独自ドメインは、企業の信頼性に関わる重要な要素の1つです。独自ドメインの取得によって、企業の営業活動や顧客との関係構築にも良い効果をもたらします。独自ドメインの取得を考えている方には、Google Workspaceの利用をおすすめします。Google Workspaceであれば、簡単かつスムーズに独自ドメインの取得が可能です。
この記事では、Google Workspaceで独自ドメインを利用するメリットや料金、取得する方法などをわかりやすく解説しています。Google Workspaceで独自ドメインを取得する際の注意点も紹介しているので、ぜひご覧ください。
独自ドメインとはインターネット上のオリジナルアドレス
Googleが提供しているGoogle Workspaceは、メールやチャット、ビデオ会議、資料作成などのあらゆるアプリケーションをまとめて利用できるグループウェアです。Google Workspaceを導入すれば、独自ドメインを利用してメールの送受信や管理ができます。
Google Workspaceでの独自ドメインの取得について知る前に、まずは独自ドメインの概要を把握しておきましょう。
独自ドメインの概要
独自ドメインとは、世界中に1つしか存在しないドメインのことです。個人か法人かにかかわらず、利用者が自由に記号や文字を並べて作成できます。メールアドレスで独自ドメインを取得する際は「@」以降の文字列を自由に指定できます。「@◯◯◯.com」や「@◯◯◯.co.jp」などというように「◯◯◯」の部分を企業名やサービス名にして利用する場合が一般的です。
ドメインは「独自ドメイン」と「共有ドメイン」の2つに大きく分類されます。共有ドメインの多くは無料で提供されていますが、サービスを提供する企業が所有しているドメインを複数の利用者で共有するため、独自ドメインに比べてカスタマイズ性が高くありません。
2023年6月にGoogleドメインのサービスは提供終了
Googleは、2015年1月から2023年6月までGoogleドメイン(GoogleDomains)というドメイン管理サービスを提供していました。ドメインの購入や管理、Webサイト作成ツールを用いたサイト構築などができ、直感的な操作と優れたセキュリティ機能が魅力だったため、多くの利用者がいました。
現在はGoogleドメインのサービス提供は終了しており、Googleサービスの中では、Google Workspaceで独自ドメインを利用可能です。Google Workspaceでは、メールサービスをはじめとした数多くのアプリケーションを使用できますが、利用するにはプランへの加入が必要です。
Google Workspaceで独自ドメインを利用するメリット
Google Workspaceで独自ドメインを利用するメリットは、以下の2つです。
- 取引先や顧客からの信頼性を高められる
- メールアドレスが識別しやすくなる
それぞれのメリットを確認して、Google Workspaceの導入を検討する際の参考にしましょう。
取引先や顧客からの信頼性を高められる
Google Workspaceで独自ドメインを利用すれば、取引先や顧客の信頼獲得につながります。近年、フリーアドレスを活用したスパムメールや迷惑メールによるサイバー攻撃が多く見られるため、フリーアドレスというだけで不審感を持たれる場合も多くあります。特に新規の取引先や顧客には不審感を抱かれやすいため、安全で信頼できる企業ということをアピールする1つの方法として、独自ドメインの利用が有効です。
GoogleのメールサービスであるGmailを利用する際は「@gmail.com」というドメインのメールアドレスが無料で作成できますが、Google Workspaceでの独自ドメインの取得によって、企業名やサービス名の入ったドメインに変更できます。
メールアドレスが識別しやすくなる
Google Workspaceで独自ドメインを取得することで、メールアドレスの識別がしやすくなるというメリットがあります。取引先や顧客がメールを受信した際に、独自ドメインのメールであれば、他社のメールと混同されることなく自社からのメールであるとすぐにわかります。
フリーアドレスの場合、迷惑メールフィルター設定によって迷惑メールフォルダにメールが振り分けられたり、スパムメールと勘違いされて削除されたりするリスクがあります。一方、独自ドメインの場合はその心配がありません。
また、メールアドレスとコーポレートサイトのURLドメインを同じ独自ドメインに揃えれば、ブランドの一貫性が生まれ、企業イメージの向上にもつながります。
Google Workspaceで独自ドメインを取得・利用するときの料金
Google Workspaceには、以下の4つの料金プランがあります。
料金プラン | 年間契約の場合のユーザー1人あたりの月額料金(税抜き) |
Business Starter(小規模ビジネス向け) | 800円 |
Business Standard(中規模ビジネス向け) | 1,600円 |
Business Plus | 2,500円 |
Enterprise(大企業向け) | 要問い合わせ |
加入するプランによって、ユーザー1人あたりの料金やストレージ、一度にビデオ会議に参加できる人数などが異なります。自社の規模や事業内容を考慮して、プランを選ぶと良いでしょう。
Google Workspaceの申し込みの際に独自ドメインを取得する場合は、別途でドメインを継続利用するための更新料金が発生します。更新料金は1年に1回支払いが必要で、取得する独自ドメインによって料金が変わりますが、年間で2,000〜5,000円が相場です。
Google Workspaceで独自ドメインを取得する方法
Google Workspaceで独自ドメインを取得する方法は、以下の通りです。
- Google Workspaceに申し込む
- 独自ドメイン名を決定・購入する
- 取得した独自ドメインをGmailに登録する
取得方法を確認して、自社で独自ドメインを利用する際の参考にしてください。
Google Workspaceに申し込む
Google Workspaceで独自ドメインを取得する場合は、先にGoogle Workspaceの利用申し込みが必要です。申し込み後に、独自ドメインを購入できます。Google Workspaceの利用申し込みの方法は、以下の通りです。
- Google Workspaceの「利用を開始」をクリックする
- ビジネス名・従業員数・国を入力する
- アカウント管理者の連絡先(氏名・メールアドレス)を入力する
独自ドメイン名を決定・購入する
取得する独自ドメイン名を決定・購入する方法は、以下の通りです。
- 「ドメイン購入」を選択する
- 取得する独自ドメインを決定する
- ビジネス情報(所在地・電話番号)を入力する
- 最新情報・お知らせ通知を設定する
- 独自ドメインのユーザー名(@マークの前の部分)とパスワードを設定する
- CAPTCHA認証をする
- 独自ドメインの年間利用料金や利用規約などを確認して、欄にチェックを入れる
- 支払いに使用するクレジットカード番号を入力する
独自ドメインのユーザー名には、メールアドレスの所有者がわかるように氏名のアルファベット表記を使用するのがおすすめです。これにより、メール送信者が「どの企業の誰なのか」が一目でわかり、相手に安心感を与えられます。
また、独自ドメインのユーザー名に苗字と名前の両方を含めるかどうかや、従業員同士で名前が被った場合のルールを社内で統一しておけば、メールアドレスの管理も簡単です。
取得した独自ドメインをGmailに登録する
独自ドメインを購入した後は、Gmailへの登録を行います。登録完了後に、Gmailで独自ドメインのメールアドレスが利用可能です。独自ドメインをGmailに登録する際は、Google Adminとも呼ばれるGoogle管理コンソール(※1)から行います。Google管理コンソールで独自ドメインをGmailに登録する方法は、以下の通りです。
- Google管理コンソールを開く
- アカウント選択画面で「別のアカウントを使用」を選択する
- 独自ドメインで取得したメールアドレスとパスワードを入力してログインする
初めて独自ドメインでログインする際は、本人確認が必要です。ログインの流れで確認コードの入力が求められるため、スマートフォンに送られた確認コードを入力しましょう。
※1. Google管理コンソール:Google Workspaceのアプリケーションを管理するツール
Google Workspaceに既存の独自ドメインを移管する方法
Google Workspaceで独自ドメインを活用したい場合、すでに取得済みのドメインを移管して利用することも可能です。ここでは、既存の独自ドメインをGoogle Workspaceに移管する際の基本的な流れを紹介します。
ドメイン所有権を証明するTXTレコードを表示する
Google Workspaceでは、利用開始の申し込み後48時間以内にドメイン所有権を証明しなければなりません。Google Workspaceに申し込んだ後は、以下の方法でドメイン所有権を証明しましょう。
- Google Workspaceに申し込む
- 申し込み後に届いたメールからGoogle管理コンソールへアクセスする
- 利用規約を読んで同意する
- 管理者ユーザーアカウントのパスワードを設定する
- 追加利用規約を読んで同意する
- Google管理コンソールのホーム画面から「ドメインの所有権の証明」をクリックする
- Google Workspaceの初期設定の説明がすべて終わるまで「次へ」をクリックする
- 「終了」をクリックする
- Google Workspaceのセットアップガイドが表示されたら「保護」をクリックする
- 「ドメインを保護」をクリックする
- ドメイン保護の「手順1」を確認した後「次へ:手順2に移動」をクリックする
- 確認コードをコピーする
ドメインホストでGoogle指定のTXTレコードを追加する
以下の手順で、ドメインホストでGoogle指定のTXTレコードを追加します。
- ドメインホストの管理画面へログインする
- 種別(Type)にTXT、指定先(Value)にコピーした確認コードをペーストして、TXTレコードを作成する
Google管理コンソールでドメイン所有権を確認する
最後に、以下の方法でGoogle管理コンソールからドメイン所有権を確認しましょう。
- Google管理コンソールのセットアップガイドに戻って、ページ下部の「ドメインの保護」をクリックする
- 表示が切り替わるまで数分待つ
- 完了と表示された後に「続行」をクリックする
- Google Workspaceの初期設定を進める
Google Workspaceで独自ドメインを取得・利用するときの3つの注意点
Google Workspaceで独自ドメインを取得・利用する際には、スムーズに運用するために押さえておくべきポイントがあります。ここでは、導入前に知っておきたい3つの注意点について解説します。
希望のドメイン名が必ず取得できるとは限らない
独自ドメインは、すでに他の企業や組織が使用している文字列では作成できません。Google Workspaceで独自ドメインを取得・利用する際は、希望のドメイン名が取得できない場合に備えて、候補を複数用意しておきましょう。
万が一、希望のドメイン名が取得できなかった場合でも、数字やハイフンを追加することで希望に近い形で取得できる可能性があります。そのため、候補を用意する際は、希望の文字列をベースに数字やハイフンを追加したものをいくつか準備しておくと安心です。
また、独自ドメインは、シンプルもしくは印象に残る名前にすると取引先や顧客に覚えてもらいやすく、営業活動や関係構築の場面で役立ちます。
トップレベルドメインによって用途が大きく異なる
Google Workspaceで独自ドメインを取得・利用する際は、トップレベルドメインを慎重に検討しましょう。トップレベルドメインとは「.com」や「.co.jp」「.net」といった独自ドメインの最後部にある文字列です。トップレベルドメインにはそれぞれ異なる特徴があるため、自社と合うものを選ぶ必要があります。代表的なトップレベルドメインは、以下の通りです。
代表的なトップレベルドメイン | 特徴 |
.com |
|
.co.jp |
|
.jp |
|
日本国内で特に信頼が高いトップレベルドメインは「.co.jp」と「.jp」です。日本での事業をメインとする企業の場合は「.co.jp」もしくは「.jp」を選ぶと良いでしょう。「.com」は他2つと比較して価格が低い傾向にあるため、コストを抑えたい企業におすすめです。
独自ドメインは毎年更新が発生する
独自ドメインを継続して利用するには、1年ごとに更新が必要です。更新ができないとドメインが失効して所有権がなくなるため使用できなくなる上に、他の企業に自社が使っていた独自ドメインを取られてしまうリスクもあります。
Google Workspaceには、ドメインの自動更新機能があります。ドメインの更新漏れを防止するために、あらかじめ設定を有効にしておきましょう。
Google Workspaceで独自ドメインを利用しよう
独自ドメインは、従業員のメールアドレスや企業の公式HPに利用する場合が一般的です。Google Workspaceで独自ドメインを利用すれば、企業の信頼性やセキュリティの向上といったメリットが得られます。
また、ドメインの面倒な移管業務も省けるため、独自ドメインの利用を考えている方は、Google Workspaceがおすすめです。Google Workspaceには、メールだけでなく、社内の業務効率化に貢献するさまざまなアプリケーションが備わっています。Google Workspaceについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Googleの公式パートナーである電算システムは、Google Workspaceの導入支援をはじめとした相談を受け付けています。Google Workspaceを活用したいと考えている方は、電算システムへお気軽にお問い合わせください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- googleドメイン