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【徹底解説】Kubernetes(k8s)の機能やメリットをわかやすく紹介

 2022.12.20  2023.09.13

コンテナ仮想化ツールとしては「Docker」が有名ですが、実際の運用管理にあたっては、「Kubernetes」というツールも併せて使用するのが一般的です。本記事では、このKubernetesとはどのようなツールなのか、コンテナ技術やDockerとの関係も併せて基礎からわかりやすく解説します。

Kubernetesとは?

まずはKubernetesの概要や特徴、基本的な仕組みなどについて、コンテナ技術と関連づけながら簡単に解説します。

Kubernetesの概要と読み方

Kubernetesの概要と読み方

Kubernetesとは、Googleによって開発されたコンテナ運用管理を支援するオープンソースのソフトウェアです。Kubernetesの読み方は主に「クバーネティス」もしくは「クーベルネティス」といい、「k8s(ケーエイツ)」や「クーベ」と略して呼ばれることもあります。

Kubernetesの機能を理解するにあたっては、以下の関連用語も理解しておくと便利です。

  • Pod:Kubernetesの実行するアプリケーションの最小単位。ひとつ、または複数のコンテナによって構成されている。
  • ワーカーノード:Podをホストするサーバー。APIサーバーでPodの作業割り当てをチェック・実行する。
  • マスターノード:クラスタ内のPodとワーカーノードを管理する機能。Kubernetes のコントロールパネルを構成する。
  • クラスタ:ノードおよびノードに含まれるPodの集合体。

基本的な構造としては、Podをまとめるものとしてノードがあり、このノードの束としてクラスタがあるという形です。Kubernetesがコンテナの操作を実行する際には、クラスタを通して全体へ命令することになります。

Kubernetesの特徴と仕組み

Kubernetesの特徴を理解するには、そもそもKubernetesが管理するコンテナとは何なのかをまず考える必要があります。

コンテナとは、ごく簡単にいうと、アプリケーションの実行環境を提供する非常に軽量な仮想化環境のことです。このコンテナを作成し、その中にアプリケーションを格納することを「コンテナ化」といいます。

コンテナが登場する前は、複数のアプリケーションを同じ仮想マシンにデプロイした場合、共有依存関係に変更を加えると不具合が起きる可能性があったため、それを避けるには仮想マシンごとにひとつのアプリケーションを割り当てる必要がありました。しかし、そうなるとCPUとメモリを多大に消費し、アプリケーションの実行にも支障が出てしまいます。

そこで登場したのがコンテナです。コンテナは、OSから分離してカーネルを共有することで、仮想マシンに比べてリソースの消費を非常に小さくすることが可能です。そのうえで、同じマシンで実行されているほかのコンテナからアプリケーションの依存関係を分離するので、仮想マシンが抱えていた問題を解決できます。

ただし、コンテナは多くの複雑なアプリケーション・クラスタを実行するため、その管理運用には煩雑な手間が必要になるのが難点です。そもそもコンテナは、アプリケーションを自分の中に隔離するのが仕事であって、自分を管理したり、ネットワークやストレージと連携したりするような機能を持っていません。

コンテナのこの難点を克服することが、Kubernetesの役割です。Kubernetesを使えば、複数のコンテナを一括管理し、コンテナの強制終了や再起動、スケーリング、ネットワークやストレージとの連携などの作業を効率化できます。たとえば、あるコンテナに障害が発生した場合、別のコンテナにその場所を引き継がせる、といったコンテナ間の連携も可能です。

このように複数のコンテナを管理運用することを「オーケストレーション」と呼び、それゆえKubernetesは「コンテナオーケストレーションツール」などと端的に表現されることもあります。コンテナ技術は現在のアプリケーション開発において非常に重要な技術となってきているため、そのスムーズな管理運用を可能にするKubernetesもまた広く活用されています。

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KubernetesとDockerの違い

コンテナ技術関連のツールとしては、「Docker」もまた非常に重要です。そこで続いては、Dockerの基本的な特徴と、Kubernetesとの違いについて解説します。

Dockerとは?

Docker(ドッカー)とは端的にいうと、コンテナを作成して実行するためのツールです。Kubernetesと同様に、オープンソースのソフトウェアとして提供されています。Dockerを使用することで、同じマシン上にいくつものコンテナを簡単に作り、各アプリケーションを独立した環境で実行できます。

KubernetesとDockerの違い

KubernetesとDockerは、どちらもコンテナの利用を支援するツールですが、その役割には明確な違いがあります。Dockerの役割は、ひとつのサーバー内にコンテナを作成し、その中にアプリケーションを格納することです。しかし、複数のサーバーにまたがる大量のコンテナを調整したり監視したりする作業を、Dockerだけで行うのは容易ではありません。

そこで、Dockerに代わって大量のコンテナの管理を引き受けるのが、Kubernetesの役割です。Kubernetesは、ネットワーク上の複数のサーバーで稼働するコンテナを一括管理できます。つまり、「コンテナを作るのがDocker」で、「Dockerで作ったコンテナを管理するのがKubernetes」という関係です。

このように両者の役割は競合するものではなく、むしろ組み合わせて使うことが推奨されます。また、実行される場所についても、Dockerが単一のノードで実行される一方で、Kubernetes はクラスタで実行されるという点も違いとして挙げられます。

Kubernetesの主な機能

Kubernetesには、コンテナの管理を効率化するとともに、各コンテナを連携させるオーケストレーションツールとしての機能も備わっています。以下では、そうした効果を生み出すKubernetesの代表的な機能についてご紹介します。

負荷を分散

Kubernetesは、DNSまたはIPアドレスを使用してコンテナを可視化し、アプリケーションの実行状況を把握できるようにします。そして、特定のコンテナへのトラフィックが増加している際には、自動的にトラフィックを分散させ、デプロイが安定するようにします。これにより、開発者は高度なスケーラビリティを確保して、コンテナの管理運用を安定的に行えるようになります。

コンテナの運用管理

コンテナの運用管理は、Kubernetesの核心的な機能のひとつです。Kubernetesはコンテナグループを一元管理し、シームレスな運用を可能にします。たとえばKubernetesは、新しいコンテナの作成、既存のコンテナの削除、新しく作成されたコンテナへのリソースの採用などを自動化できます。また、ローカルストレージでもパブリッククラウドでも、好みのストレージシステムを選んでサービスの構築が可能です。

自動更新

Kubernetesには、コンテナを自動更新する機能が搭載されています。この自動更新は「ローリング更新」と呼ばれ、アプリケーションを徐々に、ダウンタイムなしで更新する方法を意味します。コンテナイメージの新しいバージョンを作ってロールアウト(更新)を実行すると、Kubernetesは古いバージョンのコンテナを実行しつつ、そして更新によって問題が生じないか監視しつつ、徐々に最新のPodを起動します。

新しいPodが安定すると、Kubernetesは古いPodを強制終了し、新しいバージョンでサービスが稼働するように切り替えます。もしも更新作業中に障害が発生した場合には、以前のイメージに戻す(ロールバックする)ことで、問題を修復します。

自動でコンテナを配置

Kubernetesには「自動ビンパッキング」と呼ばれる、自動でコンテナを最適な形に配置する機能があります。これは、各コンテナが必要とするCPUやメモリといったリソース情報を計算し、使用可能なノードにコンテナをどのように配置するか自動で設定してくれる機能です。これによって各コンテナが使用するリソースを最適化し、可用性を損なうことなく最大限のパフォーマンスを発揮できるようにします。

自動復旧

Kubernetesには、コンテナに何らかの不具合が生じた際に自動復旧するための機能があります。Kubernetesのオーケストレーション機能は設定に応じて、異常なコンテナを監視したり、ほかのコンテナに置き換えたりできます。したがって、もしもコンテナ化されたアプリケーションの処理にエラーが出た場合、Kubernetesはそのコンテナを自動的に再起動して問題のないコンテナと入れ替え、ユーザー定義のヘルスチェックに応答しないコンテナを強制終了します。

セキュリティ

Kubernetesには、機密データの保存と管理を可能にする機能も搭載されています。ここで保全される情報とは、たとえばパスワードやSSHキー、OAuthトークンなどです。また、Kubernetes を使用すると、コンテナイメージを再構築することなく、アプリケーションの構成をデプロイおよび更新できます。

Kubernetesを使う6つのメリット

上記の機能によって、Kubernetesはコンテナの管理運用において大きな効果を発揮します。以下では、Kubernetesを活用する主なメリットを6つ解説します。

拡張性が高い

Kubernetesは大量のコンテナを一元管理することを可能にし、その自動化機能によって開発者の労力を大きく減らします。たとえば、Kubernetesの自動スケーリング機能は、リソースの消費状況に応じて自動的にスケールアップまたはスケールダウンして、システムの可用性を確保します。

またKubernetesは、複数のコンテナ間で設定ファイルを共有することで、設定変更時も一括ですべてのコンテナに反映可能です。一般的なコンテナツールであるDockerとの親和性が高い点も、大きな魅力として挙げられます。

起動が高速、軽量になる

これはコンテナそのものの利点でもありますが、従来の仮想マシンよりも軽量かつ高速な起動が可能になるのも大きなメリットです。コンテナには、アプリケーションが実際に必要とするリソースのみが含まれ、その実行にはホストOSの機能とリソースが使用されるため、リソースの消費を小さく抑えながら高速化できます。

しかも、Kubernetesを活用することで、リソースの活用はさらに効率的になるため、アプリケーション開発をスムーズに進められるようになり、生産性の向上が期待できます。リソースを小さく抑えられるので、従来の仮想マシンと違って多額の費用を投じてサーバー増設などを考える必要性も薄れることになるため、コスト面でも大きな利点があります。

デプロイが自動でできる

Kubernetesは、デプロイのための強力なツールでもあります。Kubernetesを使用することで、デプロイプロセスの各段階におけるコンテナの動作を詳細に制御可能です。これにより開発から本番まで、各環境でアプリケーションの動作を微調整できます。さらにKubernetesは、デプロイのロールアウトとロールバックを自動化できるため、アプリケーションの管理を非常に簡単にできるのも大きな利点です。

先述のように、Kubernetesはスケーラビリティが高く、必要に応じてリソースを自動調整することも可能です。こうした特徴から、迅速にスケーリングする必要がある場合にKubernetesは大きな効果を発揮します。

システム障害に強い動作環境を構築できる

Kubernetesの利点としては、システム障害に強い動作環境を構築できることも挙げられます。自動復旧機能により、Kubernetesはコンテナに障害が発生した場合、コンテナを再起動したり、ほかのコンテナに入れ替えたりして、自動で問題のない状態に回復します。

また、ダウンタイムなしでアプリケーションの更新を行いつつ、何か問題が発生した場合には自動でロールバックしてくれる点も大きな魅力です。リソースの自動分散機能などもそうですが、こうしたセキュリティ機能はコンテナの可用性を高め、安定的にアプリケーション開発を推進していくうえで非常に役立ちます。

複数の環境で制約なく稼働できる

オンプレミス環境やクラウド環境など、複数の環境下で稼働できるのもKubernetesのメリットです。Kubernetesのワークロードは、単一のクラウドやオンプレミスで実行することも、複数のクラウドに分散させることも可能です。また、Kubernetesを使用すれば、機能やパフォーマンスを損なうことなく、コンテナ化したアプリケーションを容易に別環境へ移行させられます。

このような複数環境への対応性や移植性の高さは、複雑で可変的なインフラストラクチャ環境を持つ企業にとって、大きな魅力です。昨今では多くの企業がマルチクラウドを利用していることを考えれば、開発環境に制約を与えないKubernetesは、現代のICT環境に非常にマッチしたソリューションといえます。

DevOpsとの親和性が高く作業を効率化できる

Kubernetesは、DevOpsの実施においても役立ちます。DevOpsとは「Development」と「Operations」を組み合わせた造語で、簡単にいうと開発チームと運用チームが連携し、ワークロードの自動化などを通して、アプリケーションの開発ライフサイクルの最適化を図っていく取り組みです。

このDevOpsを推進していくにあたり、Kubernetesは非常に相性のよいツールと考えられます。というのもKubernetesは、まさにDevOpsの実現手段として重んじられる「アプリケーション開発の自動化をするツール」そのものであり、開発速度の向上やアプリケーションの可用性の確保といった、DevOpsの求める効果をもたらすものだからです。

DevOpsはアジャイル開発と同様に、現在主流となりつつある開発手法ですが、その実現のためにKubernetesの活用は大きな助力となるでしょう。

まとめ

Kubernetesとは、コンテナの管理運用を支援するソリューションです。現代のアプリケーション開発において、コンテナ技術が欠かせないものになってきている中、Kubernetesもまたその存在感を増してきています。

コンテナの管理運用に関するさまざまな自動化機能を備えたKubernetesは、アプリケーション開発のプラットフォームとして便利なツールであり、導入によって開発をスムーズに進めることが可能です。GCP(Google Cloud Platform)のサービスの中には、Kubernetesも含まれています。Kubernetesの導入を検討中の企業様は、ぜひGCPも併せてご利用ください。

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