Microsoft 365やサイボウズ Garoon、desknet's NEOなど、グループウェアにはさまざまな製品がありますが、近年のAI技術の進展を受けてGoogle Workspaceへの乗り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。
Google Workspaceには、推論能力や回答精度に定評があるGeminiが標準搭載されており、ほかにもNotebookLMやNano Banana Proなど、さまざまな生成AI機能を利用できます。また、他社のグループウェアとも互換性が高いうえに、多様な移行ツールも用意されており、スムーズに移行手続きを進められるメリットもあります。
本記事では、他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換えるメリットや方法を詳しく解説します。移行手順や成功させるためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換える4つのメリット
他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換えることで、次のようなメリットが生まれます。
- 幅広い種類のアプリを利用できる
- アプリ同士の互換性が高い
- 高性能な生成AI機能を活用できる
- より安全なグループウェア運用につながる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
幅広い種類のアプリを利用できる
搭載されているアプリの種類が多い点は、Google Workspaceの大きな強みの一つでもあります。具体的には、役割や用途が異なる次のようなアプリが用意されています。
| アプリ名 | 主な用途 |
| Gmail | メールの送受信や受信トレイ・連絡先の一元管理 |
| Google Meet | Web会議の開催・参加や招待URLの発行 |
| Googleチャット | 複数人でのチャットによるコミュニケーションやタスク管理 |
| Googleカレンダー | カレンダー上での予定登録やスケジュール管理 |
| Googleドライブ | ファイルの一元管理や複数人での共有、データ検索 |
| Googleドキュメント | クラウド上でのドキュメント作成や共同編集 |
| Googleスプレッドシート | クラウド上でのスプレッドシート作成や共同編集 |
| Googleスライド | クラウド上でのスライド作成や共同編集 |
| Googleフォーム | オリジナルフォームの作成や編集、回答の自動集計 |
| Googleサイト | Webサイトや社内ポータルなどの作成・編集 |
| Google Keep | クラウド上でのメモ作成や共有 |
| Google Apps Script | Googleアプリとの連携による作業の自動化や機能拡張 |
それぞれのアプリは、メールやチャット、ファイル共有といった社内コミュニケーションの一端を担っています。そして、それぞれを組み合わせることで組織全体の社内コミュニケーションの円滑化や最適化につなげられる点が、幅広いアプリが用意されているGoogle Workspaceの最大の特徴です。
アプリ同士の互換性が高い
Google Workspaceの各アプリには、いずれもGoogleならではのわかりやすいUI・UXが反映されており、使用するための特別な知識や技術を習得する必要はありません。クリックやドラッグ&ドロップの感覚的な操作で使用できるほか、基本設定や共有機能なども視認性の高いアイコンが用意されているため、ITに不慣れな方でも迷わず手続きを行えます。
また、アプリ同士の互換性が高い点もGoogle Workspaceの特徴です。例えば、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドなどで作成・編集した資料は、すべてGoogleドライブで一元管理できます。加えて、Googleカレンダー上でGoogle Meetの招待URLを発行したり、Gmailのメール送信画面からGoogleドライブ内のファイルをワンクリックで添付したりと、柔軟な連携が可能です。複数のアプリを組み合わせることで業務効率の向上が期待できます。
高性能な生成AI機能を活用できる
Google Workspaceを導入すると、以下のような非常に高性能な生成AI機能を利用できます。
- Gemini:
高度な推論能力とマルチモーダルな理解力を兼ね備えたGoogle製の生成AIモデル。自然言語のプロンプトでAIと手軽に対話できる「Geminiアプリ」や、各種GoogleアプリのなかでAIを呼び出せる「Geminiサイドパネル」といった機能が用意されている。 - NotebookLM:
既存の学習データやWebから情報収集を行う一般的な生成AIサービスと異なり、PDFや画像、Googleドキュメントなど、ユーザー自身でデータソースを指定し、その情報を整理できる。参照元となる情報の正確性や整合性をコントロールしやすい点がポイント。 - Nano Banana/Nano Banana Pro:
キャラクターやオブジェクトなど、画像内の被写体の特徴を記憶したまま、別の画像を生成できる。人の表情は変えずに服装だけ変える、被写体や背景はそのままに撮影確度のみ変更するといった処理を、自然言語のプロンプトのみで実行可能。
Google製の生成AIモデルは、数学や科学、コーディングといった各ジャンルのベンチマークにおいて、他社を大きく上回る驚異的なスコアを記録しています。その機能をGoogle Workspace内のアプリ(GmailやGoogleドライブなど)と自由に組み合わせ、文章要約や資料生成、分析、プログラミングといったさまざまな業務で活用できます。
ただし、エディションによって利用可能な機能に差があるので注意が必要です。Business Standard以上のエディションになると、ほぼすべての生成AI機能を利用できるため、料金プラン選択時の参考にしてください。
より安全なグループウェア運用につながる
他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換えるメリットとして、ほかにも安全性を向上できる点があげられます。Google Workspaceには次のような豊富なセキュリティ機能が搭載されており、複雑かつ高度なセキュリティポリシーにも適用できます。
- 2段階認証:
パスワードに加え、スマートフォンへの通知やセキュリティキーを用いた物理的な認証を必須化する機能 - エンドポイント管理:
従業員が業務で使用するパソコンやスマートフォンを一元管理できる機能で、MDM(Mobile Device Management)としても活用が可能 - データ損失防止(DLP):
GmailやGoogleドライブ内のデータをスキャンし、クレジットカード番号やマイナンバーなどの機密情報が含まれている場合、外部への送信や共有を自動的にブロックする機能 - コンテキストアウェアアクセス:
「誰が・どこから・どのデバイスで」アクセスしているかという詳細な文脈(コンテキスト)にもとづいて、アクセス権限を動的に制御する機能 - 管理コンソール:
利用者のアカウント情報やアプリごとのアクセス権限、契約・支払情報などを一元管理できるツール - Google Vault:
GmailやGoogleドライブ、Googleチャットなどのデータを法的要件に合わせて保持・検索・書き出しができるeディスカバリ(電子情報開示)ツール - セキュリティセンター:
組織内のセキュリティ状況を可視化するダッシュボード機能
利用可能な機能の種類は契約するエディションによって異なります。なかでも特にEnterprise以上のエディションでは、ほぼすべてのセキュリティ機能が解放されるため、安全性を重視しなければならない業種や業態におすすめです。
他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換える方法
Google Workspaceに乗り換える方法としては、自社移行とパートナー企業経由での移行の2種類のパターンが存在します。それぞれメリットとデメリットがあるため、両者の違いを理解したうえで選別することが重要です。
自社ですべて(またはほとんど)の移行作業を担うケース
Google Workspaceには、「Google Workspace Migrate」をはじめとする多様な移行ツールが用意されているため、乗り換え時の工数や負担を抑えやすいメリットがあります。例えば、Google Workspace Migrateを活用すれば、1,000ユーザーを超える大規模環境からでもスムーズに既存データを移行できるほか、移行前の事前チェックやログ管理なども実施可能です。
しかし、Google Workspaceへの乗り換えは単なるデータ移行だけでなく、ほかにも管理コンソールの設定や運用ルールの再構築、教育体制の整備、移行後のトラブル対応など、さまざまな手続きを実行しなければなりません。そのため、パートナー企業経由での移行に比べてコストを抑えやすい一方で、専門的な知識や手間が必要で、移行完了までに時間がかかることも念頭に置いておく必要があります。
パートナー企業の移行支援サービスを受けるケース
Googleが認定するパートナー企業では、Google Workspaceの移行支援サービスを提供しているケースも珍しくありません。対応可能な業務範囲は企業ごとに異なりますが、データ移行はもちろん、ユーザー・管理者向けのトレーニングや移行後のトラブル対応など、幅広い支援体制が整っている場合もあります。このような企業に依頼すれば、社内担当者が乗り換え作業に時間を割く必要がなくなり、本来のタスクやコア業務に集中して取り組めるでしょう。
また、移行コストを抑えようと自社だけで無理に手続きを進めた結果、乗り換えに失敗したり、その対応に追われたりすることも考えられます。一方、パートナー企業であれば乗り換えに関するノウハウが蓄積されているため、失敗のリスクを抑えつつ高確度での移行が可能です。
他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換える5つの手順
自社でGoogle Workspaceへの移行手続きを進める場合、次のようなプロセスを経由するのが一般的です。
- 計画策定・事前準備
- トライアル
- 導入・初期設定
- データ移行
- 運用サポート
パートナー企業に依頼すれば、上記のほとんどの業務を担ってくれることもあります。そのため、乗り換えの手順を理解したうえで、「どの範囲を自社でまかない、どの箇所を外注するのか」を決めておくと良いでしょう。
1. 計画策定・事前準備
Google Workspaceへとスムーズに乗り換えるためにも、入念な計画を立て、怠りなく事前準備を行うことが大切です。具体的には次のような事前準備が求められます。
- 現状の課題と移行目的の明確化
- 要件定義
- コストの洗い出し
- ロードマップの策定
- 業務フローの見直し
- KGI・KPIの策定
現在利用しているグループウェアでどのような課題が生じているのか、そして、その課題をGoogle Workspaceでどうやって解決するのかを決めます。そのために要件定義を行い、具体的にどのような機能が必要かを洗い出しましょう。必要な機能が明確になれば、この後に実施するトライアルでも、無償期間を無駄にすることなく効果的に機能性や操作性の検証が可能です。
また、導入時だけでなく導入後(運用中)のことも見据えて、中長期的なロードマップや業務フローを設計する必要があります。現状のグループウェアとGoogle Workspaceでは使い勝手が異なり、それに合わせて業務内容やチーム内でのコミュニケーション方法も変化するはずなので、業務フローが大きく変わることも視野に入れて計画を立てましょう。
2. トライアル
Google Workspaceには14日間の無料トライアルが用意されています。その期間中であれば、上位エディションを含むGoogle Workspaceのすべての機能を無料で試用できます。
ただし、期間がやや短めで、トライアル終了後は自動で有料プランに切り替えられる点に注意が必要です。そのため、トライアル期間中に検証すべき機能や操作性、設定方法などを事前に整理し、スムーズに検証を進められる環境整備が欠かせません。具体的な業務フローを設計し、そのなかでトライアルを進めるのが望ましいでしょう。
3. 導入・初期設定
Google Workspaceの導入や初期設定の際には、次のような作業が発生します。
| フェーズ | 必要な作業 |
| 導入時 |
|
| 初期設定時 |
|
電算システムのように、データ移行支援サービスに加えて導入支援サービスまで提供しているパートナー企業も存在します。専任エンジニアによるQA対応やハンズオントレーニングなどのサポートを受けながら、専門知識がなくてもスムーズにGoogle Workspaceを導入できる点が魅力です。そのため、移行手続きに不安を抱えている場合は、パートナー企業への依頼を検討するのも一案です。
Google Workspaceの導入・初期設定の手順は、こちらの記事で詳しく解説しています。
4. データ移行
既存のグループウェア内で利用しているファイルやメール、カレンダーの予定、連絡先などのデータはGoogle Workspaceに移行できます。例えば、Outlookで管理していたメールをGmailへ、サイボウズ Garoonで使っていたスケジュールデータをGoogleカレンダーへといった形で、従来のデータをそのまま引き継げます。
ただし、データ移行に際して予期せぬ問題が発生する恐れもあるため、事前にテスト移行を実施することが重要です。Google Workspaceでは、試験運用ユーザーを設定して専用移行ツールのテストを行えます。この時点で移行ツールの動作やデータ移行の正確性を確認しておくことで、トラブルの発生リスクの抑制や本番移行計画の軌道修正につなげられます。
本番移行では、業務への影響を見据えて慎重に進めることが大切です。特に移行データ量が多い場合は、一斉に進めるのではなく、部署やグループといった複数の段階に分けることをおすすめします。
なお、電算システムでは、ファイルサーバーデータ移行サービス「ZiDOMA」を使った移行支援の提供も行っています。既存のファイルサーバーからGoogleドライブにデータを移行するにあたり、単に左から右にデータを移すだけでなく、移行元サーバーの状態や保存データの状況、フォルダ階層といった多様な情報をシステム内で一元管理し、移行プランに沿って計画的に手続きを行える点が大きなポイントです。
5. 運用サポート
Google Workspaceの導入やデータ移行が完了すれば、実際の運用フェーズへと切り替わりますが、まだ移行手続きがすべて終わったわけではありません。ユーザーがストレスなくGoogle Workspaceを利用し、よりスムーズな定着につながるよう、運用サポートの体制を整えることも重要です。
例えば、新たなツールの不明点や疑問点を解消するための問い合わせ窓口を設置したり、管理者が即座にフォローできる体制を構築したりと、さまざまな選択肢が浮かびあがります。ほかにも、ユーザー説明会や研修の開催に加え、問題の自己解決が可能な動画マニュアルを整備するのも良いでしょう。
Google Workspaceへの乗り換えを成功させるための3つのポイント
Google Workspaceに乗り換える際は、予期せぬトラブルで計画にズレが生じ、想定以上に手続きに時間や手間がかかることもあります。以下のポイントを押さえて手続きを進めることで、よりスムーズな乗り換えが可能になり、移行手続きの成功につながりやすくなります。
移行が難しいデータも踏まえて計画を立てる
Google Workspaceへの乗り換えでは、既存のグループウェアからすべてのデータを移行できるわけではありません。Gmailで対応していない添付ファイルや一部の共有設定など、移行が難しいデータも存在します。また、移行が完了したとしても、Googleカレンダーで複雑な予定を表示できないなど、Googleアプリの仕様に適合しないことも考えられます。
そのため、移行が難しいデータに関しては手動で再設定するといった形で、別の方法も視野に入れて計画を立てることが大切です。データごとの移行の可否を判別するためにも、事前にテスト移行を実施することも忘れてはなりません。
段階的に移行手続きを進める
既存のグループウェアからGoogle Workspaceへとスムーズに乗り換えるには、段階的な移行手続きが欠かせません。すべてのデータやアカウント、設定内容などを一度に移行しようとすると、予期せぬトラブルによって業務の停滞や重要情報の消失につながる恐れがあるためです。
そこでまずは、少人数のユーザーで構成されたパイロットグループを設定し、部署・チーム単位で少しずつ移行手続きを進めると良いでしょう。そのなかで得られた知見や課題に対するフィードバッグを活用し、徐々に適用範囲を広げることで、組織や業務への影響を最小限に抑えつつ成功確率を高められます。
新旧ツールの併用期間を設ける
Google Workspaceへと乗り換えた後は、いままで利用していたグループウェアもしばらく使い続けることをおすすめします。新旧ツールの併用期間を設けることで、移行データに不備があった場合でも、即座に旧ツールからデータを参照・再移行できます。また、従業員が新たな運用環境に慣れるまでの時間を確保できる点もメリットです。
ただし、あまりにも併用期間が長くなると、乗り換えメリットや費用対効果が薄くなる可能性があります。そのため、旧ツールの解約予定日も想定しておきましょう。
Google Workspaceの料金体系
他社のグループウェアからGoogle Workspaceに乗り換えた場合、費用がどの程度変わるのかを理解しておくことも重要です。Google Workspaceの料金体系は次の通りです。
- Business Starter:月額800円/ユーザー
- Business Standard:月額1,600円/ユーザー
- Business Plus:月額2,500円/ユーザー
- Enterprise:パートナーへ問い合わせ
※上記はすべて年間契約時の価格
より上位のエディションになると、Googleドライブのストレージ容量(最大5TB)や、Google Meetの会議参加人数(最大1,000人)が拡張されます。また、より充実した生成AI機能やセキュリティ機能も利用できるため、利便性や安全性の向上にもつながります。
Google Workspaceの移行支援サービスなら電算システム
電算システムでは、Google Workspaceの乗り換えに関する次のようなサービスを提供しています。
- データ移行支援
- 導入支援(課題ヒアリングやハンズオントレーニング、QA対応、利用状況レポーティングなど)
- ユーザー・管理者向けの個別トレーニング
- Google Workspaceを活用したアプリ開発支援
- Geminiに関するハンズオントレーニングやワークショップ
電算システムはGoogleのプレミアパートナーに認定されており、支援企業3,000社以上かつ代理店更新率98%の実績を誇ります。Google Workspaceに精通したエンジニアやコンサルタントが多数在籍しており、導入から運用まで一気通貫で伴走サポートを行える点が強みです。そのため、他社からの乗り換えだけでなく、Google Workspaceの導入や運用で少しでも不明点があれば、電算システムへ気軽にご相談ください。
Google Workspaceへのスムーズな乗り換えでDXやAXを促進
Google Workspaceには、メール・ファイル管理からドキュメント作成、チャット、Web会議まで社内コミュニケーションを網羅したアプリ群と、Geminiをはじめとする高性能な独自AIという、他社にはない大きな強みを持っています。そのため、他社のグループウェアから乗り換えることで単なる業務効率化の効果だけでなく、DXやAX(AIトランスフォーメーション)の促進にもつながるでしょう。
スムーズな移行を実現するためにも、手続きの手順や選択肢、移行時のポイントなどを十分に理解しておくことが大切です。特に、自社で移行手続きをまかなうか、それとも電算システムのようなパートナー企業に依頼するかは判断が難しいところです。
Google Workspaceではさまざまなパートナー企業が存在し、それぞれ特徴や支援内容が大きく異なるため、時間をかけて慎重に検討する必要があります。以下の資料でパートナー企業の選び方やポイントを紹介しています。無料でダウンロードできるので、ぜひ参考にしてください。
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