クラウドベースのグループウェアの導入を検討していくなかで、Google Apps と Office 365 はよく比較の対象にあげられます。実際、どちらがより魅力的なのでしょうか。本ブログ記事では、まず始めにグループウェアのクラウド化によるメリットと必要性について解説し、次に導入メリットなどの点から Google Apps と Office 365 を比較していきます。
クラウドとは?
「クラウド」つまり「クラウドコンピューティング」とは、ソフトウェアやデータを個々のパソコンに保存するのではなく、インターネット上のサーバーの中に置いておき、必要に応じて取り出して使うインターネットサービスの総称です。
デバイスが多様化・高性能になってきた昨今、パソコンだけではなくタブレットやスマートフォンからシステムを操作したいというニーズが生まれてきました。クラウドサービスが広まるにつれ、いつでも、どこでも仕事ができるようになり働く人の自由度が増しました。これからも強く求められるサービスであることは間違いありません。
なぜクラウドベースのグループウェアが必要とされているのか
ビジネス環境の変化
上述のとおりスマートフォンをビジネスで使う人は増加し、パソコンの環境に依存しないシステムの導入が求められるようになりました。いちいち帰社せずとも外出先でシステムにアクセスできることが、ビジネスのスピードを加速するでしょう。どこからでもシステムにアクセスできる環境があれば、ワークスタイルの多様化による自宅勤務などにも柔軟に対応できます。
コスト面での利点
システムをクラウド化するメリットの一つは、メンテナンスやセキュリティ対策などのシステム管理を開発ベンダーに任せられることです。
オンプレミス型ソフトウェアの場合、社内のシステム担当者への負荷が高くなりがちですが、クラウド化することで運用に充てていた人員を開発や現場リソースに振り分けることができます。そうすることでシステム担当者の作業コストを抑えることができるのです。
ライセンス数や利用する容量をオンライン上で柔軟に変更できることも利点にあげられます。例えば月毎にライセンスを必要とするユーザー数にばらつきがある場合、必要な月のみ契約数を増やすことができます。使用していないライセンスに費用を支払う必要がないので無駄を省けます。容量についても「使った分だけ支払う」というシステムを採用しているサービスが多いので、全体的なコストを削減することができるでしょう。
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クラウドベースのグループウェア導入時に検討すべきポイント
クラウドベースのグループウェアを導入すべきポイントとして見逃せないのは「運用管理をどの程度効率化できるか」です。導入時にかかる初期費用のほかに、運用管理費やシステムの安定性なども必ず確認しておきましょう。
- 運用コストや人員にかかるコスト
- システムの稼働率、安定性
- グローバル対応しているか
- マルチデバイス(モバイルやタブレット)に対応しているか
- 他システムとの互換性
どちらが使いやすい?Google Workspace(旧 G Suite)と Office 365 を徹底比較
それでは、次に Google Workspace(旧 G Suite)と Office 365 を比べてみましょう。どちらも似たような機能やツールを備えていますが、ここでは、そのコンセプトや生い立ちの違いが及ぼすサービス内容に注目してみましょう。
【比較1】コンセプトと生い立ち
Google Workspace(旧 G Suite)
- 100%Web利用の思想で開発されている。
- ブラウザや端末のみで操作を完結できる。
Office 365
- 個々に開発されたソフトウェアをクラウドでも利用できます。
(サービスのアップグレードに合わせて変更、レイアウトの崩れや動作エラーなど、互換性に問題が生じる可能性があります。)
【比較2】システム要件ポリシー
G Sutie
- 100% Web上のサービスなので最新のブラウザで動作する。ブラウザのアップデート費用は無料。
- OSのライセンス追加やバージョンアップは必要ない。
Office 365
- システムはOSに依存し、OSアップグレードの費用が必要となる。
- ソフトウェアの入れ替えや購入が発生する場合がある。
※ 過去には実際に、システム要件にともない、Office2007 のサポート終了前にOffice2010 にアップデートする必要がありました。基幹システムと連携しているエクセルの動作確認やマクロの再作成など、想定外のシステムコストが発生した例もあります。
【比較3】計画メンテナンスとデータセンター所在地
Google Workspace(旧 G Suite)
- 計画メンテナンスはない。
- データは世界中に分散配置されている。
- 利用場所による接続速度の影響がない。
Office 365
- 計画メンテナンスがあり、作業中はサービスを利用できないことがある。
【比較4】アップグレードサイクル
Google Workspace(旧 G Suite)
- 2週間に1回程度のペースで新機能が追加される。
Office 365
- アップグレードが大規模になる場合がある。
- サービスが利用できるかどうかの互換性は自分たちで確認する必要がある。
結局どっちが良いの?メリットを比較
最後に、Google Workspace(旧 G Suite)とOffice 365 のそれぞれのメリットをご紹介します。
Google Workspace(旧 G Suite)のメリット
顧客満足度NO.1
最先端の技術とWeb界のトップランナーである Google が提供しているサービスです。Google Workspace(旧 G Suite)のメイン機能である Gmail は一般ユーザーにも普及しており、それをビジネスで利用できることで安心感を提供しています。
シンプルな運用管理
ソフトウェアの購入やアップグレード等の煩雑な運用管理は一切不要です。100% Webで完結できるシンプルな構成です。
グローバル展開におけるサービスの安定性
世界中のどこからでも操作できる、安定したパフォーマンスを提供しています。
投資対効果の最大化
すでに購入されているソフトウェアは継続利用を希望する限り継続して利用可能。連携できる拡張オプションも豊富にあるので、必要な機能だけを追加できます。
Office 365 のメリット
サポートポリシー
「大幅な変更」は12ヶ月前に通知され、計画的にアップデートが実行されます。
Office の再現性
Office で作成された元ファイルのデータを崩さず表示できる互換性があります。
まとめ
Google Workspace(旧 G Suite)と Office 365 の比較いかがだったでしょうか。
Office 365 はWindows ベースのPCやデバイスに最適化されているため柔軟性が低い点が懸念されますが、
Google Workspace(旧 G Suite)はシステムのアップグレードがOSに依存しないため、運用コストと運用管理のしやすさでのメリットが際立っていました。今回比較した Google Workspace(旧 G Suite)とOffice 365 以外にもグループウェアはたくさん存在していて、利用できる機能にそれほど大きな違いはありません。今回紹介した運用コストやサービスの安定性などが、クラウドベースのグループウェアを導入すべき重要な検討ポイントになるでしょう。
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