある場合は、自社で対応が難しいことが多いため、問い合わせや確認の手続きが求められるケースもあります。それぞれの原因と解決策を見ていきましょう。
送信先のアドレスが間違っている
Gmailでメールを送信する際、相手のメールアドレスに誤りがあるとメールを送れません。メールアドレスが間違っているとエラーメールが返ってきますが、送信者が見落としている可能性も考えられます。1文字でもメールアドレスが間違っていると送信できないので、注意が必要です。
送信者側でメールを送れない場合は、受信側でその事実に気付けないケースも珍しくありません。受信者としては、送信者に正しいメールアドレスを伝えることが重要です。
容量の大きいファイルを添付している
Gmailのメール一通あたりに添付できるファイルの上限は25MBです。添付ファイルが一つのみの場合でも、複数のファイルを添付する場合でも、25MBの上限を守る必要があります。上限を超えるとメールを送信できません。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどのファイルであれば、上限を超えた場合に自動でGoogleドライブのリンクが生成されます。ただし、Googleドライブのファイルにアクセスするには、オーナー側でアクセス権限を付与する必要があります。
送信者側のサーバーに問題がある
送信者側のサーバーに問題が発生している場合、受信サーバーがメールを拒絶することがあります。例えば、特定のサーバーから一度に大量のスパムメールが送信された際には、Gmailのシステムがメールの受信を遮断します。一度でもシステム側に拒絶されると、サーバーの問題を解消したとしても、受信を再開するまでにある程度の時間がかかります。
対策方法としては、問題が発生しているサーバーを利用しないことです。別のサーバーを経由して、再度メールを送信してみましょう。
Gmailの送信者ガイドラインに則っていない
Gmailを送信する際、Googleの「メール送信者のガイドライン」に抵触すると、相手にメールが届かない可能性があります。
メール送信者のガイドラインは、2023年10月に内容が更新されました。それにより、2024年2月1日以降、次のようなルールに準拠する必要があります(Gmailアカウントは末尾が「@gmail.com」のメールアドレスを指し、独自ドメインは対象に含まれない)。
- Gmailアカウント宛てにメールを送信するユーザーは、SPFとDKIMの設定が必要
- Gmailアカウント宛てに1日5,000件以上のメールを送信するユーザーは、SPFとDKIMに加え、DMARCの設定が必要
SPFやDKIM、DMARCは、いずれもなりすましメールや悪意のある攻撃を防ぐ認証技術です。有料版のGmailを利用できるGoogle Workspaceに登録し、管理コンソールから設定を行う必要があります。
Gmailのメールが受信できない場合のチェックリスト
ここまでに紹介した内容を参考に、Gmailのメールを受信できない場合のチェックリストをまとめました。問題が発生している場合は以下の内容を参考にしてください。
- 受信トレイ以外の迷惑メールフォルダやアーカイブなどのメールを確認する
- 状況に応じてフィルタやラベルの設定を解除する
- 不要なメールの削除や容量拡張によって必要最低限のストレージ容量を確保する
- 転送設定や他社のメーラーでの受信設定を見直す
- 通信環境を確認してオンライン状態でGmailを利用する
- 送信者側に原因がある場合は送信元に問い合わせや確認を行う
また、Googleが提供しているPostmaster Toolsを利用するのも一つの方法です。Postmaster Toolsを利用すると、IPアドレスをもとにした迷惑メール率の判定や報告率、暗号化されたメールトラフィックの割合など、送信メールに関するさまざまな情報を閲覧できます。
対策方法を押さえてGmailのメールが受信できない問題を解消しよう
Gmailのメールを受信できない場合、さまざまな原因が考えられます。送信者側だけでなく受信者側に問題が発生している可能性もあるため、受信トレイ以外のフォルダを確認したり、システムの設定を見直したりといった対策が必要です。
仮に容量不足の問題でメールを受信できないなら、Google Workspaceに登録してストレージを拡張するのも良いでしょう。容量拡張以外にも、充実したセキュリティ対策やサポートを利用できるため、より安全・安心なGmailの運用環境を構築できるのが利点です。
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