AI技術を活用したサービスに注目が集まっている近年、業務効率の向上やアイデア創出にAIを活用する企業が増えています。業務にAIを活用することで、今まで以上の成果をあげることも難しくありません。AI技術をいかに業務に取り入れるかどうかが、今後の企業の成長を大きく左右するでしょう。
Googleが開発した「Google Bard(Gemini)」も、AI技術を活用したサービスの1つです。業務効率の向上につながる豊富な機能を備えており、円滑な業務進行をサポートします。
この記事では、Google Bardの概要や主な機能、使用するメリット・デメリットなどを解説しています。Google Bardについてわかりやすくまとめた内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
Google Bardの概要を解説
Google Bardは、Googleが開発した「PaLM2」という大規模言語モデルをベースとした対話型AIサービスです。2022年にリリースされ、2023年5月には日本語にも対応し、世界各国で使用されるサービスになりました。
BardはGeminiに改名
Google Bardは、Googleが提供している最新の生成AIモデル「Gemini」の旧名称です。2024年2月に「Google Bard」から「Gemini」へ名称変更されました。より人の会話に近い自然言語のコミュニケーションが実現し、テキストや画像、音声、動画などのあらゆるデータの入力・出力が可能となりました。
Google BardとChatGPTの2つの違い
Google BardとChatGPTの違いは、以下の4つです。
- 回答のリアルタイム性
- 回答の提示方法
サービスの違いを確認して、Google Bardの特徴を把握しましょう。
回答のリアルタイム性
Google BardとChatGPTの違いの1つは、回答のリアルタイム性です。Google BradはGoogleをデータソースとしており、インターネットを介してWeb上のコンテンツ情報を利用しています。一方、ChatGPTのデータソースは、2021年9月以前までのニュース記事や科学学術雑誌、Wikipediaなどの情報です。データソースに最新情報が含まれていないため、Google Bradよりも回答のリアルタイム性が低くなります。
回答の提示方法
Google Bardは、1回の質問に対する回答パターンが3つ用意されており、回答パターンによっては、Googleの検索画面に遷移できる場合もあります。ChatGPTの回答パターンは1つのみで、ブラウザの検索画面への遷移機能はありません。また、回答が1パターンに限られるため、他の回答を見たい場合は、再度質問をし直す必要があります。
Google Bardの主な4つの機能
Google Bardの主な機能は、以下の4つです。
- チャット機能
- 画像認識機能
- コード生成・出力機能
- Google Workspaceアプリへのエクスポート機能
主な機能を確認して、Google Bardの基礎知識を身につけましょう。
チャット機能
Google Bardでは、高性能AIを活用したチャット機能が利用可能です。質問や指示を入力・送信すれば、入力内容に対する回答を示してくれます。例えば、料理の献立や旅行先での予定といった日常的な質問や、プログラミングコードの作成や企業紹介文の作成といった業務に活用できる指示に対して回答を得られます。
回答が求めるものではなかった場合「他の回答案を表示」というテキストをクリックして、他の回答の閲覧も可能です。また、Google Bardのチャット機能では、質問に対する回答の表現方法や長さも変更できます。
画像認識機能
Google Bardの画像認識機能を活用すれば、チャット上に画像をアップロードするだけで画像の情報を得られます。画像に映っているものを回答として表示するだけでなく、画像をもとにした質問に対する回答も可能です。画像認識機能は、ChatGPTでは有料版への加入が必要ですが、Google Bardであれば無料で利用できます。
コード生成・出力機能
Google Bardには、コード生成・出力機能があります。20種類を超えるプログラミング言語に対応しており、プログラミングコードの作成や出力のサポートが可能です。Google Bardで作成したPythonコードは、ReplitやGoogle Colabなどに出力できます。
Google Workspaceアプリへのエクスポート機能
Google Bardでは、サービスを利用して作成したテキストを、GmailやGoogle ドキュメントへエクスポートできます。作成したものが表である場合は、Google スプレッドシートへエクスポート可能です。Google Bardで作成したデータをGoogleのサービスにシームレスに連携できるため、効率よく業務が進み、保存や共有も簡単にできます。
Google Bardを使用する4つのメリット
Google Bardを使用するメリットは、以下の4つです。
- 気軽に導入できる
- Googleツールと連携できる
- 作業効率化につながる
- 情報収集能力が上がる
メリットを確認して、利用を検討する際の参考にしましょう。
気軽に導入できる
Google Bardは、18歳以上のGoogleアカウントを持っているすべての人が利用できます。サービスのアカウントを新たに作成する必要がなく、メールアドレスの登録や認証、パスワードの設定なども不要です。手間がかからず素早く利用を開始できるため、気軽に導入できます。
また、Google Bardは、サービス導入後に社内で定着しやすいサービスと言えます。操作性が高く、専門スキルがなくても扱えるため、ストレスなく業務のサポートに活用できます。
Googleツールと連携できる
Google Bardは、Googleツールとの連携性に優れているため、GmailやGoogleドキュメント、Google ドライブなどとの連携が可能です。Googleツールとの連携により、データのエクスポートや共有が簡単になり、業務効率が向上します。例えば、Google Bardで作成したテキストをGmailのメール本文に貼り付けて、希望の相手へ送信できます。
Google BardとGoogleツールを連携するには、拡張機能である「Bard Extension」の利用が必要です。Bard Extensionによって、Google Workspace(Gmail・Google ドライブ等)やGoogleマップ、YouTube、Googleフライト、Googleホテルなどと連携できます。
作業効率化につながる
Google Bardの利用によって、大幅な作業の効率化が可能です。今まで人が行っていた業務の一部をGoogle Bardが担い、効率よく作業を進められます。Google Bardは、キャッチコピーやプレスリリースの作成、文章の執筆や校正などの幅広い作業ができるため、人の手ですべての作業を行った場合に比べて、短時間で業務を完了できます。
ただし、Google Bardで生成されたコンテンツには、不自然な表現や誤った内容が含まれている場合があるため、業務に活用する際は、情報の確認が必要です。
情報収集能力が上がる
Google Bardは、インターネット上での検索方法の常識を変えた優れたサービスです。Google Bardの登場以前は、何かの情報を調べる場合、検索エンジンを使った情報の検索が一般的な方法でした。検索エンジンは、キーワードを入力して情報を調べられる便利な方法ですが、求める情報が埋もれてしまい見つからないことも多くあります。
Google Bardを使えば、膨大な量のデータから対話形式で求める情報を得られます。検索エンジンで検索した場合と比較して、より簡単かつ短時間での情報収集が可能になりました。
Google Bardを使用する2つのデメリット
Google Bardを使用するデメリットは、以下の2つです。
- 誤った情報が出てくる可能性がある
- チャットを履歴に残せない
デメリットを確認して、利用する際の注意点として把握しておきましょう。
誤った情報が出てくる可能性がある
Google Bardの回答には、古い情報や誤った情報が含まれている場合があります。回答が正しいとは限らないため、表示された情報を信じすぎないように注意しましょう。特にGoogle Bardの回答をビジネス目的で活用する場合は、こまめな情報確認が必要です。
仮に誤った情報が回答に含まれている場合は「事実とは異なる」というフィードバックを送りましょう。利用者のフィードバックが、Google Bardの回答の正確性の向上に役立ちます。
チャットを履歴に残せない
ChatGPTではチャットの履歴を保存できますが、現状はGoogle Bardで履歴の保存機能は利用できません。過去の回答を保存したい場合は、Google ドキュメントに手動でエクスポートして保存しましょう。
Google Bardの活用事例10選
Google Bardは以下のような作業に活用可能です。
- 求人情報の作成
- メロディ・コードの作成
- プログラミングコードの作成
- イラスト・デザインの作成
- 動画の制作
- 文章の校正・校閲
- アイデアの創出
- 言語の学習
- 問題の作成・添削
- データの分析
活用事例を確認して、自社での利用をより具体的にイメージしましょう。
求人情報の作成
Google Bardは、求人情報の作成ができます。求人情報を作成する作業は、Google Bardに以下の情報を送るだけで完了します。
- 仕事の説明
- 求める経験
- 必要なスキル
メロディ・コードの作成
Google Bardは、楽曲制作のサポートにも活用可能です。曲のメロディや歌詞、コードを作成できます。例えば、ピアノの曲のコードを作成したい場合は、Google Bardに「ピアノの曲のコードを作成してください」と入力しましょう。
プログラミングコードの作成
Google Bardは複数のプログラミング言語に対応しており、アプリやWebサイトのソースコード作成をサポートできます。また、既存のソースコードの精査や修正対応も可能です。
イラスト・デザインの作成
Google Bardを活用すれば、イラストやデザインの作成が可能です。例えば、キャラクターを作成したい場合は、「キャラクターのアイデアを作成してください」と入力します。Google Bardが自分だけでは考えつかないようなキャラクターのアイデアを作成してくれるため、アイデアが浮かばず悩んでいる時に便利です。イラストやデザインのアイデアを短時間で得られれば、作業も大幅に効率化できます。
動画の制作
Google Bardは、動画のテロップやナレーション、構成案の作成が可能です。通常、動画制作には膨大な時間がかかりますが、Google Bardを活用して作業を効率化すれば、 制作時間を短縮できます。
文章の校正・校閲
Google Bardは、文章の校正・校閲ができます。作成した文章を送るだけで、誤字脱字や不適切な表現を指摘してくれます。また、誤った情報の修正もできるため、作成したコンテンツの最終確認にも活用可能です。
アイデアの創出
Google Bardを活用すれば、新しいアイデアの創出が可能です。サービスや企画、詩、小説などのさまざまな目的に沿ったアイデアを創出できます。例えば、新しいサービスのアイデアを創出したい場合は、Google Bardに「新しいサービスのアイデアを作成してください」と入力します。
言語の学習
Google Bardは、言語の学習にも活用可能です。単語や文法の学習に加えて、リスニングやスピーキングもできます。Google Bardでは、活用頻度の高い表現が多く表示されるため、実践的な言語学習が可能です。例えば、Google Bardに「ビジネス英語のフレーズ」と入力した場合、実際によく使用される英語表現をまとめて表示してくれます。
また、Google Bardは翻訳もできるため、海外とのやり取りがある企業は積極的に活用するとよいでしょう。
問題の作成・添削
Google Bardを活用すれば、試験問題の作成や添削の効率化が可能です。例えば、外国語や資格の試験問題を作成する場合、Google Bardに「TOEICパート3のような英語の文法問題を作成してください」と入力します。
データの分析
Google Bardは、簡単な指示と必要なデータを入力するだけで、迅速にデータ分析ができます。通常、データ分析には多くの時間と手間がかかりますが、Google Bardを活用すれば、データ分析の効率化が可能です。
また、Google Bardは最新の情報を素早く取得できるため、リアルタイムで為替の値動きや株価指数などの情報を表にまとめられます。記事やニュースをこまめに確認する必要がなくなり、出先でも手軽に最新情報の把握が可能です。
Google Bardを活用して業務効率アップにつなげよう
Google Bardは、Googleが開発した対話型AIサービスで、チャット機能や画像認識機能、コード生成機能などを備えています。Googleツールとの連携により、作成した文章をメールでそのまま送信したり、作成した表をエクスポートしたりできます。
Google BardとGoogleツールを連携するには、拡張機能である「Bard Extension」が必要です。Bard ExtensionによってGoogle BardとGoogle Workspaceを連携すれば、業務効率の向上につながるさまざまな機能を活用できます。
Google Workspaceとは、チームでリアルタイムの共同作業ができるビジネス向けクラウドツールです。従業員間の円滑なコミュニケーションも可能にし、社内の業務効率の向上に大きく貢献します。Google Bardの導入を検討している方は、Google Workspaceも併せて利用するとよいでしょう。Google Workspaceについてさらに詳しく知りたい方は、以下の資料をご覧ください。
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