Geminiは、Googleが開発した高性能な生成AIサービスです。テキストで指示を送るだけで、文章や画像の作成・編集、コードの自動生成、翻訳などのあらゆる作業を瞬時に実行できます。直感的な操作が可能ですが、Geminiの使い方を学べば、より効果的にサービスを活用できるでしょう。
この記事では、Geminiの概要やできること、使い方などについて解説しています。Geminiの使い方をわかりやすく解説した内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
Geminiとは【基本概要】
Geminiの概要や主要モデル、Bardとの違いについて解説します。Geminiの基礎知識を身につけて、サービスの特徴を把握しましょう。
Geminiとは
Geminiとは、Googleが提供しているマルチモーダルAIモデルです。マルチモーダルAIモデルとは、テキストや画像、音声、動画などの異なる複数のデータを同時に学習・処理できるAIモデルです。マルチモーダルAIモデルであるGeminiは、OpenAIが開発した「GPT-4」と違って、プラグインを必要としない特徴があります。
Geminiの3つの主要モデル
Geminiには、現在以下のような3種類の主要なモデルがあります。
- Gemini Ultra:複雑で高度なタスクに対応できる最新の最上位モデル
- Gemini Pro:さまざまなタスクに対応できる汎用性の高いモデル
- Gemini Nano:スマートフォンでの利用を想定して生まれたモデル
Geminiでは、上記のようなスマートフォン向けで省電力をテーマとしたモデルや、大規模な情報処理が可能なモデルが提供されており、ユーザーのあらゆるニーズに対応できます。
Bardとの違い
Bardとは「PaLM2」というGoogleの大規模言語モデルを搭載した生成AIです。GeminiはもともとBardとは異なるサービスとして提供されていましたが、2024年2月に2つのサービスが統合されて、Geminiへと名称が変更されました。現在GeminiのAIモデルは、テキストや画像、音声などを処理できるマルチモーダルな点を強みとした次世代型AIモデルとして進化を遂げています。
GeminiとChatGPTとの比較
ChatGPTは、OpenAIが開発したAIチャットサービスです。人と会話しているようなやり取りができ、チャット形式で知りたい情報を自動で回答してくれます。
Geminiは、単一のモデルがマルチモーダルになっていますが、ChatGPTでは画像認識のモデルやテキスト生成のモデル、音声認識のモデルを組み合わせてマルチモーダルを実現しています。その他のGeminiとChatGPTの違いは、以下の表をご覧ください。
生成AIサービス名 | Gemini | ChatGPT |
概要 | Googleが提供しているマルチモーダルAIモデル | OpenAIが開発したAIチャットサービス |
活用方法 |
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無料プランの有無 | 有り | 有り |
日本語対応 | 有り | 有り |
料金 |
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画像読取・生成 | 可 | 不可(有料プランは可) |
参照する情報 |
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読み取れる文字数 |
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特徴 |
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・情報元:https://gemini.google/advanced/?hl=ja、https://openai.com/ja-JP/chatgpt/pricing/
Geminiでできること
Geminiは、マルチモーダルAIモデルとしての性能を活かして、以下のような処理を実行できます。
- 情報収集
- テキストの作成・要約・翻訳・校正・編集・解析
- 画像認識
- 画像生成・編集
- 音声入力
- コードの生成とプログラミングのサポート
- Googleツールとの連携
Geminiは、検索エンジンであるGoogleと連動しており、情報収集に優れたツールです。物事の説明や言葉の意味だけでなく、天気やニュースなどの最新情報も瞬時に入手できます。
Geminiの便利な使い方10選
Geminiは、以下のようなあらゆる作業に活用できます。
- メール対応
- スライド資料の解説
- 手書きメモの解析
- 文章の添削
- アイデア出し
- Webページの要約
- 動画の自動検索
- 学習支援
- プログラミング
- モックアップ作成
Geminiの便利な使い方を把握して、ビジネスやプライベートのさまざまなシーンで活用してみましょう。
メール対応
Geminiは、Googleの生成AIサービスであるため、他のGoogleサービスと連携してより優れた能力を発揮できます。メール対応においては、Gmailと連携して返信内容を自動生成でき、業務の効率化が可能です。
スライド資料の解説
Gemini Proには、画像解析機能が備わっており、スライド資料の内容を自動で解説してくれます。スライドの内容をわかりやすくまとめるだけでなく、スライドにはない背景情報も合わせて解説できます。
手書きメモの解析
Gemini Proは、画像だけでなく手書きのメモや図なども解析可能です。手書きメモの写真を解析して、内容を瞬時にまとめてくれます。乱雑に書かれたメモでも正確に読み取り、意図を理解して書き起こせるほど精度が高いため、議事録作成や打ち合わせの情報整理などのさまざまな用途に活用できます。
文章の添削
Geminiは、他社の生成AIサービスと異なり、長文でも文章の添削が可能です。文章に含まれる誤字や脱字、誤った表現を指摘して情報を修正してくれます。指示をすれば、言葉の表現や構成の改善を提案したり、文章内の冗長な表現を削除したりもできます。プレゼンテーション資料や論文、小説などのあらゆるものの添削が可能です。また、Geminiは、日本語だけでなく英文の添削もできます。
アイデア出し
Geminiは、1つのプロンプトに対して回答を3つ同時に提案します。アイデア出しにおいても、複数のアイデアを同時に提案してくれるため、効率的な比較検討が可能です。また、ターゲット層やキーワードといった条件を踏まえたメディアの企画提案もできます。
Webページの要約
Gemini Proは、Webページに記載された内容を瞬時に要約できます。「このページの内容を要約してください」というプロンプトと一緒にWebページのURLを貼りつければ、内容を簡潔にまとめて教えてくれます。特定分野の専門サイトや海外のサイトなど、複雑で専門的な情報が含まれている場合や、母国語ではない言語が含まれているときに便利な機能です。
動画の自動検索
Gemini Proは、動画の自動検索もできます。例えば「◯◯の動画が見たい」というプロンプトを送れば、該当する動画リストを自動で作成してくれます。動画のリンクも付けて回答してくれるため、スムーズに動画の視聴が可能です。
学習支援
Geminiは、さまざまな学習を効率化するツールとしても活用可能です。ユーザーのニーズや学習スタイルに応じて、役立つ情報やコンテンツを提供してくれます。例えば「日常でよく使う英単語を教えて」というプロンプトを送れば、条件に合った英単語をリスト化してくれます。Geminiを活用すれば、短期間でも効率良く学習可能です。
プログラミング
Geminiは、プログラミングのコードを自動で作成できます。クオリティの高いコードの作成、与えられたコードの説明、さまざまなプログラミング言語の理解などができ、他の生成AIサービスと比較しても、より高度な能力を有しています。Geminiに作成したいコードの概要を送れば、複雑なものであっても素早く作成可能です。
モックアップ作成
Geminiは、モックアップの作成も可能です。モックアップとは、サービスや製品の操作性や見た目を、プロトタイプの作成前に確認するためのものです。Geminiにサービスや製品のモックアップ作成を指示すれば、例となるコードを回答してくれるため、開発時間を大幅に削減できます。
Geminiの基本的な使い方5ステップ
Geminiの基本的な使い方として、サービスの利用開始から使用までを以下の5つのステップで解説します。
- Googleアカウント作成【未作成の場合のみ】
- Geminiへアクセス
- 質問を入力
- 回答の生成
- 内容の確認
各ステップを参考にしながら、実際にGeminiを使ってみましょう。
Googleアカウント作成【未作成の場合のみ】
Geminiを使うには、Googleアカウントが必要です。Googleアカウントを持っていない場合は、以下の手順で新しく作成しましょう。
2. 画面右上の「ログイン」をクリックする
3. 「アカウントを作成」をクリックする
4. 「個人で使用」をクリックする
5. 自分の名前を入力する
6. 生年月日・性別を回答する
7. 提案されたメールアドレスもしくは「自分でGmailアドレスを作成」を選択して、メールアドレスを設定する
8. パスワードを設定する
9. スマートフォンの電話番号を入力して「次へ」をクリックする
10. SMSに届いた確認コードを入力する
11. 「次へ」をクリックする
12. 再設定用メールアドレスを入力もしくは設定をスキップする
13. セキュリティ保護のために利用する電話番号を入力もしくは設定をスキップする
14. 表示されたアカウント情報を確認して「次へ」をクリックする
15. 「プライバシーと利用規約」を確認して「同意する」をクリックする
Geminiへのアクセス
- GeminiのWebサイトページを開いて「Geminiを試す」をクリックする
- 利用規約とプライバシーを確認して「同意する」をクリックする
質問の入力
Geminiのトップ画面下部にある入力欄に質問を入力します。Geminiを効果的に活用するには、できる限り具体的な質問になるよう意識しましょう。曖昧な質問では、求める回答が得られにくくなります。
回答の生成
画面右下の送信(紙飛行機のアイコン)をクリックします。送信をクリックしてすぐに、質問に対する回答が表示されます。
内容の確認
表示された回答が求める情報であったかどうかを確認します。求める回答でなかったときは、質問をやり直すか「他の方法はありますか」「もっと詳細に教えて」といった質問を追加で投げかけてみましょう。
Geminiの使い方で注意するポイント
Geminiはさまざまなシーンで活用できる優れた生成AIサービスですが、使用する際には注意すべきところもあります。Geminiの使い方で注意するポイントは、以下の2つです。
- すべての回答が正しいとは限らない
- 個人情報をGeminiに送信しない
注意するポイントを確認して、使用する際に役立てましょう。
すべての回答が正しいとは限らない
Geminiの回答は、すべて正しい情報とは限りません。回答の中には、事実ではない情報や存在しない情報が含まれている場合があります。Geminiだけでなく、生成AIサービスではこういった事実かわからないことをあたかも正しい情報かのように回答するハルシネーションと呼ばれる現象が起きます。
Geminiには、回答が正しいかどうかを再確認するダブルチェック機能というものが実装されていますが、必ずしも回答が正確であるとは言い切れません。利用者もこのような生成AIサービスの特性を理解して、重要な情報については細かく正誤を確認する必要があります。
個人情報をGeminiに送信しない
Geminiでは、以下の情報が収集されているとGoogleが公表しています。
- ツール上での会話
- ユーザーの現在地についての情報
- ユーザーのフィードバック
- 関連プロダクトの利用についての情報
Geminiを使う際は、重要な情報がサービスに収集されないように、機密情報の入力は控えましょう。Geminiに重要な情報を送信してしまった場合、Googleのサーバーに情報が3年間保存され、サービスのレビュー担当者に閲覧されたり、機械学習モデルの改善やサービス品質の向上などの目的に利用される恐れがあります。個人かビジネスかにかかわらず、情報の取り扱いには注意が必要です。
高性能AI「Gemini」を活用して業務効率化を実現しましょう
Geminiとは、異なる複数のデータをまとめて学習・処理できる高性能AIモデルです。文書やプレゼンテーション資料の作成、コードの自動生成、動画検索、学習支援といった作業を実行でき、さまざまなシーンで活用できます。ビジネスでGeminiを活用すれば、業務プロセスの大幅な効率化が期待できるでしょう。
Google Workspace with Gemini では、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、GmailなどのGoogleサービスで Gemini や veo 、Notebook LMを活用できます。営業資料の作成、メール本文の作成といった作業を自動化でき、業務効率化が可能です。Google Workspace with Gemini について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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