この記事では、今年11月に開催された「Google Cloud Partner Forum 2025 Osaka」の目玉企画であった「みんなで選ぶ『10 分間プレゼン』コンテスト」で2位に入賞した取り組みをご紹介します。

Speaker:株式会社電算システム ソーシャルイノベーション事業部 長尾 康平
Before:Geminiに出会う前の私
先日、「Google Cloud Japan Partner Forum 2025 Osaka」のプレゼンコンテストで、「もうGeminiなしでは働けない!私の営業活動ビフォーアフター」というタイトルで登壇させていただきました、株式会社電算システムの長尾です。
今回は、そのプレゼンの内容を元に、私がどのようにして生成AI「Gemini」を活用し、営業スタイルを劇的に変えることができたのかを皆さんにお伝えしたいと思います。
機能紹介をするだけの「ロボット営業」
Gemini を使う前の私の営業活動は、正直言って「機能紹介ロボット」のようでした。
- お客様への提案は、機能の説明とデモが中心。
- 商談では、用意されたヒアリング項目を淡々と確認するだけ。
- 『なぜそれが起きているのか』『それを解決してどうなりたいのか』といった深堀り不足
お客様の真の課題にアプローチできていないことは分かっていましたが、先輩のように案件をこなせない自分に焦りを感じていました。
なぜ「ロボット」になってしまったのか?
その原因は、主に2つありました。
- 事務作業による忙殺: 既存顧客の対応に追われ、日々発生する事務作業に時間を奪われ、常に時間が枯渇していました。
- 準備不足での商談: 徹底的な「仮説立て」ができず、深く考えないまま商談に臨む「見切り発車」状態でした。
この悪循環を断ち切るために、私はGeminiの活用を決意しました。

Geminiを活用した劇的な変化(How to)
私がGeminiを営業活動に組み込んだのは、大きく分けて2つのフェーズです。
Deep Research :徹底的な情報収集・分析
商談準備の質を上げるため、Geminiを活用して、お客様の情報を徹底的に深掘りしました。
調査項目(すべてGeminiに依頼)
- 会社概要、経営ビジョン・理念
- 経営計画(中長期)
- 3C分析
- 施策・取り組み(DX・AIに関する情報)
- 個人的に嬉しい!アイスブレイクネタ
これにより、お客様の事業背景や目指す方向性を深く理解した上で商談に臨めるようになり、仮説の精度が劇的に向上しました。

Pick Up:アイスブレイクネタ考案
特に助かったのが、商談相手に合わせたアイスブレイクネタを提案してくれる点です。
以前はアイスブレイクが絶望的に苦手で、「とりあえず天気の話でも…」→当然盛り上がらず、微妙な空気→本題へ、というパターンでした。
今では、Geminiが相手企業に合わせた「刺さる話題」を瞬時に探してくれるため、「何かあったらこれを話そう!」と、気持ちに余裕を持って商談に臨めるようになりました。これは本当に助かっています。

NotebookLM の活用:刺さるアジェンダとヒアリングの準備
さらに NotebookLM を活用して、商談の質を一段階引き上げました。
NotebookLMの活用方法
- 営業スキルアップロード: YouTubeの解説動画や営業レポートをNotebookLMに読み込ませ、私の「営業スキル・ナレッジベース」としました。
- 商談レポート読み込み: お客様との過去の商談レポートを読み込ませた上で、「このお客様に刺さるアジェンダを生成して」と依頼。
- 具体的な質問意図の学習: 疑問に思ったことや、より深いヒアリングを行うための「具体的な聞き方」や「質問の意図」をNotebookLMに教えてもらい、商談のシミュレーションを行いました。
これにより、機能紹介ではなく、お客様の関心事に直結する、より戦略的なアジェンダを作成できるようになりました。

+ α:Deep Research レポート も NotebookLM へアップロード
さらに、Deep Researchで調査した情報をここに投入し、「製品を提案するためのヒアリング内容を考えて」と指示するだけで、かなり具体的な質問内容と、その意図まで教えてくれるんです。
他にも、顧客に刺さりそうな事例のピックアップや想定質問への回答など、商談準備の9割を「Deep Research」と「NotebookLM」で行うようになりました。

After:お客様と「より深い関係」を築く営業へ
Geminiを活用した結果、私の営業活動は劇的に変わりました。
「機能紹介ロボット」からの脱却
以前は機能紹介で終わっていましたが、Deep Researchに基づいた仮説と、NotebookLMで準備した深い質問により、お客様の課題の本質にアプローチできるようになりました。
お客様の事業を理解しているという姿勢が伝わり、信頼関係が深まった結果、会話の内容がプロダクトの機能を超え、より戦略的な内容へとシフトしていきました。

成果:基幹システムSI案件の受注
最も大きな成果は、GWS(Google Workspace)ユーザーとしてお付き合いのあったお客様から、基幹システムのSI案件を受注できたことです。これは、お客様との関係性が「ツール提供者」から「ビジネスパートナー」へと変わったことを示しています。
Gemini を「戦略的な営業パートナー」にしよう
Geminiは単なる作業効率化ツールではありません。
私にとってGeminiは、「質の高い営業準備」を可能にし、お客様との間に「信頼」という名の架け橋を築いてくれた最高の相棒です。
事務作業に忙殺される日々から解放され、お客様の課題解決という最も重要な営業活動に集中できるようになった今、「もうGeminiなしでは働けない!」と心から感じています。
皆さんもぜひ、Geminiを単なる「アシスタント」としてではなく、「戦略的な営業パートナー」として活用してみてください!
- カテゴリ:
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