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クラウドとは一体何か?
サービスの特徴や種類を初心者向けに解説

 2022.12.28  2023.01.11

近年、多くの企業が「クラウド(サービス)」を利用しています。この記事ではIT初心者に向けて「クラウド」とはどのようなものかを分かりやすく解説します。さらにGoogleのクラウドサービス「Google Cloud」の特徴と、「Google Cloud」のビジネス向けおすすめサービスを紹介します。

クラウドとは何なのか?

「クラウド(Cloud)」とは、インターネット上でハードウェアやソフトウェアなどのサービスを利用する形態を指します。従来、企業では、自社でサーバーやストレージといったハードウェアを購入し、ソフトウェアを利用する場合には、PCにインストールするのが一般的でした。そのため、自社にサーバールームなどを設置し、自ら運用や管理を行っていました。

しかし、クラウドが登場したことで企業はクラウドベンダー(クラウドサービス提供事業者)からインターネットを介してハードウェアやソフトウェアを「借りる」ことで、ハードウェアを購入したり、ソフトウェアをPCにインストールしたりしなくても、サービスが利用できるようになりました。つまり、利用者はネット環境さえ確保できれば、ネットを介して求めるときに必要なサービスを必要な分だけ使えるのです。

ちなみに、クラウドは直訳すると「雲」という意味です。なぜこの名前になったかはいまだ不明ですが、クラウドを表す際に雲の絵を使っていたからという説や、提供するサーバーの所在がユーザーから見えずに意識できない、雲隠れしているイメージから来ているという説など、諸説あります。

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クラウドサービスの5つの特徴

さまざまなサービスがいつでもどこでも受けられるクラウドサービスには注目するべき特徴があります。

1. システムの拡張・縮小を迅速に行える

リソースに拡張性があるため、メモリ、CPU含む仮想マシンスペックの変更およびサーバー数などのITリソースの増減を柔軟に行えます。オンプレミスの場合、システムの許容量が超えると新たにハードウェアを用意する必要があり、対応が遅くなるとビジネスチャンスを逃す可能性があります。それを防ぐためにハードウェアをある程度用意しておくこともできますが、維持費が必要になり、結果的に使われなければ無駄な投資になります。

それに対してクラウドなら、アクセスが集中したらサーバー数を増やすなど、必要なときに必要なシステムの拡張が迅速に行えます。また、アクセスが通常に戻ったらサーバー数を減らすこともできるため、費用を最小限に抑えられます。さらに多くのクラウドベンダーで大きな負荷がかかった際に自動でサーバー数を増やしたり、減らしたりする「オートスケール機能」を提供しているため、自社で調整する必要がなく、損失リスクも回避できます。

2. ユーザー自身でWeb画面からシステム設定ができる

レンタルサーバーの場合、サーバーの容量変更などを自由に行えません。しかし、クラウドではユーザーがクラウドベンダーに連絡や許可を取らなくても、インターネットを経由してWeb画面上から自由にサービスの質やリソースの変更ができます。これを「オンデマンド・セルフサービス(On-demand Self-service)」と言います。

3. 複数のユーザーでシステム資源を共有できる

事業者のデータセンターから提供されるリソースは複数のユーザーが共有できます。クラウドが低コストで利用できるのはリソースの共用によって利用効率の最適化が図れるからです。ユーザーはリソースの限度などの詳細について知ることはできませんが、特に制限を意識することなくシステム資源を利用できます。

4. サービス利用量を常に計測できる

クラウドはサービスの稼働状況が常に計測されている状態で運営しているため、使った分だけを支払う「従量課金制」が成立します。つまり、上手く利用すれば、低コストでの運用が可能です。
ただし、自社の規模や用途に合っていないサービスを選ぶと管理や運用コストが増加する可能性があるので、導入前にしっかりと確認をし、導入後は利用状況に応じた設定の見直しを行いましょう。

5. インターネットを通じてアクセス可能

場所や時間を問わずに利用できる点もクラウドサービスの特徴のひとつです。インターネットがつながる環境とスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどの端末さえあれば、いつでもサービスを利用できます。

そのため、わざわざアプリケーションを使うためだけにオフィスに戻ったり、常駐したりする必要がありません。外出先でもクラウドにアクセスさえすれば共同作業が簡単にでき、出張先や在宅勤務での作業もスムーズに行えます。

しかし、弱みとしてインターネットの接続障害やオフライン環境になると何もできない点が挙げられます。クラウドの利便性を発揮するには、インターネット環境が不可欠です。

クラウドサービスの3つの形態

クラウドサービス

クラウドサービスは大まかに3つの形態に分類できます。用途や目的によって利用すべき形態が異なるため、自社に適したサービスを選びましょう。

SaaS:インターネットを経由したクラウドサービス

インターネット経由で事業者が提供するソフトウェアを利用できるサービスのことです。パソコンなどの端末にアプリケーションを設定する必要がなく、ネット経由で必要なサービスにアクセスして利用します。例えば、GmailなどのWebメールなどが該当します。

SaaSのメリットは、クラウドベンダーがセキュリティ対策やメンテナンスなどを行っているため、ユーザーがサービスの管理について考える必要がなく、常に最新のものを利用できます。また、初期費用やランニングコストが低く抑えられるため、導入しやすいです。さらに複数のユーザーでひとつのデータを編集・閲覧するのにも向いており、チーム作業に適しています。

しかし、独自機能の追加や自社のニーズに応じた機能のカスタマイズが難しく、データがクラウド上のみにあるため、データ損失や漏えいの可能性が少なからずあります。

PaaS:自社のプログラムが開発できるクラウドサービス

アプリケーション開発と実行に必要なものを提供するサービスです。システム開発者向けのサービスであり、インターネットを通じて開発に必要な言語やOS、管理システムなどの環境が提供されます。

PaaSのメリットは、ハードウェアやOSなどを用意する必要がないので初期費用が抑えられ、柔軟にスペック変更ができるのでアプリケーション開発および運用コストも安く済ませられます。また、インフラを管理する手間が省けるので、開発や運用に集中しやすくなります。

デメリットは提供されている範囲以上のものを望むことが難しく、オンプレミスやIaaSよりも自由度が低めなことです。PaaSを利用した結果、インフラや基盤からもっと自由にカスタマイズしたいと感じるようであれば、IaaSの利用を検討しましょう。

IaaS:専門知識があれば自由に使えるクラウドサービス

自社の情報システムで必要なストレージやサーバーなど、基本的なインフラを提供します。これにより、インフラを自社で購入・配置する必要がなくなり、必要なときにクラウドを利用するだけでインフラ構築が可能です。

ソフトウェアのみ利用できるSaaSと異なり、IaaSはCPU、メモリなどのスペックに関わる部分も提供の範囲内で自由にカスタマイズできるのがメリットです。また、ハードウェアの交換などのメンテナンスはクラウドベンダーが行うため、自社で管理する必要がなくコストの削減が見込めます。

ただし、使いこなすにはサーバー管理やインフラ設計などの専門知識が必要です。さらにベンダーのセキュリティ負担は基本的なインフラのみのため、ユーザーは自社で開発したアプリケーションやプラットフォームに関してセキュリティ対策を行う必要があります。

Google Cloud(GCP)はGoogleが提供するクラウドサービス

Google CloudはGoogleが提供するクラウド上のサービス群の総称です。Google Cloudの種類はPaaSにあたり、「Gmail」や「Google検索」「YouTube」といったGoogleのメジャーな製品と同一のインフラを使用できるのが特徴です。

自社で信頼性の高いインフラを構築するには費用と時間が非常にかかります。しかし、Google CloudならGoogleで使われている優秀なインフラが初期投資不要で、使う分の費用だけで利用できるため、コストを抑えながら安心して開発に集中できます。

また、ストレージやセキュリティ、ネットワーキング、データベースなど100種類以上のサービスを提供しており、その中でも特に主要なサービスと言えば、ストレージの「Cloud Storage」やビッグデータ分析の「BigQuery」「Cloud Dataflow」、コンピューティングの「App Engine」「Compute Engine」、機械学習の「AutoML」などがあります。

これらのサービスを利用することで、アプリケーション開発やデータベース管理、IoT機器の管理・運用など、さまざまなWeb開発業務を効率的に進められます。しかもGoogle Cloudなら、高度なセキュリティ対策で脅威や不正から守り、優れた通信・データ処理速度でシステム作成が行えます。

Google Cloudのビジネス向けおすすめサービス4選

Google Cloudには数多くのサービスがあり、目的や用途に応じて利用できます。ここではその中でもビジネス向けのおすすめサービスを「ストレージ機能」「ビッグデータ分析」「コンピューティング」「機械学習」の4ジャンルに分けて紹介します。

ストレージ機能:Cloud Storage、Cloud Bigtable

ストレージとは、画像や文章、動画などのデータを保存しておくためのスペースです。
ストレージをクラウド化するメリットは、保守・運用の手間をサービス提供者に任せられること、ファイル共有に便利なこと、保存容量を自由に変更できること、常に最新の状態で利用できること、そして災害発生等のデータ消失に対するリスクヘッジです。

Google Cloudのストレージでおすすめは、「Cloud Storage」と「Cloud Bigtable」です。

Cloud Storageは保存データ量に制限がないオブジェクトストレージです。データの保存やWebサイト コンテンツの提供などの用途で活用できます。料金の異なる4種類のストレージクラスが用意されており、自社に合ったものを選べます。

Cloud Bigtableは高速なデータ転送ができ、通信遅延がほとんどありません。これは膨大なデータの扱いに都合がよく、ビッグデータ分析や機械学習アプリケーションのストレージ、IoTの時系列データの分析などにおすすめです。

ビッグデータ分析:Google BigQuery、Cloud Dataflow

ビッグデータとは全体把握が困難なほど多様で、膨大な量で構成されているデータ群のことです。このビッグデータを分析し、需要の変化予測やビジネスの課題解決などに活用することで、ビジネスに大きな成果をもたらします。

ビッグデータ分析をクラウド上で行うメリットは、自社でハードウェアを購入する必要がないためコストを抑えられる、柔軟に保存容量を変更できる、データを一元化して分析ツールと連携できる、などが挙げられます。

ビッグデータ分析でおすすめのプロダクトは、「Google BigQuery」と「Cloud Dataflow」です。Google BigQueryは機械学習が組み込まれているデータウェアハウスです。データの高速処理に優れており、テラバイトよりも上のペタバイト単位のデータも素早く分析します。データベースの知識がなくても活用できるのも魅力です。

Cloud Dataflowは企業内に独立しているシステムのデータを集約し、適切な形に加工します。AI機能によってリアルタイムな分析ができ、不正行為検出や予測分析、画像や動画のパターン認識などに活用可能です。

コンピューティング:App Engine、Compute Engine

コンピューティングとは、コンピューターの情報処理全般のことを指します。ドキュメント管理、資料作成、システム開発など、パソコンでできることがクラウド上の仮想マシンでも同じようにできると考えてみると分かりやすいでしょう。利用するメリットは、ハードウェアの購入費やメンテナンスコストなどが不要で常に最新のものを利用できること、場所やデバイスの制限がなくなることです。

コンピューティングでおすすめのプロダクトは、「App Engine」と「Compute Engine」です。App Engineは、アプリケーションを開発できるツールです。Java、Python、Ruby、PHPなどの主要なプログラミング言語に対応しています。高い負荷がかかったときは自動スケールでサーバー負荷を調整してくれるため、エンジニアの負荷が軽減できます。

App EngineがPaaSに対して、Compute EngineはIaaSのため、自社ビジネスの目的にあったITインフラをカスタマイズしたい場合に適しています。負荷に応じた自動スケーリングで、ほかのGoogle提供サービスとも連携が可能なため、高度で複雑なアプリケーション作成ができます。

機械学習:TensorFlow Enterprise、AutoML

機械学習とは目的に応じた処理を実現するためにコンピューターにデータを与え、ルールやパターンを見つけ、学習させるための技術です。機械学習を活用することで、コンピューターに自動作業させることができ、人員コストを減らせます。また、大量の画像などを学習・解析させれば、特定や認証に活用できます。

機械学習をクラウドで行うメリットは、初期費用や管理コストを抑えられること、リモートワークに対応できること、最新の環境で作業ができることなどが挙げられます。

機械学習でおすすめのプロダクトは「Tensor Flow Enterprise」と「AutoML」です。TensorFlow Enterpriseは、企業向けのサポートを実現した機械学習用フレームワークです。

一方のAutoMLは、機械学習モデルの構築に必要な一連のプロセスを自動化するツールです。これによって準備プロセスを時短・自動化し、ビジネスニーズに応じた機械学習のトレーニングに集中できます。

まとめ

クラウドとはオンラインを通じてサービスを利用する形態のことです。サービスの形態はSaaS、PaaS、IaaSの3種類があり、用途や目的によって利用すべき形態が異なるため、自社に適したものを選ぶことが大切です。

大手IT企業のGoogleが提供するクラウドサービス「Google Cloud」では、ストレージ機能やビッグデータ分析、コンピューティング、 機械学習など、さまざまな分野で役立つサービスを数多く取りそろえており、低コストで利用できます。

クラウドサービス導入を検討している企業または担当の方は、Googleの「Google Cloud」を検討してみてはいかがでしょうか。

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