Google Chatには、チーム内のコミュニケーション効率化に役立つ「スペース」という機能があります。Google Chatのスペースを活用すれば、ファイルの共有やタスク管理を効率化でき、社内の生産性向上につながります。スピーディーな会話を求める場合は、Google Chatのスペースの活用を検討してみましょう。
この記事では、Googleチャットのスペースの概要や主な機能、利用するメリットなどを解説しています。Google チャットのスペースを効果的に活用する方法もわかる内容になっているので、ぜひご覧ください。
Google チャットのスペースとは?グループメッセージとの違いも解説
Google チャットの「スペース」とは、ツールの代表的とも言える機能の1つです。スペースの概要やグループメッセージとの違いを把握して、Google チャットの基礎知識を身につけましょう。
Google チャットのスペースの概要
Google チャットのスペースとは、複数人での長期的なコミュニケーションを円滑にする機能です。スペースを活用すれば、1つの空間を複数人のコミュニケーションの場として利用でき、チームメンバー同士のスケジュール管理やファイル共有などを効率化できます。
以前は「チャットルーム」という名称でしたが、2021年に「スペース」へと名称が変更されて、機能もアップデートされました。Googleチャットのスペースは、あらゆる企業や団体で実際に多く利用されており、コミュニケーションの活性化に加えて、業務効率化にも貢献する優れた機能です。
Google チャットのスペースとグループメッセージの違い
スペースは、同ツールにあるグループメッセージという機能と混同されるケースが多くありますが、2つは異なる機能です。Googleチャットのスペースとグループメッセージの違いは、以下の表をご覧ください。
スペース | グループメッセージ | |
向いているシチュエーション |
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チャットルームの名前 |
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チャットルームの説明欄 |
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メッセージ履歴の設定 |
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通知 |
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ファイル共有 |
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タスク機能 |
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退出・再参加 |
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スペースは、グループメッセージに比べてより細かい設定ができ、豊富な機能を利用可能です。任意の相手にタスクを割り当てられたり、共有ファイルの一覧を表示できたりするため、複数人でプロジェクトを進める場合に向いています。
グループメッセージは、複数人で素早くコミュニケーションが取りたい場合に向いており、スペースとは異なるメリットがあります。スペースとグループメッセージを状況に応じて適切に使い分ければ、Google チャットをより効果的に活用できるでしょう。
Google チャットのスペースの主な機能
スペースの主な機能は、以下の3つです。
- プロジェクトによってチャットを分ける
- ファイルを一元管理する
- タスクをメンバーに割り当てる
それぞれの機能を確認し、できることを把握しましょう。
プロジェクトによってチャットを分ける
スペースでは、スペースの名前を自由に設定できます。スペース名を任意のプロジェクトや定例会議の名前に設定しておけば、一目で何のチャットルームかがわかります。グループチャットでは、自動的に参加メンバーのユーザー名がチャットルームの名前になるため、プロジェクトのように明確な目的のある集まりのコミュニケーションでは、スペースを活用すると良いでしょう。
また、スペースには説明文も追加でき、スペースの利用目的や運用ルールなどを記載できます。
ファイルを一元管理する
スペースには、スペースにアップロードされた共有ファイルを一覧表示できるファイルタブがあります。このファイルタブを活用すれば、チャットの履歴をさかのぼる必要がなく、目的のファイルを素早く見つけ出せます。
また、ファイルタブから任意のファイルをアップロードした際のチャットまでさかのぼって表示できるため、ファイルの編集指示やファイルが共有された理由などを振り返りたい時の情報確認がスムーズです。ファイルタブを効果的に活用すれば、業務で使用するファイルを一元管理でき、さまざまな業務を効率化できます。
タスクをメンバーに割り当てる
スペースでは、タスクの作成が可能です。作成されたタスクはスペースのメンバーに共有されるため、確認漏れが起きにくく、自分が取り組むべきタスクを円滑に把握できます。
また、作成したタスクは、スペースのメンバーへの割り当ても可能です。タスクを任意のメンバーに割り当てた上で日付や名前などを設定すれば、Googleカレンダーのスケジュールに自動で反映されます。スケジュールでタスクが確認できれば、よりタスクの見落としが起きにくくなり、メンバーと協力して取り組むべき作業の把握が簡単です。
Google チャットのスペースを利用する4つのメリット
Google チャットのスペースを利用するメリットは、以下の4つです。
- チームのコミュニケーションの効率化につながる
- プロジェクト管理を強化できる
- 他のGoogleツールと連携しやすい
- セキュリティ性が高い
使うメリットを正しく理解して、スペースをより深く理解しましょう。
チームのコミュニケーションの効率化につながる
スペースを利用すれば、チーム内のコミュニケーションの効率化が可能です。チームのメンバーがリアルタイムで情報を確認・共有できるため、円滑にプロジェクトを進められます。
また、ファイルやタスクの共有、ビデオ会議なども簡単な操作で実行でき、意思決定にかかる時間を短縮可能です。円滑なやり取りでコミュニケーションにかかる時間も削減できるため、無駄のない効果的なチーム内のコラボレーションを実現できます。
プロジェクト管理を強化できる
Googleチャットのスペースでタスクの作成・割り当てを行えば、プロジェクトの進捗を正確に把握・管理可能です。プロジェクトの進捗を一目で確認できるため、例えば、プロジェクトの進行状況に遅延が見られる場合は、原因を確認して素早く対応できます。Googleチャットのスペースによって、プロジェクト管理を効率化でき、プロジェクトの達成を効果的に支援してくれます。
他のGoogleツールと連携しやすい
Googleチャットは、Google Workspaceというグループウェアに含まれるアプリケーションです。Google Workspaceを利用している場合は、他のGoogleのツールと連携してより便利な機能を利用できます。
例えば
- Gmail
- Google ToDoリスト
- Googleカレンダー
- Googleドライブ
- Google Meet
- Gemini
Google チャットと上記のようなツールを連携して利用すれば、タスクやスケジュールの追加、ビデオ会議の作成などをGoogle チャット上ですべて完結できます。ツールを切り替える時間や手間を削減でき、業務全体の効率化が可能です。
セキュリティ性が高い
Google チャットをはじめとしたGoogle Workspaceのアプリケーションは、Googleで実際に利用されているセキュリティシステムによって安全にデータを保護しているため、安心して利用できるツールです。
ユーザー情報は世界基準のセキュリティによって守られており、スペースにアップロードされたファイルや画像は、Googleのデータセンターで安全に保管されています。データのアップロード中も暗号化によって保護されるため、第三者が不正に閲覧できません。
また、Googleアカウントにはフィッシングやスパムなどを自動で検出・ブロックできる機能もあり、サイバー攻撃から重要な情報を保護してくれます。
Google チャットでスペースを管理する方法
Google チャットでのスペースの管理に関わる操作方法を、以下の3つ解説します。
- スペースを作成する
- スペースを削除する
- スペースから退出する
管理方法を確認して、実際にGoogle チャットのスペースを利用してみましょう。
スペースを作成する
Google チャットでスペースを作成する手順は、以下の通りです。
- Google チャットに任意のアカウントでログインする
- 「チャットを新規作成」をクリックした後に「スペースを作成」をクリックするか、画面左側にある「スペース」にカーソルを合わせたときに表示されるメニューボタンをクリックした後「スペースを作成」をクリックする
- スペース名を入力して「作成」をクリックする
- 新規作成したスペースの画面が表示されたら、画面中央あたりにある「メンバーを追加」をクリックする
- スペースに追加したい相手のメールアドレスを入力して、表示された候補から参加メンバーを選択する
- 参加メンバー全員を入力できたら「追加」をクリックする
スペースを作成するときには「共同作業」または「お知らせ」のどちらかの用途を設定可能です。また、このときにアクセス設定も可能で、社外のメンバーの参加可否を選べます。これらの設定は後で変更ができないので要注意です。メンバーの追加は、以下の手順でいつでも行えます。
- 作成したスペース名をクリックする
- 「メンバーを追加」をクリックする
- スペースに追加したい相手のメールアドレスを入力して、表示された候補から参加メンバーを選択する
- 「追加」をクリックする
スペースを削除する
スペースを削除する手順は、以下の通りです。
- Google チャットに任意のアカウントでログインする
- 削除したいスペースを開く
- スペース名の右側にある下矢印の形をしたアイコンをクリックする
- プルダウンにある「削除」をクリックする
- 表示されたメッセージを確認して「削除」をクリックする
スペースの削除は一度行うと取り消せないため、削除して良いかをきちんと確認してから実行しましょう。
スペースから退出する
スペースでは、退職や部署の異動などの都合に応じていつでも退出が可能です。退出したメンバーの画面ではスペースが表示されなくなり、過去のメッセージやファイルも確認できなくなります。スペースから退出する手順は、以下の通りです。
- Google チャットに任意のアカウントでログインする
- 画面左側にあるスペースの一覧から退出したいスペース名をクリックする
- スペース名の右側にある下矢印の形をしたアイコンをクリックする
- プルダウンにある「退出」をクリックする
- 表示されたメッセージを確認して「退出して削除」をクリックする
誤ってスペースから退出してしまったときは、以下の手順で再参加が可能です。
- 「スペース」にカーソルを合わせたときに表示されるメニューボタンをクリックした後「スペースをブラウジング」をクリックする
- 「スペースを検索」の欄に再参加したいスペース名を入力して、表示された候補から任意のスペースを選ぶ
- 再参加したいスペースの右側にある「+」をクリックする
Google チャットのスペースでメンバーと会話する方法
Google チャットの管理方法を確認した後は、実際にスペースでメンバーと会話する方法を学びましょう。スペースでメンバーと会話する際に必要な操作は、以下の通りです。
- メッセージを送る
- 送ったメッセージを編集・削除する
- スレッドで返信する
- ファイルを共有する
上記の操作方法を実際に試してスペースでメンバーと会話してみましょう。
メッセージを送る
スペースでメッセージを送る手順は、以下の通りです。
【スペースのメンバー全員にメッセージを送る場合】
- 任意のスペースを開く
- スペースの画面下にあるメッセージボックスに任意の文章を入力する
- 送信ボタンをクリックする
【特定のメンバーにメッセージを送る場合】
- 任意のスペースを開く
- スペースの画面下にあるメッセージボックスに@を入力する
- スペースの参加メンバーが候補として表示されるため、メッセージを送りたいメンバーをクリックする(「@全員」を入力すると、スペースのメンバー全員に通知が送られる)
- 任意の文章を入力する
- 送信ボタンをクリックする
送ったメッセージを編集・削除する
スペースでメッセージを編集・削除する手順は、以下の通りです。
【メッセージを編集する場合】
- 送信したメッセージの中から編集したいものを選んでカーソルを合わせる
- 鉛筆の形をしたアイコンをクリックする
- 編集が完了したら「更新」をクリックする
【メッセージを削除する場合】
- 送信したメッセージの中から削除したいものを選んでカーソルを合わせる
- メニューボタンをクリックする
- プルダウンから「削除」をクリックする
- 表示されたメッセージを確認して「削除」をクリックする
スレッドで返信する
Google チャットでは、トピックごとにメッセージを管理できるスレッドでの返信機能が利用できます。スレッドでの返信を活用すれば、メッセージがトピックごとにまとまるため、スペース内を綺麗に整理できます。スペースでスレッドによる返信を行う手順は、以下の通りです。
- スレッドで返信したい任意のメッセージにカーソルを合わせる
- 「スレッドで返信」というアイコンをクリックする
- メッセージボックスに任意の文章を入力する
- 送信ボタンをクリックする
スレッド内で返信や共有があった際に通知が欲しい場合は、フォロー機能の利用が便利です。スレッドでの返信画面に表示された「スレッド」の文字の右横にある「フォロー」をクリックするだけで、通知が届くようになります。フォローを解除したい場合は「スレッド」の文字の右横にある「フォロー中」をクリックするだけで、簡単に解除できます。
ファイルを共有する
スペースでファイルを共有する手順は、以下の通りです。
- スペース名のすぐ下にある「共有中」というタブをクリックする
- 「ファイルを共有」をクリックする
- ファイルの選択画面からスペースで共有したいファイルをクリックする
- 「挿入」をクリックする
- 送信ボタンをクリックする
共有中のファイルは、スペースのチャットルームとファイルタブで確認できます。過去に共有されたファイルを探したい場合は、ファイルが一覧で確認できるファイルタブの利用がおすすめです。スペースでは、Googleドライブ内のデータに加えて、デバイスやハードディスクに保存されたローカルデータも共有できます。
Google チャットのスペースの応用的な使い方
スペースでは、他のツールと連携してより便利な機能を利用できます。他のツールも活用してみましょう。
ToDoリストと連携してタスクを割り当てる
Google Chatでは、Google ToDoリストと連携してスペース内のメンバーにタスクを割り当てられます。メッセージのやり取りをしながらスムーズにタスクの作成・割り当てができるため、積極的に活用しましょう。Google チャットでメンバーにタスクを割り当てる手順は、以下の通りです。
- 任意のスペースを開く
- 「ToDo リスト」タブをクリックする
- 「タスクの追加」をクリックする
- 「タイトル、詳細、日時を追加」を設定する
- 「割り当てる」をクリックする
- タスクを割り当てたい相手のユーザー名もしくはメールアドレスを入力して、表示された候補から任意の
メンバーを選択する - 「追加」をクリックする
割り当てられたタスクは「ToDo リスト」タブにまとめて表示され、いつでもスムーズに確認できます。
Googleカレンダーと連携してミーティングを開催する
Google チャットでは、Googleカレンダーと連携して予定の作成とビデオ会議の設定が可能です。カレンダーの予定作成とビデオ会議を設定する手順は、以下の通りです。
- 任意のスペースを開く
- メッセージボックス内の左側にある「+」をクリックする
- プルダウンから「カレンダーの招待状」 をクリックする
- 画面右側に表示されるGoogleカレンダーで「ゲストを追加」をクリックする
- 予定の参加メンバーのメールアドレスを入力して、表示された候補から任意のメンバーを選択する
- 予定の設定をした後に「保存して共有」 をクリックする
Gmailと連携してチャットの内容をメールに転送する
Google チャットは、Gmailとの連携によりスペース内のメッセージやファイルをメールに転送できます。他の人にメールでメッセージやファイルを共有したい場合に便利な機能です。チャットの内容をメールに転送する手順は、以下の通りです。
- メールに転送したいメッセージやファイルにカーソルを合わせる
- メニューボタンをクリックする
- 「受信トレイに転送」 をクリックする
以下の手順を行えば、GmailからもGoogle チャットの任意のスペースにメッセージを送れます。
- Gmailを開く
- 画面左側にカーソルを合わせる
- 表示されたスペースの一覧から任意のスペースをクリックする
- メッセージボックスに任意の文章を入力する
- 送信ボタンをクリックする
Gmailに戻りたい場合は、スペース名の左側にある矢印もしくはGmailのロゴをクリックしましょう。
Google チャットのスペースでチームのコミュニケーションを効率化しよう
スペースとは、複数人での長期的なコミュニケーションを効率化する機能です。プロジェクトや定例会議などの長期的なやり取りが必要な場合に役立ちます。ファイルの共有やタスクの割り当てが簡単にでき、チーム全体の生産性向上に貢献します。
Google チャットのスペースを活用してコミュニケーションの活性化や業務効率化を実現したい方には、Google Workspaceの導入がおすすめです。Google Workspaceには、メールやチャット、タスク管理、ビデオ会議などを効率化できる便利なアプリケーションが揃っており、Googleチャットも利用できます。また、他のアプリケーションを連携して、業務の効率化を効果的に進められます。Google チャットの導入を考えている方は、Google Workspaceの導入も検討すると良いでしょう。
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