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Geminiアプリの新機能「Personal Intelligence」とは?
仕組みや使い方、活用例を解説

 2026.06.05  株式会社電算システム

2026年1月、Geminiアプリに新しく「Personal Intelligence(ベータ版)」と呼ばれる機能が追加されました。Personal Intelligenceとは、GmailやGoogleフォトなどに蓄積されたパーソナルな情報を参照し、一人ひとりのユーザーに最適化された回答を表示する機能です。ユーザーにとっては自身の嗜好や傾向を何度も提示する必要がなくなり、よりスムーズなGeminiアプリの活用につながります。

本記事では、Personal Intelligenceの特徴や仕組み、各アプリとの連携範囲、利用料金などを詳しく解説します。あわせて具体的な活用例や使い方も紹介しているので、ビジネスシーンでの本格的な活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

GeminiのPersonal Intelligenceとはユーザー個々に最適化された回答が可能な機能

Personal IntelligenceはGeminiアプリに搭載されている機能の一つです。ここではまず、Personal Intelligenceの概要や仕組み、連携範囲などの基礎知識について解説します。

Personal Intelligenceの仕組み

Personal Intelligenceとは、GmailやGoogleフォトなどに蓄積されたデータとGeminiアプリを結び付け、ユーザーの嗜好や行動傾向を理解したうえでパーソナライズな回答を表示する機能です。

例えば、「最近Amazonで購入したパソコンと相性の良い周辺機器を提案して」といったプロンプトを入力すれば、GeminiがGmailからAmazonの購入履歴データを読み取り、それに合う最適な商品を提案してくれます。Personal Intelligenceはデフォルトでオフになっているほか、オンにした場合でも接続するアプリを個別に設定できるため、勝手に個人情報を参照されるリスクはありません。

Personal Intelligenceは、2026年1月14日(米国時間)にGeminiアプリの新機能として提供が開始されました。2026年4月10日現在は、米国の個人ユーザー限定の機能となっており、徐々に対象国・地域が拡大していく予定です。

Personal Intelligenceの連携範囲

2026年4月10日時点では、Personal Intelligenceは次のGoogleアプリと連携が可能です。すべて有効化できるのはもちろん、個別のアプリのみ機能をオンにすることもできます。

  • Gmail
  • Googleフォト
  • YouTube
  • Google検索
  • Geminiアプリ(2026年3月17日から順次展開)
  • Gemini in Chrome(2026年3月17日から順次展開)

Personal Intelligenceの機能がオンになっている状態でGeminiに質問や指示を与えると、Gmailのメール本文や件名、Googleフォトの写真やその日付・位置、YouTubeの視聴履歴、Google検索履歴などの情報をAIが学習し、一人ひとりのユーザーに最適な回答を提示します。このような連携範囲は、対象国・地域の拡大や正式版リリースに伴って徐々に拡張される可能性があります。

Google検索のAIモードにも搭載

Personal IntelligenceはGeminiアプリだけでなく、2026年1月22日(米国時間)にはGoogle検索のAIモードにも機能が追加されました。AIモードでもGeminiアプリと同様、Gmail・GoogleフォトのデータやYouTubeの視聴履歴をもとに高度なパーソナライゼーションが可能で、一人ひとりのユーザーに最適化された内容が検索結果に反映されます。

例えば、旅行先の候補地を検索する際に、過去の旅行先の情報(Googleフォトの観光地の写真やGmailの宿泊先の請求メールなど)をもとにユーザーの好みに合いそうな情報を提示するといった活用が可能です。検索ユーザーからすると自身の嗜好や状況を何度も説明せずに済み、より充実した検索体験につながります。

ChatGPTやClaudeのメモリ機能との違い

他社生成AIサービスであるChatGPTやClaudeには、Personal Intelligenceとよく似た「メモリ」と呼ばれる機能が搭載されています。このメモリ機能では、チャットでのやり取りの内容(ユーザー名や質問の目的、作業履歴など)をAIが記録し、今後の回答結果に反映される仕組みです。しかし、メールや写真といった外部アプリのデータを参照することはできず、そのためには専用プラグインや外部接続サービスを利用する必要があります。

一方のPersonal Intelligenceでは、外部アプリであっても別のサービスを経由することなく、メールや写真、検索履歴といったデータを直接参照し、回答結果に活かせます。もちろんGeminiアプリにもChatGPTやClaudeと同様のメモリ機能が搭載されており、チャット履歴にもとづいた回答の提示が可能です。そのため、Geminiアプリでは、よりパーソナライズ化された生成AI体験を実現しています。

Personal Intelligenceの活用例6選

GeminiアプリのPersonal Intelligenceは次のようなケースで活用が可能です。

  • 出張プランの策定
  • ToDoリスト作成
  • 買い替え候補や関連商品の提案
  • 写真の要約
  • 情報整理
  • 従業員の学習支援

明確なイメージを持つことで、ビジネスシーンでの具体的な活用方法を検討しやすくなります。それぞれの活用例について詳しく解説します。

出張プランの策定

出張準備を行う際は、航空券やホテル、レストランなどの予約メールが散乱し、情報が錯綜して予定を立てるのに時間や手間がかかることも珍しくありません。その点、Personal Intelligenceであれば、簡易的なプロンプトを入力するだけでGeminiがGmailから該当する情報を瞬時に探し、見やすい形で整理してくれます。結果として、よりスムーズな出張プランの策定が可能です。

【プロンプトの入力例】

来週の東京出張に関する情報(フライト日時・ホテルのチェックイン時間・レストランの予約日時)をGmailから探してください。それらの情報を整理して出張プランを策定してください。

ToDoリスト作成

Personal Intelligenceを活用すると、日々Gmailに届く膨大なメールから必要な情報のみを抽出し、GeminiにToDoリストを作成してもらうことも可能です。例えば、長期休暇明けで大量のメールを受信している状態でも、プロンプトを入力するだけでGeminiが情報を整理してくれるため、対応すべきタスクの種類や期日などを即座に把握できます。

【プロンプトの入力例】

「プロジェクトA」に関する過去1週間のGmailを要約してください。また、そのなかから私が対応しなければならないアクションアイテム(ToDo)を箇条書きでリストアップしてください。

買い替え候補や関連商品の提案

迷惑メール設定をしていない限り、Gmailにはオンライン上で購入した商品・サービスの注文明細書やレシート・領収書などのメールが届きます。そのデータを活用すれば、過去に購入した商品・サービスの買い替え候補や、最近買った商品と相性の良い周辺機器・関連商品をGeminiから提案してもらえます。

【プロンプトの入力例】

過去1ヶ月の間にAmazonで購入した商品をリストアップしてください。あわせて、それぞれの商品と相性の良い周辺機器を提案してください。

写真の要約

Personal Intelligenceでは、GmailだけでなくGoogleフォトに保存されたデータも活用できます。例えば、プレゼン中にプロジェクタ内の情報を写真で撮影し、その内容をGeminiに要約してもらうといった活用が可能です。手作業でプレゼンの内容を文字起こしする必要がなく、大幅な作業効率化につながります。

【プロンプトの入力例】

Googleフォトに保存された「プレゼン資料A」に関する写真をピックアップしてください。プレゼンの内容が各写真におさめられているので情報を要約してください。

情報整理

GmailやGoogleフォトに膨大な情報が蓄積されており、必要なデータにアクセスしにくい状態でも、Personal Intelligenceを活用すれば情報整理に役立ちます。Gmailの受信トレイから特定のメールや添付ファイルを探したり、特定の条件でデータを集計したりと、大容量のデータでもGeminiが効率良く情報をまとめてくれます。

【プロンプトの入力例】

2023~2025年の間にA社から受信したメールをピックアップしてください。それらのメールに添付されている請求書のデータを年度別にまとめてください。

従業員の学習支援

YouTubeの視聴履歴をもとに従業員の学習支援に発展できる点も、Personal Intelligenceの特徴でうs。例えば、これまで視聴した技術系コンテンツの内容に近い新たな動画を提案してもらったり、視聴履歴にもとづいた独自の再生リストを構築したりと、さまざまな活用が可能です。

【プロンプトの入力例】

YouTubeの視聴履歴から金型設計に関する情報のみをピックアップしてください。その情報をもとに、ほかにも役立つコンテンツがあれば提案してください。動画時間が1分以内のものは対象から外すこと。

Personal Intelligenceの利用料金

これまでPersonal Intelligenceは、米国のGoogle AI Pro・AI Ultraの契約者のみが利用可能でした。それが2026年3月17日(米国時間)には、GeminiアプリやGemini in Chromeにおいて無料ユーザーにも機能が順次解放されると発表されました。

とはいえ、現状、Personal Intelligenceの機能を利用できるのは、米国の個人ユーザーのみです。日本語での提供や商用利用に関しては、今後のアップデートに期待する必要があります。

Personal Intelligenceのセキュリティやプライバシーに関する懸念点

Personal Intelligenceでは、AIがパーソナライズ化された回答結果を表示するためにユーザーの個人情報を参照する可能性があるため、どうしてもセキュリティやプライバシーに関する懸念が生じ得ます。ただし、セキュリティやプライバシーに関してはサービス提供元のGoogleも最大限の配慮を行っており、次のようなルールやポリシーが設けられています。

  • オプトイン設計と接続範囲の柔軟な調整
  • データの利用範囲や方針
  • Googleアカウントにもとづいたプライバシー保護
  • デリケートな分野でのガードレールの設定

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

オプトイン設計と接続範囲の柔軟な調整

Personal Intelligenceの機能はデフォルトで無効化されており、設定画面からオンにしてはじめて利用できることから、ユーザーが自らの意思で個人情報の提供に同意したことを表すオプトインの思想が採用されています。機能を有効にしない限り、GeminiがGmail・GoogleフォトのデータやYouTube・Google検索の行動履歴を参照することはありません。

また、機能を有効にする際も、GmailやGoogleフォトといったアプリ個別に選択できます。接続範囲を柔軟に調整できる点は、Personal Intelligenceならではの特徴だといえるでしょう。

データの利用範囲や方針

Personal Intelligenceのために取得したデータは、あくまで回答を生成するために参照するものであり、AIモデルの学習に直接利用されることはありません。ただし、プロンプトや回答といったGeminiとのやり取りは、設定や契約プランによって学習に使用される可能性があるため、区別して考える必要があります。

Geminiアプリのプライバシーに関しては、こちらのページに詳細がまとめられています。実際の業務で活用する前にプライバシー保護とデータ利用規定を確認し、自社にとって最適なガイドラインを策定することが重要です。

Googleアカウントにもとづいたプライバシー保護

Personal IntelligenceはGoogleアカウントにログインしている状態でのみ機能します。そのため、ほかのユーザーのGmailやGoogleフォトなどのデータにアクセスすることはありません。

ただし、共有デバイスでGoogleアカウントにログインしたままにすると、ほかのユーザーが第三者の情報を引き出せてしまいます。従って、組織内の複数の従業員がGeminiアプリを利用する際は、利用の度にログアウトを徹底するルールを構築したり、画面ロックを設定したりする対策が求められます。

デリケートな分野でのガードレールの設定

ユーザーの健康状態をはじめ、デリケートな分野ではガードレールが設けられており、事前に情報を推測したり積極的に推論したりしないように設定されています。また、Personal Intelligenceでは、「料理の写真が多いから料理好きと判断して関連コンテンツを推奨してしまう」といった、過度なパーソナライゼーションに発展することも考えられます。

このようなケースでは、回答結果に対して「thumbs down(低評価)」を付けるほか、チャットでその旨を指摘することでパーソナライズ化の程度を緩和できます。

Personal IntelligenceでGeminiアプリをより便利に活用しよう

Personal Intelligenceを利用することで、Geminiアプリで回答を生成する際、GmailやGoogleフォト、YouTubeなどのパーソナルな情報を参照できます。アプリ内に蓄積されたメールや写真、YouTubeの視聴履歴、Googleの検索履歴などが反映されるため、より一人ひとりのユーザーに最適化された回答を生み出せます。

このような仕組みを活用すれば、予約メールや検索履歴をもとに最適な出張プランを提案してもらったり、膨大な写真をもとに情報を要約したりと、さまざまな活用が可能になります。結果としてGeminiアプリの利便性が高まり、業務効率化や生産性向上といったメリットの強化につながるでしょう。

電算システムでは、Google Workspaceだけでなく、Google Workspace with Geminiの導入支援サービスを提供しています。Geminiの活用方法や体系的な知識を学べるハンズオントレーニングやワークショップ、カスタマイズトレーニングを提供しており、Google Workspace with Geminiのスムーズな定着を支援します。Google Workspace with Geminiの特徴や機能、最新情報などに関しては、以下の資料で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。