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将来をになうビッグデータ。
活用時の問題点や解決方法を解説

 2021.12.07  2023.02.22

近年、DXやデータ駆動型の経営などが注目を集めていますが、これらの取り組みを成功させるためには、前提として多種多様なデータ(ビッグデータ)の収集と活用が必須です。そこで本記事では、ビッグデータの概要や運用における問題、活用のためのポイントを解説していきます。

将来をになうビッグデータ。活用時の問題点や解決方法を紐解くトも解説

ビッグデータとは

ビッグデータとは、さまざまなソースからリアルタイムに取得される大規模かつ多種多様なデータのことを意味します。分析のため大量の情報にアクセスして保存する行為は、昔から行われていたことです。しかし、現代ではICTの発展とともに、従来の比較にならないほど多くのソースから、大量かつ迅速に情報を取得できるようになりました。

たとえば、官公庁や企業・団体・個人などがWebで公表しているデータをはじめ、自社ECサイト内の消費者行動のようなデータ、あるいはSNSやIoTなど、さまざまなメディア・プラットフォームからビッグデータを取得できます。ビッグデータは下記の通り、「Volume (量)」「Velocity (速度)」「Variety (多様性)」の3つのVによって、その特徴を表現することが可能です。

ビッグデータの3つのV:Volume

ビッグデータの第一の特徴は、その膨大なデータ量です。現代の企業は自社システムやそのデータベースを始め、IoTデバイス、産業機器、動画、ソーシャルメディアなど、さまざまなソースからデータを収集できます。かつてはデータサーバーの保存領域や運用コストなどが問題になることもありましたが、今は安価なクラウドストレージサービスも充実しており、膨大なデータの保存も容易になっています。

ビッグデータの3つのV:Velocity

リアルタイムに情報の蓄積が可能なのも、ビッグデータの特徴です。これは、もちろんインターネットの普及が前提となっていますが、近年ではモノにインターネット接続機能を搭載するIoT技術の発展が、特に大きな影響を与えています。IoTの普及に伴い、データはかつてないスピードで取得できるようになっており、企業はこれらのデータをタイムリーに処理・運用する必要があります。

ビッグデータの3つのV:Variety

ビッグデータは多様な種類のデータで構成されています。現在ではAIなどを用いることによって、従来型の構造化された数値データだけではなく、構造化されていないテキスト文書や電子メール、動画・音声データ、株価情報、金融取引情報まで、あらゆる種類のフォーマットでデータを分析・活用することが可能です。

花王株式会社様 導入事例
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ビッグデータが活用される背景

ビッグデータの活用が可能になった背景には、コンピューターやスマートフォン、インターネット、IoT機器の開発など、ICTの発展が基盤としてあります。これらのICT技術の発展に伴い情報量が爆発的に増え、ストレージ技術や分析技術も向上したことにより、ビッグデータはビジネスにおいても活用されるようになりました。

また、誰でも利用できるオープンデータが次々と世に出回るようになったのも、ビッグデータが広く社会で活用されることを後押しした大きな要因です。最近ではSNSのデータも有用な情報ソースとして注目を集めており、その活用の動きは現在進行形で広がっています。このようにビッグデータの進化は、現代のテクノロジーの進化と密接に連関しているといえるでしょう。

ビッグデータがもたらすメリット

以下では、ビッグデータが企業にもたらす主なメリットについて解説していきます。

精密な現状の把握

ビッグデータがもたらす第一のメリットは、「精密な現状把握」が可能になることです。

ビッグデータの分析によって、企業は現状をリアルタイムで把握し、それを客観的なデータとして具体的に示すことで、経験や勘に頼らないデータ駆動型の経営を実現できます。たとえば、製造業ではIoT活用によりビッグデータを収集し、目標を達成できているか実績とデータを突き合わせて判断することが可能です。こうしたリアルタイム性の高さや現状把握の正確さは、ビッグデータの大きなメリットといえるでしょう。

問題点の可視化

ビッグデータがもたらす第二のメリットは、「問題点の可視化」が可能になることです。

ビッグデータの分析によって、自社の抱える課題や発生した異常なども素早く発見することが可能です。データ活用の可能性は幅広く、従業員のパフォーマンスや顧客の購買行動、あるいは生産設備の稼働状況や商品の在庫状況など、さまざまな事柄の理解に役立てられます。たとえばIoTで生産設備を監視すれば、誤動作や故障につながる前にエラーの兆候を発見し、危険な事故を予防することも可能になるでしょう。

新しいビジネスのヒント

ビッグデータがもたらす第三のメリットは、「新しいビジネスのヒント」が得られることです。

ビッグデータを活用すれば、従来の自社製品のデータや顧客データなどに基づいて分析を行い、どんな商品を出せば市場に受け入れられるかを検討できます。また、SNSなどからも消費者が抱える悩みやトレンドなどを洗い出し、商品やサービスの開発に活かすことが可能です。このように、ビッグデータは企業に市場のニーズを知らせ、新たなビジネスチャンスを提供します。

Google Cloud
Google Cloud 事例

ビッグデータが抱える問題点

ビッグデータを運用するうえでは、以下のような問題点に注意する必要があります。

質のよいデータの担保が必要

ビッグデータが抱える第一の問題点は、「データの質の担保」が難しいことです。

ビッグデータは、さまざまなソースから得られた情報によって構成されています。それゆえ組織で一元管理されているデータとは異なり、品質の均一性が確保できません。たとえば、データによって誤差があったり、企業にとっては無益な情報が紛れ込んだりすることもあり得ます。また、データの重複やテキストの誤字、表記ゆれ、あるいはデータが不完全な場合などもあるでしょう。

このようにビッグデータには、データの全体的な整合性や精度に問題があることもあり、膨大なデータの中から信頼度の高いデータを選択するためには、高度な技術が必要です。データそのものに信用を置けない場合は、必然的にその分析結果の妥当性も低下せざるを得ません。

セキュリティの難しさ

ビッグデータが抱える第二の問題点は、「セキュリティの難しさ」です。

ビッグデータには顧客データなど重要な情報も含まれますので、情報漏洩などのトラブルを引き起こさないように注意しなければなりません。情報漏洩やデータの盗難は、企業にとって重要な情報資産や社会的信用の損失を意味します。

そのため、企業はビッグデータの運用にあたり、必要なときにいつでも使えるような利便性を担保しつつ、セキュリティに関しても厳重な対策を講じる必要があります。

ビッグデータへの理解と分析の難易度の高さ

ビッグデータが抱える第三の問題点は、「理解と分析の難易度の高さ」です。

ビッグデータは、企業の競争力強化につながる分野で利用しなくては意味がありません。しかし、リアルタイムで更新されるビッグデータは、データの発生頻度や更新頻度もそれぞれに異なり、いつ・どの時点のデータを活用すべきか適切に見極めるには、極めて難しい判断を要します。中には、その判断や運用に時間をかけすぎて、周囲のビジネス速度に追いつかないという悩みをもつ企業も存在することでしょう。

上記のような事情から、ビッグデータを十分に活用するためには、技術力のある人材の雇用ないしは育成が必須です。とはいえ、IT人材は社会的に不足傾向にあるため、高度な技術力を持った人材を獲得するには、他社との人材獲得競争に勝利しなくてはいけません。

ビッグデータ活用を成功に導くために

では、ビッグデータをビジネスに活かすためのポイントは、一体どのようなことなのでしょうか。

大切なのは自社の課題を抽出することと、その課題に対してビッグデータをどう役立てられるか検討し、データ活用の目的を明確にすることです。当然ながら、データは集めるだけでは意味がありませんし、目的意識がないデータ分析は焦点のぼやけたものになってしまいます。

ビッグデータを収集する際のポイントは、すでにご紹介した「量(Volume)」「速度(Velocity)」「多様性(Variety)」に加えて、「正確さ (Veracity)」を加えた4Vに基づき行うことです。ICTの発展に伴ってさまざまな形式のデータが日々増大していますが、ビッグデータの中にはノイズになるような無意味なものや、信憑性に欠けたものも含まれています。アナリストや経営者は、そうした玉石混交のデータの中から、ビジネスの意思決定において有用かつ信頼できるものを抽出しなければなりません。また、ビッグデータを全社的に活用するためには、データを部門横断的に共有できるよう、システムを整備する必要もあるでしょう。

こうした課題を克服するために、企業は分析や解析に強い人材を確保する必要があります。あるいは、もしそれが難しい場合は、データ分析を専門とする外部企業にアウトソーシングするのも有効です。

まとめ

ビッグデータは、さまざまなソースからリアルタイムに取得される多種多様かつ膨大なデータのことです。ビッグデータを活用することによって、企業は自社の現状や問題点を可視化し、ビジネスチャンスを広げることが可能になります。ビッグデータの活用のためには、IT人材の確保などの課題がありますが、IT技術が今後ますます発展していくことを思えば、ビッグデータの有用性と必要性は企業にとってより大きなものとなっていくことでしょう。

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