クラウドストレージの利用を検討している方のなかには、自社に合っているサービスがどれなのかわからないという方がいらっしゃるのではないでしょうか。近年、ICT(情報通信技術)の発達が進み、クラウドストレージの種類が増えて、サービスの選択肢も多くなっています。クラウドストレージの利用を検討する際は、ポイントを踏まえたサービス選びが大切です。
本記事では、クラウドストレージの概要、サービスを選ぶポイント、導入するメリット・デメリットを解説します。クラウドストレージを選ぶ際に役立つ内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
クラウドストレージを選ぶ5つのポイント
クラウドストレージを選ぶポイントは、以下の5つです。
- 料金とストレージ容量
- 拡張性
- 機能性
- 対応端末
- セキュリティ対策
選ぶポイントを把握して、導入する際の参考にしてください。
料金とストレージ容量
クラウドストレージを選ぶ際に重要なのは、料金とストレージ容量の比較です。クラウドへ移行するデータの容量や、今後クラウドストレージに保存するデータの容量を確認して、自社に合ったプランを選びます。
クラウドストレージでは、プランの変更によってストレージ容量をいつでも増やせます。予定よりストレージへ保管しなければならないデータが増えても、プランをアップグレードすれば、問題ありません。ほとんどのクラウドストレージでは、ストレージ容量に比例して、料金が上がります。ストレージ容量を増やしたい場合は、より高い料金プランへのアップグレードが必要です。
クラウドストレージには、コストがかからずに一定のストレージ容量を利用できる、無料プランがあります。ストレージにデータを少しだけ保管したい場合は、無料プランがおすすめです。クラウドストレージで代表的な「Google ドライブ」と「Google Workspace」の料金とストレージ容量を紹介します。
サービス名 | ストレージ容量・料金 | |||
Google ドライブ単体(月額) | 15GB-無料 | 100GB-250円 | 200GB-380円 | 2TB-1,300円 |
Google Workspace(月額) | 30GB-680円 | 2TB-1360円 | 5TB-2,040円 |
拡張性
クラウドストレージは、無料プランから有料プランへ変更する人や、ストレージ容量を増やしたい人におすすめのサービスです。より大きなストレージ容量を利用したい場合に、いつでもすばやく容量が増やせます。クラウドストレージを選ぶ際は、ストレージ容量の拡張性が重要です。ストレージ容量の拡張性が低いサービスは、将来的に業務を妨げる可能性があります。
例えば、利用できるストレージ容量の上限を超える場合、ほかのサービスに移行しなければならなかったり、ストレージに保管しているデータのなかから、不要なデータを探して削除したりする必要があります。クラウドストレージを選ぶ際は、増やせるストレージ容量の上限を、事前に確認しましょう。
機能性
クラウドストレージを選ぶ際は、機能性における以下のポイントが重要です。
- ユーザー別に可能な操作を制限できるか
- 利用可能人数はどのくらいか
- ファイル共有の方法は手軽か
- アップロードの速度が速いか
- 1度にアップロードできるデータ容量が大きいか
クラウドストレージのなかには、Googleカレンダーやチャットツール、スプレッドシートなどの業務で扱うアプリと連携できるサービスもあります。ほかのツールと連携できれば、より円滑に業務を進められます。
対応端末
サービスを選ぶ際は、対応端末の多さもポイントの1つです。ほとんどのサービスが、マルチデバイス対応(※1)ですが、なかにはスマートフォンに対応していなかったり、OSが限定されていたりする場合もあるため、事前に確認しましょう。
※1. マルチデバイス対応:スマートフォンやパソコンなどの異なるデバイスであっても、同様にアクセス・利用できること
セキュリティ対策
企業がクラウドストレージを利用する場合は、サービスのセキュリティ対策も重要です。企業が扱う機密情報は、万が一外部に漏れた場合、トラブルに発展して大きな損失を招く可能性があります。サービスを選ぶ際は、2段階認証やデータの暗号化といったセキュリティ対策がされているかどうかを確認しましょう。
サービスの導入企業のなかに、行政や金融、大手企業、医療などがある場合は、機密情報を安全に保護できる環境である可能性が高いため、安心して利用できます。
クラウドストレージを導入する5つのメリット
クラウドストレージを導入するメリットは、以下の5つです。
- 導入・運用・維持のコスト削減になる
- いつでもどこからでもアクセスできる
- データの共有や共同編集により作業を効率化できる
- データのバックアップができる
- 万が一のリスクヘッジになる
メリットを把握して、自社にどのような利益があるかを確認しましょう。
導入・運用・維持のコスト削減になる
クラウドストレージの導入は、サーバーの導入・運用・維持にかかるコスト削減に有効です。自社でサーバー機器の導入・運用・維持をする場合、専門的知識や多額の費用がかかります。クラウドストレージでは、サービス事業者が提供するサーバーを利用するため、専門的知識や多額の費用も必要ありません。
ほとんどのクラウドストレージはサブスクリプション型になっており、月もしくは年単位の利用料金を払えば、サービスを利用できます。サーバーに関わるコストを抑える方法として、有効な手段です。クラウドストレージは、基本的な機能であれば無料で利用できる場合もあるため、自社に合ってるかどうかを実際にサービスを利用しながら、確認できます。
いつでもどこからでもアクセスできる
クラウドストレージは、インターネット環境とデバイスがあれば、場所や時間にかかわらず、いつでも利用できるサービスです。自宅や職場のパソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットからでも、ファイルにアクセスできます。取引先や関係者などの外部の人とも、デバイス間のデータのやり取りが可能です。ユーザー別にアクセス権限を設定して、セキュリティ対策をしながら、円滑なデータのやり取りができます。
データの共有や共同編集により作業を効率化できる
クラウドストレージを活用すれば、データの共有や共同編集により、作業の効率化が可能です。希望する相手と簡単にデータを共有でき、同じデータの共同編集もできます。リモートワークをしている社員や、外部の担当者とも円滑に業務を進められます。ユーザー別にファイルの閲覧・編集などの権限を設定できるサービスを選べば、安心して外部とのデータ共有が可能です。
また、クラウドストレージに保管されたデータは、すべてクラウド上に保管されるため、デバイスを買い替えても、データの移行は必要ありません。
データのバックアップができる
クラウドストレージのなかには、自動でデータをバックアップできるサービスもあります。自動バックアップ機能があるサービスを利用すれば、手動でデータをバックアップする手間と時間がかかりません。手動でデータをバックアップする場合、どのデータが最新かどうかわからなくなったり、バックアップを忘れたりするリスクがあります。
データのバックアップを管理して、万が一に備えるためにも、クラウドストレージの導入がおすすめです。タブレットやスマートフォンなどのデバイスにも、自動で同期してくれる機能もあるため、より安心して業務に集中できます。
万が一のリスクヘッジになる
クラウドストレージの導入は、デバイスの故障やほかのトラブルから、データを保護する対策になります。デバイスに保管されたデータは、何らかのトラブルでパソコンが起動しなくなった場合、アクセスできません。場合によっては、データの紛失にもつながります。
クラウドストレージに保管しておけば、データがクラウド上で管理されているため、データを紛失するリスクがほとんどなく、安心です。地震や津波などの災害に備えて、社内データをクラウドストレージに保管する企業が増えています。
クラウドストレージを導入する4つのデメリット
クラウドストレージを導入するデメリットは、以下の4つです。
- オフラインで利用できない
- カスタマイズ性が低い
- 絶対的なセキュリティ対策ができない
- いつサービスが終了するか分からない
デメリットを把握して、導入を検討する際の参考にしましょう。
オフラインで利用できない
クラウドストレージは、インターネットを通じて提供されるサービスであるため、基本的にオフラインでは、データにアクセスできません。また、何らかのトラブルでインターネット通信が不安定になっている場合も、アクセスできなくなったり、操作に時間がかかったりして、業務に支障が出ます。クラウドストレージを導入する際は、重要データのみデバイスに保存したり、自社に設置されたサーバーに保存したりする対策が必要です。
カスタマイズ性が低い
クラウドストレージは、自社にサーバーを設置・構築する場合と比べて、カスタマイズ性に優れていません。基本的には、サービス事業者が提供する機能のなかで利用するため、カスタマイズには制限があります。システムのスペックもある程度決まっており、自社に合わせた柔軟なカスタマイズは、ほとんどの場合できません。自社の既存システムと連携したい場合は、事前に連携可能かどうか確認が必要です。
絶対的なセキュリティ対策ができない
クラウドストレージは、クラウド上でデータを保管するため、サイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクがあります。特にサイバー攻撃では、個人のアカウントが乗っ取られるリスクもあり、注意が必要です。例えば、メールを開いた途端に、パソコンがウィルスに感染して、アカウントが乗っ取られる場合もあります。
さまざまな情報セキュリティリスクを低減するには、社員1人1人のネットリテラシーの向上も重要です。信頼できるサービス事業者が提供するクラウドストレージであっても、インターネットを利用している以上、情報セキュリティリスクをゼロにはできません。クラウドストレージに限定される話ではありませんが、サービスのセキュリティ対策とは別に、自社でも対策する姿勢が大切です。
いつサービスが終了するか分からない
クラウドストレージは、サービス事業者によって提供されるサービスであるため、いつ終了するかわかりません。サービス事業者が倒産したり、サービスの提供を止めたりすれば、データ移行や新しいサービス選びなどの急な対応が必要です。例えば、無料プランのみ提供がなくなり、有料プランに変更するか、ほかのサービスへデータ移行するかを迫られる場合もあります。
そもそもクラウドストレージとは?【インターネットを介して利用するデータの保管場所】
クラウドストレージは、インターネットを通じて利用するデータの保管場所またはサービスです。データを保管する場所のURLを相手に共有すれば、いつでも簡単にデータ共有ができます。クラウドストレージは、コストを抑えたいスタートアップ企業だけではなく、自社でサーバーを保有し、ファイル共有を行っていた企業にもおすすめのサービスです。
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クラウドストレージの容量や機能を確認して導入を進めよう
クラウドストレージを選ぶ際は、最初に料金とストレージ容量を比較しましょう。将来的にストレージ容量を大きくする場合に備えて、ストレージの拡張性も重要です。また、ストレージの機能性やセキュリティ対策が充実しているかどうかも、併せて確認します。クラウドストレージは、オフラインで利用できなかったり、カスタマイズ性が低かったりするデメリットがあるため、導入する際はサービス内容を事前に確認しましょう。
クラウドストレージを導入すれば、自社のサーバーを設置・運用する場合と比べて、導入・運用・維持にかかるコストを削減できます。また、インターネット環境があれば、いつでもどこからでもアクセスできる点が魅力です。データの共有や共同編集も簡単にできるため、作業の効率化にも役立ちます。
クラウドストレージのメリットが注目され、サーバーのクラウド化を進める企業が増えています。データ管理の効率化やコスト削減をしたい方は、クラウドストレージの導入がおすすめです。株式会社電算システムでは、クラウドサーバーへの移行について解説した資料を、無料で提供しています。興味のある方は、以下のページから資料をダウンロードしてください。
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