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失敗しないデータ活用の進め方とは?

 2022.07.28  2022.08.12

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進が求められている中で、データ活用の重要性が更に増してきています。一方で、データ活用ツールを導入して組織に根付かなかったらどうしよう?本当に効果があるの?という不安や、そもそもどう始めたらいいのかわからないといったご意見を頂くことが多いです。

今回はデータ分析支援に7年携わった私が考える「失敗しないデータ活用の進め方」についてご紹介していこうと思います。

What?とWhy?を考える

様々なものがデジタル化した結果、多くのデータが取れるようになり、またインターネットに繋がったデバイスも増えたことで、施策と結果をデータで追えるようになっています。データに基づいた意思決定やアクションは有効性が高いといった観点でデータ活用が重要と言われています。重要性が増したからなのか、最近のDXのトレンドなどからデータ活用を中心に考えてしまうケースを度々目にします。このブログを読んでいる皆さんの中にも「まずはデータを使って何かやってほしい」という要望に悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。

もちろんデータを活用することで解決できる課題はたくさんありますが、データを使うことが目的になってしまう場合、その取り組みは頓挫してしまうことが多いように感じます。データ活用は手段にすぎません。目的達成に向けてデータ活用以外に効果的な方法があるのであれば無理にデータを使う必要もありません。

データ活用に限ったことではありませんが、一番大切なことは「なぜやるのか?(Why)」「何をやるのか?(What? )」が最も重要です。「どのようにやるのか?(How)」はWhatとWhyが決まらないと考えられないですよね。

もしWhat、Why、Howの整理に困ってしまったら、業務や利害関係者の関係性を可視化してみることをお勧めします。簡単なフロー図でもいいので可視化してみることで、課題が見やすくなったり影響範囲が理解できたり、将来の社内説得の時にも役に立つ可能性があります。

データ・ドリブン時代の歩き方
GCP総合ブローシャー

モックアップを作る

課題と手段が整理されたらモックアップを作りましょう。これは設定した課題に対して手段が正しいのかを実務に携わる方へ調査することで仮説を検証するステップです。

このステップを抜きに進めてしまうケースを度々拝見しますが、このステップを踏んだ方が失敗は間違いなく少ないです。

ここではモックアップとプロトタイプを明確に区別しようと思います。

プロトタイプは最終的に作るものの小さいスケールのもので、POC(Proof Of Concept)に近いものです。モックアップはもっと簡易なもので、紙芝居レベルのもので大丈夫です。モックアップの目的は、やろうとしていることを実務に関わる方に伝えることで、本当に解決できるのかを検証するためのものなので凝ったものである必要はありません。

実際に業務に携わる方の中で取り組みに協力的な方数名に声をかけてみるのがいいでしょう。

ここでインタビューすることで別の優先度の高い課題が見つかるかもしれませんし、もっと良い手段が見つかるかもしれません。

ここで仮説通り進んでもいいし、もっと良い方法が見つかれば素晴らしいですよね。

もし仮説が間違っていたとしても確実に前進しているので、フィードバックを元に再度仮説を立てれば、より良い方法へ進めることができます。

現場のユーザの声を取り入れながら作ったものは定着しやすいものになりますし効果も期待できます。

プロトタイプを作る

ここでようやくプロトタイプを作る段階です。モックアップを作って課題に対して正しい手法をとっていることがわかったら、それがどういうものなのかスケールを小さくして作ってみる段階です。

ここで意識すべきポイントは「短期間で作る」ことです。

短期間で作るべき理由は3つあります。

① 低コストで作れるから

開発規模・開発期間が大きくなると当然コストも大きくなります。

また、最初から良いものが作れるとも限りません。大きなコストをかけて失敗してはせっかくの取り組みを続けることが難しくなってしまう場合もあるかもしれません。

実際に動くものも作ってみることで、モックアップよりも精度の高いフィードバックを得られることもあるかと思います。そういった声を取り入れる余力を持つためにも小さくスタートする事が重要です。

② ビジネス環境が変わってしまうから

プロトタイプの作成に時間をかけてしまうと、別の課題が生まれてしまう可能性があります。

たまにお客様とお話をしていると「3年かけて検討しています」とお話しされる方がいらっしゃいます。大規模なデータ分析基盤については企画から構築まで結果的に数年かかってしまったということもありますが、3年後を見据えてガチガチに要件定義をしてデータ分析環境や分析モデルを作ろうと考えているケースはハイリスクな取り組みだと思います。3年前を振り返ってみると今は大きく環境が変化しましたよね?不確実性が高い中でその時その状況に合わせて調整していくことはいいのですが、3年前の理想を作ろうとするのはとてもリスクが高いように感じます。

今はDX推進のため社内外のシステムが大きく変わっていますので、簡易なものでもすぐ作ってしまった方がリスクは低くなります。

③ テクノロジーの進歩が考えられるから

テクノロジーの変化で取れるデータの増加や大量の通信量に耐えられる回線、それらを使った新しいビジネスアイデアも出てくるでしょう。また、社内システムが変わることも考えられます。

プロトタイプの作成に時間をかけてしまうと、これらの環境の変化によって考えるべきことが増えてしまったり優先順位が変わってしまい、データ活用の取り組みが迷走してしまったり、進まなくなってしまうことも起こりえます。

これらの観点からプロトタイプには完璧さを求めず、まずはモックアップを目標に動くものを作ってみることが重要かと思います。

Google Cloud
Google Cloud 事例

まとめ

今回は失敗しないデータ活用の進め方についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

データ活用のカルチャーが浸透したり、よりデータを使いこなせるようになることで、ビジネス状況の理解だけに留まらず、業務プロセスの改善や新たなビジネスモデルの構築につながることも考えられますので、これからデータ活用を始める方の参考となりましたら幸いです。

またプロトタイプ作成については、エンジニアリソースの不足やデータ活用のナレッジ不足ということをよくお聞きします。当社では、お客様のご状況に合わせてプロトタイプの作成やデータ分析基盤の構築を行うサービスもあります。低コストに分析環境を構築できる方法としてBigQueryやDataPortalという選択肢もあります。これらにご興味のある方は下記の記事も併せてお読み頂けますと幸いです。

BigQueryで始めるデータドリブン経営

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