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メールサーバーのセキュリティ強化に必要な対策4選!
利用時の外的・内的リスクも紹介

 2024.10.24  2025.04.21

ビジネスにおいて、メールは欠かせないツールの1つです。普段当たり前のように利用されているメールですが、メールの送受信は、メールサーバーの活躍がなければ成り立ちません。メールサーバーの仕組みを理解すれば、メールの運用・管理がしやすくなり、自社に適した運用方法も見つけやすくなります。メールの運用方法やサービスの移行を検討している方は、メールサーバーの仕組みを理解しておくとよいでしょう。

この記事では、メールサーバーの概要や仕組み、メールサーバーを構成するサーバーの種類と役割などについて解説しています。メールサーバーの仕組みをわかりやすくまとめた内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

メールサーバーとは?しくみを解説

メールサーバーとは、メールの送受信を行うサーバーの総称です。以下のような4種類のサーバーを利用して、メールの送受信を行います。

  • SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
  • POP3(Post Office Protocol version 3)
  • IMAP4(Internet Message Access Protocol version 4)
  • DNS(Domain Name System)

メールサーバーによってメールが送受信される仕組みは、以下の図をご覧ください。

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ドメインを利用するにはサーバーが必要 

自社で用意したドメインを使ってメールの送受信を行うには、サーバーが必要不可欠です。サーバーが情報処理を担うことで、メールの送受信やWebサイトの公開が可能になります。

サーバーの場所は、IPアドレスというインターネット上の住所のようなもので区別されています。IPアドレスは、コンピューターが情報を処理できるように「192.168.1.1」のような数字をベースとして構成されており、人が普段利用する際には向いていません。そのため、インターネット上では、IPアドレスを「○○○.com」のようなドメインに変換してやり取りが行われています。

IPアドレスとドメインを紐づけて、サーバーによるインターネット上のやり取りを支えているのが、DNSサーバーです。DNSサーバーは、ドメインがどのIPアドレスであるかを記録しており、メールの送受信やWebサイトの閲覧などを行う時に、ドメインを運用しているサーバーを探します。

サーバーを設定する際には、DNSサーバーやIPアドレスの登録が必要です。登録内容に誤りがある場合、自社のWebサイトが閲覧できなかったり、メールが届かなかったりするため、情報の登録は正確に行いましょう。

メールサーバーの種類とドメインネームシステム(DNS)サーバーの5つの役割 

メールサーバーを構成するサーバーの種類とそれぞれの役割について解説します。4種類のサーバーの役割を把握して、メールサーバーの仕組みをより深く理解しましょう。

メール送信サーバーとメール受信サーバー

メールサーバーを構成するサーバーは、メール送信サーバーとメール受信サーバーの2つに大きく分けられます。

メール送信サーバー メール受信サーバー
  • SMTPサーバー
  • POP3サーバー
  • IMAP4サーバー

メールの送受信は、2台のサーバーでメールの送信と受信の役割を分担する場合もあれば、1台のサーバーで送受信を兼用する場合もあります。

メール送信を担う「SMTPサーバー」

SMTPサーバーは、宛先へのメール送信を担う一般的なメール送信サーバーです。1つもしくは複数のドメインを管理しており、メールの送信はSMTPサーバーを介して実行されます。SMTPサーバーがメールを送信する時の流れは、以下の通りです。

  1. メールソフト上でメールの送信ボタンをクリックする
  2. メールソフトがSMTPサーバーにメールの配送をリクエストする
  3. SMTPサーバーからDNSサーバーに対して、配送先メールサーバーのIPアドレスを通知するようにリクエストする
  4. DNSサーバーからSMTPサーバーに対して、配送先メールサーバーのIPアドレスが通知される
  5. SMTPサーバーが配送先メールアドレスを管理しているSMTPサーバーへメールを送信する

メールを保管する「POP3サーバー」

POP3サーバーは、宛先からのメール受信を担う代表的なメール受信サーバーの1つです。POP3サーバーを利用しているメールサーバーへ送信されたメールは、一度POP3サーバー内に保管されて、メール受信者のリクエストがあった際にダウンロードされます。POP3サーバーがメールを受信する時の流れは、以下の通りです。

  1. メール受信者側のSMTPサーバーでメールを受信する
  2. SMTPサーバーからPOP3サーバーがメールを受信する
  3. POP3サーバーが受信されたメールをチェックする
  4. POP3サーバーが受信されたメールを宛先になっているメールアドレスのメールボックスに送る
  5. メール受信者がメールソフトで受信ボタンをクリックする
  6. 受信されたメールがダウンロードされる

メールの受信を行う「IMAP4サーバー」

IMAP4サーバーは、POP3サーバーと並ぶもう1つのメール受信サーバーです。POP3サーバーのようにメールをダウンロードしないため、IMAP4サーバーにアクセスできれば、どのデバイスからでもメールを閲覧できます。スマートフォン利用者の増加に伴って、IMAP4サーバーの利用も増加しています。IMAP4サーバーがメールを受信する時の流れは、以下の通りです。

  1. メール受信者側のSMTPサーバーでメールを受信する
  2. SMTPサーバーからIMAP4サーバーがメールを受信する
  3. IMAP4サーバーが受信されたメールをチェックする
  4. IMAP4サーバーが受信されたメールをメールアドレス別に仕分ける
  5. メール受信者がメールソフトで受信ボタンをクリックする
  6. 受信されたメールがメールソフトに送信・表示される

宛先の照合を行う「DNSサーバー」

DNSサーバーは、ドメインとIPアドレスを紐づけて管理しているサーバーです。SMTPサーバーのリクエストに応じて、コンピューターが処理しやすいようにドメイン名をIPアドレスに変換します。メールサーバーを運用するために必要不可欠なサーバーであり、メールの送受信において重要な存在です。

メールサーバーを構築する3つの運用形態

メールサーバーの運用形態には、以下のような3つの種類があります。

  メリット デメリット
オンプレミス
  • カスタマイズの自由度が高い
  • セキュリティリスクを低減できる
  • 導入完了までに初期開発の期間が必要になる
  • 初期費用やメンテナンス費用などで多額のコストがかかる
ハウジングサービス
  • 自社のサーバーを安全に運用できる
  • 現在運用しているサーバーの設定を引き継げる
  • サーバーの機種やCPUなどを自由に決められる
  • サーバー構築や運用の知識がある人材を確保しなければならない
  • 導入の際に手間と時間がかかる
  • ホスティングサービスと比較して初期費用・月額費用が高い
ホスティングサービス
  • メールサーバーを手軽に運用できる
  • 保守管理の手間がかからない
  • ハウジングサービスと比較して初期費用・月額費用が安い
  • サーバーの構成や仕様が限定される
  • 共用サーバーでは、他のユーザーの影響でデータ処理が不安定になる場合がある
  • 障害が発生した際は、サービス事業者による復旧を待つしかない

運用形態の詳細を確認して、自社でメールサーバーを構築する際の参考にしましょう。

オンプレミス

オンプレミスは、自社内にサーバーを設置する運用形態です。顧客データの管理やサーバーの保守管理を自社で完結でき、情報漏洩の防止に役立ちます。また、自社の目的によってカスタマイズがしやすい点も、オンプレミスの特徴です。サーバーの仕様を自社の目的に合わせて、細かく変更できます。

一方で、オンプレミスの場合、サーバー本体だけでなくUPS(無停電電源設備)や空調なども自社で購入・運用しなければなりません。機器の購入費用や保守費用などが必要になり、多くのコストがかかります。

ハウジングサービス

ハウジングサービスは、サービス事業者が管理するデータセンター内に、自社のサーバーを設置して運用するサービスです。サーバーの運用に適した電源・空調・冷却・免震・耐震・セキュリティなどの充実した設備が整っており、データバックアップやサーバー監視といったサービスも利用できます。メールサーバーは自社で用意しなければなりませんが、充実した運用環境を低コストで利用可能です。

ホスティングサービス

ホスティングサービスは、サービス事業者が管理するデータセンター内のサーバーをレンタルできるサービスです。サーバー構成の拡張性ではハウジングサービスに劣りますが、サーバーの運用に適した環境を利用でき、自社でメールサーバーを用意する必要もありません。ハウジングサービスよりもコストを抑えたい場合におすすめの運用形態です。

メールサーバーの安定性や安全性を高める技術

メールサーバーの安定性や安全性は、ビジネス目的でメールをやり取りする上で重要なポイントです。メールサーバーの安定性や安全性を高めるには、以下のような方法があります。

  • 冗長化とサーバー監視によるロードバランス
  • SSL/TLSによる通信内容の暗号化

安定性や安全性を高める方法を確認して、メールサーバーを構築・運用する際の参考にしましょう。

冗長化とサーバー監視によるロードバランス

メールサーバーの安定性や安全性を高めたい場合は、ロードバランサーと複数のサーバーの設置が有効です。ロードバランサーと複数のサーバーを設置しておけば、一時的にメールサーバーにアクセスが集中しても、負荷を分散してサーバーのダウンを防止できます。

特に負荷が大きいIMAP4サーバーでは、サーバーのダウンが起きやすいため、ロードバランサーと複数のサーバーの設置による冗長化がおすすめです。

SSL/TLSによる通信内容の暗号化

データ通信の暗号化は、メールサーバーの安全性を高めるために効果的な取り組みです。SMTPやPOP3、IMAP4には、データ通信を暗号化する機能がないため、以下の通信方式を使用して、データの暗号化を実行しましょう。

  • SMTPS(SMTP over SSL/TLS):SMTPとSSL/TLSの組み合わせ
  • POP3S(POP3 over SSL/TLS):POP3とSSL/TLSの組み合わせ
  • IMAP4S(IMAP4 over SSL/TLS):IMAP4とSSL/TLSの組み合わせ

セキュリティ対策が十分なクラウドメールサービスならGoogle Workspaceがおすすめ

メールのやり取りは情報漏洩の原因になりやすいため、外部から閲覧・改変されないように、万全なセキュリティ対策が欠かせません。ビジネス目的でメールを利用する際は、効果的なセキュリティ対策が施されたメールサービスを利用する必要があります。

「Gmail」は、低コストで高度なセキュリティ対策を利用したい方におすすめのメールサービスです。Googleが開発・提供しており、安全かつ安定した環境でメールのやり取りができます。Gmailの優れたセキュリティ機能は、以下の通りです。

  • 業界最高水準のメール暗号化機能
  • 99.9%の精度で迷惑メールとフィッシングメールをブロックできる機能

Gmailは、グループウェアである「Google Workspace」に含まれるメールサービスです。Google Workspaceの法人向けプランに加入すれば、企業に適した高度なセキュリティ対策を利用でき、ドメインの設定や管理も簡単にできます。また、Gmailはクラウドサービスであるため、デバイスとインターネット環境さえあれば、場所を選ばずどこでもメールを利用できます。リモートワークを行なっている企業にも、おすすめのメールサービスです。

Google Workspaceには、メールサービス以外にもビジネスで活用できる多くのアプリケーションが備わっています。スケジュール管理や資料作成、データ分析、ビデオ会議、データ管理などをGoogle Workspaceに加入するだけで利用でき、自社の業務効率化が可能です。

メールサーバーの構築・運用を検討している方は、Google Workspaceの利用もぜひ検討するとよいでしょう。Google Workspaceについてより詳しく知りたい方は、サービスの特徴や機能をわかりやすく紹介した以下のページをご覧ください。

メールサーバーのしくみを理解し管理や運用強化を

メールサーバーは、メールの送受信を担う複数のサーバーが連携し合って成り立っています。メールサーバーの仕組みを理解できれば、サーバーの設定をはじめとしたメールシステムの管理や運用もしやすくなるため、サーバーの構築・運用を考えている方は、ぜひ頭に入れておきましょう。

働き方が多様化している現代では、メールを利用するシーンが増えて、セキュリティの重要性が増しています。メールサービスを利用する際は、セキュリティ機能を十分確認して、サービスを導入する意識が大切です。

セキュリティ対策が充実したメールサービスの利用を検討している方には「Google Workspace」の法人向けプランがおすすめです。高度なセキュリティ機能を備えたメールサービスに加えて、ビデオ会議や資料作成、スケジュール管理、データ管理などに役立つサービスが利用できます。

Google Workspaceは、インターネットを介して利用するクラウドサービスです。オンプレミスよりも低コストでアクセスしやすいため、運用コストや作業効率に課題を感じている企業さまは、ぜひ導入を検討してみてください。

オンプレミスで現在メールサーバーを運用している企業さまで、Google Workspaceに興味のある方は、以下のページから無料でダウンロードできる資料をご覧ください。資料では、オンプレミスからクラウドへの移行に役立つ情報をわかりやすく紹介しています。

オンプレミスサーバーからクラウド移行のメリットと注意点